今昔映画館(静岡・神奈川・東京)

やっと書き込み再開します。本年もよろしくお願いいたします。

ベストテンとか

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今年に入ってから、映画館へ行く頻度が減っていまして、さらに忙しいこともあって、記事の更新ができておりません。最近も「トイ・ストーリー4」とか「さらば愛しきアウトロー」といった映画を観ているのですが、記事にできておりません。

さらに、Yahooブログが閉鎖されるということになって、それものほほんと放っておけなくて、とりあえずブログの引っ越しをしました。FCブログの以下のアドレスとなります。


記事を文言のみ移動したのみで、参照するとこちらのブログ記事に飛ぶという状況ですが、今後はこちらの方へ記事をアップしていこうと考えております。お気が向きましたら、新しいブログへもお立ち寄りをお願いいたします。そう思っていただくためにももっとマメに記事をアップしていかないといけないのですが、そこは少しずつ記事を追加して参ります。

今後ともよろしくお願いいたします。
2018年は、後半ほとんど映画館へ行けていないのですが、それでも観た映画を並べてみたら結構いい映画が多くて、強引ですがベストテンを作ってしまいました。昨年は観た本数が少ない割にいい映画が多かったみたいです。

第1位「ぼくの名前はズッキーニ」
コマ撮りの人形アニメで、冒頭はちょっとブラックな味わいへ進むのかと思わせるのですが、親を失って施設に預けられた主人公の物語が、すごく泣かせるのですよ。ただ、泣かせるというのではなく、そこに「子供をいじめたり、捨てちゃダメ」という明確なメッセージがあって、作り手の怒りと希望が伝わってくるところがすごくよかったです。生身の人間が演じたら、痛々しくて生臭くなってしまうであろうお話が、人形アニメになったことで、その言いたいところが素直に心に届く当たりのうまさも含めて、2018年のベストワンです。ラストシーンはマジで大泣きさせられちゃいましたが、泣かせるための映画ではないところが、憎いと言うか、まんまとはまってしまったと言うか。

第2位「告白小説、その結末」
お疲れ気味の人気女性作家が、ファンだという女性と知り合い、仲良くなるのですが、段々、そのファンの女が作家の生活を侵食し始めるというお話で、ロマン・ポランスキー監督が語りのうまさで最後まで引っ張るミステリーの一編。ラストをきちんと説明しないで、観客に投げてるんですけど、それでも面白くて、観た後の満足感が高かったです。ああ、こういう展開、こういう結末でも面白い映画は作れるんだなあって感心しちゃいました。最近の映画では珍しい、知的エンタメ度の高い映画ということでここに上げてしまいました。

第3位「タリーと私の秘密の時間」
共働きで育児にお疲れのヒロインにさらに子供がうまれてグロッキー状態。そんな彼女がナイトシッターを頼んだら、これがちょっと不思議ちゃんだけど有能で、荒れていた家庭の中も明るく変わっていくというお話なんですが、これが結構シリアスな展開になるのがびっくり。日本の家庭にもあてはまる題材だけに、若いカップルにオススメしたい映画。これすごいいいところ突いてる映画だと思ったんだけど、あまり話題にならなかったんだよなあ。


第4位「男と女、モントーク岬で」
自分の過去の恋愛をモチーフに小説を書いている人気作家が、かつての恋人と再会し、ちょっとしたアバンチュールを期待するという男の身勝手視点と、過去に決着をつけたい恋人の視点が交錯するのが面白い大人の寓話のようなお話でした。二人の相容れない感じを巨匠フォルカー・シュレンドルフが丹念に描いていて見応えがありましたので、これを4位にあげちゃいます。

第5位「スリー・ビルボード」
惨殺された娘の母親が、街の入り口に警察批判の看板を掲げたことから起きるドラマは、物語として大変見応えのあるものでした。絶望と希望が交錯するドラマの中に、ぎりぎりの善意を織り交ぜていく脚本と演出が見事でした。血生臭い展開もあるし、愉快になれる映画ではないけれど、映画を観たという満足感が一番高かった映画です。

第6位「Search/サーチ」
パソコンのディスプレイ上の映像だけでドラマが展開するという、かなり奇をてらった作りの映画ながら、行方不明の娘を探すドラマがスリリング。二転三転する展開が見事で、サスペンスミステリーとして大変面白かったです。あまり内容を語れないのですが、パソコン上の映像だけなのに、きちんと大スクリーンでの鑑賞に堪える絵になっているのも点数高く、なるほど基本のアイデアの上に、色々な趣向を盛り込んでいることに感心させられました。

