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キム・ジスつながりで観た映画をもう1本、「ノートに眠った願いごと」です。 この映画は、1995年6月29日に実際に起きた「三豊デパートの崩壊事故」の悲劇をストーリーに 組み込み、韓国では公開時に話題になったそうです。哀しく切なくも、あたたかいラブストーリーです。 <あらすじ> 幸せな日々を過ごす司法研修院生のヒョヌ(ユ・ジテ)と旅番組のディレクターをしているミンジュ(キム・ジス)は結婚を間近に控えていた。家具を見に行く約束をした二人だが、ヒョヌの仕事がなかなか終らず、外で待っているミンジュに「暑いからデパートで待っていて」と言う。ここで待つと言っていたミンジュだが、デパートの地下で待ち合わせをすることに。しかし、そのデパートが突然崩れ落ち、ミンジュは帰らぬ人に…。10年後、ミンジュのことが忘れられず、心を閉ざし自責の念にかられ、死んだように生きるヒョヌに、ミンジュの父親から1冊のノートが渡される。それは、ミンジュ手作りの新婚旅行の計画を綴ったノートだった。ヒョヌはノートを手に、そこに書かれた、ミンジュの思いがいっぱい詰まった場所を辿る旅に出る。そして、ヒョヌは幸せに満ちたノートを読み、はじめて彼女の願いを知ることに・・・。(goo映画より引用) <2006年の作品>(上映時間108分) 原題■「秋へ」 英題■「愛の追跡」
監 督●キム・デスン 脚 本●チャン・ミンソク キャスト●ユ・ジテ、キム・ジス、オム・ジウォン、チェ・ジョンウォン、その他…。 実は、この映画あんまり期待して観たわけではなかったんですけど…。いや〜〜〜、良かったですよ! 各シーンのつながりもしっかりしてるし、けっこう観ごたえがありました。監督は「バンジージャンプする」のキム・デスン。秀作映画の1本です。やっぱり、観てみないと分らないものですね、映画って。この映画を観た個人的な評価ですが、星5つが最高だとしたら、星4つ ★★★★ つけたいと思います。とくに韓流ドラマがお好きな方には、韓流のツボをしっかりと押さえたこの映画は、おすすめです。 ところで、ミンジュ(キム・ジス)がデパートの地下のコーヒーショップでヒョヌ(ユ・ジテ)を待っていた時に、突然起こる建物の崩壊ですが、この「三豊デパートの崩壊事故」は、何年か前にテレビの「九死に一生を得た人」か「世界ビックリ仰天ニュース」だったかの番組で再現シーンを織り交ぜながらやっているのを見たことがあります(当時の崩壊現場のニュース映像も流れてました)が、大変な事故だったようですね。 この悲劇的な事故に遭い、帰らぬ人となるミンジュ役には、ドラマ出演の経歴が長く(現在KBSにて「太陽の女」に出演中)、映画では「女、チョンヘ」「微熱」「ロマンス」「拍手する時に去れ」などの知的で美しいキム・ジス。また、ミンジュの恋人ヒョヌ役には、身長が190cm近くあり、俳優として活躍する前は、現代舞踊で大賞を受賞した舞踊家でもあり、映画「春の日は過ぎゆく」「オールド・ボーイ」、ソン・ヘギョと共演した「ファン・ジニ」などの笑顔がすてきで、どこか飄々とした雰囲気のユ・ジテ。そして、ヒョヌが旅先で出会う女性セジン役に、TVレポーターから女優に転身し、映画「トンケの蒼い空」「スカーレット・レター」、また「劇場前」の演技は、カンヌ映画祭でも評判をよんだオム・ジウォン。私はこの「ノートに眠った願いごと」で初めて知った女優です。 さて、この映画の観どころのメインは、何と言っても愛するミンジュが亡くなった10年後に、ミンジュの手作りの(新婚旅行の計画が書かれた)ノートに沿って、ヒョヌが韓国の各地(景勝地)を旅するシーンです。映画のファーストシーンに出てくる砂丘は、ミンジュが旅番組でロケをしていた場所ですが…。韓国にも、こんな砂丘があったんだとビックリしました。 ヒョヌのミンジュをたどる旅は、木浦(モッポ)からスタートし、韓国で唯一だという砂丘のある島・ウイ島や16世紀に作られた伝統的な庭園ソセウォン。そして、文化財や史跡が数多く点在する古都キョンジュ(慶州)、またケリム(鶏林)などを巡ります。ミンジュが見た同じ景色を見ながら、ミンジュが何を感じ、何を思い、何を願っていたのかを知り、発見する。それは、ミンジュの心に出会う旅…。まさに、ロードムービーですね。 秋の美しい燃えるような紅葉は、まるでミンジュがヒョヌを優しく包み込み、語りかけているように、私には思えました。とにかく、景色も映像も美しくて、観ているだけで心が癒されます。私も、このコースをたどってみたくなりました! ちなみに、この映画のプロモーション時に来日したユ・ジテのお奨めは、ソセウォンだそうですよ。旅好きの方は、この映画に沿って旅してみるのもいいかもしれません。 ところで、ヒョヌが行く先々で出会ってしまう女性がいました。ひとり旅をしているセジン(オム・ジウォン)です。それも、まるでノートに書いてあること、ミンジュと同じようなことを言ったりするので、ビックリするヒョヌ。実は、このセジンはミンジュと一緒にデパートの崩落事故に巻き込まれ、ミンジュと壁を隔てて話をした人物。それも、顔も知らないミンジュの声に励まされ、生き残ったひとりでした。悲惨な事故に遭い、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を患い、時々パニック発作を起こすセジン…。 ヒョヌとセジンは、ミンジュと結びついていたのです。2人とも、ミンジュの思い、願いをたどる旅人。このミンジュをたどる旅は、癒しと回復の旅なのかもしれないと思いました。ミンジュの願いに沿った旅をしながら、実はヒョヌもセジンも自分を見つける人生の旅をしていたのではないのかなって…。 ラストの紅葉した並木道をヒョヌとセジンが歩いて行くシーンは、何となく、ユ・ジテだからということもあるのですが、「春の日は過ぎゆく」の桜並木のシーンを思い出してしまいました。「春の日は過ぎゆく」では、恋人との決別のシーンでしたが…。ミンジュを通して出会ったヒョヌとセジンの場合は、何か明るい未来の予感がしました。 |

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