今昔映画館(静岡・神奈川・東京)

やっと書き込み再開します。本年もよろしくお願いいたします。

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

今回は、川崎のチネチッタ4で、新作の「パペット大捜査線」を観てきました。ここは中劇場タイプながら、画面が大きいので映画を観たなあっていう充実感のある映画館。

人間とパペットが共存する世界。でも、パペットは二級市民というか、何かと差別されちゃっています。パペットのフィル(ビル・バレッタ)は、元警官でしたが、ある事件をきっかけに警官をやめ、今は探偵事務所を営んでいます。そんな彼のもとにセクシーなパペットのサンドラが自分の秘密を暴くと脅迫されていると言って、調査の依頼に来ます。その脅迫状の切り抜き文字に見覚えがあったフィルは、知りあいのアダルトショップに出かけて、エロ雑誌のロゴが脅迫状にあったことを発見するのですが、そこへ何者が侵入して居合わせた連中を皆殺しにします。さらに、フィルの兄も惨殺されたことで、90年代のテレビ番組「ハッピータイム・ギャング」の関係者が狙われたのでは?と警察も動き出します。かつての同僚の人間の刑事コニー(メリッサ・マッカーシー)と再び組まされて事件を捜査することになるフィル。すると本当に番組の出演者が次々に殺され、その現場に必ず居合わせるフィルは犯人として追われる身になっちゃいます。果たして、フィルは自分に向けられた疑惑を晴らして、真犯人を見つけることができるのでしょうか。

パペットというのは、操り人形のスタイルであるマリオネットとパペットの合成語です。日本だと、初めてパペットがメジャーになったのは、教育テレビで放送した「セサミ・ストリート」ではないかしら。カエルのカーミットとかクッキーモンスターなんてのが記憶にあるのですが、日本語吹き替えでない英語放送は、子供の私には敷居が高くて、たまにチラ見する程度でした。アメリカではパペットの番組や映画が色々と製作されたようですが、日本では「パペット放送局」が半年間放送されたくらいだったように思います。これは有名な歌手や俳優がパペットと一緒にバカをやるという楽しい番組でしたが、何か打ち切られ感が強かったのが残念でした。で、この映画なんですが、パペットと人間が共存する世界で、起きた犯罪ミステリーものということになるのかな。でも、やってることはすごぶる下品。冒頭のアダルトショップの描写ですとか、パペットのフィルとサンドラのセックスシーンとかも、くだらないを通り越して「バカじゃねえの?」のレベルになっています。パペット惨殺シーンにもリアルなスプラッター描写があります。でも、飛び散るのは血肉ではなくて、中の綿なんで、何かビミョーな変な感じ。また、パペットの世界の麻薬が砂糖だとか、パペットも子を持って、その子が成長するなんていう、完全に思いつきだけ並べたような世界観が、「やっぱりバカだねー」な面白さになっています。最近のアメコミ映画やハリ・ポタ系映画が、その世界観を真面目に描こうして、面倒くさいお約束を並べてきていることへのアンチテーゼとも思えるバカバカしさは、世界観の面倒な映画はスルーしちゃう私にとっては、すがすがしいバカらしさとして楽しめました。「スター・ウォーズ」以降、映画は世界観に縛られて枝葉末節を描き込むことが「良い事」とされてるのが、面倒くさいなあって思っていた私には、こういう「細かい事はいいんだよ」というスタンスがうれしく感じられました。ただ、やり過ぎ感もありまして、私はギリ持ちこたえましたけど、人によっては結構引いちゃうかもしれません。そういう意味では、万人向けの映画とは言い難く、珍品として楽しむことができる物好き向きの映画なのかなあ。でも、公開時に、興収3位まで行ったそうですから、一応メジャーな映画になるのかと思いつつ、「ホステル」が興収1位になっちゃう物好きの層の厚いアメリカだから、こういうある意味ゲテモノ映画も作れば当たるんだろうなあ。

映画の作りは冒頭は、フィリップ・マーロウか「チャイナタウン」を思わせる渋い探偵ものの味わいなんですが、舞台がすぐアダルトショップに行くので、そこから先は、もう何でもアリな映画になっちゃいます。パペットの惨殺死体とか、パペットのドザエモンとか登場しますし、女刑事のコニーは、銃で撃たれた時に、パペットの肝臓を移植して一命をとりとめたというわけのわからない設定ですし、「細かい事を考えてもムダ」という筋が一本通った(?)展開になっています。それでも、一応は連続殺人モノからのミステリータッチの展開になって、なぜかマトモに着地するのがまた変。最後までムチャクチャやるんかと思ったら、何かパワーダウンしちゃったような気もするのですが、後半は、フィルとコニーのバディものみたいな味わいで、悪趣味度は前半が10なら、後半4くらいと、変なバランス感覚があるみたい。つかみの部分で下品度を膨張させておいて、後半で普通の娯楽映画へ落とし込むという作りは、何だか妥協の産物だよなあ。バカで下品のまま最後まで突っ走ったその昔の「ズーランダー」みたいな映画の方が稀なのかな。それとも、最近の映画は複数の国の複数の会社が出資してるから、最後は万人向けにしとかないと、グローバルな商売ができないのかも。この映画も冒頭で中国の会社のロゴも出ましたし。

