今昔映画館(静岡・神奈川・東京)

やっと書き込み再開します。本年もよろしくお願いいたします。

全体表示

[ リスト ]

2018年は、後半ほとんど映画館へ行けていないのですが、それでも観た映画を並べてみたら結構いい映画が多くて、強引ですがベストテンを作ってしまいました。昨年は観た本数が少ない割にいい映画が多かったみたいです。

第1位「ぼくの名前はズッキーニ」
コマ撮りの人形アニメで、冒頭はちょっとブラックな味わいへ進むのかと思わせるのですが、親を失って施設に預けられた主人公の物語が、すごく泣かせるのですよ。ただ、泣かせるというのではなく、そこに「子供をいじめたり、捨てちゃダメ」という明確なメッセージがあって、作り手の怒りと希望が伝わってくるところがすごくよかったです。生身の人間が演じたら、痛々しくて生臭くなってしまうであろうお話が、人形アニメになったことで、その言いたいところが素直に心に届く当たりのうまさも含めて、2018年のベストワンです。ラストシーンはマジで大泣きさせられちゃいましたが、泣かせるための映画ではないところが、憎いと言うか、まんまとはまってしまったと言うか。

第2位「告白小説、その結末」
お疲れ気味の人気女性作家が、ファンだという女性と知り合い、仲良くなるのですが、段々、そのファンの女が作家の生活を侵食し始めるというお話で、ロマン・ポランスキー監督が語りのうまさで最後まで引っ張るミステリーの一編。ラストをきちんと説明しないで、観客に投げてるんですけど、それでも面白くて、観た後の満足感が高かったです。ああ、こういう展開、こういう結末でも面白い映画は作れるんだなあって感心しちゃいました。最近の映画では珍しい、知的エンタメ度の高い映画ということでここに上げてしまいました。

第3位「タリーと私の秘密の時間」
共働きで育児にお疲れのヒロインにさらに子供がうまれてグロッキー状態。そんな彼女がナイトシッターを頼んだら、これがちょっと不思議ちゃんだけど有能で、荒れていた家庭の中も明るく変わっていくというお話なんですが、これが結構シリアスな展開になるのがびっくり。日本の家庭にもあてはまる題材だけに、若いカップルにオススメしたい映画。これすごいいいところ突いてる映画だと思ったんだけど、あまり話題にならなかったんだよなあ。


第4位「男と女、モントーク岬で」
自分の過去の恋愛をモチーフに小説を書いている人気作家が、かつての恋人と再会し、ちょっとしたアバンチュールを期待するという男の身勝手視点と、過去に決着をつけたい恋人の視点が交錯するのが面白い大人の寓話のようなお話でした。二人の相容れない感じを巨匠フォルカー・シュレンドルフが丹念に描いていて見応えがありましたので、これを4位にあげちゃいます。

第5位「スリー・ビルボード」
惨殺された娘の母親が、街の入り口に警察批判の看板を掲げたことから起きるドラマは、物語として大変見応えのあるものでした。絶望と希望が交錯するドラマの中に、ぎりぎりの善意を織り交ぜていく脚本と演出が見事でした。血生臭い展開もあるし、愉快になれる映画ではないけれど、映画を観たという満足感が一番高かった映画です。

第6位「Search/サーチ」
パソコンのディスプレイ上の映像だけでドラマが展開するという、かなり奇をてらった作りの映画ながら、行方不明の娘を探すドラマがスリリング。二転三転する展開が見事で、サスペンスミステリーとして大変面白かったです。あまり内容を語れないのですが、パソコン上の映像だけなのに、きちんと大スクリーンでの鑑賞に堪える絵になっているのも点数高く、なるほど基本のアイデアの上に、色々な趣向を盛り込んでいることに感心させられました。

