今昔映画館(静岡・神奈川・東京)

やっと書き込み再開します。本年もよろしくお願いいたします。

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今回は新作の「マイル22」を川崎の川崎チネチッタ1で観てきました。ここは、最前列は画面が見えないのですが、普段売ってるのかなあ、うっかり買っちゃったら、チネチッタに二度と来なくなっちゃうよなあ。車椅子席も反則すぎるし。

CIAの特殊部隊が、アメリカの住宅街の中にあるロシアのスパイの隠れ家(セイフハウス)を押さえようとします。作戦は順調に進んだのですが、相手の思わぬ反撃に、スパイの確保から殺害に指示が変更され、特殊部隊側にも負傷者を出しながら、そこにいたロシアのスパイ全員を射殺します。その後、チームはアジアのインドカーという国のアメリカ大使館で、盗まれたセシウムの捜査をしていました。チームリーダーのジェームズ(マーク・ウォールバーグ)は、セシウムのガセ情報をつかまされた同僚のアリス(ローレン・コーハン)をボロクソに言ったり、かなり精神的に危ない人みたい。とは言え、6万人を殺す兵器に化けるセシウムを早急に発見する必要がありました。すると、大使館にリー(イコ・ウワイス)というインドカーの警官が保護を申し出てきます。リーはアリスにガセ情報をつかませた男でしたが、今度は本当にセシウムのありかを記録したディスクを持ち込み、亡命させてくれたら、そのパスワードを教えるというのです。インドカー当局は身柄の引き渡しを要求してきます。ジェームズはオーバーウォッチ作戦を発動させ、リーを飛行場まで運んでアメリカへ送ろうとします。アメリカ国内の某所にマザー(ジョン・マルコヴィッチ)以下、作戦の指揮、誘導をするチームが集められ、リーの移動作戦を開始することになります。一方、その状況をロシアの哨戒機が監視していたのでした。

「キングダム」「ローン・サバイバー」などでヒネリの効いたアクション映画を作ってきたピーター・バーグ監督の新作です。「ローン・サバイバー」「パシフィック・オーシャン」など、バーグとは4本目のタッグとなるマーク・ウォールバーグが主演しており、リー・カーペンターとグラハム・ローランドによる原案をカーペンターが脚本化しています。CIAのこの特殊部隊は、国内外で時として超法規的な行動をとることもあり、その時は、国家機関の肩書を放棄して臨む(相手側からすればテロリストにも見えちゃう)という、どうも汚れ仕事の専門家みたいなんです。彼らの使うオーバーウォッチ作戦と言うフォーメーションは、ジェームズたち現地部隊を、3000キロ以上離れた場所で、遠隔的に指揮を執る部隊がいて、そこにいるマザー(ジョン・マルコビッチ)以下の面々がコンピュータを駆使して情報収集、情報提供、時には遠隔支援も行うのです。今回は盗まれたセシウムの捜査のために、ジェームズ達は東南アジアのインドカーという国のアメリカ大使館に身を置いていました。

ジェームズというのは、精神的に切れやすいものを持っているのか、いつも手にゴムバンドをはめて、それで気分を落ち着かせているようなところがあり、同僚に対する口の効き方も結構ひどい。でも、いざとなると的確な判断と射撃の腕で、危機を乗り越えてきたらしいのです。そんなジェームズ達の前に現れたのが、セシウムのありかが入ったディスクを持ったリーという警官です。何を考えているのかわからないけど、相当肝の据わった男らしいリーは、ディスクのパスワードを渡すから、アメリカへ亡命させろと言ってきます。インドカーの当局の人間は彼を引き渡せと言ってくるし、リーは大使館の医務室で、そこにいた男二人に襲われます。リーは驚くべき身体能力で逆襲に出て、二人を血祭にあげるのですが、どうもリーの持っている情報は重要らしいということになり、ジェームズのチームで、リーをアメリカに亡命させるため、大使館から飛行場まで移送することになります。ジェームズの依頼でスーパーウォッチ作戦のフォーメーションが敷かれ、チームは2台の車で大使館を出発します。しかし、彼らの行動や通信内容は筒抜けになっていて、早速、バイク集団の襲撃を受け、2台の車のうち1台は爆破され、メンバーの半分が死亡、それでも残った3人でリーを空港へ届けようとするのですが、次々と武装した追手がやってきます。