第7位「ロープ 戦場の生命線」
停戦後のボスニア・ヘルツェゴビナで働く「国境なき水と衛生管理団」のチームのある一日を描いたドラマです。地雷があちこちに埋まっていて、まだ武装した連中もうろうろしている中で、丸腰で頑張る国際NGOを、コミカルな味わいで描いたドラマは、日本で平和に暮らしている自分には色々な発見がありました。死と隣り合わせでも、住民の日々の暮らしが続いていく様を見せていくところも驚きでしたが、、そんな中に外国から乗り込んで行って、住民のために頑張るNGOの姿をコミカルに見せたセンスもよかったです。説教臭くなく、人の善意と勇気、そしてしぶとさを描いた映画として記憶にとどめておくべき映画と思いました。

第8位「女と男の観覧車」
ウディ・アレンの映画ですが、舞台劇のような見せ方で、役者の演技で物語を語る作りが新鮮で、ヒロインのケイト・ウィンスレットがまたうまい。元女優の四十女が、義理の娘が突然転がり込んできたことで、不幸が連鎖した挙句、最後は壊れていくという悲劇をどこかシニカルに眺めた視点で描いて、ドラマとしての見応えがありました。

第9位「恋するシェフの最強レシピ」
中国製のベタなラブコメですが、ヒロインがかわいくて、お約束の展開がすごく楽しかったので、ベストテンに入れちゃいました。大富豪の息子、金城武と天才シェフ、チョウ・ドンユイの恋愛模様は、夢のようなカップルではあるんですが、どこかどんくさい恋愛模様が何だかいとおしくなっちゃうのですよ。キスシーンすらないのに、二人が好きあっているのがビンビン伝わってくるのが楽しい一品でした。

第10位「アンロック 陰謀のコード」
CIAの尋問官であるヒロインがある事件に巻き込まれ行くというサスペンスものです。傑作というわけでもないし、とびきりのオススメではないのですが、ベテラン職人マイケル・アプテッド監督の手堅い演出で、よくできた娯楽映画に仕上がっています。最近、こういうジャンルで手堅い面白さを持った映画が少ないのであえてベストテンに入れさせていただきました。

この他では、ドラマとしての見応えがあった「バトル・オブ・セクシーズ」「ペンタゴン・ペーパーズ」、重厚な人間ドラマとしての「女は二度決断する」「ラブレス」、愛すべき小品としての「ビッグ・シック」「レディ・バード」といった作品が、ベストテンからこぼれてしまいました。2018年はあまり本数は稼げなかったのですが、当たりの映画の多い充実した1年だったと言えそうです。

毎年やってる、ベストテンには入らないけど、局所的に気になったピンポイントベスト5を挙げます。かなり無理やりひねりだした感はありますけど。

第1位 クチコミでヒットした「カメラを止めるな」がドタバタコメディでした。
低予算、ノースターの日本映画がまさかの大ヒット。シネコンでも拡大公開して、出演者がテレビにバンバン出るようになったりと、評判が評判を呼んだので、これがカルト映画なのかなと思いきや、劇場で鑑賞したら、楽しいドタバタコメディだったのにびっくり。伏線回収のうまさにまんまと映画にはまってしまいました。こういう楽しく笑える映画にスポットライトが当たるってのがうれしい事件でした。

第2位 「私はあなたのニグロではない」で自分の差別意識の根幹に気づかれてしまう。
アメリカの黒人の現代史のドキュメンタリーですが、そこで語られる「白人は差別する対象を必要としたのだ」という言葉は、そのまま日本人の自分にあてはまるなあってところが発見でした。それは同時に、黒人差別をする白人と同じメンタリティを自分を含めた日本人も持っているということになるわけで、他人事の筈の黒人差別の映画で、痛いところを突かれてしまいました。

第3位 「シェイプ・オブ・ウォーター」がアカデミー作品賞を獲っちゃったこと
ギレルモ・デル・トロ監督のオタク魂爆発の映画でしたけど、まさかアカデミー作品賞を獲っちゃうとは思いませんでした。黒人とかLGBTといったマイノリティ差別ネタが強かったアカデミー賞ですが、まさかこういうマイノリティにまで賞をくれるってのはどうなのって思っちゃいました。「ノートルダムの鐘」で最後に市民はせむしのカジモドに喝采をするのですが、それが長続きはしないであろう一時の熱狂です。それと同じように、この映画への評価、これにアカデミー賞を与えてしまった時代への評価が、この先どうなるのかなあってところが気になります。いい話だし、ドラマとしてもうまい映画なのですが、日陰だからこそ輝く映画もあるんじゃないかって言ったら怒られちゃうかしら。

