廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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先月10日に財政再建教からの改宗を宣言した与謝野財務大臣

今度は、
プライマリーバランス黒字化の方針を見直すという、素晴らしい発言をされておりました(コメントで情報を頂きました。ありがとうございます!)


与謝野財務相は

プライマリーバランスの黒字化について
「(中略)近年の債務の増加の状況考えると、プライマリーバランスの到達の仕方も難しい」と述べ、現在の経済・財政状況の下では目標に適さないとの考えを示した。

その上で
「税収動向や経済状況などを考えると、国民にわかりやすいメルクマール(注:中間目標、進捗を確認するための目印といった意味のドイツ語らしいです)。が必要になるのではないか」
と語った。

 新たな目標については、債務残高対国内総生産(GDP)比などが指摘されているが、与謝野財務相は「皆が見てなるほどというもので、これからの勉強だ」と述べるにとどめた。

ロイター 2009年 04月 17日

ここに注目です↓

「プライマリーバランスの黒字化」は「目標に適さない」


ついに、プライマリーバランスの黒字化を放棄すると取れる宣言ですね!

これ、プライマリーバランスの黒字化を政策目標に設定した小泉・竹中路線との完全な決別宣言です。


後々になって、NHKの「そのとき歴史は動いた」に取り上げられるのではないかと思うくらい、インパクトがあると思いますが、いかがでしょうか?


プライマリーバランス以外の財政目標はこれから探すとのことですね。

代わりに、債務GDP比などが取り沙汰されているとのこと、実に素晴らしいです。

仮に債務GDP比を財政の管理目標にするとしても

もちろん、昨日の記事に書きましたように、

アイスランドや韓国のような「ヤバい国」の債務GDP比は日本よりずっと小さいのですから

債務GDP比が大きいとかは、「そんなの関係ねえ」です。


小島よしおkojima Yoshio Comedian

あくまでも、
債務の増加以上にGDPを増やすにはどうしたらよいかというのを、
内閣府のシミュレーションなどで検討しながら、政策を粛々と実行して行けばよいでしょう。


この内閣府シミュレーションでは、
公共投資を増やした方が、増やさないよりは債務GDP比はマシになるという結論が得られます。

しかし、これまでの政策目標はあくまでもプライマリーバランスの黒字化でした。

公共投資を増やすと、シミュレーションでも当然赤字が増えることになります。

「シミュレーションでも赤字が増えるから」という理由で、歳出は削られるばかりになっていました。

それが、
政策目標が「財政黒字?そんなの関係ねえ!」ということで、
「債務GDP比を中長期的に減らす」に変更されれば、
当然、シミュレーション結果の別の部分、すなわち
「公共投資を増やした方が、増やさないよりは債務GDP比がマシになる」ということに注目が行くことになります。

内閣府シミュレーションについては、こちら↓をご参照ください
『内閣府シミュレーションによる財政拡大⇒財政健全化の検証』


さて、ここで、
政府、家計、金融機関、非金融企業という主要部門の負債の状況を見ておきましょう

イメージ 1

出典:日銀「資金循環統計」

ところで、
今までは、書くとややこしくなるので一切書いていなかったのですが、

実は、日銀「資金循環統計」では、企業(金融+非金融)部門は、自分が発行した株式についても、時価で負債に計上されています。

(このように計上されているため、全部門の資産側の株式と、負債側の株式を全て差し引きするとゼロになります。なお、細かいことを言うと、海外の株式については「株式」ではなく「対外投資」の項目に計上されています。)


