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ついに、正式に破綻処理の運びとなりましたね… ということで、本日は、 GMが破綻に至るまでの財務諸表を 事業規模が同じくらいのトヨタと比較しながら、簡単に振り返っておきたいと思います。 ソースは、米国ヤフーファイナンスです。 GM:http://finance.yahoo.com/q/bs?s=GM&annual トヨタ:http://finance.yahoo.com/q/bs?s=TM&annual ↑これらのリンクはどちらも貸借対照表ですが、 画面左のメニューの下のほう、「Income Statement」で 損益計算書も閲覧できます。 なお、 以下、数字のイメージを付けやすくするために、 全部、1ドル=100円で円標記しています。 (数字の変化はドル建ての動きになりますが、イメージとして円で見たいため) まずは、 貸借対照表(バランス・シート) GM、なんと06年から「債務超過」、 つまり、資産よりも負債が大きい状態です。 なお、このバランス・シートは、 当ブログや「国債を刷れ!」でよく出てきている、 日銀の資金循環統計を元にした「国のバランスシート」 とは異なり、 固定資産が計上されています。 GMの場合、08年の9兆円の資産のうち、約半分の4.2兆円が Property Plant and Equipment すなわち、 不動産、工場、機械装置 です。 そして、 06年→08年にかけて、 みるみるうちに資産が減り、 純資産のマイナス(=純負債)が膨らんで行っていた様子が分かります。 今回の08年金融危機以前から、GMは危機だったのですね。 つぎに、 上のGMとは対照的な、 トヨタのバランス・シートを見てみましょう。 トヨタは、 GMと違って、資産、純資産が右肩上がりになっていますね。 と言っても、あくまでもとりあえずは08年度までですが (なお、上記のGMとトヨタは、決算期が3ヶ月ズレています。 厳密には同時期の比較ではありません。念のため) ついでながら、 損益計算書も見ておきましょう GMは売上が急降下、トヨタは逆に急上昇していました(くどいようですが、08年度までは)。 GMがここまで凋落してしまったのはなぜかというと、 とりあえず、こういうことがあるようですね: ガソリン高が進むなかでの小型車シフトが課題だったが、
利幅が大きい大型車の投入や金融事業に頼り変化の芽を自ら摘んだ (日経新聞 09年6月2日 1面) 常に「カイゼン」を続けてきたトヨタとは正に対照的と言えそうです。 ただ、今回の金融危機で経営難に直面するまでは、当のトヨタも 特に北米の販売が絶好調であったために、 日本国内市場向けの商品開発は、お座なりになっていたそうです。 そして、 今やGMの1.8倍にもなる売上高規模の巨大企業になったトヨタは、 規模が大き過ぎることによる組織の硬直化を 乗り越えられるかどうかが課題になってくるでしょうね。 逆に言えば、 このような危機の時こそ、改めてカイゼンの大切さを認識し直す絶好の機会であろうと思いますが。 まあ、それはそれとしまして、 「国債を刷れ!」の中で、 仮にトヨタが破綻した場合、世の中全体のおカネがどうなるかという話を書きました。 CDSとか色々ややこしいものがあるけれど、 結局は、損する人と得する人が両方いて、マクロで見れば差引きゼロになる のように書きました。 今回は、 仮に、ではなく、実際にGMが破綻しましたので、 できるだけ実際の数字に近い数字を用意して、 「差引きゼロ」を確認してみたいと思います。 今回、 ・米国政府は500億ドルをGMに出資するそうです(日経09年6月2日朝刊1面) '''・債権者は50%の債務を放棄するらしいです(冒頭AFP記事) ・CDS(この場合は、GMが破綻したときの貸し倒れ保証) の清算は、意外と小さく、2100億円程度と見られているそうです。 (ロイター 09/06/01) http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnTK029085820090601 ・GMのCDSの保証料率というのが、べらぼうに高く、 昨年7月の時点では、 5年契約で、保証金額の37%+年5% 「これは債務1000万ドルに対する保証料が370万ドルで、 他に年50万ドルのプレミアムを支払うことを意味する。」 (ロイター 09/07/03) http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-32556220080703 そもそも、06年には債務超過になっていたのですからGMのCDSプレミアムは 前々から相当に高かったはずですね。 ここでは、過去の契約を含めて、とりあえず平均30%くらいで見ておきましょう。 ということで、まとめると、下図のようになります: CDSの清算が大きくなっても、小さくなっても、 誰かが損をした分、他の誰かが得をする構図に変化はないので、 マクロでの変化は±0 です。 まあ、マクロでは±ゼロとは言え、 とりあえず心配なのは GMのサプライヤーのうち、日本企業がどのような影響を受けるか (端的に言えば、売掛金を回収できるかどうか)ですね。 (出典:日経新聞 09/06/02 朝刊6面) それについては、 投資家向けの社債などの債権と、 事業者向けの売掛債権とは、 まったく別の対応がなされるので、大丈夫なようですね。 「矢崎総業やブリヂストンなどはすでに
米政府が準備していたGM向け債権保証制度に申請済みだ」 (出典:上表に同じ) 金額規模でみても、 投資家向けは、上位3者だけでも、GM全体の負債の1/4以上を占めますが、 事業者向けは、上位10位を合計しても、ごくわずかです。 米国政府としては、これからも、規模を3割程度縮小するとは言え、 GMには事業を継続させる方針なわけですから、 サプライヤーへの保証は金額も小さいことから、当然と言えば当然と言えそうですね^^。 |
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