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今日は、 ご要望の多かった中国の 「国債引受け」、ないし、「為替介入の財源」のお話です。 最初は、 で、各年の「Balance Sheet of Monetary Authority」(通貨当局の貸借対照表) をちまちま拾ってきて、 「国債引受け、これだけやっていますねー」 で終わると思っていたのですが、 そうも行きませんでした (それゆえ、昨日は記事を書けずじまいで^^;)。 まず、「通貨当局」ですが、 なので、 「通貨当局」の貸借対照表は 国債引受けと為替介入がごっちゃになっていて少々分かりにくくなっていますが、 とりあえず、順番に見てゆきましょう (以下、グラフは全部、簡単のために、1元=13.7円で円換算しています) 上のグラフを見ると、 ベースマネー(通貨発行残高+当座預金)と比べて、 国債(対政府債権)の引受けは非常に小さくなっています。 →比較のために、以前掲載した日銀のものを見てみましょうか。 日銀の場合、ほぼベースマネー(上のグラフでは「発行銀行券」と「日銀預け金(≒当座預金)と国債等(対政府債権)の引受けが同じくらいの量で推移していますので、 中国とはだいぶ違っている様子が伺えますね。 更に、中国の方は、政府預金がかなり大きくなっています。 09年3月の段階では、なんと、ほぼ 政府預金=対政府債権(国債) となっています。 いわば、中央銀行が引受けた国債が、そっくりそのまま政府預金になっています。 日銀では、政府預金は引き受け国債の10分の1以下になっています。 つまり、 日本では、引き受け国債>>政府預金。 中国では、引受け国債=政府預金。 そして、 上で述べたように、 日本では、引受け国債≒ベースマネー 中国では、引受け国債<<ベースマネー です。 日銀のベースマネーは約90兆円、中国人民銀行は約170兆円で、 中国の方が、ほぼ倍の規模になっています。 GDPが日本より少し小さいくらいの中国で、 中央銀行のベースマネーが日本の倍になっているのです。 さて、 中国のもの凄い膨大なベースマネーの相手方は、ほぼ国債引受けとなっている日銀の場合と違って、どうなっているかと言うと、 実は、為替介入資金になっている模様です。 そして、上のグラフを見ると、 為替介入資金というか外貨準備は、 2005年末から06年初頭にかけて、ベースマネーを抜き去っています。 06年以降は、外貨準備、つまり、為替介入のための資金は ベースマネー+発行債券 とほぼ一致するようになって行っています。 09年3月時点では 外貨準備=ベースマネー+発行債券 となっていますね。 (発行債券とは、たぶん、外為管理局所管の「国債」と思われます。たぶん、ですが) ということで、 09年3月時点の通貨当局バランスシート(貸借対照表)を見てみましょう: 外貨準備227兆円=通貨発行残高50兆円+当座預金120兆円+発行債券57兆円 という具合です。 以上が、 という問いへの答えです。 あくまでも、中国当局の統計、つまり、「記録された事実」に基づく話ですが… 「信じるものは救われる」のか「信じた私が馬鹿だった」になるのかは、 それについては当方では責任を負いかねます。悪しからず^^; まあ、 半分以上は「中央銀行の当座預金」つまり、ピッポッパで帳簿上の操作で出てくる資金です。 それを正直にさらけ出しているのですから、 これについてはあまり疑ってかからなくても良いような気もしますね。 最後に、 中国政府の財政収支と人民銀行の「政府預金」の関係について、ちらりと見ておきます。 上のグラフは、 中央政府と地方政府を合わせた財政収支ですが、 08年12月に約23兆円の大規模な財政支出が実施され、 18兆円程度の財政赤字となっています。 さて、「通貨当局」の政府預金のグラフを再掲しますと: 08年12月より前に、政府預金が40兆円程度まで積み上がり、 しかも、「引き受け国債(対政府債権)」を上回る金額になっていた、 と言うことに関しては、なぜそうなっているのかはよく分かりませんが… それはさておき、 上のグラフからは、08年12月に政府預金が約15兆円減っているのが分かります。 つまり、 08年12月の財政赤字の大半は、中央銀行の「政府預金」でまかなわれていることが分かります。 「中国では、中央銀行の『国債引受け』はあまりやってないけど、中央銀行の『為替介入引き受け』が大々的にやられてたのね。しかも、大半は紙幣発行ではなくて、当座預金を増やして、つまり、『帳簿操作』で!ということには、驚いた@o@!! しかも、中央銀行のベースマネーが、なんと、米国FRBと同規模とは!!! こりゃあ、しかし、かなり本気で頑張って為替介入してたのね、中国さんは…」、と思われた方は↓こちらのリンクのクリックをお願い致しますm(_ _)mhttps://blog.with2.net/in.php?751771ブログランキングに参加しております。ご協力、ありがとうございます!http://ecx.images-amazon.com/images/I/51iN5BfVzDL._SL500_SS75_.jpg
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すいません。ヨッシーニ師匠・・・
通貨当局のBS見て吹き出してしまいました(笑)
私は、この数値信じます。素晴らしいほどの介入ですね。
でも、米国には介入なんてしてませんと言ってますが・・・
貴重な資料提供ありがとうございます。
傑作!
2009/6/4(木) 午後 5:35 [ 鉄人4号 ]
いつもいつも、拝見しております。
今日も、解り易いグラフつき解説誠に有難う御座います。
とても良い勉強になりました。
傑作。
2009/6/4(木) 午後 8:36 [ step1 ]
ごぶざたです。
これ、香港ドルのようなカレンシーボード制に限りなく近い運用をしているということがハッキリ分かりますね。おそらくですが、1997年のアジア通貨危機を境に、投機筋の売り浴びせを警戒してペッグ型からカレンシーボード型へシフトしていったのでしょう。
2009/6/4(木) 午後 8:56 [ HM ]
すいません。下から2番目のグラフすっごく気になります。2008年12月がサブプライム危機のせいなのは判るのですが、その後の動きが余りにも今までどおり過ぎるような気がするんですけど、どうなんでしょう?本当はサブプライム危機以降は、以前にも増して数字を操作しているって事ないでしょうか?私は最近の民主党やマスゴミの政権クレクレの焦り具合を見ていると、なんだかリンクしているように思えてならないんですけど。
2009/6/5(金) 午前 1:59
>ヨッシーニさん Keiのheartさん
少し調べたところ、中国政府はこれまでに「政府発行債券」を、四大銀行を介して中国人民銀行に引き受けさせているようです。この「政府発行債券」は国債なのでしょうが、政府紙幣でもあるようです。決定的な証拠として「政府発行債券」は貸方(右側)に計上されています。政府紙幣=無利子国債ですし、償還の必要がありません。普通の国債等(「対政府債権」)は借方(左側)に計上されていますね。
おそらく「政府発行債券」は為替介入の財源に使われ、どうにか不胎化(貨幣の回収)したあげくそれが政府預金となっているのでしょう。
・・・これ、巧妙なseigniorage政策ですよね?
2009/6/5(金) 午前 7:11 [ HM ]
5年前は1ドル=8.3元、今は1ドル=6.83元。為替介入していなかったら1ドルいくらになっていたのでしょうね。ちなみに1元=14円くらいで、100円=6.8〜7元くらいです。
2009/6/5(金) 午後 0:51 [ cor*y2*jp ]