でも、自分が発行した株式は、返済義務などもちろんありませんので、これは本来、負債ではありません

上記のグラフでは、
企業の負債側に計上されている株式・出資は取り除いて計算した、
本当の意味での負債を示しています。

さて、
注目点は、過去12年で、主要部門の負債の総額は、
4700兆円くらいで、ほとんど変わっていないということです。

そして、その中でグングン伸びているのが、一般政府負債、つまり「国の借金」です。

国の借金がガンガン伸び
なんと、540兆円→970兆円で1.8倍増なのに、
全体の負債総額は約4700兆円でほとんど変化なし。

ということは、国以外の負債がガンガン減っているわけです。

端的に言えば、

国ばっかり頑張って、借金して、カネ使ってるのに、
民間はガンガン借金返済してカネを使っていない

という状況だったわけです。


↑これで皆様には結構「おーーーーっ!」と思っていただけたと思いますし(勝手に妄想)、今日はここで終わっても良いような気もしますが…


当ブログでは負債だけ見てはいけない
負債だけを見て「資産?そんなの関係ねえ」はダメ!と繰り返し申し上げています
ので、
資産も見てみましょう

イメージ 2


2006年以降は急に減っていますが、総額に注目しましょう!

減っている原因は主に株安
08年末でも、5460兆円もあります。

ということで、金融純資産

金融資産5460兆円−負債4740兆円=金融純資産720兆円

です。GDPの1.4倍超です。すごい金額ですね!


でも、「株がどんどん安くなっても大丈夫?」とのご心配もあるかと思いますが、

次の最後のグラフを見れば、今日も枕を高くして眠って頂けることと思います

イメージ 3


上のグラフの赤線は、金融純資産から株式・出資(時価)を全て差引いたものです。

つまり、株価が全部ゼロになっても、それでも金融純資産はプラスです。

この株価全部を引いた金融純資産は、ほぼ対外純資産と同じもの(金額でというより概念として同じようなもの)ですが、これが日本は世界最大なわけです。


それでも、07年9月をピークに減っているじゃないか、と思われるかも知れませんが、

G7のうちアメリカ、イギリス、イタリア、カナダは、そもそもこの対外純資産がマイナスですね。

日本はあまりにも巨額のプラスが、少々減っただけです。
まだまだ世界に対してデカイ顔をしていられる状況はビクともしていません。

IMFにポーンと10兆円分のドルを貸し付けられる国なんて、この惑星の上には他にありませんよね^^

また、金融純資産には、当然、不動産その他の有形資産は含まれませんので、普通に貸借対照表を書けば、純資産はもっと巨大な金額になります。念のため。


そうそう、危うく書き忘れそうでしたが、

与謝野馨 財務・金融・経済財政相は…参院予算委員会
社会保障費の伸びを毎年2,200億円抑制する政府方針を見直す方針を表明した
(日経新聞 09年3月26日 朝刊1面)
という記事もありました。実に、素晴らしいですね!

「国の借金がやたら増えた原因は、民間が借金をやたら減らしていたことが、めちゃくちゃ大きな原因だったのねん。それにしても、与謝野さん、プライマリーバランス黒字化放棄宣言で、小泉・竹中路線を完全否定しちゃったのには驚いた!」と思われた方は、こちらのリンクのクリックをお願い致します↓ m(_ _)m

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与謝野さん、完全否定ですか。だとすると、小泉・竹中路線とはいったいなんだったのでしょうかね。
企業の借金が減ったくらいですか、意義があったのは。

2009/4/30(木) 午後 9:51 [ 丸坊主 ] 返信する

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>>国の借金がやたら増えた原因は、民間が借金をやたら減らしていたことが、めちゃくちゃ大きな原因だった

たいへんわかりやすいグラフありがとうございます。
合点がいきました。 削除

2009/4/30(木) 午後 10:11 [ 八方愚人 ] 返信する

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小泉・竹中路線は本来、小さな政府を
目指しているのだから、政府の仕事を
減らした分減税をしないとだめだったん
でしょうね。