第7位「ロープ 戦場の生命線」
停戦後のボスニア・ヘルツェゴビナで働く「国境なき水と衛生管理団」のチームのある一日を描いたドラマです。地雷があちこちに埋まっていて、まだ武装した連中もうろうろしている中で、丸腰で頑張る国際NGOを、コミカルな味わいで描いたドラマは、日本で平和に暮らしている自分には色々な発見がありました。死と隣り合わせでも、住民の日々の暮らしが続いていく様を見せていくところも驚きでしたが、、そんな中に外国から乗り込んで行って、住民のために頑張るNGOの姿をコミカルに見せたセンスもよかったです。説教臭くなく、人の善意と勇気、そしてしぶとさを描いた映画として記憶にとどめておくべき映画と思いました。

第8位「女と男の観覧車」
ウディ・アレンの映画ですが、舞台劇のような見せ方で、役者の演技で物語を語る作りが新鮮で、ヒロインのケイト・ウィンスレットがまたうまい。元女優の四十女が、義理の娘が突然転がり込んできたことで、不幸が連鎖した挙句、最後は壊れていくという悲劇をどこかシニカルに眺めた視点で描いて、ドラマとしての見応えがありました。

第9位「恋するシェフの最強レシピ」
中国製のベタなラブコメですが、ヒロインがかわいくて、お約束の展開がすごく楽しかったので、ベストテンに入れちゃいました。大富豪の息子、金城武と天才シェフ、チョウ・ドンユイの恋愛模様は、夢のようなカップルではあるんですが、どこかどんくさい恋愛模様が何だかいとおしくなっちゃうのですよ。キスシーンすらないのに、二人が好きあっているのがビンビン伝わってくるのが楽しい一品でした。

第10位「アンロック 陰謀のコード」
CIAの尋問官であるヒロインがある事件に巻き込まれ行くというサスペンスものです。傑作というわけでもないし、とびきりのオススメではないのですが、ベテラン職人マイケル・アプテッド監督の手堅い演出で、よくできた娯楽映画に仕上がっています。最近、こういうジャンルで手堅い面白さを持った映画が少ないのであえてベストテンに入れさせていただきました。

この他では、ドラマとしての見応えがあった「バトル・オブ・セクシーズ」「ペンタゴン・ペーパーズ」、重厚な人間ドラマとしての「女は二度決断する」「ラブレス」、愛すべき小品としての「ビッグ・シック」「レディ・バード」といった作品が、ベストテンからこぼれてしまいました。2018年はあまり本数は稼げなかったのですが、当たりの映画の多い充実した1年だったと言えそうです。

毎年やってる、ベストテンには入らないけど、局所的に気になったピンポイントベスト5を挙げます。かなり無理やりひねりだした感はありますけど。

第1位 クチコミでヒットした「カメラを止めるな」がドタバタコメディでした。
低予算、ノースターの日本映画がまさかの大ヒット。シネコンでも拡大公開して、出演者がテレビにバンバン出るようになったりと、評判が評判を呼んだので、これがカルト映画なのかなと思いきや、劇場で鑑賞したら、楽しいドタバタコメディだったのにびっくり。伏線回収のうまさにまんまと映画にはまってしまいました。こういう楽しく笑える映画にスポットライトが当たるってのがうれしい事件でした。

第2位 「私はあなたのニグロではない」で自分の差別意識の根幹に気づかれてしまう。
アメリカの黒人の現代史のドキュメンタリーですが、そこで語られる「白人は差別する対象を必要としたのだ」という言葉は、そのまま日本人の自分にあてはまるなあってところが発見でした。それは同時に、黒人差別をする白人と同じメンタリティを自分を含めた日本人も持っているということになるわけで、他人事の筈の黒人差別の映画で、痛いところを突かれてしまいました。

第3位 「シェイプ・オブ・ウォーター」がアカデミー作品賞を獲っちゃったこと
ギレルモ・デル・トロ監督のオタク魂爆発の映画でしたけど、まさかアカデミー作品賞を獲っちゃうとは思いませんでした。黒人とかLGBTといったマイノリティ差別ネタが強かったアカデミー賞ですが、まさかこういうマイノリティにまで賞をくれるってのはどうなのって思っちゃいました。「ノートルダムの鐘」で最後に市民はせむしのカジモドに喝采をするのですが、それが長続きはしないであろう一時の熱狂です。それと同じように、この映画への評価、これにアカデミー賞を与えてしまった時代への評価が、この先どうなるのかなあってところが気になります。いい話だし、ドラマとしてもうまい映画なのですが、日陰だからこそ輝く映画もあるんじゃないかって言ったら怒られちゃうかしら。

