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読者の方から公的年金資産の運用損益や隠れ債務についてのご意見・ご質問がありましたので、その辺りについて考察してみたいと思います。 私が考えまするに、政府は金儲けすべきではありません。 これは道徳論の意味ではなく純粋に経済的観点からです。 誰かの黒字は必ず誰かの赤字、という原理原則を思い浮かべてみたいと思います。 もし、 政府がガンガン金儲けし黒字を稼げばどうなるかというと、 民間部門は黒字減少⇒赤字拡大の憂き目に遭うことになります。 ただし、国レベルでいうと、海外から黒字を稼げば政府+民間の連結決算が黒字になることはあります。現に日本はそうなっていますね。 でも、黒字の国があれば必ず赤字の国があります。例えばアメリカです。 ちなみに、世界中の国の黒字と赤字を足すとどうなるでしょうか?必ずゼロになります。 (実際の数値は統計上の誤差で厳密にゼロ、ということにはならないですが、原理原則を考えればゼロになります。この話は「国債を刷れ!」第三章に書きました) もうひとつ別の観点を考えます。 社会にとって必要だけど儲からない事業について。例えば道路整備(一般道路)です。 政府は直接金儲けのために道路を作ることはありませんし、あり得ません。 しかし、 これは社会にとって必要なので、政府は道路を作ります(不要なものまで作っている可能性もありますが、ここではその問題は脇に置きます)。 この道路で直接金儲けをしようとしたらどうなるでしょうか? 通行料金を取らないと採算が取れません。 もしも、通勤のために駅まで歩くのに、いちいち通行料金を徴収されたら、きっとその日の内に政府を打倒したくなるでしょう。こんな儲からない仕事は民間にはできませんが、政府はこの儲からない仕事をやらないわけには行きません。 警察署も消防署も自衛隊も儲かりません。病院だって私立であろうと公的保険制度がなければ儲かりません。 政府のやるべきことは、 1.民間が儲けるための手助けをすること 2.自由競争だけではどうしても生じてしまう不公正を適正な範囲内に抑えるための調整をすること 3.結果として、国全体の生産性が最適になるように経済を運営すること といったことに集約できるのではないでしょうか。 ただ、 公的年金は、せっかく「205兆円」のような巨額の資産がありますので、 これを国益のために有効活用することも考えてみたいですね。 たとえば、日経ネット(08年10月26日)によりますと、世界の株式時価総額は 31兆ドル(約3000兆円) なのだそうです。 これは上場企業の株式の時価総額ですが、205兆円はこの3000兆円の6.8%に相当します。 さて、ここからは勝手な妄想かもしれませんが、仮に205兆円の全部をつぎ込み、世界中の株を買いまくるとします。 1企業あたり51%保有すれば支配できますから、そうなると6.8%の倍で、 世界の上場企業の13.6%を支配することができる勘定になります。 これは凄い金額です! この13.6%を、油田や鉱山などの資源株や大規模農業株に集中投下すれば、わが国は資源・食料の調達に全く困らなくなるでしょう。 世界征服を目指している割には日本ローカルでしか活動していないショッカーよりは、世界征服の達成度合いは圧倒的に高くなること間違いなしですね^^。 「国の借金が大変だ教」の洗脳から脱却すれば、↑こんな戦略だって可能となるのです! 「国の借金は全く問題ないよ教」が主流派だったら、世界同時株安&円高は、わが国にとって超「アタックチャ〜ンス」(児玉清風)だったのですが… (上記世界の株式時価総額はピーク時の半分なのだとか。つまり半額セール実施中ですね) 【2】年金の「隠れ債務」について「国債を刷れ!」でも登場、「サッチャー大好き」大前研一さんのブログによると日本の場合、年金を含む「隠れ負債」は約800兆円になると
さて、この年金などの「隠れ負債」とは何を意味するかと言いますと。予想されています。今回発表された負債総額は約980兆円。 まさに負債が倍増するほどインパクトを与える約800兆円という 金額を無視するのでは、とても適正な評価だとは言えないでしょう。 (↓再び上記大前さんブログ) 先ほど指摘した「隠れ負債」の代表格である年金問題。