仮想国インドカーの首都は、コロンビアでロケされたそうで、街中で派手なカーチェイスや爆破シーンが登場します。その一方で、インドネシア映画「レイド」で世界的に名を知られるようになったリー役のイコ・ウワイスが重量級のアクションを見せています。特に、病院内での2対1のアクションは手錠をはめられているハンディマッチなのに、相手を最後には叩き殺すまでを迫力の殺陣で見せてくれます。冒頭の状況説明の後は、アクションシーンの連続でつないでいくという構成で、映画は最後まで一気に突っ走ります。ジェームズのキャラを丁寧に説明しておく一方で、リーのキャラがなかなか読めないというところは、ドラマの盛り上げに大きく貢献しておりまして、ムチャクチャ強いけどミステリアスな男が最後までサスペンスをつなぎます。脇役のロンダ・ラウジーやローレン・コーハンといった面々がきちんとキャラが描けているのは、95分の見せ場連続の映画にしてはうまいと思うし、アクション映画の定番をちょっと外した見せ方のうまさもあり、ピーター・バーグの職人演出はさすがですが、その一方で、ヒネリの効いた視点の部分もあり、組織と個人の関係をそういうふうに見せるかという面白さがありました。特殊メイクにハワード・バーガー率いるKNBイフェクツが参加しているので、若干バイオレンスはハードかな。(あくまで若干ですが)



この先は結末に触れますのでご注意ください。(未見の方は読まないでください)



次々にメンバーを失い、車を乗り換えて逃走しようとするもさらに車をぶつけられて、近くのアパートに逃げ込むジェームズ、アリス、リーの3人、何とか逃げ道を探すマザーたちですが、追手はさらに数を増し、はぐれたアリスは巨漢に追い詰められます。こんなことになったのもお前のせいだと詰るジェームズに、「アリスを助けよう」と申し出るリー。ジェームズは彼の手錠を外し、二人で協力して追手を倒し、アリスを助け出すことにも成功します。でも、予定の時間は過ぎ、離陸しようとする輸送機の前に、彼らの車が飛び出し、間一髪で、輸送機にリーを乗せることに成功し、アリスも一緒に帰国することになります。その直後、マザーはリーの正体がロシアのスパイに気づくのですが、全ては遅く、マザーのいたコントロールチームは敵による銃撃で全滅、輸送機もリーの乗っ取られ、アリス共々行方不明になります。そもそも、セシウム盗難事件から、ロシアが一枚噛んでいたのです。それは映画の冒頭で殺されたロシアの工作員の一人が18歳の少年で、その母親が政府高官だったのです。高官は、息子の敵討ちのために、彼を殺した関係者に復讐を試み、それはほぼ成功します。しかし、実際に息子に引き金を引いたジェームズだけが生き残るという皮肉な結果となり、ジェームズはリーに対して新たな闘志を燃やすのでした。おしまい。

極限まで追い詰められたジェームズたちにリーが加担して、追手をやっつけるシーンはなかなかのカタルシスがあるのですが、最後の最後でリーがロシアのスパイと判明して、関係者はジェームズを残してみんな殺されてしまいます。リーがドラマの中盤で、ジェームズに「なぜ、こんなことをする気になったのか。」と問うと「家族の敵だ。」と答えるシーンもありますし、冒頭のセーフハウスの死亡者の中に18歳の少年が混じっていたという、伏線もあったのですが、最後までそういうことを考えさせないテンション高いアクションシーンの連続で、最後までまんまと騙されてしまいました。非情な組織によって個人が犠牲になるというのは、よくあるパターンなのですが、今回は私怨を発端にした作戦で関係ない人間(特にインドカー警察の追手のみなさん)が犠牲になっていくという図式が面白く、そういう切り口で見せてくるかあってところが新鮮でした。組織の歯車として、淡々とミッションをこなしていた筈のジェームズが、次はリーを仕留めてやると意気込むラストも、妙に生臭い後味を残します。ともあれ、迫力あるバイオレンスアクションとして見応えがある映画ですが、その上に意外でシニカルなオチを持ってくるあたりは、一筋縄ではいかない映画に仕上がってます。派手な見せ場の作り方のうまいピーター・バーグ監督ですが、それだけじゃないぞとさらにもう一つ乗っけてくるあたり、彼の次に映画にも期待しちゃいます。

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