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山口素堂の漢詩文について 四山瓢名(五言絶句)。貞享3年(1686)素堂、45才。
 
一瓢重岱山。自笑称箕山。勿慣首陽山。這中飯顆山。
一瓢は岱山より重く、自から笑ふて箕山と称し、首陽山に慣れること勿かれ、這(こ)の中に米粒の山あり。
《解説》
岱山−岱山(泰山)は中国山東省にある名山で五岳の一山。
箕山−箕山は古代堯の代に許由が隠遁した故事で退隠の語を意味する。
首陽山は周の武王が暴君殷の紂王を伐とうとしたおり、家臣の伯夷・叔斉の兄弟が君臣の道を説いて諫めたが聞き入れられず。(  )が滅び周が興った時「周の粟を食むを恥じて」首陽山に隠れ。蕨を採って喰い遂に餓死した故事を云う。
素堂の云おうとしているところは、「この一瓢は揺るぎない岱山よりも重いが、自ら笑って退隠と称するなら、首陽山に隠れた伯夷の兄弟に習うことはない。肩肘張らずに気楽にしなさい。この瓢の中には米粒が山ほど入っているよ。
《参考》
 素堂が芭蕉の死後書いた「芭蕉庵六物の記」の文中には、
ある人芭蕉庵にひさこ(瓢)をおくれり。長さ三尺にあまり、めぐり四尺にみつ。天然みがかずして光あり。うてばあやしきひびきをだす。これを鳴らして謳歌し、あるは竹婦人にばぞらへて納涼のそなへとし、また米をいるゝ器となして、打ち虚しき時は朋友の許へ投ずれば持ち満ちて帰りぬ。予これに銘じていはく、
一瓢重岱山
自笑称箕山 
勿慣(莫習)首陽山     
這中飯顆山
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