ということなのだそうです。企業に対して財務省は、将来支払う必要がある年金を「負債」 として計上することを義務付けています。 企業会計では、確かにそんな処理をします(私、税理士試験の「財務諸表論」で勉強しました^^;)。 というのは、例えばAさんが入社5年目の社員だとします。 企業会計では、退職金や企業年金をひっくるめて「退職給付」としており、 これはAさんが5年間労働サービスを提供したことへの対価としての、「賃金の後払い」と捉えます。 この「賃金の後払い」は、5年間の労働に対して、退職後に必ず支払われなければならない性質のものなので、負債として認識することになっています。 (↓さらに再び上記大前さんブログ) しかし企業会計では負債計上を求めている一方で、
国の貸借対照表には計上することを強いていない。 これが財務省のやり方だということです。 今、↑これを読まれた方は、「むむむ。確かに財務省はひどい!企業と同じ処理をすべきだ」と思われたかもしれませんが、ちょっと待ってくださいね。 企業会計と国家経済はまるで性質の違うものだということを忘れないで下さい! 企業には通貨発行権はありませんが、 下の左図に示した、日銀資金循環統計(2007年度)を基に作成した 「国全体のバランスシート」(資産は「金融資産」のみ。土地建物等の有形資産除く) は、 下の右図のように考えることができます。 だって、 ですから!
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世界征服は別として(笑)、年金は負債であり資産でもあるというのは、めちゃめちゃわかりやすいです。言われてみれば当然なのですが、これまで某大前氏みたいな人に丸め込まれていて...悔しい。
2009/3/1(日) 午前 0:17 [ zer*fig**er260* ]
こんばんは、ヨッシーニさん。
資産ー負債が+なのは個人だけですから、
政府が負債を抱えるほど、個人は純資産が増えるという
構図になっているのですね。
逆に言えば、個人がもっとお金を使っていたら
政府の負債はここまで大きくならなかったはずです。
貯蓄性向が高い=政府負債大となってしまうのでしょうか?
2009/3/1(日) 午前 1:35 [ 経済足軽 ]
経済足軽さん、
まさに、おっしゃる通りではなかろうかと思います!
細かいことを言いますと、個人よりは企業があまり借金をしなくなったということが大きいようです。バブル崩壊前後の1988年から1992年の国家財政は黒字でした(IMF World Economic Outlook参照)が、それはその当時、企業部門がたくさん借金をして(日銀資金循環統計 長期時系列データ参照)不動産を買ったり、設備投資をしていた(内閣府・国民経済計算 参照)ことが大きな要因のようです。
2009/3/1(日) 午前 10:35 [ ヨッシーニ ]
zerofighter2600さんへ、
うふふ^^。
クラウゼヴィッツ「戦争論」冒頭で「戦争とは政治目的を達成するための手段であり、その政治目的は戦争と戦争以外の手段によって達成される」とあります。
さて、日本の場合は「戦争以外の手段」を駆使して「世界征服してみたいな」なんて考えるのは、妄想し過ぎかもしれないですね^^;
2009/3/1(日) 午前 10:41 [ ヨッシーニ ]
ふうむ。
国の負債総額が国民一人当たり〜〜円とかよく言っていますが、いわれてみりゃそれは国民が溜め込んでるんですね。
たいした問題じゃないのか。
2009/3/1(日) 午前 11:08 [ 鍋師 ]
ヨッシーニさん
>細かいことを言いますと、個人よりは企業があまり借金をしなくなったということが大きいようです。
ここに貯蓄投資バランス(ISバランス)の、1970年と1998年のデータがありますよ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9
1970年は企業部門がとんでもないハイレバレッジ経営をしていたことがわかります。当時は1ドル360円防衛のために金融緩和をしすぎていました。
企業があまり借金をしなくなったのは第一次オイルショックが大きな境目と言われますね。これを境に大企業は株式市場からの直接金融にシフトしていったのだそうです。
2009/3/1(日) 午前 11:30 [ HM ]
老齢年金の「隠れ債務」とやらはヨッシーニさんがおっしゃるようにただの引当金ですので心配してませんが、むしろ高齢者の消費性向の低さのほうが心配です。
マネーサプライを増やせば退蔵性向は低くなるでしょうが、消費性向が高まるとはちょっと思えない。何らかの世代会計補正が必要と考えるのはここに理由があります。
制度的な世代会計補正がだめなら国内での消費の全額控除、若年層への贈与の非課税・全額控除etc.などでも構わないでしょう。
2009/3/1(日) 午前 11:31 [ HM ]
何が一体問題なのか?
