今昔映画館(静岡・神奈川・東京)

やっと書き込み再開します。本年もよろしくお願いいたします。

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今回は新作の「噂のモーガン夫妻」を銀座有楽座で観て来ました。日曜の初回に行ったのですが、お客さんは数えるほどで、日本ではコメディは難しいんだなあって改めて認識。私はこういう映画を映画館で観たいクチなんですが、こういう映画がDVDスルーになってほしくないって思います。

今、別居中の夫婦ポール(ヒュー・グラント)とメリル(サラ・ジェシカ・パーカー)。ポールは弁護士でメリルは不動産会社の社長、どっちもセレブっぽい。ポールの浮気が原因で別居中なんですが、ポールとしては復縁した気満々。そんなある日、久しぶりに二人で食事した帰り道、何と殺人事件を目撃して、犯人と目が合っちゃいます。組織間の抗争による殺し屋の犯行だっただけに、FBIは二人に証人保護プログラムを適用し、二人を一時的に田舎にかくまうことになります。二人一緒ってところにブーイングのメリルだったのですが、とりあえずの仮の宿、一週間して安全が確保できなければ、別の場所にバラバラに移送ということで渋々納得。二人は、ワイオミング州のレイという小さな町の保安官夫婦(サム・エリオット、メアリー・スティーンバージェン)の家に住むことになります。家の前までクマがやってくるような環境で、慣れない田舎暮らしをする二人ですが、まあ定番というか、いい感じに関係が修復していきます。ですが、殺し屋は二人をあきらめておらず、メリルの秘書に盗聴器を仕掛けたりしています。果たして、この映画の結末は?.... ハッピーエンドです!

私が映画館で観た最も古いハリウッド製ラブコメというと「或る夜の出来事」になるのですが、それ以降、リアルタイムで観たラブコメの最初というと「恋人たちの予感」になると思います。「恋人たちの予感」がヒットしたことから、コンスタントにハリウッド製ラブコメが日本でも劇場公開されるようになったような思います。大恋愛ものとは違うし、ベタなお笑いにも走らない、ライトな味わいのラブコメがたくさん作られ、メグ・ライアン、ジュリア・ロバーツ、サンドラ・ブロック、ドリュー・バリモアなどの女優さんがこのジャンルで有名になりました。恋愛映画がほぼこのジャンルに固定されてしまい、大恋愛ドラマにお目にかかれなくなったのも事実でして、この生活感から離れたライトな恋愛感覚が、日本のドラマにも大きな影響を与えていると言えます。

この映画もその延長にある一本と言えまして、ラブコメの佳品「トゥー・ウィーク・ノーティス」「ラブソングができるまで」を監督したマーク・ローレンスがメガホンを取りました。前二作では、シチュエーションの面白さに、意外と細やかな恋愛模様を交えて、楽しい映画に仕上げることに成功していましたが、今回は、シチュエーションの面白さ以上のものを恋愛ドラマに盛り込めなかったようで、ここで「映画の奇蹟」「愛の奇蹟」を見せて欲しいわってところで、グダグダになっちゃうのが残念。

映画の前半は、レイという田舎町にやってきたニューヨーカー二人がカルチャーギャップにあたふたするところのおかしさがあります。でも、そのギャップで笑いを取るほうには走らないです。品の良さを感じつつも何だか物足りない感じ。主人公二人の仲直りの過程もなんとなくっなるようになるという展開。ローレンスの演出はテンポよくエピソードをさばいていくのですが、前半のカルチャーギャップには視点の面白さを感じたものの、全体を毒のないさらりとした味わい(悪く言うとヌルい)に仕上げました。今回は過去のヒュー・グラントと、「SEX AND CITY」のサラ・ジェシカ・パーカーのキャラに頼りすぎたのか、シチュエーションの面白さを使いきれなかったという印象です。もっと、田舎と都会の両方を笑いものにしちゃう鋭さのようなものが欲しかったですが、シニカルな笑いは苦手なようです。

展開としましては、田舎暮らしのギャップにも慣れてきて、二人の仲もよくなってきたけど、そこへ殺し屋が現れて命を狙われるけど、周囲の人々のおかげで命拾い。それまで子供が欲しかった妻と親になる自信がなかった夫の葛藤があったけど、エピローグでは、養子をもらって、さらにメリルもホントにご懐妊となってハッピーエンド。こう書くとすごく他愛ない話みたいですけど、そんな感じなんです。主演の二人は達者ですし、それなりに楽しめますから、面白い映画なんですけどね。役者も、ごひいきメアリー・スティーンバージェンは相変わらず魅力的でうまいですし、お久しぶりのウィルフォード・ブリムリーとのご対面もあり、若手のエリザベス・モスのおかしさも発見できましたから、それなりの満足度もあります。

ラブコメの場合、ある程度俳優の従来キャラに頼るってところはあります。メグ・ライアンとかはある程度キャラが固定してましたし(「恋におぼれて」は別格)、この作品のヒュー・グラントもまた然り。一々設定を説明する手間を省けて、すぐにドラマの本筋に入れるから便利なんですが、そこに一工夫ないと既視感ありありで面白みが半減しちゃいます。この映画も残念ながら、そんな感じなんです。「ラブソングができるまで」では、冒頭で主人公のMTVを見せて、設定をうまく説明していたのですが、今回はキャラ紹介に時間を割けなかったようです。その場合、物語の展開に伴って、性格や感情が変化していくのが、うまく伝えきれなくなります。今回はその結果、ラブコメといった場合のラブの展開の部分が、この映画では弱くなってしまって、主役二人の関係のドラマが曖昧になってしまいました。まあ、この映画はもともとシチュエーションコメディであって、ラブの部分はあってなきが如しということもできるんですが、そこに説得力がない分、養子&ご懐妊のエピローグが暴走しちゃってるような印象を受けてしまったのもまた事実です。もっと「田舎にとまろう」部分で笑いの点数を稼いでおけばよかったのかな。いわゆる「ボーイ・ミーツ・ガール」のパターンではないだけに、もう少しドラマ部分の肉付けが欲しかったように思いました。

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