そんなわけで、パペットは登場するけど、笑いは下品で、世界観は思いつき、それでもラストでいい話にまとめようとする、かなりの珍品と申せましょう。私がここ数年で珍品と思った映画には「シンクロナイズド・モンスター」とか「聖なる鹿殺し」なんてのがありましたが、こちらの方がバカ度の高い珍品と言えそうです。エンドクレジットがメイキングになっているんですが、それによるとグリーンのスーツに身を包んだパペッターが3人がかりで1体の人形を操作してます。なるほど手作り感覚の職人芸で人形を動かして、そのパペッターをデジタル処理で画面から消してるみたいです。



この先は結末に触れますのでご注意ください。



フィルとコニーは「ハッピータイム・ギャング」のかつての出演者たちに会いに行くのですが、その先々でみんな殺されてしまうので、ますますフィルの嫌疑は濃くなり、ついにはFBIに逮捕されてしまうのでした。隣の取調室で、フィルへの依頼者であったサンドラが嘘八百の証言をしていたのを見て、フィルはこいつが犯人だと確信。そもそも、彼女の脅迫状の文字を調査に行ったところから連続殺人が始まっているのですもの。そして、取調室で見えた彼女がアンダーヘアの色から、かつてフィルが誤って射殺した男の娘だと気づくのでした。全ての殺人は、父親を殺したフィルに復讐するためのものだったのです。コニーが一計を案じ、フィルを銃で撃って、病院へ運ぶ途中で脱走、高飛びしようとするサンドラを捕まえようとするのですが、サンドラはコニーを盾にとって逃げようとします、かつての誤射のトラウマが頭をよぎるフィルですが、今度は誤らずサンドラの頭を撃ち抜き、その結果、フィルは警察に復職し、再びコニーとコンビを組むことになるのでした。おしまい。

コニーを演じたメリッサ・マッカーシーが出しゃばり過ぎない脇役としてのコメディエンヌぶりがお見事で、どうしても表情の乏しくなるパペットのフィルとうまいバランスを取って、最後にはフィルと和解するキャラを好演しています。またチョイ役のエリザベス・バンクスや、フィルの秘書役のマーヤ・ルドルフといった個性の強い面々も、脇のポジションで目立ち過ぎない演技で、パペットのフィルをうまく立てているようです。彼女たちのような、大芝居のコメディ演技をする女優さんたちと、パペットを共演させて、パペットが霞まないように采配したヘンソンの演出は、この映画を暴発させないでうまく着地させることに成功しています。ただ、個人的には、最後までバカと下品を貫くのも、ある種の見識だと思ってまして、そういう意味では若干刺激が足りなかったかも。オードブルでとんでもないスパイシーな味付けをしてったのが、メインディッシュではまろやな無難な味付けになっちゃったと言ったら伝わるかしら。最近のハリウッドの映画製作費高騰のおり、全世界公開してモトを取る必要があるとき、最後で映画がとんがり続けるのは難しい時代になったのかもしれません。

閉じる コメント(2)

そうですねバカまっしぐら!と思いきや、ベースはベーシックな刑事ものでした。
この作品、PG12のようですが、パペットだからってお子さま連れだとちょっと困ってしまうでしょうね。
まあ、そんな人はあまりいないと思いますが…
でもパペットの死はよくわかりませんでした。縫ってくっつければ皆復活でフィナーレかとちょっと期待していました。(コジカ)

2019/3/1(金) 午前 7:26 ひつこじ 返信する

顔アイコン

コジカさん、コメントありがとうございます。冒頭でバカまっしぐらと期待したんですけどねえ。確かにパペットが銃弾一発で死んじゃうってのは意外でしたね、何だかゾンビみたいだなって思っちゃいました。まあ子連れで観る映画じゃないから、R15でよかったように思います。「テッド」がR15でしたけど、結局、セックスよりハッパの方が罪深いっていう、映倫の基準も変ですよね。気まずい度はこっちの方が明らかに上ですもの。

2019/3/4(月) 午後 7:20 [ einhorn2233 ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事