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2011年も終わりですが、今年も思うように映画館に足を運べない1年でした。そんな中で、ベストテンを作らせていただきました。全体的に映画の作りの面白い作品がベストに上がっています。 第1位 「サラの鍵」 実際に起こった悲惨な事件で始まる物語が意外なところに落ち着くまでが、映画として大変面白いと思ったので1位です。直接事件に関与しなかった女性の、好奇心の着地点の見せ方に感心しました。映画としての構成の面白さということでは、「つぐない」のような意外性がありました。キネ旬での評価が低くても、私はこの映画推します。 第2位 「クロエ」 娼婦に自分の夫を誘惑するように依頼する人妻の話、と言ってしまうと実も蓋もない話のようなんですが、これが映画として大変面白くできていまして、ミステリアスであり、人間ドラマとしても、考えさせられるところあり、そして登場人物が大変魅力的に描かれていました。第1位と同じく、映画としての満足度が高い映画でした。 第3位 「くまのプーさん」 今年はあまりコメディの当たりが少なかったのですが、それでも面白かった映画で「宇宙人ポール」と争った結果、一番おかしかったのがこれ。ボケキャラばかりで、ツッコミがいない。物語らしい物語がない。それでも、全編に渡って、小ネタを仕込んで、メインでは大ボケかますという、見事に楽しい映画に仕上がっていました。感動も涙もありませんが、笑いはたっぷり、意表をつかれて、最後は大満足でした。 第4位 「キッズ・オール・ライト」 女性のゲイのカップルのホームドラマなんですが、ホームドラマとしての細やかな作りが映画として大変よくできていたので、これが4位になりました。大きな事件が起きるわけではないのですが、平凡なゲイカップル家庭に起こるささやかな波風を暖かい視点で描いているのが、心地よい映画でした。映画としての作りは平凡でも、その人間を見る視線の暖かさが映画としてのポイントを上げています。 第5位 「4デイズ」 アメリカの3都市に核爆弾を仕掛けた男と、彼からその場所を聞き出そうとする拷問のプロフェショナルの闘い。双方ともにギリギリの精神状態で、目的を達しようとします。手段を選ばない拷問人は最後の手段をとるのですが、果たして?という展開ながら、ゲーム感覚よりも人間ドラマを見せた構成が見事でした。ショッキングなシーンもありますが、着眼点の面白さと演技陣の好演によって、見ごたえのある映画に仕上がっていました。 第6位 「スリーピング・ビューティ 禁断の悦楽」 若い女の子が、金持ちジジイ相手の秘密クラブに就職します。そして、おおせつかった仕事は、睡眠薬を飲んでベッドで眠ること。そこへ老人がやってきて好きなことしちゃうわけですが、基本的にやってることはエロは抜き。なのに、映画として、これがエロチックでそそるのですよ。ドラマチックな展開があるわけではないのですが、不思議な映画的興奮があります。映像の面白さと、映画としての満腹感で、これが第6位です。 第7位 「白いリボン」 ドイツのある村、一見のどかに見えるけど、そこでは大人たちが表と裏の顔を持ち、それが子供たちに暗い影を落としていました。ミステリータッチで展開するけれど、結局何も解決しない。でも、村にひそむおそろしい魔の姿が浮き上がってくるというお話は、映画として大変面白かったです。映画館という切り取られた空間の中で、引き込まれて観ると観終わって、ぞっとする後味の残る映画ですから、まさに映画館で観るための映画と言えましょう。 第8位 「ゴースト・ライター」 元首相の自叙伝のゴーストライターになった男が巻き込まれる不可解な事件。今年の映画の中で、純粋にエンタテイメントとして一番よくできていた映画ではないかと思っています。ミステリーとして多少フェアじゃなくても、映像、演出が見事に映画としての満足感を与えてくれます。 第9位 「メアリー&マックス」 クレイアニメーションだからと「ウォレスとグルミット」みたいなのを期待すると、そのヘビーな展開に裏切られた気分になります。内向的な少女とアスペルガー症候群の中年男の文通を通した友情を描いた映画は、痛いけど心惹かれるものがありました。ブラックユーモアの先のシャレにならない部分も描いていますが、それでも心が穏やかになれる後味を持つ、不思議な映画でした。私にとっては、初めて観るジャンルの映画で、それだけに強い印象が残りました。 第10位 「ブラック・スワン」 今年はホラー映画はほとんど観ていないのですが、そんな数少ないホラーの中で、「ザ・ウォード」とこれで迷った結果がこれでした。とにかく、ヒロインを徹底的にいたぶっていく趣向と見せ方のホラーの古典的手法が見事にマッチしていました。なまじ、バレリーナのお話というきれいな衣装を身にまとっているだけに、中身のえげつないまでのホラー趣向が際立ちました。バレエのシーンで、観客の視点のカットを一切見せない演出からして、これはバレエ映画ではないですもの。 この他には、アイデア勝負プラスアルファの面白さがあった「ミッション:8ミニッツ」、、ベタなラブストーリーのようでいてドラマとしての奥行きを感じさせた「親愛なる君へ」、エンタテイメントとしての完成度が高かった「ミケランジェロの暗号」、静謐な空気感が心に残る「ラビット・ホール」、表現的にはうまいとは思わないけどその伝えたいポイントに共感できる「チェルノブイリ・ハート」といった映画が印象に残っています。 