第4位 「あなたの旅立ち、綴ります」のアマンダ・セイフライド
2018年の女優さんは豊作でして、「女と男の観覧車」のケイト・ウィンスレットを筆頭に、「ビッグ・シック」のゾーイ・カザン、「アバウト・レイ」のエル・ファニング、「ロープ 戦場の生命線」のメラニー・ティエリー、「ピーター・ラビット」のローズ・バーン、「バトル・オブ・セクシーズ」のエマ・ストーン、「スカイスクレイパー」のネーヴ・キャンベル、「ウインド・リバー」のエリザベス・オルセンといった面々が印象に残りました。そんな中で、特によかったと思ったのが、「あなたの旅立ち、綴ります」のアマンダ・セイフライドでして、シャーリー・マクレーンを向こうに回した演技合戦で引けを取らない実力を見せて見事でした。この人、色々なジャンルの役に挑戦していく姿勢がかっこいい女優さんだなあって思いますです。

第5位 「ラッキー」を見て、こういうジジイになりたいと思ったこと
自分の周囲の年寄りを眺めてると「こうはなりたくないものだ」と思わせられることばかりなのですが、そんな中で、「ラッキー」の主人公、ラッキーじいさんは、一見頑固ジジイのようで、経験や知識をひけらかすことなく、他人の言葉に耳を傾け、正しいと思ったらそれを受け入れる柔軟な思考の持ち主で、若い人からも一目置かれる存在です。もういい年の自分ですが、できることならこういうジジイになりたいと思わせる数少ないサンプルでした。映画としても、間のおかしさが楽しくて、ためになるジジイ映画でした。

というわけで、2019年も色々な映画に出会いたいと思っておりますので、本年もよろしくお願いいたします。

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2017年は、中盤に体調を壊してあまり映画館へ足を運べず、観た映画全部を記事にできなかったりもしたのですが、それでも、1年の総決算ということで無理やりベストテンを作ってみました。選択基準は「映画を観て発見のあったもの」でして、発見のある映画が上位にランクされています。

第1位「エル ELLE」
映画の冒頭で、自宅でレイプされたヒロインがどう出るのかというお話なんですが、一筋縄ではいかないヒロインの行動から、意外なハッピーエンド風まで、とにかく面白かったから1位です。ポール・ヴァーホーベン監督と主演のイザベル・ユペールが、ものすごいヒロインを作り出しています。エロくて面白くて痛快な映画、こんな映画、めったにお目にかかれるものではありません。

第2位「パターソン」
パターソンの町のバス運転手パターソンの1週間を淡々とつづったドラマです。ジム・ジャームッシュ監督は、普通の人の日々の暮らしを淡々とコミカルに描いているのですが、それが娯楽映画として成立しているのが見事だったので、2位にランクインです。1位も2位も「こんな話でエンタテイメント」という共通点がありまして、そっかー、こういう題材で娯楽映画が作れるんだという発見がありました。また、この映画のほのぼのまではいかないけど、ちょっといい感じというのが、うまいなあって感心しちゃったのですよ。

第3位「アイヒマンの後継者」
ミルグラム博士の行った実験は、権威と指示が与えられると、誰でも人間的に非道なことができちゃうというのを証明してしまいます。誰でもアイヒマンになる可能性があるという、誰にとっても不愉快な事実を突きつけてくる話なのですが、この映画は、ミルグラム博士の半生を描くという体裁を取りながら、アイヒマン実験を丁寧に絵解きして、この事実を思い出してというメッセージ映画になっています。キナ臭くなってきたご時世の中で、人は誰でも自分の望まない残虐行為を行える、自分自身も危ういという事実は、肝に銘じておく必要があります。戦争責任とか自己責任といったものに一石を投じる映画であり、多くの人の目に触れて欲しい映画でした。

第4位「メッセージ」
宇宙からきた巨大な宇宙船にいる宇宙人とコンタクトを取ろうというお話を、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が大ハッタリの重厚演出で見せた一編で、その見せ方には若干の抵抗を感じたものの、お話がちゃんとしたSFで、そして時間の観念が変わったらどうなるかというのをかなり真面目に絵解きしている点が高い評価になりました。「そうか、時間の観念が変わるとそうなるのか」という発見があったので、4位にランクインです。また、その変化を受け入れるヒロインがなかなか感動的で、そういう意味でも見応えがある映画でした。

