日本国内の温室効果ガスの排出削減、吸収等に関する対策・施策
京都議定書上の6%削減目標の達成及び温室効果ガスの更なる長期的・継続的かつ大幅な排出削減に向けて、政府は、地球温暖化対策推進法に基づき、平成17年4月に京都議定書目標達成計画を策定し取組を進めてきましたが、さらに、目標達成を確実なものとするため、環境省の中央環境審議会地球環境部会及び経済産業省の産業構造審議会環境部会地球環境小委員会の合同会合における検討などを踏まえ、自主行動計画の一層の推進、住宅・建築物の省エネ性能の更なる向上、トップランナー機器等の対策の強化、工場・事業場の省エネルギー対策の徹底、自動車の燃費の改善、中小企業の排出削減対策の推進等の対策・施策の追加・強化を盛り込んだ改定目標達成計画を、平成20年3月に閣議決定しました。
同計画に基づき、今後、各部門において各主体が、それまでの計画に基づく対策及び施策に加え、これら追加された対策及び施策に全力で取り組むことにより、森林経営による吸収量の確保、京都メカニズムの活用と併せて、京都議定書第一約束期間の目標を達成することとしています。
ただし、6%削減目標は、追加対策や既存対策が着実に実施されるという前提で見込んだものであり、今後、経済活動が活発になれば、達成が困難になることも考えられます。このため、今後、適宜適切に計画の進捗状況の厳格な点検と機動的な見直しを実施し、必要な対策の追加・強化を行うことにより、6%削減目標を確実に達成していくこととしています。
ア エネルギー起源二酸化炭素に関する対策の推進
(ア)低炭素型の都市・地域構造や社会経済システムの形成
都市整備事業の推進、民間活動の規制・誘導などの手法を組み合わせ、低炭素型都市構造を目指した都市づくりを総合的に推進しました。
交通システムに関しては、公共交通機関の利用促進のための鉄道新線整備の推進、環状道路等幹線道路網の整備や高度道路交通システム(ITS)の推進等の交通流対策等を行いました。
物流体系に関しては、モーダルシフト関連施策の推進を含め、荷主と物流事業者の連携による環境負荷の小さい効率的な物流体系の構築に取り組みました。
新エネルギーの面的導入に関しては、地域に新エネルギーを集中的に導入する先導的なモデル事業の実施、地域における新エネルギーの高度利用モデル構築に係る技術開発等を進め、新エネルギーの導入促進を図りました。また、バイオマスタウンの構想の推進等を行いました。
(イ)施設・主体単位の対策・施策
自主行動計画は、京都議定書目標達成計画に明記された「政府の施策・制度」と位置づけられており、関係審議会等において定期的な評価・検証を実施しております。
平成19年度は、産業構造審議会、総合資源エネルギー調査会及び中央環境審議会が合同で、経済産業省所管39業種のフォローアップを行い、4業種が新たに計画を策定し、22業種が目標を引き上げたほか、各省庁所管業種についてもそれぞれの審議会等で評価・検証が実施され、全体で10業種が計画の新規策定、13業種が定性的目標の定量化、9業種が政府による厳格な評価・検証の対象化、35業種が目標の引き上げを実施し、自主行動計画の拡大・強化が行われました。
住宅・建築物の性能の向上と環境負荷の低減を総合的な環境性能として一体的に評価し、その結果を分かりやすい指標として提示する建築物総合環境性能評価システム(CASBEE)の開発・普及を推進しました。
(ウ)機器単位の対策・施策
自動車に関しては、クリーンエネルギー自動車を含む低公害車の開発・普及の促進を図るため、民間事業者等に対する購入補助を実施したほか、自動車税のグリーン化、低公害車を取得した場合の自動車取得税の軽減措置等の支援等を実施しました。
機器における対策では、トップランナー基準の拡充を行うとともに省エネラベリング制度や統一省エネラベル、省エネ型製品販売事業者評価制度により、家電製品の省エネ性能に関する情報提供を行い、家電メーカー、小売事業者及び消費者団体など関係者が連携しながら、省エネ家電の普及を図る省エネ家電普及促進フォーラムを設立しました。
さらに、CO2排出低減が図られている建設機械の普及を図るため、これら建設機械の取得時の融資制度を措置しました。
イ 非エネルギー起源二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素に関する対策の推進
廃棄物の最終処分量の削減や、全連続炉の導入等による一般廃棄物焼却施設における燃焼の高度化等を推進しました。
また、下水汚泥の焼却に伴う一酸化二窒素の排出量を削減するため、下水汚泥の燃焼の高度化を推進しました。
ウ 代替フロン等3ガスに関する対策の推進
代替フロン等3ガス(HFC、PFC、SF6)は、オゾン層は破壊しないものの強力な温室効果ガスであるため、その排出抑制については、京都議定書目標達成計画において、基準年総排出量比1.6%減の目標を設定しました。
この目標に向け、業務用冷凍空調機器からの冷媒フロン類の回収を徹底するため、平成19年10月に特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(平成13年法律第64号。以下「フロン回収・破壊法」という。)の一部改正法が施行されました。
