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以前から、この映画「王の男」を見たいと思っていたのですが…。 へそ曲がりのせいか(?)韓国で1千万人以上の人が見たという情報を聞くと見たいと思う反面、 あんまり人気があるとちょっと引いてしまったりで、そうこうしているうちに、実は今日やっと見る ことができました。もちろん、DVDでの視聴です。 ところで、この映画に出てくる王様ですが、ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」(大長今)をご覧になられた方は、 ある程度お分かりになるかと思いますが、第1話で王妃様が毒殺されますが、その毒殺された王妃の子供が16 世紀初頭の朝鮮王朝時代に暴君として君臨した名高い王様の燕山君(ヨンサングン)。その燕山君と大道芸人の 物語り。 <2005年の作品> <ストーリー> 16世紀初頭、漢陽にやって来た旅芸人チャンセン(カム・ウソン)と相棒の女形コンギル(イ・ジュンギ)。都で時の王ヨンサングン(チョン・ジニョン)が、妓生上がりの官女ノクス(カン・ソンヨン)と日夜遊び呆けている噂を聞きつけた2人は、芸人仲間と宮廷を皮肉った芝居を始める。興行は人気を博すものの、一座は侮辱罪で逮捕されてしまう。重臣に「王を笑わせることができれば、侮辱ではない」と反論したチャンセンたちは、死をかけて王の前で芸を披露する。彼らの芸は王を魅了することができるのか…。(goo映画より) あえて『王の男』、今さらと言えなくもないのですが…。 まず、この映画を見て思ったのは、イギリス映画(ヨーロッパ映画etc)やシェークスピアの世界に通じるものがあるなぁ〜っていうこと。いわゆる道化師、ヨーロッパではクラウンとも呼ばれているようですが、宮廷つきの道化師が出てくる映画やお芝居を見たことがあります。それもただ笑わせるだけではなく、実際にあったことや起こったことを演じて痛烈に風刺して見せる大道芸、芸人といったところでしょうか。 際立っているのは、何と言ってもチャンセンを演じたカム・ウソンと女役を演じるコンギルことイ・ジュンギの2人の男優です。特に、芸人としての演技に自信と誇りを持っているカン・ウソンの演技は圧巻です。表情といい、綱渡りのシーンといい、思わず画面に引き込まれてしまいました。また、女役または女形(おやま)と言ったらいいのでしょうか。イ・ジョンギが本当に美しい! 特に最後の方の京劇のようなシーンでの毒殺される王妃役は、まるで歌舞伎の坂東玉三郎を見ているような怪しい雰囲気で、本当に女性よりも美しい妖艶な感じがして、ピッタリのはまり役。 ところで、ヨンサングンの今は正妻または側室?となったのでしょうか。ノクス役のカン・ソンヨンですが、どこかで見たことがあると思ったら、ドラマ『私が生きる理由』や『この世の果てまで』に出ていた女優さんでした。なかなか気が強い役どころで、昔、妓生(キーセン)だったという設定、雰囲気がよく出ていました。 また、コンギル役のイ・ジュンギが女性のように美しいので、男性が興味を抱き体を売るというシーンがあるので、この映画は同性愛(今風な表現ですとゲイでしょうか? 表現が違っていたら、ミアネヨ〜)を描いていると言われている向きもありますが…。私はヨンサングンとコンギルの場面は、どちらかというと王様の孤独や寂しさが前面に描き出されていたように思いました。 そんなヨンサングンの孤独な面を垣間見たコンギルが王様を可哀相に思い、どちらかというと慰めようと思って人形劇や影絵を見せて気を紛らわせたのではないか。ヨンサングンが女に溺れるのも、幼い頃に母親(王妃)が毒殺されてしまい、母親の愛を知らずに育ったからではないかと…。また、暴君であったというのも、弱さの反動ではなかったのかとも思えます。 道化師・芸人は庶民が思っていることや感じていることを代弁しているとも言えます。 特に宮廷というところは庶民から見たら、雲の上の存在。ですから、道化師・芸人は今で言うところの情報を伝える役目、役割を果たしていたのでしょう。また、下世話な言い方かもしれませんが…宮廷で暮らしていようが、庶民のようなつましい暮らしをしていようが、人間の本性というものは大して差はない。いや、同じだと言っているようにも思えます。 ラストでチャンセンとコンギルがこんど生まれ変わったら何になりたいか?と聞きますが2人とも 芸人と答えているところで終わります。宮廷に生まれたいと言っていないところがいいですよね。 やっぱり、自由に何でもものが言えて表現できる。そんな環境に生まれたいということでしょう。 韓国では何十回も見たというリピーターの若い女性もいたようですが、 見れば見るほどいろんなことを考えさせてくれる映画のように思います。 |

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