第5位「彷徨える河」
コロンビアのアマゾン川上流に聖なる植物ヤクルナを求めて現地人ガイドと一緒にジャングルを進む男。二つの時間の二人の男が同じガイドと一緒にジャングルを行く物語を、並行して描くことで見えてくる現地人の生活と、それを否定し破壊していく白人の文化と宗教。映画は、神秘的な映像の中で、白人の文化がもたらすものを歴史的な視点で描いていきます。かつてはマジョリティであった被征服者から見た白人の文化という視点に発見があり、見応えのある映画でした。

第6位「わたしはダニエル・ブレイク」
イギリスの福祉の状況をストレートに批判した映画。怪我をして雇用支援手当を受けようとしたダニエルが、お役所の困った人をさらに困らせる仕事っぷりに腹を立てるというお話。食べることにも不自由しているシングルマザーが人としてのプライドをズタズタにされちゃうところなど、観ていて辛くなるシーンもありますが、人間はみな平等に幸せになる権利があるというのに、お上は困ってる人への気遣いすら否定してくる。自己責任という言葉で、貧乏人同士をいがみあわせている日本のお上のやり方に、もっと気づくべきだと思わせる映画でした。今の言論統制された(自粛の押し付け合いという意味で)日本では作れない映画ということで、ベストテン入りです。

第7位「否定と肯定」
「ホロコーストはなかったろう」論者が、ホロコースト研究者を名誉棄損で訴えたという実話に基づくお話です。裁判はホロコーストの有無を問う方向へは進まなかったのですが、下手をすれば、法廷でホロコーストの有無が争われたというかなり怖いお話。そんな時、自分がホロコーストがあったことを何をもって確信しているのかと考えると「意外と曖昧じゃね?」ということに気づいたという怖い発見がありました。ベストテンには入りませんでしたが、「沈黙 サイレンス」にもつながる自明のことが危うくなるという視点は、ちょっと目を背けたいけど、耳に痛いものがありました。

第8位「婚約者の友人」
戦死した婚約者の友人として現れた男を喜んで迎え入れるヒロインと婚約者の両親、その友人には秘密があったというお話をリメイクするにあたり、フランソワ・オゾンは後日談を付け加えて、ヒロインをさらに振り回すのでした。後半の展開に、そう来るかと思わせる作者の悪意を感じつつ、戦争のもたらす悲劇としてきちんと仕上げた物語の面白さで、ベストテン入りとなりました。意地の悪い映画だけど、そのうまさは認めちゃうという感じ。

第9位「女神の見えざる手」
凄腕のロビイストであるヒロインがいつもの金儲け関係なく、銃規制キャンペーンに手を染めたら、聴聞会に呼ばれて大変なことになるというお話。フランスとアメリカの資本で、イギリス人の脚本・監督が、アメリカを舞台にしたドラマを、面白い視点で作りました。ロビイストのお仕事ですとか、銃規制キャンペーンを張ることのアメリカでの位置づけが伺えて、発見のある映画でしたし、お話の面白さ、脇に至るまでの演技陣のよさもあって、面白くて見応えがありました。

第10位「ザ・ウォール」
イラク戦争の真っただ中、偵察中の米軍狙撃兵二人が、謎の狙撃手に命を狙われるスリラー。政治的な視点や主張を入れずに作っているところが新鮮で、イラク戦争を題材に、娯楽エンタテイメントを作れるようになったんだという発見がありましたし、心理サスペンスとしても面白くて、最後まで楽しめました。登場人物2人に、通信機の向こうに声が一人でドラマが作れるので、舞台劇にもできそう。

この他、日本人だからこその視点で興味深かった「沈黙 サイレンス」、オフビートなコメディとして笑えた「マギーズ・プラン」、重厚な人間ドラマとして見応えのあった「セールスマン」、映像詩ともいうべき「とうもろこしの島」などがベストテンからこぼれてしまったので、結構充実した映画鑑賞の1年だったのかも。特に「沈黙 サイレンス」は、「彷徨える河」と表裏一体を成す映画として記憶に残る映画でした。

一方でアカデミー賞で話題となった「ラ・ラ・ランド」「ムーンライト」「ライオン 25年目のただいま」などは、面白かったのですが、ベストテンの作品ほどには印象に残らなかったのは意外でした。年のせいで映画の嗜好が変わってきたのかも。



