廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というものがある。

詳細の説明は省くが、

このCDSというのは、政府や企業が破綻した場合に備える保険のようなものであり、

CDSプレミアム(または「CDSスプレッド」)は、その保険料率のようなものである。

CDSの対象となる政府や企業の破綻リスクが高ければ保険料率であるプレミアムは大き
なり、

逆に破綻リスクが低ければプレミアムは小さくなる。

以下に引用する朝鮮日報記事は

「韓国は危ないと言われるがCDSプレミアムが世界の中では低い方なのでそれほど危な
くもない」という趣旨のものであるが、日本のプレミアムはさらに輪をかけて低い

つまり日本の国家破綻(デフォルト)リスクはきわめて小さいことについても触れている。

と書き、下のようなグラフを示しました。
イメージ 1


ところで、
人づてに聞きましたところ、このCDSについて

「国債を刷れ!」を読まれた方が、
現在、日本国債のCDSスプレッドは急上昇している。だから、廣宮氏は嘘つき投資家は日本が破綻すると見ているのだ
のような見解を示されているそうです。

国債のCDSスプレッドについて、ちょっと整理してみましょう。

ただ、CDSスプレッドについては、なかなかまとまったデータを入手できない(どうもお金を出さないと入手不能のようです)ので、ロイターの記事から、ちまちま拾ってきたデータです(「ソブリンCDS」で検索すると結構出てきます):

イメージ 2


穴だらけのデータで恐縮ですが、

基本的には、
日本だけでなくどの国のCDSスプレッドも上昇傾向です。
米・英・仏・オーストリアなどの国債、CDSプレミアムが過去最高=CMA
ロイター 09/2/16
米国、ドイツ、フランス、オーストリア、アイルランドなどのCDSが過去最高を更新
ロイター 09/2/18

また、
一時は1.2%程度まで上昇した日本の直近のスプレッド0.78%まで下がってきており、半月前のアメリカと同じくらいで、かつ、トヨタよりもだいぶ低くなっています。

また、急上昇した2月でも、英国やアイルランドよりもぐっと低いですね。

ということは、
急上昇だから破綻というのは全く当たらないですし、
今のところ、投資家はトヨタより日本政府の方が安全な投資先と見ている
ことになります。

また、日本の生保(=大口機関投資家)が資産運用を日本国債にシフトしているということも、以前書きましたとおりです(『生保、国債にシフト』)。

上の表を見ただけでの印象では、日本政府が破綻する前に、アイスランドやハンガリー、アイルランド、イギリス、トヨタの方が先に破綻する可能性の方が高いと言えるのかもしれません

日本国債のスプレッドが上昇した、ということだけで、「だから日本は破綻」というのは、いかがなものかと思われますが、いかがでしょう…^^;


あと、この方、「国債を刷れ!」の
「国全体の連結バランスシート」について

固定資産の減価償却が入っていない、株の時価評価が入っていない

ともおっしゃられているそうですが、

まず、原資料の日銀「資金循環統計」

減価償却が必要な有形固定資産はそもそも対象外です。

また、
減価償却で資産の価値がマイナスになることは絶対にありません
(「資産の取得原価−減価償却累計額=資産の評価額」で、ゼロ以上になります。なにせ、減価償却はゼロになるまでしかできませんので)

だから、
減価償却を国全体の連結バランスシートに反映させようと思うと、
有形固定資産を資産にカウントしなければならず、結局は国全体の純資産は間違いなくもっと増えます

また、株の時価評価については、「資金循環統計」では、以前にも紹介しましたように、時価評価ですね(資金循環統計の解説」p.10参照)。

さらに、特殊法人や特別会計の隠れ負債が入っていないともおっしゃっておられるそうなのですが、

日銀「資金循環統計の解説」p.16
公的機関については、
一般政府のほか、公的非金融法人企業、公的金融機関といった部門を設定している。

公的機関であるかどうかという基準について、必ずしも確立した社会通念があるわけではないが、
わが国の場合、
非常に多くの特殊法人や独立行政法人が存在することから、
それぞれがどこに分類されるのかについて、ある程度明確な基準が必要である。

この点について、資金循環統計は、わが国の国民経済計算と整合的となるよう同一の基準を用いている。

なお、機関によっては、勘定単位毎に分類する部門が異なる「勘定分離」の考え方を採用している。

公的機関のうち、総資産に占める金融資産の割合が極めて大きい機関(90%以上が目安)を公的金融機関に分類し、それ以外を公的非金融法人企業とする。

また、特別会計については資金循環統計の解説」p.13で、
「勘定分離」の考え方は、後述のとおり、金融機関以外の部門においても、
特殊法人等の公的機関に適用している。

また、中央政府について、一般会計と特別会計を独立した主体としてそれぞれの機能に応じて分類しているが、これも「勘定分離」といえる。
という記述があり、
それぞれの特別会計がどの「部門」に分類しているかは、
資金循環統計の解説」p.29の分類表に記述されています。

以上のように、特殊法人や特別会計の資産、負債はきっちり含まれているのです。


また、仮に資金循環統計に含まれない「隠れ負債」があるとすれば、それは一般企業や国民にとっての「隠れ資産」ですね。

隠れた借金があるということは、絶対に間違いなく隠れた債権者が存在します。
だから、「隠れ負債」がどれだけあっても、純資産ベースではゼロでしかありません(外国に対する「隠れ負債」があれば問題でありますが…)。

↑いずれにせよ、対外純資産が減る話にはならないでしょう。


ご批判をなさるのは結構なのですが、もう少し詳しく下調べをなさってからになさった方が…^^

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閉じる コメント(5)

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今現在CDSプレミアムが上昇するのは当たり前ですよね。世界中が経済危機なんですから。自己評価見たら、やばいテストの点数下がっちまった。相対評価みたら、何だ、オレの点数下がったけど、周りはもっと下がってるよと同じような感じですかね(笑)

2009/4/8(水) 午後 1:50 [ 鉄人4号 ] 返信する

>減価償却で資産の価値がマイナスになることは絶対にありません。

あははは・・・そうですよね。減価償却の方法はいくつかあっても資産としての価値がマイナスになることはありませんよね。あくまで上限は0ですから。それがかさんでいくことで全体の資産が目減りしていくことはないでしょうね。

2009/4/8(水) 午後 2:06 [ 古の碧き泉より ] 返信する

今回の追加経済対策では、是非50〜100兆国債を刷って欲しいです。

2009/4/8(水) 午後 3:41 [ ちんけいうん ] 返信する

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http://www.markit.com/information/news/commentary/cds.html
現在値ならこれでいいかと。。。 削除

2009/4/9(木) 午前 10:42 [ オール ] 返信する

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オールさん、情報提供ありがとうございました!
「お気に入り」登録しました♪

2009/4/9(木) 午前 11:00 [ ヨッシーニ ] 返信する

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