また、産業界の自主行動計画の進ちょく状況の評価・検証を行うとともに、行動計画の透明性・信頼性及び目標達成の確実性の向上を図りました。
さらに、冷媒にフロンを用いない省エネ型自然冷媒冷凍装置の導入への補助事業等を実施したほか、断熱材の処理技術に関する報告をまとめ、都道府県や関係団体への普及を行いました。
エ 温室効果ガス吸収源対策の推進
温室効果ガス吸収源対策の推進を図るため、二酸化炭素吸収源である森林の適切な整備・保全等を推進しました。また、京都議定書目標達成計画で目標とされた森林による吸収量1,300万炭素トン(基準年総排出量の3.8%)の確保を図るため、健全な森林の整備、保安林等の適切な管理・保全等の推進、木材及び木質バイオマス利用の推進、美しい森林づくりの推進等の総合的な取組を内容とする森林吸収源対策を展開しました。
横断的施策
ア 温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度
地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号。以下「地球温暖化対策推進法」という。)に基づく温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度により全国の14,225事業所(7,505事業者)及び1,439の輸送事業者から報告された平成18年度の排出量を集計し、平成20年3月28日に結果を公表しました。今回報告された排出量の合計は二酸化炭素換算で6億4,286万トンで、我が国の平成18年度排出量の約5割に相当します。
イ 国民運動の展開
地球温暖化防止のために政府が推進する国民運動「チーム・マイナス6%」を引き続き推進し、夏期の冷房設定を28℃にして快適に過ごすビジネススタイル「クール・ビズ」の実施を各企業へ呼びかけるとともに、パブリック・スペースや大型商業施設、映画館や銀行等での理解・実施を推進しました。
また、冬期の暖房設定を20℃にして快適に過ごすビジネススタイル「ウォーム・ビズ」の実施を各企業へ呼び掛けるとともに、家庭から排出されるCO2量が増加傾向にあることから、2006年の冬から「ウォーム・ビズ」の取組などを「オフィス」から家の中まで広げ、衣食住を通じて「家(うち)」の中からできる温暖化対策「うちエコ!」を推進しています。
ウ 公的機関の率先的取組
地球温暖化対策推進法及び「京都議定書目標達成計画」に基づき平成17年4月に閣議決定された「政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画(政府の実行計画)」において、政府は自らの事務及び事業から排出される温室効果ガスを18年度までに13年度比で7%削減することを目標としていました。
平成18年度における政府の事務及び事業に伴い排出された温室効果ガスの総排出量は170.6万トン(平成13年度値の14.5%減)となりました。
また、政府の実行計画が平成18年度に終了したことを受けて、19年度から24年度までの期間を対象とする新たな実行計画を19年3月に閣議決定しました。この新しい計画では、22年度〜24年度の平均の温室効果ガス排出量を、13年度比で8%削減することを目標としています。
地球温暖化対策推進法においては、地域レベルでの取組を推進するため
[1]地方公共団体の事務・事業に係る実行計画の策定義務付け
[2]地方公共団体は、区域の自然的社会的条件に応じて、温室効果ガスの排出の抑制等のための総合的かつ計画的な施策(地域推進計画)の策定に努めること
[3]都道府県は、地域における普及啓発活動や調査分析の拠点としての都道府県地球温暖化防止活動推進センター(都道府県センター)を指定できること
[4]都道府県は、地域における普及啓発活動を促進するために地球温暖化防止活動推進員を委嘱できること
[5]地方公共団体、都道府県センター、地球温暖化防止活動推進員、事業者、住民等により組織することができる地球温暖化対策地域協議会を通じたパートナーシップによる地域ごとの取組の推進等を図ることと
しています。
エ 環境税等の経済的手法
環境税等の経済的手法については、第7章第8節参照。
オ 国内排出量取引
確実かつ費用効率的な削減と取引等に係る知見・経験の蓄積を図るため、2005年度より自主参加型の国内排出量取引制度を実施し、現在まで150社の企業が参加しています。2005年度から開始した第1期については、参加した31事業者全体で、約束された21%の排出削減を上回る29%の削減を実施しました。
なお、京都議定書目標達成計画において、中期的な我が国の温暖化に係る戦略を実現するという観点も含め、2007年度の評価・検証により見込まれる、産業部門の対策の柱である「自主行動計画の拡大・強化」による相当な排出削減効果を十分踏まえた上で、他の手法との比較やその効果、産業活動や国民経済に与える影響、国際的な動向等の幅広い論点について、具体案の評価、導入の妥当性も含め、総合的に検討していくべき課題と位置付けられています。
転載元: おおさかATCグリーンエコプラザ 水・土壌汚染ラーニング
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