後、例年の、ベストテンには入らないけど、局所的に気になったピンポイントベスト5を挙げます。
第1位 子供にも見せられる映画としての「僕のワンダフルライフ」「少女ファニーと運命の旅」
最近の洋画って、アメコミとアニメとか、若い人をターゲットにしてるのが多くて、子供に見せられて大人も楽しめる映画が少ないように思います。そんな中で、この2本は大人が安心して子供と一緒に観ることができる映画でした。こういう映画がもっと公開されて、子供の映画ファンが増えるといいなあって思います。最近、若者ターゲット映画以外で、映画館で若い人を見かけることが少なくなってきているように思います。映画鑑賞が、今や、盆栽や詩吟みたいな年寄り向けの趣味になってきているのかなあ。

第2位 「幸福なひとりぼっち」に見る高齢化社会への不安と希望
この映画の主人公オーヴェは、ご近所の人間をバカだと見下して、何だかんだとイチャモンつけてる困ったじじい。それでも近所の人は何かあれば声をかけてくれてすごく親切。なぜなのかと思っていると、後半、彼の亡くなった奥さんがものすごくいい人だったからというのがわかるのですが、奥さんによる底上げがなかったら、ホントにただの嫌われ者のじじいでしかないじゃんと思うと、ジジイに両足突っ込みかけている自分としては、年を取ることが本当に不安。オーヴェを反面教師にして、こんなじじいにならないようにしなければ思わせたところにこの映画の意義があったように思います。

第3位 「シンクロナイズド・モンスター」のアン・ハサウェイ
今年の女優陣では、美形プラスアルファのキャラで魅力的だった人が多く、「パーソナル・ショッパー」のクリステン・スチュワート、「パーティで女の子に話しかけるには」のエル・ファニング、「ブレードランナー2049」の萌えキャラ、アナ・デ・アルマス、「マギーズ・プラン」の変なヒロイン、グレタ・ガーウィグ、「フリ・ファイヤー」のブリー・ラーソン、「ダーティ・グランパ」のジュリアン・ハフなどが印象的でしたけど、その中でインパクトあったのが、珍品「シンクロナイズド・モンスター」のアン・ハサウェイでした。いつもちょっと上玉の女性を演じてきた彼女のダメヒロインぶりが、かわいくておかしくて、2017年のベストアクトレスでした。

第4位 「スキップ・トレース」の観光映画の味わいがちょっと懐かしいような
記事にはできなかったのですが、ジャッキー・チェン主演のアクションものは、主人公が悪者に追われて、結構のんびり逃げ回るというお話です。そんな途中で、中国の田舎の観光紹介のような展開になるのですが、その昔、テレビでよく放送されていた日本映画に日本各地を旅してその地方を紹介していくような構成のものをよく見かけたのを思い出しました。「××旅行」とか「××温泉」とかもろにご当地もののような映画もありましたし、普通のドラマでも地方ロケをしながら移動していくようなものもありました。中国みたいな広い国なら、まだ観光目線のカメラが入っていない地域がいっぱいありそうで、この映画のようなアクション映画の中で、地方の風習やお祭りとかを紹介していくパターンがこれから出てきそうな予感があります。

第5位 川崎チネチッタのLIVE ZOUND音響設備
川崎のシネコン、チネチッタにはそれまで低音を増強したライブサウンドというシステムが装備された劇場がありました。そして、今年は、さらに音響を強化して、16台のスピーカーと4台のサブウーファーを追加したシステムLIVE ZOUNDをスクリーン8に設置しました。迫力ある音響と腹に響く重低音の両方を実現しています。このシステムのいいところは、ライブサウンドと同じく、追加料金なしというところ。ドルビーアトモスの追加料金とは差別化して、一方で爆音上映に近い効果を出しているのがすごい。他の劇場でも、こういうアドオンのサービスを追加料金なしでやってほしいなあって期待しています。この仕掛けで観た映画では「ダンケルク」と「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」が重低音の迫力と、臨場感がすごかったです。


というわけで本年もよろしくお願いいたします。

映画雑誌のキネマ旬報のベストテンが発表されたんですって。私は中学生の頃から「キネマ旬報」を読み始めて、中年になって卒業しました。映画音楽の記事がつまらなくなったからというそれだけの理由なんですが、以降は「映画秘宝」から映画の情報を仕入れるようにしています。で、2016年のベストテンが出たのですが、それが以下の通りです。

■日本映画ベスト・テン

1位 この世界の片隅に
2位 シン・ゴジラ
3位 淵に立つ
4位 ディストラクション・ベイビーズ
5位 永い言い訳
6位 リップヴァンウィンクルの花嫁
7位 湯を沸かすほどの熱い愛
8位 クリーピー 偽りの隣人
9位 オーバー・フェンス
10位 怒り

