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S君と15年ぶりに再会した。
再会と言っても、彼は、終始無言だった。
それは、当たり前だ。
墓の下にいれば、しゃべれないからだ。
昨年、別の旧友が亡くなったとき、S君のことを思い出し、機会があれば、墓参りに来たいと思っていた。
それが、実現した。
彼の通った中学と高校の同窓生が、毎年、この季節になると、墓のあるこの八柱霊園に集まると聞き、参加させてもらったのだ。
彼を慕う人間は多い。香港や宮崎からやってきた面々もいるくらいだ。
S君は、ぼくの小学生のときの大親友だった。
兄弟よりも長い時間を彼とは過ごした。
彼のカラカラッとした豪快な笑い声が今でもぼくの頭によみがえる。
15年前の彼の葬儀のときのように、空は雲ひとつなく晴れ渡っていた。
そして、その下に、まるで、凛々しく立ち上がったS君のような大きな杉に木が、そよ風を受けている。
ぼくは、その杉を見て、今更ながら、S君が死んでしまったことを悲しく感じた。
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