それが、財政再建の名の下に増税路線を
しいたために、仕事は官から民へ、でも
お金は民から官の元に・・・。

これでは景気が良くなるはずも無かった
ですね。 削除

2009/4/30(木) 午後 10:50 [ かまた ] 返信する

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小泉政権の功罪を下すには,もうしばらくの時間がかかるかもしれません。
金融機関の不良債権の処理を徹底したことは大きく評価されるべきだと思いますし,バランスが悪かった箇所もありますが,道路公団など特殊法人の民営化を推進したことにより,乗数効果の薄い政策を抑制したこと,効率の悪い公共事業をセーブしたことも評価に値すると思います。福田政権で実現した「道路財源の硬直化の是正」も小泉政権が端緒でした(当時は族議員が跋扈していました。)。郵政民営化は,特殊法人へのお金の流れにチェックを入れた側面もありますが,その評価にはやや時間がかかるかもしれません。

2009/5/1(金) 午前 0:41 [ おじゃま ] 返信する

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(続きです)
ただし,規制緩和の名のもとに必要な規制まで緩和しずぎた傾向は否めません(マネタリストの実験場と化した感があります。)。また,ヨッシーニさんが指摘しておられるように,プライマリーバランスを政策目標に掲げ,その優先順位が高かったことはかなり議論の余地がありそうです。金融政策だけで景気後退を維持したため,円安となり,国内のマネーが国外に流れ出したことが,今日の世界同時不況を招いたという側面もあります。小泉政権の評価は,なかなか興味深い問題ですね。

2009/5/1(金) 午前 0:43 [ おじゃま ] 返信する

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結局、国家の役割とは何か、という基本に立ち返って、国家のすべき事業を計画し、実行するに必要な税を集め、予算を割り振る、人員を配置する、人員を養成する。これは江戸幕府でもやっていたことですよね。「小さな政府主義」のために必要な事業が縮小廃止に追い込まれた・・という理解でいいでしょうか。

2009/5/1(金) 午前 1:12 [ net-uyoku ] 返信する

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net-uyoku さん、

>小さな政府主義」のために必要な事業が縮小廃止に追い込まれた

その通りだと思います。「小さな政府」でも、NPO(非営利組織)やPFI(民間に開業資金と運営人員を出させて、経費を政府・自治体が負担するような方式)を活用して、公的部門をむしろ拡充するような方向なら良かったのですが、残念ながら単なる財政再建のための歳出削減になっていましたね。

象徴的なのは、医療費削減→医師不足などが原因で頻発する、救急患者のたらい回し死亡事故だと思います。こちらで一杯出てきます↓。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%84%E5%9B%9E%E3%81%97+%E6%95%91%E6%80%A5%E3%80%80%E6%AD%BB%E4%BA%A1+site%3A47news.jp&lr=

2009/5/1(金) 午前 7:38 [ ヨッシーニ ] 返信する

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与謝野大臣本当に理解してますかね?
債務残高、GDP比率引き下げを目標ってGDPを上昇させるんだって思ってればいいのですが?
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090501AT3S3001M30042009.html

2009/5/1(金) 午後 2:48 [ 鉄人4号 ] 返信する

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ヨッシーニ様

IMFの貸出はドル建ての1000億ドルなので、10兆円分だと為替変動があり正確な表現にならなりませんし、いらぬ誤解を与えてしまうと思います。

今日WBSに出演した与謝野大臣の発言は微妙でした。もっと財政出動するとは言いませんでしたし、日本の製造業の危機感煽るなら、口は出さずに金を出せと、国が先進技術の研究費を今の10倍出せと言いたくなりました。財政出動でGDPを押し上げるという説明はありましたのでよしとすべきかもしれません。
あと、WBSは相変わらず東アジアばかりでしたw

2009/5/1(金) 午後 11:53 [ alt ] 返信する

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altさん
>国が先進技術の研究費を今の10倍出せと言いたくなりました

いいですねえ。そのカネで、技術立国からさらに進んだ
”研究開発立国”を目指すべきかと存じます。 削除

2009/5/8(金) 午後 10:24 [ 田舎の空手マン ] 返信する

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