第4位 「あなたの旅立ち、綴ります」のアマンダ・セイフライド
2018年の女優さんは豊作でして、「女と男の観覧車」のケイト・ウィンスレットを筆頭に、「ビッグ・シック」のゾーイ・カザン、「アバウト・レイ」のエル・ファニング、「ロープ 戦場の生命線」のメラニー・ティエリー、「ピーター・ラビット」のローズ・バーン、「バトル・オブ・セクシーズ」のエマ・ストーン、「スカイスクレイパー」のネーヴ・キャンベル、「ウインド・リバー」のエリザベス・オルセンといった面々が印象に残りました。そんな中で、特によかったと思ったのが、「あなたの旅立ち、綴ります」のアマンダ・セイフライドでして、シャーリー・マクレーンを向こうに回した演技合戦で引けを取らない実力を見せて見事でした。この人、色々なジャンルの役に挑戦していく姿勢がかっこいい女優さんだなあって思いますです。

第5位 「ラッキー」を見て、こういうジジイになりたいと思ったこと
自分の周囲の年寄りを眺めてると「こうはなりたくないものだ」と思わせられることばかりなのですが、そんな中で、「ラッキー」の主人公、ラッキーじいさんは、一見頑固ジジイのようで、経験や知識をひけらかすことなく、他人の言葉に耳を傾け、正しいと思ったらそれを受け入れる柔軟な思考の持ち主で、若い人からも一目置かれる存在です。もういい年の自分ですが、できることならこういうジジイになりたいと思わせる数少ないサンプルでした。映画としても、間のおかしさが楽しくて、ためになるジジイ映画でした。

というわけで、2019年も色々な映画に出会いたいと思っておりますので、本年もよろしくお願いいたします。

閉じる コメント(11)

顔アイコン

挙げられた映画を、見事なまでに観ていません(汗)。
私は映画館観賞が少なくて、DVDが多いので数年先に観ることになるのでしょうか(哀)。
私の分野別ベスト3をTBさせてください。

2019/1/16(水) 午後 10:39 [ あきりん ] 返信する

アバター

遅ればせながら本年もよろしくお願いします。
いつものことながら、観ているのがスリービルボードとサーチだけで(・・A;)あせあせ
サーチも面白かったですね。
他のについては徐々に見られればと思います。
こちらの適当なまとめ記事TBさせてくださいね。

2019/1/17(木) 午前 8:37 木蓮 返信する

顔アイコン

あきりんさん、コメント&TBありがとうございます。昨年は後半ダウンしてしまって映画館へあまり足を運べなかったのですが、それでも結構いい映画が多かった当たりの年でした。今年もそういう年になったらいいなって思っています。本年もよろしくお願いします。

2019/1/21(月) 午後 5:56 [ einhorn2233 ] 返信する

顔アイコン

もくれんさん、コメント&TBありがとうございます。昨年はあまり更新も訪問もできず失礼しました。本年もよろしくお願いいたします。1位の「ぼくの名前はズッキーニ」はマジでオススメですので、機会があればご覧になってください。

2019/1/21(月) 午後 5:58 [ einhorn2233 ] 返信する

顔アイコン

初めまして、みーこと申します。

七間町の映画ポスター展に行き、懐かしい南街劇場の
名を発見し、検索してこちらにたどり着きました。

小さい時からの映画ファンですが、小さい時に我が家前に南街劇場の看板があり、祖母がわたしがおむつをはずれた頃から、その只券で
手を引いて連れて行ってくれた覚えがあります。

当時の記憶では、フランキー堺とか森繁さんの映画がかかっていた
ような?
三歳になるやならずの幼子にはたいくつで、よく後ろを見て
ホコリがきらきらして綺麗だな〜と思ってました。
看板も「地獄門」?辺りを最後に別の場所に代わってしまい只券はいただけなくなりましたが、南街の知り合いの方からの電話で「おしゃれ泥棒」を見せて頂きました。
南街が1985年まであったのも驚きました。
成人映画の時代が長くあったのでしょうね。


