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今夜も北の空低く上限の月が上がった。
月の形には色々あるが、ぼくは、この形が一番好きだ。
品があって、それで、女々しさもない。
今日のような寒く空気の澄んだ夜には特によく似合う。
いつから月を見るのが好きになったのか。。。
北欧でも、カリフォルニアでも、天安門の上にも、そして、マンハッタンの摩天楼の上にも月は、いつも静かに鎮座していた。
ときには空高く、明るく満月の光を放ち、ときには、地平線の上に大きくその姿を現したり、ときには、新月と称してその姿を消す。
そんな月達に何かを語り掛けたくもなるが、それは愚かなことだ。
彼らを見るのには言葉などいらない。
ただ勝手に頭の中で始まる物語にそっと心を配ればよいだけだ。。。
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ふと、思うこと
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OL風の推定アラサー。しかも、背の高い少し派手目の美人である。
その彼女。いつも慌てたように走っている。出勤時間に遅れまいとしているとは思うが、ほぼ毎朝である。
髪型も身に着ける服も毎日違うが、慌てながら僕の横をすり抜けていく姿はいつも同じである。
そして、真剣な顔をして脇目も振らず横断歩道をダッシュで渡り、ビルの谷間へと消えていく(おそらく、ぼくは彼女の眼中にはない)。
しかも、出勤途上であることは間違いないが、JRの駅とは反対の生活圏のない高層ビル街の方から小走りにやってくる。
正確に言うと、ビルの中からである。
そもそも、どかから来るのか?
素知らぬ他人のプラーベートをあれこれ詮索するのは悪趣味に属するが、何とも釈然としないのである。
まあ、どこでも女性がバタバタと走るシーンはよく目にするけど・・・特に、朝は。
でも、不思議な女性である。
どうでも良い話ですがね。。。ちょっと気になるのですよ、さすがに、毎回だとね。。。
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久しぶりに、この本を開けた。
ふたりの旧友に会うためだ。
ひとりは、名のない指の欠けた少女。そして、もうひとりは、鼠(RAT)。
彼らはぼくの脳裏のどこかに生息しているが、しばらく会わないと彼らの顔が分からなくなる。だから、ときどき確かめたくなる。
本当は見たことも話したこともないのに、ぼくにとって、このふたりは実在するものよりリアリィティーを感ずる。
本を読みながら、「やあ、久しぶり」と声をかけてしまう。そんな彼らだ。
とくに、「鼠」の姿は、ぼくの実在する友人の「スケル」とダブル。
いつも寂しそうだけど茶目っ気のある鼠の姿は、スケルと似ている。
いや、瓜二つと言ってよい。
スケルとは、偶然、同じ年に、同じ大学に入った。
高校が違うこともあって、友達の友達の友達といったところで、予備校に通っていた頃は、決して親しい間柄ではなかった。
彼は、どちらかというと孤独でシャイな男で、予備校にも行かず、朝から、パチンコ屋にひとりで.籠っている方が似合うやつだった。
でも、彼は不思議とパチンコで負けることもなく、いつも、コインを山のように抱えていた。パチスロの腕は、匠の境地に達していたのかもしれない。
その頃は、そんな彼とは、よう!と言うぐらいの会話くらいしか記憶にはない。
それが、入学早々から、いつも一緒にいるようになった。
ふたりとも、最初は授業に出て、まじめにガイダンスも聞いた。
でも、5月に入ると、大学の授業に出るのが億劫になり、ベンチで本を読んだり、学食でふらふらと友人たちと雑談ばかりするようになった。そんなとき、スケルからこれから、車で遊びに行こうと誘われた。
彼は、鼠と同じように、金持ちの息子で、大学に入るとすぐに、親からコロナ2000GTを手に入れていた。
四角い形で、しかも色もグレーで見た目は大人そうな車だったが、ひとたび動き出せば、ブリブリと音を上げながらあっという間に加速力する、「すげえ!」車だった。
夏が来た。
ふたりとも泳ぎは得意だった。
