エボのメモ帳

Je pense, donc je suis.(我思う、故に我あり)

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遠い昔の話である。昭和20年代の後半で、戦後の貧しさが色濃く残っていたように記憶する。現代とは違い、遊び道具や設備がほとんど無かった時代である。子ども達は、お金のかからない遊びを工夫していたものだ。

私も疎開先の山口県の阿知須町でいろんな遊びを工夫した。その一つに、カニ捕りがある。梅雨の頃だったと思うが、町中にある小さな神社(最近になって恵比須神社ということを知った)の石垣に赤黒いカニが数匹歩いているのを見つけた。どこから来たのかはわからない。近づくと素早く石垣の隙間に逃げ込む。隠れて見ていると、そろそろと隙間から出てくる。捕まえようとして駆け寄ると、素早く逃げてしまう。三つ子の魂というか、私の悪魔的残虐性が目覚めた。よし、明日こそはどんなことをしても捕まえてやろう! その日の内に、捕鯨銃もどきのカニ捕獲銃を製作した。銃身には女竹をスリット加工したものを使い、銃把はみかん箱の板、銛(もり)は自転車の車輪を構成しているスポークを用いた。銛を飛ばす動力源はパチンコ用の強力虫ゴムだ。
翌日、下校後に神社に駆けつけた。いるいる、カニ達が。早速狙いをつけて発射した。当たらない。私の一射に驚いて、カニ達は一斉に石垣の隙間に逃げ込んで再び出てこようとしない。業を煮やして、私は隙間のカニに銛を発射した。命中!! 引きずり出したカニを見ると、甲羅が怒っているような、また泣いているように見えて、とてもこの遊びは続けられないと思った。あまりにかわいそうだ。
このカニが赤かったことと神社に住み着いていたことから、最近までヘイケガニだと信じていた。図書館で調べると、ヘイケガニはもっと小さくて深い海底に生息しているという。なお調べると、アカテガニかベンケイガニらしい。物語性を重視して、ベンケイガニということで納得することにした。因みにゲンジガニは存在しないらしい。
カニの命を絶つというような行為、すなわち "irereversible process"(非可逆過程)のボタンを押す行為は絶対にすべきではない。

<ベンケイガニ>
甲殻綱十脚目イワガニ科の甲殻類。東京湾から韓国、中国を経てインドまで分布し、河口付近の湿地に住むが、ほとんど陸上生活をし、幼生を海に放つとき以外は海水に漬からない。甲幅3cmほどで、一様に朱赤褐色。甲はわずかに横長の四角形で、甲の側縁はむしろ後方が開く。甲面は弱く盛り上がり、額域が下を向く。前側縁は眼窩外歯の後方に深い切れ込みを一つもつ。はさみ脚は大きく、掌部、可動指とも滑らか。名の由来はよくわからない。雑食性で、魚の死体や草などを食べる。夏に産卵する。

(参考図書)
  「大百科事典」平凡社
  「水の生き物」学習研究社

以上


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