■外国映画ベスト・テン

1位 ハドソン川の奇跡
2位 キャロル
3位 ブリッジ・オブ・スパイ
4位 ランボ ハリウッドに最も嫌われた男
5位 山河ノスタルジア
6位 サウルの息子
7位 スポットライト 世紀のスクープ
8位 イレブン・ミニッツ
9位 ブルックリン
10位 ルーム

ああ、面白いなあって思ったのは、日本映画のベストテンの1位と2位。「この世界の片隅に」と「シン・ゴジラ」ですって。で、あれだけヒットした「君の名は」はベストテンに入っていません。あれだけヒットした「君の名は」をベストテンに入れないまでは、キネ旬らしいと思うのですが、ヒット作である「シン・ゴジラ」を2位にしちゃうあたりが、何だかキネ旬らしくないなあって思うし、さらに1位にアニメですからね。それも世間でも評判の高い「この世界の片隅に」です。世間の評価とシンクロしようとするなら、「君の名は」はベストに入れてほしいと思いますし、映画の中身にこだわるなら「シン・ゴジラ」は圏外と思うのですが、どこへ行こうとしているんだろうなあ、この雑誌は。

後、外国映画ベストテンで驚いたのは、私事になるのですが、10本とも、私が観た映画だったということ。私はシネコン中心で映画鑑賞していまして、マイナー系映画はたまに観る程度なので、キネ旬のベストテンに入るような映画は、観てないことが多かったのですが、今回はちょっと違うのですよね。この中で、いわゆるミニシアター系映画というのは、5位の「山河ノスタルジア」と8位の「イレブン・ミニッツ」くらいで、他は普通にシネコンで公開された映画です。これは二通り考えられまして、いわゆる「キネ旬が選ぶ映画」をシネコンが上映するようになったということか、或いはキネ旬がメジャー系映画に迎合したのか。それとも、キネ旬の選者があまり映画を観ない人になったのか、さらに敷衍すれば、配給会社がメディア向け試写会をしなくなったのかなとも考えてしまいました。ちょっと世間とずれた高尚な選択が、キネ旬の持ち味と思っていたのですが、これでは、読者のベストテンと言われても納得しちゃうような選択ではないかしら。これなら、ブログの色々な方のベストテンの方が次に観る映画の参考になるなあって思ってしまったのでした。

ベストテンを、追っかけ鑑賞のガイドみたいに使っている私としては、キネ旬のベストテンにちょっとびっくりなのでした。

2016年の最後に今年のベストテンを作ってみました。十分な本数を観たとは言えませんが、とりあえず面白かったもの、そして発見があったものを中心に10本選んでみました。まあ、要は好きな映画、言い換えると私と相性がよかった映画10本です。

第1位「みかんの丘」
グルジアに住むリトアニア人のおじいさんの家に敵対する二人がケガをして転がり込んだというお話で、戦争の愚かさを描いた優れた反戦映画です。でも、それ以上に面白くできていて、おじいさんがかっこいい。愁嘆場を見せないドライな展開は、山の中のハードボイルド映画として見応えのあるものでした。こういう反戦映画の作り方もあるのかと感心したのと、その作りのうまさで、今年のベストワン映画です。

第2位「アスファルト」
団地で起こった3つのささやかなエピソードは愛というほど大げさではないけど、人間の持つ好意を描いた映画として、ほっこりさせてくれました。演技陣の好演もあり、ちょっと浮世離れしたお話ですけど、好意が人をつないでいくというドラマは、すごく心地よくって、こういう映画好き。年のせいか、刺激の強い映画についていけなくなったってこともあるんですが、今年一番愛おしさを感じさせてくれた映画でした。

第3位「手紙は憶えている」
認知症の老人が元ナチに復讐するために旅に出るというお話。自分の境遇も手紙を読まないと忘れちゃうというおじいちゃんに復讐なんてできるのかと思わせるのですが、その復讐の結末はなるほどと納得してしまいました。第二次大戦の当事者が限界まで高齢化した、今を描いたドラマとしても、執拗な復讐のドラマとしても見応えがありました。そして、何よりも今年の映画の中で、面白さが一番だったのがこれです。