後、映画そのものはベストに入らないけど、ピンポイント的によかったベスト5を、ピンポイントベスト5として挙げさせていただきます。 第1位 究極のわんこ映画としての「木洩れ日の家で」 これは、ベストテンに入ってもおかしくない映画でもあったのですが、とにかくわんこ映画としての完成度が高かったです。私は泣かせを売り物にするわんこ映画は好きではないのですが、この映画は、すごくお気に入りです。主人公のおばあちゃんの一挙手一投足に必ずわんこのカットが入るという演出が見事。彼女を見守る天使みたいなポジションになっているのでしょうが、これには「やられた」という気分になりました。 第2位 「ブリューゲルの動く絵」のアート気分 これは、映画としてというよりは、テレビの美術番組の企画と言うべきものなのでしょう。ある絵ができるまでを、ファンタジックに絵解きして見せているという点がユニークでした。こういう映画を観ているとアート気分になれますし、また、美術館に足を運んでみようかなって気分にさせてくれます。 第3位 「親愛なる君へ」のアマンダ・セイフライド 今年の映画の女優さんでは、「マーガレットと素敵な何か」のソフィ・マルソー、「RED」のメアリー・ルイーズ・パーカー、「アレクサンドリア」のレイチェル・ワイズ、「ステイ・フレンズ」のミラ・クニス、「ザ・ウォード 監禁病棟」のアンバー・ハード、「ブルー・バレンタイン」のミシェル・ウィリアムズなどが印象的でしたけど、「クロエ」も含めてアマンダが一番輝いていたように思えます。単にかわいいだけじゃ、これだけ売れないでしょうし、来年も公開作が控えているようで、楽しみな女優さんです。 第4位 「ザ・ウォード 監禁病棟」での、ジョン・カーペンターの復活 カーペンターファンの私としては、彼の新作が劇場で観られたことがうれしかったです。相変わらずのシネスコ画面へのこだわりですとか、ホラー職人としての腕を堪能することができました。ラストがショックシーンで終わるとか、音楽が彼自身の手によらないといった不満点もあったのですが、よくある題材も料理の仕方でモンスターホラーになるというところがお気に入りでして、そのおどろおどろしいパワーが衰えていないことを再確認できました。 第5位「六ヶ所村ラプソディ」に見る、原発と住民の微妙な関係 2006年の映画なんですが、今年、劇場で観ることができて、色々と発見が多かったので、ここに挙げておきます。使用済み核燃料再処理施設を誘致するかしないかで、村の人や第三者といった人の意見を並べて描いた作品です。冷静に考えれば危険なものが、流れに流されるかのようにできあがって行く様子は、怖いと思いつつも人間の考えることを単純に二元論で割り切れないなあって、再認識しました。沈黙の中立などあり得ないということは、耳に痛い話でした。 そんなわけで、2012年もできるだけ映画館に足を運ぶようにして、このブログは細々と続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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初コメさせていただきます。
私もアマンダ・セイフライドにずっと注目しています。 若手の中では抜群の存在感。
これから楽しみにしているのは伝説のAV女優を演じる映画です。
「白いリボン」知りませんでした。 とても興味を惹かれます。
近日中にDVD借りて観てみます。
2012/1/1(日) 午前 1:11 [ - ]
Ashさん、初めまして、訪問ありがとうございます。アマンダ・セイフライドは新作の「タイム」の公開が控えてますよね。「ディープスロート」のポルノ女優リンダ・ラブレイスを演じるというのにはびっくり。子供っぽいかわいいキャラなのに、そういう役をどう演じるのか興味あります。「白いリボン」は雰囲気に飲み込まれることで堪能できる映画です。色々な解釈の余地を持った映画ですので、ぜひ一度試しください。
2012/1/1(日) 午前 10:32 [ einhorn2233 ]
おめでとうございます(^^♪
じつに個性的な 通なテンに、むむむぅと(^^♪
観てるのは「ブラックスワン」ただ一本、あと9本を これから観る楽しみができました(^^♪
2012/1/1(日) 午前 10:36
ベスト10ではないのですが、記事にしたのでTBさせてくださいね。
今年もヨロシクお願いします!<(_ _)>
2012/1/1(日) 午後 3:56
たんたんさん、新年おめでとうございます。2011年は観る映画が偏っていたのか、こんなベストテンになってしまいましたが、本年もよろしくお願いします。個人的には「4デイズ」がもっとメジャーになって、たくさんの方がご覧になっていただけるとうれしいです。
2012/1/1(日) 午後 10:42 [ einhorn2233 ]
もくれんさん、コメントありがとうございます。クセの強いベストテンになっちゃってますが、こういう映画を好きな人もいるということでご容赦のほどを。こちらこそ、本年もよろしくお願いします。
2012/1/1(日) 午後 10:43 [ einhorn2233 ]
こちらのベストもとっても素敵です。
ああ・キッズ・オール・ライトは入れなかったのですが
良かったですよね。
クレイアニメが気になってるので「メアリー&マックス」
見たかったのですが逃してしまいました。
くまのプーさんってどんなのかしら?