両親も娯楽は映画のみという世代でしたから、よくディズニー映画には連れて行ってもらいました。

青春は映画館でと言っても過言ではありません(もっと勉強すれば良かったです・・・・)

長文の自分語り失礼致しました

2019/1/25(金) 午後 7:31 [ ss1**6061 ] 返信する

顔アイコン

みーこさん、訪問ありがとうございます。南街劇場のお近くにお住まいだったのですね。昔は普通の邦画や洋画を上映していたのですね。物心ついた時は成人映画館だったのですが、私が学生の時に一時的に洋画の名画座になった時期があって、その時、何回か観に行きました。劇場の右後ろが盛り上がっていたという記憶があります。洋画の名画座も長続きせず、また成人映画館に戻ってから閉館したようです。家の近所に映画館があるってのはうらやましいです。今のきれいなシネコンも悪くないのですが、街の映画館という佇まいは捨てがたいものがあります。

2019/1/27(日) 午後 8:55 [ einhorn2233 ] 返信する

顔アイコン

einhorn2233さん,ありがとうございます。
南街劇場の写真をポスター展で撮らせて頂いたので両親に見せたら
懐かしがっていました。
洋画の名画座でもあったのですね。
近所に「アンネの日記」のポスターが貼ってあったのを
よく覚えています。

名画座の上?でしたか、地球座や小劇場の写真もです。

今のシネコンより人情味があって確かに街の映画館良かったですが、高校生の時に部活をさぼって清水の映画館(静鉄電車の終点清水駅のそば?)に「大脱走」を見に行ったところ、アンマニア臭漂い、とどめは、何か足下に近づいてくると思ったら、大きなドブネズミでした。思わず叫びそうになりました。
もうとっくの昔に無くなってしまい名も忘れた映画館の想い出の
一コマです(..;)

2019/1/29(火) 午後 9:48 [ ss1**6061 ] 返信する

顔アイコン

みーこさん、追コメありがとうございます。
地球座というのは、私は存じ上げないのですが、昭和30年代には、当時の南町というところにあった映画館のようですね。南街劇場よりも駅に近いところにあったようです。名画座と小劇場は私も学生の頃、よく足を運んだ七間町の映画館です。どっちも小さいスクリーンだけど、安く映画を見せてくれる映画館でした。当時は映画館毎のカラーがあって楽しかったという記憶がありました。
映画館でネズミの遭遇したことはありませんでしたけど、当時の映画館はオッサンがタバコ吸うのが当たり前みたいなところが結構あって、そのせいで、私はタバコが嫌いになって今日に至っています。
町の文化のバロメーターだと思っているのが、本屋、喫茶店、映画館だと思っている私としては、本屋もカフェもチェーン化し、映画館もシネコンになった最近の町の文化事情がちょっとさびしくもあります。

2019/1/31(木) 午後 5:38 [ einhorn2233 ] 返信する

顔アイコン

私も未見の作品が沢山!おいおい観ていきたいと思います。
ベスト作品を選ぶことは難しいので記憶に残った作品をまとめたものですがTBさせてくださいね。

2019/2/4(月) 午前 10:57 アンダンテ 返信する

顔アイコン

アンダンテさん、コメント&TBありがとうございます。昨年は「ちょっと昔」を扱った結構面白いドラマが多かったですよね。「バトル・オブ・セクシーズ」とか「ペンタゴン・ペーパーズ」とか、後、私は未見ですが「ボヘミアン・ラプソディ」もそんな感じの1本ではないかしら。あまり、多くの本数を見ていないベストテンなのですが、どの映画も、どこか見所があった映画なので、機会があればお試しいただけるとうれしいです。

2019/2/4(月) 午後 8:02 [ einhorn2233 ] 返信する

顔アイコン

「ぼくの名前はズッキーニ」よかったですよね。
凄く気になった作品だったので劇場で見れてよかったです。
TBお願いします!

2019/5/9(木) 午後 3:37 かず 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(4)


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事