第4位「アイ・イン・ザ・スカイ」
ドローンを使って、テロリストをやっつけようとしたら、パン売りの少女が標的の家の前で店を出してました、さてどうするというお話で、自分の決断を信じる軍人と決断できない政治家の間で時間だけが過ぎていく展開から、攻撃に移ってからの、サスペンス演出がお見事な一品。戦争の持つ嫌な側面を色々とぶちこんで、戦争ってのは誰にとってもロクなもんじゃないってことを見せる映画でした。でも、現実には、人間は戦争から逃げられないという嫌なメッセージも垣間見れちゃうかなり意地の悪い映画で、とにかく作りのうまさ、輻輳するメッセージの巧妙さが光る一品として見応えがありました。

第5位「世界一キライなあなたへ」
全身不随の若者の介護士として雇われた女の子が奮闘するお話で結構ヘビーな結末なラブストーリーなんですが、とにかくヒロインを演じたエミリア・クラークがかわいくて、第5位に挙げちゃいました。仕事がなくてお金のために介護士の職についたヒロインの頑張りぶりの微笑ましさから、後半ラブストーリーへ移ってからの切ない展開まで、成長するヒロインの映画として大変見応えがありました。

第6位「ボーダー・ライン」
麻薬カルテルを壊滅させるために派遣された女性FBI捜査官を主人公にした社会派ドラマのように始まるのですが、お話が二転三転して復讐の物語へとシフトしていくのを、重厚なドラマとして見せた一品です。重苦しいドロドロしたお話をぐいぐいと引っ張っていくドゥニ・ヴィルヌーブの演出が見事で、映画を観たという満腹感があったので、第6位に入れました。ドラマとしてのボリューム感ではこれが一番でした。

第7位「ダーク・プレイス」
幼い頃、姉二人と母親を殺された主人公はその犯人として兄を名指ししていました、というかなり異常な設定で始まるミステリーで、関係者みんなどこか歪んでいるところが、話をややこしくして、真相がなかなか見えないというところが面白い映画でした。自分の記憶が怪しいヒロインのお話ということでは「ガール・オン・ザ・トレイン」も面白かったのですが、苦悩するヒロインに共感できた分、こちらの方に軍配が上がりました。どこか心に引っかかるところのある映画ということでも、印象に残った第7位です。

第8位「虹蛇と眠る女」
オーストラリアを舞台に、子供二人が行方不明になった母親をニコール・キッドマンが熱演した、ちょっと変わった味わいの人間ドラマです。コミュニケーションがうまくとれなくて疎外感にさいなまれる人間がどうやって自分を取り戻すのかというのを、面白い切り口で見せた映画として印象的でした。色々な解釈が可能なお話は、語り口は固いけど、どこか心に引っかかるものがあって、どうにも気になってベストテンからはずせないという感じでしょうか。

第9位「オートマタ」
人間が滅びゆくなかで、その後を担うのはロボットであり、それが自然の流れなのだという見せ方が新鮮な、ペシミスティックSFの一編です。ロボットが人間を滅ぼすというお話ではなく、自然の流れの中で人間が滅び、ロボットが生き残るというのが、面白い視点で、その点だけでもベストテン入りでした。さらに、新しいロボット原則とか、人間型の次の世代のロボットのデザインですとか色々と発見のある映画でもあって第9位です。人間型ロボットが登場するSFとして「エクスマキナ」も面白かったのですが、説得力という意味で、こっちの方を取ります。

第10位「トランボ」
実在した脚本家ダルトン・トランボの半生を描いた実録ものの一編です。この類の映画って、歴史の裏話みたいな味わいはあってもあまり面白くないものが多かったのですが、この映画は、娯楽映画としても面白くできていて、歴史のお勉強にもなるという一粒で二度おいしい映画になっていたので、ベストテン入りです。アカの烙印を押されてハリウッドで仕事ができなくなって主人公が偽名を使って、脚本を書き続けるという展開がなかなかに痛快に描かれていて、個人が組織を出し抜くお話としても楽しめました。

というわけで、骨太ドラマとして見応えのあった「レヴェナント 蘇えりし者」、異常な発端から静かな感動があった「ルーム」、戦争映画として見応えがあった「ローグ・ワン」、エンタテイメントとして大変よくできていた「ブリッジ・オブ・スパイ」といった作品がベストテンからこぼれてしまいました。上記4本はベストテンに入っても全然おかしくない映画でしたから、今年は結構豊作の年だったと言えそうです。


