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「パボ」は、見終わった後にジーンとして、心が温かくなる、そんなヒューマン映画の秀作。 この映画、実は2年前(2006年)に制作され、上映を予定されていたそうですが中止になり、 今年(2008年)、韓国で上映(約102分)され、やっと陽の目を見た作品だそうです。 <あらすじ> 子供の頃のある事故で、知的障害になったスンニョン(チャ・テヒョン)は両親が亡くなった後、一人でトースト屋をしながら妹チイン(パク・ハソン)の面倒見ていた。妹の学校の前の小さなトースト屋で、おいしいトーストを作って売るスンニョン。トーストの味は評判で、顧客もいるほど。いつも幸せそうに笑っているスンニョンは、「小さい星(작은 별」(日本名は「きらきら星」)を歌いながら、10年前にヨーロッパへ音楽(ピアノ)を勉強するために留学したチホ(ハ・ジウォン)を待っている。スンニョンの初恋の人。 ある日、チホが10年ぶりに帰って来た。長い歳月が流れたけれど、スンニョンはチホを一目で見分けることができました。しかし、チホはスンニョンのことを覚えていませんでしたが、徐々に懐かしい思い出がよみがえり、いつも自分のそばをウロチョロするスンニョンの純粋で優しい人柄に、安らぎを覚えるようになる。そんなチホと妹チインを毎日見られるようになったスンニョンは、幸せを感じながら、毎日楽しく暮らしていた。しかし、妹チインが病気であることが分かり…。 久しぶりに心洗われる、優しくて、美しい映画に出会いました。 何と言っても、チャ・テヒョンが演じたスンニョンの笑顔と純粋なハートに涙が止まりませんでした。 この映画は、いわゆる韓国お得意の病気&ハンディキャップものと言ってしまえば、それまでです が…。そんなこと、いっさい気にならないくらい、優しさと愛に満ちあふれたステキな物語りでした。 そして、映像も音楽も美しい。とにかく、幸せな気持ちにさせてくれる映画です。 とくに、主役のチャ・テヒョンの演技はすばらしかったです。ファーストシーンで、子供の頃の初恋の相手チホが10年ぶりに帰って来た時に、いつも町を見渡せる土手に座って道行く人を見ているスンニョンがチホを見つけて、転げ落ちるように、チホのもとへ来るシーンがあるのですが…。その時の様子や表情は、「えっ!これがチャ・テヒョン?」と最初は、チャ・テヒョンとは分からなかったくらいでした。それほど、スンニョンに成りきっていたからだろうと思いますが…。ラストまで、みごとに演じきったチャ・テヒョンに拍手を送りたいと思います。 また、スンニョンの初恋の相手チホ役のハ・ジウォンは、何かスランプに陥ったような壁にぶつかっていて乗り越えられない状況なのでしょうか。時折、重い雰囲気を漂わせるチホ…。留学先で何かあったのか? 映画の中では、その詳細は語られてはいませんが、スンニョンがチホにピアノを弾いてというシーンがあるのですが、「う〜ん、今は弾けない…」と一瞬、暗い表情を見せたチホ。 しかし、純粋な心を持ったスンニョンと接していくうちに、心が温かさで満たされてゆき、再びピアノに向き合うようになるチホ…。そんなチホの音楽(ピアノ)に懸けるひたむきな気持ちとスンニョンに出会って心が癒され、安らぎを覚えてゆく思い・気持ちをハ・ジウォンは、感性豊かに表現していて好感を持ちました。 また、脇を固める俳優も芸達者ぞろいです。スンニョンの母親には、ドラマ「ファン・ジニ」では、ファン・ジニの母親で盲目の妓生(キーセン)を好演したチョン・ミソン。いつも「パボ!」(バカ)と言って、知的障害の兄スンニョンを毛嫌いし、後に一番自分を愛してくれていたことが分かることになる妹チインにパク・クリナ。スンニョンの幼友達で、何だか怪しげな仕事をしているが、実は心優しいサンスに、映画「ファミリー」ではチンピラの親分を怖いくらいの迫力で適役だったパク・ヒスン。チインの執刀医に、「商道」(サンド)では主人公サンオクの父親役。また、現代劇にも多数出演している演技派の名脇役ソン・ジェホが演じています。 ところで、この映画は主人公のスンニョンに関わった人たちが、スンニョンの素直で優しくて、純粋な心に接して、触れて、知らず知らずのうちに、スンニョンからステキな(目には見えない)何物にも代えられない贈り物をもらったのではないのかなと思いました。 それは、「あなた(スンニョン)は、私が最後に残せる贈りものなの」とスンニョンの母親が語ったように…。スンニョンの存在そのものが、ステキな贈りもの。そして、この映画を見た私も、その贈りものをもらったんだと思いました。その証拠に、こんなに温かい気持ちになれたから…。 |

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今晩は。この映画私が2006年にハ・ジウォン ファンになり始めて最初に撮影していた作品でした。当時ジウォンが抱えていたトラブル(引退を考えるくらいでした)を知っていながら、映画に出ないかと誘ってくれたチャ・テヒョンには感謝です。
映画ですが、とても心がほんわかとしますね。惜しいのは漫画の原作(雑誌「女性自身」に翻訳が不定期的に連載されてます。この漫画、泣けます。)を超えることが出来なかった所だと思います。先日の福岡の映画祭で上映され、監督が質疑応答で、「時間の制約で、たくさんカットした」と言ってた様です。
2008/10/1(水) 午前 1:50
1023-itohさま、はじめまして。
時々ですがブログのほうを拝見していました。
このレビューを書くのにいろいろ映画のこと調べている時に、原作がマンガであることを知りました。もちろん、原作を読まれて知っている方は比較されてしまうでしょうね。私はマンガの方は全く知らないのですが…。でも、映画を見ただけでも完成度は高いと思いました。いろいろカットされているとのことですが(まぁ〜経済的なことであれ、諸事情があったとしても)、映画は監督のものと言われるくらい、最終判断は監督が下すものですので、たとえカットされていたとしても出来上がった作品は、ほんとに完成度は高いと思いました。私は泣けましたよ、この映画…。じわじわっと心に温かいものが流れてくるように。きっと、初めてご覧になる方でも(もちろん、それぞれ好みはあるかと思いますが)感動されると思います。
2008/10/1(水) 午前 11:29