こうしてみなさまのベスト拝見するのってとっても楽しいです。
TBさせてくださいね。
2012/1/2(月) 午後 1:08
TBさせてくださいね☆
2012/1/2(月) 午後 6:10
Cartoucheさん、コメント&TBありがとうございます。色々な方のベストテンを拝見すると未見の映画が高い評価を得ていたり、自分にはそうでもなかった映画が好評だったりと、色々な発見があって面白いですし、勉強になります。ちなみに、「メアリー&マックス」はクセのある映画なので、オススメ度は微妙ですが、「くまのプーさん」はどなたにもオススメできます。
2012/1/5(木) 午後 8:29 [ einhorn2233 ]
なぎさん、TBありがとうございます。
2012/1/5(木) 午後 8:29 [ einhorn2233 ]
「サラの鍵」がベストワンですか。こっちは公開ないのでDVDを楽しみにします^^
おぉ。「くまのプーさん。」記事読ませてもらって観たくなりました。
「クロエ」は結末が想像できるのに、面白かったですね〜。「木洩れ日の家で」私も好きです。
今年もよろしくお願いします(^。^)☆
2012/1/7(土) 午後 1:13
いいラインナップですね〜。
未見のものも観たいものばかり。
ピンポイントで挙げるというのもいい手ですね。
10本には入らないけど、凄く印象に残ってるものものなどありますものね。
昨年のベスト15までに入れた『キッズ〜』『白いリボン』『ゴーストライター』『ブラックスワン』がかぶった形です。
TBさせてくださいね。
2012/1/7(土) 午後 1:26
けいときさん、コメントありがとうございます。「サラの鍵」は現代のシーンをどう観るかによって評価が分かれる映画だと思います。「くまのプーさん」はとにかく楽しい映画ですから、機会があればオススメです。「クロエ」はなぜか好きなんですよ。私のツボにはまったという感じでしょうか。
こちらこそ、本年もよろしくお願いします。
2012/1/7(土) 午後 7:13 [ einhorn2233 ]
pu-koさん、コメント&TBありがとうございました。師匠のお褒めの言葉をいただけるとは光栄です。「ブラックスワン」は他の方のベストでも評価高いですけど、私は完全にホラー枠で入れちゃいました。後、娯楽映画としてのベストは「ゴースト・ライター」です。とにかく、面白くよくできてましたもの。「4デイズ」はご覧になっている方が少ないのかなあ、私は面白いと思ったのですが。
2012/1/7(土) 午後 7:20 [ einhorn2233 ]
去年に続いて今年レンタルしたい作品の指針とさせて頂きます☆^^♪v「ブラックスワン」しか観てないし、 「ザ・ウォード 監禁病棟」は見逃してるし・・・(苦笑)。
2012/1/12(木) 午後 9:51 [ hiro-mtb ]
ベスト10のうち、半分は未見です。^^;
「サラの鍵」鑑賞予定に入れていたのに、思わぬアクシデントでたぶん観れそうにありません。残念。DVDを楽しみに待ちたいと思います。
やはりミニシアター系は心に残る作品が多いですね。
大変遅くなってすみませんでした。TBさせてくださいね♪
2012/1/13(金) 午後 11:29
hiro-mtbさん、コメントありがとうございます。私も大して本数を観てないので、かなり偏ったベストになってますが、ご参考になればうれしく思います。カーペンター作品としては、評価が分かれるところだと思いますが、「ザ・ウォード 監禁病棟」は是非ご覧になって、感想を教えてください。
2012/1/14(土) 午後 7:57 [ einhorn2233 ]
Choroさん、コメント&TBありがとうございます。確かにミニシアター系の映画に観るものが多いです。でも、東京まで出て行くのはかなり面倒です。最近のシネコンは3Dばっかり上映しているのですが、その隙間で意外なミニシアター作品を上映しているので、そういうところから、観たい映画を拾っています。シネコンの頑張りに期待したいところなんですが。
2012/1/14(土) 午後 8:02 [ einhorn2233 ]
「サラの鍵」は関西では今年2012年公開なので、本年度のベスト選考のときに残りそうな気がします。存在自体を知らないような作品をたくさんご覧になっていますね。
こちらからもTBお願いいたします。
2012/1/16(月) 午前 10:25
オネムさん、コメント&TBありがとうございます。「サラの鍵」の評価は結構分かれていますので、実際にご覧になってまた感想を教えてください。特に狙ってマイナーな映画を挙げているわけではないのですが、後で思い出す映画を並べたらこんな感じになってしまいました。クセのある映画は印象に残るということかもしれませんです。
2012/1/17(火) 午後 7:38 [ einhorn2233 ]