調査は、東京大や独立行政法人・建築研究所、産業技術総合研究所が中心となり、メーカーも協力する。国内に普及している省エネ型を含む1億台を超すエアコンから一定数を抽出し、機器を取り付けて運転状況を調べる。 エアコンの省エネ性能の指標の一つに、冷暖房の能力を消費電力で割った値「エネルギー消費効率(COP)」がある。この値が高いほど、省エネ性能が高い。 だが、建築研究所の澤地孝男・環境研究グループ長らが高性能扱いのCOP6表示のエアコンを実験用の集合住宅で試したら、省エネ性能が実態に沿わない可能性が出てきた。南向きの居間で高出力で運転を続けた冷房に使用した場合はCOP4〜8とほぼ表示通りだったが、北向きの寝室の冷房や冬の暖房などでのCOPは2〜3と表示のほぼ半分の性能しかなかった。 JISが定める性能試験の条件は「常に高出力、高効率で運転」「通気性の高い家」などとなっている。だが、通常の家庭では「低出力ながら長時間使い続ける」ことが多く、性能試験と実際の使用状況の違いが、過大表示につながっている可能性が高い。 日本では家庭の温室効果ガス排出が増加中で、電力消費を減らす省エネ型エアコンが排出削減に大きく貢献すると見積もられている。仮に実使用で省エネ効果が薄いとなれば、二酸化炭素削減量も期待通りにならない恐れがある。 これとは別に、省エネ型エアコンに冷媒として使われている代替フロンは、二酸化炭素の約2千倍の温室効果があり、従来型エアコンより多く充填(じゅうてん)されている。調査にかかわる飛原(ひはら)英治・東大教授(環境学)は「省エネ型エアコンが、これまでの想定以上に電力消費が大きくなり、冷媒の漏出も大きくなれば、逆に温暖化原因になる可能性もある。きちんと実態を調べる必要がある」と話す。 |
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