(1)確かに道路は、それ自体が収益を上げないから借金してでも公共事業としてやるべきなんでしょうが。誰も使わないような山奥に立派な道路を土建屋を食わすために作るのが問題なんでしょう。
(2)確かに借金=資産はいいのですが、いったん国の負債になると、なるほど国としては資産ですが、借金を返済する段に負担は個人の資産に関わらず平等にかぶさってきます。個人の資産の規模割合でいくとどうしても逆累進性になってしまいます。国の借金とは、そういうものだと思いますが。ただ、企業がその道路のお陰で設けた時、税金として収めてくれればいいのでしょうが。つまり、自宅のリフォームを借金でして、その返済を町内会みんなに負担させるようなものだと思うのですが。
2009/3/1(日) 午後 0:05 [ 国債 ]
ヨッシーニ様
お忙しいところ続編ありがとうございました!
年金の場合は世代別に負担が違ってきますが
国全体として見ればB/Sの借方貸方の金額が同じ、であると。
勉強になりました。また疑問が出てきたら質問します。
2009/3/1(日) 午後 0:40 [ bad*ne*s*good ]
ヨッシーニ様。また質問で申し訳ありません。某経済学者の
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/7738117aa87f8c7440194642e6d31f03
>債権(国債)を買う世代と、債務(増税による償還義務)を負う世代は別
に関してはいかがお考えでしょう?
2009/3/1(日) 午後 1:42 [ bad*ne*s*good ]
ヨッシーニ様。ひつこくてすみません><
イタリアとの比較( http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/5567290.html )
乗数効果( http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/10736091.html )
でも疑問があったので質問してみました。
なにぶんにも無知なもので、初歩的な質問でしたら申し訳ありません。
お時間ある時で良いのでご教示いただけると嬉しいです!
2009/3/1(日) 午後 10:18 [ bad*ne*s*good ]
こんばんわ!遅まきながら『国債を刷れ』を拝見いたしました。目から鱗でした。ファン登録させていただきました。これからも勉強させて下さい。よろしくお願いします。
2009/3/2(月) 午前 0:23 [ 古の碧き泉より ]
HMさん、
補足、ありがとうございますm(_ _)m
>マネーサプライを増やせば退蔵性向は低くなるでしょうが、消費性向が高まるとはちょっと思えない。何らかの世代会計補正が必要と考えるのはここに理由があります。
>制度的な世代会計補正がだめなら国内での消費の全額控除、若年層への贈与の非課税・全額控除etc.などでも構わないでしょう。
脱帽でありますm(_ _)m
2009/3/2(月) 午前 9:43 [ ヨッシーニ ]
なべしさん、
そうなんですよ〜
銀行にお金を預けたら、かなり高い確率でそのお金は、国債に回ってたりもします^^。国債がなければこのご時世、銀行も預かったお金の運用先に困り果てることに相成りまするね。
2009/3/2(月) 午前 9:53 [ ヨッシーニ ]
そのうち銀行は自己資本比率が下がるから預かりたくないって言い出したりしてw
2009/3/2(月) 午後 4:25 [ ao ]