水陸両用車MAX-II

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Let's Blast!

熱い。
いや暑い、が正しいのだろう。
だが体感的には、熱い。

うだるような暑さが続く日だった。
だが暑さが熱さを呼んでいるわけではない。
 
9月4日、快晴。
 
その日我が愛すべき馬鹿達が半年ぶりに集合した。
その個人個人が精一杯の生活を過ごす、そんな毎日の中を
福岡から、東京から、長野から、横浜から集まった。
 
11:30名古屋集合。
そして岐阜まで。
食料をこの際一気に買い漁る。
堆く積まれた食料を抱え、疾走る。
 
既に別の仲間が現地には着いていた。
待ち遠しい。そんな姿に焦る。
 
二手に分かれる。
現地組と配送組。
 
配送組を引連れて。
軽トラを、走らした。
 
 
軽トラには載らなかった。
軽い失望が起きた。
 
『このままこれで行きましょう!』
 
彼が叫んだ。
戸惑った。
 
彼の眼に生きる力が満ちているように、見えた。
 
『軽トラで先導する。附いてこい!』
 
彼にレクチャーした。
行ける。と彼は力強く頷いた。
 
始動。轟音。
そして。
ゆっくりと。
疾走り出した。
 
水陸両用車 MAX II。
 
あの日。
全員が求めていたもの。
それが初めて動きだした。
 
目的地まで7km。
普通の車ならなんてことない距離。
 
だが。
じゃじゃ馬には難解な、永い道に感じた。
 
けたたましい轟音に道行く人が振り返った。
誰も見たことが無いに違いない。
目線が車体を追う。ナンバーがあるのを確認する。
この時ばかりはナンバー取得の価値があったと感じていた。
 
 
半時ほどかけて、目的地に。
『腕がパンパンですよ』
彼はそう言って、笑っていた。
 
Let's Blast!!!
轟音をさらに高く!
その場にいるギャラリーに魅せる!
さあ、これからが本番だ!
 
 
そしてその日、MAX IIは我が相棒になった。
乗り換えるかもしれない。手放すかもしれない。
それでもこいつを生き帰らせてやる。
こいつには生き帰るべき場所がある。
あの日、全員がその価値を認めていた。
 
彼は帰り際にこう言った。
 
『こっちに転勤になるかもしれないんです・・・。部署無くなっちゃうかもしれないんで』
 
転勤は、嫌かい?
『やっぱ、抵抗ありますよね。誰も居ない場所に行くわけですから』
 
そうだよな。辛いよな。
『でも転勤しても良いかもしれないです』
 
どうしてだい?
『転勤したら、こいつ買います俺。楽しめるっしょ?』
彼はそう言って、屈託なく笑った。
相棒も、幽かに笑った気がした。
 

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