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夢から覚め、時計を引き寄せ、時間を見た。
明け方4時。
早く寝たせいだろう。意識ははっきりしている。布団から這い出し、少しくらくらする頭を振りながら、戸を開け、空を見た。
はるかシベリヤから渡ってきた寒気がさっと部屋に忍び込む。
家並みの少し上、
東南の空低く、金星が、他の星を圧倒するかのように、生まれたばかりの彗星のように輝いていた。
冷たく澄んだ空気に、その光が三角に散じる。
久しぶりに胸の底が熱い。
ずっと、考えている。
ずっと。
そして、少し重く。
家族のことも考える。
何が、一番大事なことかを考える。
気が付くと、空が少しだけ明るくなって、明星以外の星たちは姿を消した。
摩天楼にいたときも、一度だけ、こうなった。
お前は、いったい何人の女を愛したら気が済むのだ。
もう2度とこうはならないと思ったのに、また、繰り返す。
いや、今度は本物かもしれないと、恐れる。。。
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