星にスウィング

レコードとジャズと小話が少々、そんな感じです。

読書

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内容は鈴木の独断と偏見によるものです。あしからず

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叶えられた祈り

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 「冷血」がとても面白かったので(最近出た映画はちょっとまずかったけど)、引き続きトルーマン・カポーティーを読んでいます。彼の未完の遺作「叶えられた祈り」です。一応小説家になる事を夢見つつ、しかし上流階級に対して冷ややかな見方をしている青年が主人公というフィクションでなんだけれど、トルーマンの友人だった有名人の内輪話、暴露話も多数出てくるためにこの小説の一部が公にされた当時は非難轟々だったという代物です。
 別に僕は暴露本が大好きと言うわけではないので、有名人の私生活を暴露してるのが楽しいとかいうつもりはないのですが、でももちろん面白い。確かに当時暴露本扱いされたのもまあむべなるかなという気がしないでもないけれど、この本の本当に力のあるところはカポーティの分身のような破滅的な生き方をしている主人公を通してアメリカ社会への鋭い批判をしている所にあります。そういうディテイルを抜きにしても文章がすごくきれいなので、何となく読んでいても楽しいです。

冷血

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 昨日読み終えました。新訳、トルーマン・カポーティーの「冷血」です。確か最近再映画化されたようなされないような。よく分からない。でも多分きっと映画より原作の方が面白いはずです。といいつつ僕はハリーポッターシリーズはもうめんどくさくなってきて映画で観る事にしましたけど。買うと高いし。

 この冷血は文庫本で600ページほどあるなかなか厚くて濃い本ですが、僕は最後まで退屈せずに読み通せました。基本的に一家四人を惨殺した2人の殺人犯が犯行に及び、そして絞首刑に処せられるまでをじっと辛抱強く丹念に追ったノン・フィクションものですが、そこには複数のテーマが抱合されているようにも思えます。現代の司法制度、殺人の衝動、取材者はどこまでを調べ、書くべきか。そして恐らくは家族制度というものを根本から疑う事からこの本の凄みのようなものが出ているのではないか、というのが僕の意見です。後は偉い先生にでも任せよう。

シベリア民話集

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 旅行中に読もうと思って昨日買って来ました。本を読む暇が一体どれ位あるのか分からないので短編読みきりで、薄くて軽い文庫本がいいなと思って物色した結果これになりました。僕は名前で挫折することの多いロシア文学ですが(ニコライ・ピョートルビチ・ステファン・マカリャーノフとかなんかそういう名前)さすがに民話集なので分かりやすくて助かります。中身も17民族、41話が入っているのでなかなかの充実ぶりです。

 でも民間伝承にありがちな、なんというか、物語の「変さ」みたいなものがかなり色濃く漂っていて、ちょっと読んでみた限りでも「な、何なんだ?これは」という感じで思わずまじになって読んでしまった。
 例えばイテリメンという民族の「かたつむり」という話があります。物語の始まりはいきなりかたつむりが海から出てきて「のそりのそり」と村へやってくる所から始まります。もうこの時点でへんでしょう? そしてこのかたつむり君は村の家々の戸口に立っては「明かりをともしているかい」と尋ねて周り、「明かりをともしているよ」と言われると「この家は明かりをともしているぞ!」と叫ぶわけです。 それでやっと明かりをともしていない家を見つけて上がりこむと好物の木の実をもらうのですが、なにしろかたつむりだから齧れないので口から(かたつむりの口?)よだれがたらたら垂れてくる。するとかたつむりの口からありとあらゆる海の獣が飛び出してきて、家中獣で一杯になってしまった。家人はたまげて明かり皿の覆いをとると、かたつむりは火を見て驚いて飛び上がり「この家は明かりをともしているぞ!」と叫んで海に消えてしまった。そしてこの家の人たちは豊かになり、飢える事はなくなりましたとさ、と物語は終わります。やっぱり変でしょう。フロイトでもユングでもオットーでも誰でもいいけど、ちょっと分析してみてもらいたいですね。

停電の夜に

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 というわけで今日は一日街をぶらぶらしていました。本当はこのあいだ見つけたちょっと洒落たイタリア料理屋でランチ(1000円)を試してみる予定だったのですが、僕等が店の前まで来て見るとしっかりとシャッターが閉まっていて、ガムテープで貼り付けられた紙切れに「定休日」とマジックペンで走り書きがしてあった。こういうのは結構疲れるものですね。
 そんなこんなで、本当は料理が出来るのを待つ間に読むつもりで途中にある本屋で買った、このジュンパ・ラヒリの「停電の夜に」という文庫本もまったく1ページも読めずじまいでした。仕方ないから今夜辺りから、学校が休みで暇なので日中やバイト中レジの中でこっそりと(こら)読んでしまおかと思っています。すごく久しぶりに図書館で借りないで自分で買った本ですし・・・。

 蛇足。僕がよく覗いていた大型書店(5階建て)でこの本を買ったのですが、この本屋でも純文学の文庫本コーナーが半分くらいに縮小されていた。特に外国文学なんて本棚一つ分くらいしかなかった。これはいかに世の中本を読まない人が増えたのか、あるいは海外文学そのものの需要が減少しているということなのだろうか。まあかく言う僕も最近は全然新刊を買わなくなったからあんまり偉そうなことはいえまんせんけれど、でも「レ・ミゼラブル」全6巻のうち1・2巻だけとか「グリーン・マイル」3・4巻だけとか売ってどうするんだよ、と文句の一つも言いたくもなってくる。

精神病棟

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 テスト期間中に大学図書館に寄ってふらりと一冊借りてしまいました。僕は一度面白い本を読み始めるとまず絶対に止まらなくなるので、かなり危険だということは重々承知していたのですが、案の定やっぱり危険でした。結局この2日ほどで一気に全部読んでしまった、ステファン・B・シーガー著「精神病棟」です。ジャンルとしては筆者自身の精神病棟での1年間のインターン経験を綴るというノン・フィクションの体裁を取っています。
 でも今こうしてこの本を読んでいる今のところは精神医学と関わり合いのない読者にとってはそれはフィクションのようにも読めるわけで、この辺の「フィクションでありながら同時にノン・フィクション(あるいはその逆)」という所でぐいぐいと引き込まれて読破してしまった。人の心の遷移のようなものについて、考えさせられることの多い一冊でした。
 
 買うと高いと思うので、図書館等で見かけたら立ち読みしてみることをお勧めします。買うなとは言いませんが。

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