次にベストテンには入らなかったけど、この部分がよかったというのを、「ピンポイントベスト5」として、以下に挙げます。

第1位「人間爆弾 桜花」の特攻隊の生き残りへの冷静で客観的な視点
特攻隊の生き残りの証言を淡々とつづった映画なんですが、証言者をある意味突き放したような冷静で客観的な視点が感じられたのが新鮮でした。作り手が対象にあえて共感しないで、距離を置いていることで、メッセージ性は薄まりましたが、その分、証言者の生きた時代のありのままが見えてくるのは、これまでの戦争体験者の証言ドキュメンタリーにはなかったものでした。なんと言うか、普遍性とでも言いましょうか、純粋な記録としての価値の高い映像になっているように思います。

第2位「サウルの息子」の嫌なライド感
ライド感というと、私は勢いのある臨場感という風に解釈していまして、今年の映画ですと「ジェイソン・ボーン」なんてのは、ライド感のある映画ということになると思ってます。特に「サウルの息子」はアウシュビッツのゾンダーコマンドの主人公をカメラがずっと追い続けることで、収容所を舞台にした映画なのに、そのライド感が半端なく、まるで自分が主人公と一体化して収容所にいるような気分になっちゃうのですよ。こういう題材を扱った映画に、ライド感を持ち込むことで、観客はおぞましい映像体験に放り込まれることになります。スタンダードサイズの映像で、エグい絵を直接見せることなく、ライド感を出すテクニックは見事としか言いようがないです。

第3位「尾崎支配人が泣いたも夜 DOCUMETARY OF HKT48」のプロパガンダ映画としての面白さ
プロパガンダ映画というと、政治イデオロギーの宣伝映画みたいなイメージもありますが、この映画は、アイドルグループのHKT48、引いてはアイドル業界のプロパガンダ映画として大変面白くできていました。アイドルとファンの関係ですとか、頑張るアイドルの存在理由といったものを丁寧に見せることで、なるほどアイドルってあなどれないね、HKT48って応援する価値のあるアイドルだねってことをうまく感じさせる作りになっているのですよ。宣伝映像ということはいわゆるコマーシャルということになるのですが、これはきちんとドキュメンタリー映画の体裁をとっていて、直接のメッセージを言葉にしていないのですが、それでも、きちんとアイドル支持を刷り込む映画になっているのは、面白いなあって思いました。他のAKB48のドキュメンタリーをテレビで観たことがあるのですが、それらには、この映画のような一般人へ向けたプロパガンダ映画の作りではなく、むしろオタクへ向けたメッセージになっていたので、この映画の面白さが際立つように感じました。

第4位「スティーブ・ジョブズ」のケイト・ウィンスレット
今年の女優陣は豊作でして、ベストテンでもあげたエミリア・クラーク(ほんとかわいい)の他にも、「ガール・オン・ザ・トレイン」のヘイリー・ベネット、「ジェイソン・ボーン」のアリシア・ヴィキャンデル、「ミモザの島に消えた母」のメラニー・ロラン、「ある天文学者の恋文」のオルガ・キュリレンコ、「ゴースト・バスターズ」のケイト・マッキノン、「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のアマンダ・サイフリッド、「アンジェリカの微笑み」のピラール・ロペス・デ・アジャラ、「トランボ」のダイアン・レインとエル・ファニング、「人生は小説よりも奇なり」のマリサ・トメイ、「マイ・ベスト・フレンド」のドリュー・バリモアなどが印象的でしたが、その中では、やはりドラマを支える演技力ということで、「スティーブ・ジョブズ」のケイト・ウィンスレットが頭一つ抜きん出ていたように思います。まあ、私のミーハー趣味といえば、それまでなんですけど。

第5位「pk」の宗教へのチャレンジが見事
インド映画の「pk」は、SFであり、ラブストーリーでもある大変面白い娯楽映画なのですが、その中心に「神様を名乗る人間への懐疑」を持ち込んでいるのがすごかったです。宇宙人が望みは神様に頼めと言われて、あらゆる宗教の門をくぐるのですが、望みはかなわない、宗教によって神様の代理人のいうことが違う、これはおかしいと言い出すのです。宗教に対するものすごく素朴な疑問から、神様の名を借りた人間の不正を暴くというキャンペーンを展開するというお話は、信仰心の篤いインドでやるのはすごく度胸の必要なことだと思います。それを娯楽映画の中でやるのはすごいなあって感心。これって、信仰に限らず何かの権威を借りて好き勝手言う人はいますから、そういう人全般への警鐘になっているので、日本でもあてはまるお話なんですよね。

今年は、大ヒットした「君の名は」にイマイチ乗り切れなくて、若い人の感性についていけなくなったのかなあってのを実感した年でもありました。これからもオヤジ目線での映画鑑賞記事になりますが、来年もよろしくお願いします。

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