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レンタル視聴だったのですが、その中にメイキング映像が収録されていて、映像を見てはじめて イ・ジョンヒャン監督が女性であることを知りました。また、韓国のアカデミー賞とも言える大鐘賞 で、最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀企画賞を受賞した映画です。日本では、岩波ホール 創立35周年記念作品として上映されたました。 <2002年の作品 上映時間87分 > <あらすじ> 母親に連れられて、ソウルから田舎に住むおばあちゃん(キム・ウルブン)の家に、やって来た少年サンウ(ユ・スンホ)。読み書きができないおばあちゃんとうまくコミュニケーションがとれず、また不自由な田舎の生活に苛立つサンウだったが、どんなにわがままに振る舞っても怒らず、サンウのために一生懸命のおばあちゃんのやさしさに、サンウも徐々に心を開いていく…。(アマゾンより)この映画は見終わった後の余韻というか、心にじわじわと温かいものがあふれて来る。 女性監督ならではの視点で描かれた美しい作品です。 ドラマでは表現できない、映画独特の映像表現の良さを感じさせます。一編の詩のような、童話を見ている ような温かさを感じさせてくれる映画です。だれもが抱いている思い、幼い頃に出会ったことのある風景だっ たり、なつかしさ、はずかしさ、もどかさしさ、感謝の思いが伝えられなかったり…。 この映画には、心の故郷があります。そして、共感を覚えます。幼い頃に描いた1枚の絵のような映画だと思 いました。また、「亡くなったおばあちゃんの深い愛情に、感謝する作品を撮りたかった」と言うイ・ジョンヒャン 監督の思いが伝わってきます。この映画を見た人は、きっとおばあちゃんに会いたくなるに違いありません。 さて〜ファーストシーンで、電車に乗っている少年(ユ・スンホ)と母親(トン・ヒョヒ)の会話があるのですが…。 少年がこれから会う母親の親、少年のおばあちゃんのことを少年がいろいろ聞いているのですが、この会話 を聞く限りでは、少年はおばあちゃんの家に初めて行く、ものごころついて初めて会うという設定のようです。 耳は聞こえるの? 話はできるの…と言いながらゲームに熱中している都会(ソウル)育ちの少年サンウ。 思わず、どんな家に住んでいるのか? どんなおばあちゃんなんだろう? と興味を抱いてしまいました。 このサンウ少年ですが、どこかで見たことがあるなぁ〜と思っていたら…何と「太王四神記」で主役のペ・ヨン ジュンの少年時代のタムドク役をしていた子役のユ・スンホでした(この映画では、7〜8歳の役です)。監督 が特典映像のインタビューの中で語っていましたが、なかなか子役ながらカリスマ性があります。 目的のバス停に着いて降り立つ母親と少年。母親の履いているハイヒールがとっても不釣合いに見えました。じゃり道をキャリーバックを引いて歩く母親。その後を、こんな田舎の村は嫌だよう! と母親の足をけりながら、いやいやついて行く少年の姿が印象的でした。 やっとたどり着いたおばあちゃん(キム・ウルブン)の家ですが、正直「えっ!? この家に住んでいるの…」と思ってしまいました。今にも崩れそうな家(失礼!)、傾きかけた小屋のようなおばあちゃんの家です。きっと、少年もそう思ったに違いありません。このおばあちゃんの家で、ひと夏を一緒に過ごすことになるのですが…。 ところでおばあちゃんの子供は、この孫を連れて来た娘だけなのでしょうか? たぶん早い時期にこの家を出 て都会暮らしを始めたのでしょう。そして、自分の生活・暮らしで手いっぱいで、故郷の母親のことはほったら かし(?)だったのかなぁ〜と想像します。また、娘は母子家庭なのか、仕事を探しているようで事情があるよ うですが、その辺は詳しく描かれてはいません。 ひと頃、「新人類」という言葉で世代間の違いを表現していましたが、まさに、このおばあちゃんと少年サンウは 「未知との遭遇」ならぬ、旧人類(?)と新人類の遭遇という言葉がピッタリだと思いました。また、生活・暮らしも 便利な電化製品の中で暮らしているサンウと田舎の村で何でも体を使ってする生活に慣れているおばあちゃん とのギャップも描かれていますが、お互いがそれぞれある意味カルチャーショックだったのではないでしょうか? とくに、サンウ少年にとっては…。 でも、そんな違いも越えて、おばあちゃんとサンウの心が通じ合ってゆくシーンには、思わず涙が込み上げてき ました。どんなに邪険にされても怒らない、めげないおばあちゃん。自分の思い通りにならない環境の中で、頑 なだったサンウは徐々に心を開き、おばあちゃんとの距離を縮めて行く。何かあってもお互いに助け合う、助け 合えるのは、目の前にいるおばあちゃんしかいないことに気づき始めるサンウ…。 そして、いよいよ母親が迎えに来る日が迫ってきたある日、話すことができないおばあちゃんに、サンウは文字 を教えます。手紙は文字が書けないと出せないから、「痛いよう」「会いたいよう」って書いてあったら、すぐ飛ん で来るからね、と言うやさしいサンウに…涙・涙・涙でした。 世代が違っても、生活環境が違っても、こうして心と心が通じ合える。コミュニケーションが取れるというこ
とを教えてくれた感動の映画でした。まだ見終わったばかりですが、もう一度じっくり鑑賞したい映画です。 また、イ・ジョンヒャン監督のこれからの作品にも注目していきたいと思います。 |

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