たまたま、ふたりとも中学の時は水泳部にいたからだ。
でも、遠出するほどぼくらは冒険家ではなかった。
だから、その車で、向かったのは湘南の海ではなく、神宮プールだった。
毎日、厭きもせずに通った。
特段泳ぐのが目的ではなかった。
ふたりとも夏の太陽と空が好きだっただけだ。
プールサイドで日光浴をしながら、一日中おしゃべりをした。
可愛い女の子を見つけても、ナンパなどせず、遠目から彼女たちの性格分析をしたては、笑い転げた。
そして、そのあと、渋谷の道玄坂でよく飲みに行った。
片腕のないマスターのいるジャズバーがぼくらの行きつけになった。
マスターは背の高い、30代(多分?)の二枚目だったが、無口で、目つきの鋭い大人だった。
だから、腕がないのは、以前ヤクザをやっていたときに刀で切り落とさたんだろうと話し合っていたが、最後まで、真実を尋ねることはできなかった。聞いたら殺されるかもしれないと恐れたのだ。
ボトルは決まって、ホワイトだった。
あのころは、レッドを飲むか、ホワイトを飲むしか選択肢はなかった。
ぼくは、あの頃、ビールも日本酒も飲めなかったが、ウィスキーの水割りなら結構飲めた。
ある日、ふたりで大酒を飲んだ。そして、奇声を発しながら、街を走り、置いてくつもりで駐車してあった車に乗り込んだ。
酔っぱらった彼の運転で、車を走らせた。
ガードレールに何度もぶつかりながら、走リ出した。
ぼくは彼の滅茶苦茶な運転に大笑いした。
そして、最後には運悪く、品川の駅前の警察署に突っ込んで、車は大破した。
そのとき、寝息を立てているスケルを見て、こいつは大物だと感心した。
ぼくは、たばこを吸いながら、「すいません」と近寄ってきた警官に笑いかけたらその場で殴られた。
でも、運よく、あの夜以来、ぼくは豚箱には入っていない。
ぼくは、いつも何かをしなければならないと、焦っていた。
誰かを愛さなくてはならないと、焦っていた。
でも、それが何か、そして、誰かが分からなかった。
・・・
いや、今でもその答えはわからずに、いる。
もう、子供も巣立った人生も終盤なのに。。。
そして、その答えなどどこにも書いていないと知りつつ、また、この本を読んでいる。。。
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夢から覚め、時計を引き寄せ、時間を見た。
明け方4時。
早く寝たせいだろう。意識ははっきりしている。布団から這い出し、少しくらくらする頭を振りながら、戸を開け、空を見た。
はるかシベリヤから渡ってきた寒気がさっと部屋に忍び込む。
家並みの少し上、
東南の空低く、金星が、他の星を圧倒するかのように、生まれたばかりの彗星のように輝いていた。
冷たく澄んだ空気に、その光が三角に散じる。
久しぶりに胸の底が熱い。
ずっと、考えている。
ずっと。
そして、少し重く。
家族のことも考える。
何が、一番大事なことかを考える。
気が付くと、空が少しだけ明るくなって、明星以外の星たちは姿を消した。
摩天楼にいたときも、一度だけ、こうなった。
お前は、いったい何人の女を愛したら気が済むのだ。
もう2度とこうはならないと思ったのに、また、繰り返す。
いや、今度は本物かもしれないと、恐れる。。。
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満員電車でよく足を踏まれるのは、ひとつには、靴の形のせいもある。
今履いている靴はいわゆるロングノーズなのだ。
一般的には、50代のおっさんが履く靴ではない。
2年ほど前、靴を買おうとしたとき、一緒にいた息子が、こっちの方が良いよ、と言って指差したのがロングノーズだった。
「やだよ、こんなの」と思わず口をついたが、愚息の言うことに従うのもたまには良いかと思って、買ったのだ。
履き心地は確かに良いし。
この靴のおかげで、つめを傷めることはなり、歩くことは確実に楽になった。
でも、問題は、満員電車。
やたらと踏まれる。
だから、出勤の前に靴先を磨くのが習慣となった、、、、、
それだけの、話である。失礼。
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