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そんなこんなで、少なくとも過去10年は、 米国債を外貨準備で沢山持っていると思しき日本政府も、 為替を考慮に入れても、日本国債よりも運用利回りが良かった、ということは、 日本国債発行→米国債購入 は、政府にとって、おトクなおいしい取引だったわけです。 しかしここで、 「今までは、金利下降局面だったから利益が増幅したけど、 ということは、今後、金利上昇局面では損しないかな?」 という心配が起きますね。 でも、 債券って、最後にはかならず価格は100(償還価格)に戻ります。 一時的には価格が下がることで、評価損が出ても、 最後まで持っていたら、発行元が破綻しない限り、かならず価格は元に戻ります。 これが、発行元が政府で、かつ、現地通貨建ての国債なら、 まず取りっぱぐれはありません。 そこが国債の一番の魅力です。 そして、もう一つ大きなメリット。 価格が下がろうが上がろうが、金利は毎年きっちりもらえるわけです。 そのもらった金利で、価格が下がった、または、金利が高くなった債券を買い増しして行けば、 やはり、しっかり儲かります。 以上のような理由から、「現地通貨建て国債」による運用は、 金利上昇局面でも、ある程度の時間をかければ、 結局は確実に利益を出すことが出来る ことになります(為替損益は別です)。 ちなみに、 前出の野村の国債運用指数の推移をグラフにしてみますと、 金利上昇局面(↓赤枠)では、確かにパフォーマンスは落ちています。 実は、これ、バブル絶頂期ですが、これだけの金利上昇(4%→8%) で、元本の評価額が平均14%程度落ちたのですが、 高くなった金利がすぐにカバーして、 運用指数は5%程度しか落ちなかったのです。 そして、 その後の金利下降局面(↑青枠)では、 金利が高いときに買った分の高金利収入と、 価格上昇の相乗効果で、 急激に指数が上昇していますね。 あとは、為替です。 日本の、特に政府の多額の米国債の運用損益については、 円高ドル安がどこまで行くかが焦点です。 でも、これから一層の円高ドル安になるとしたら、 日本の景気が回復が先行し、アメリカが遅れる 逆に、 日本の景気が仮に低迷を続けたままで、アメリカが先に回復したとしたら 円安ドル高で、日本政府はまたもや儲かりますね。 といいつつ、これまでも散々書いてきましたが、 マクロ経済運営が主たる役割である政府は、別に儲ける必要なんてありません。それに、日本政府が借金を全く気にせずに「国債発行+財政出動」を続ければ、 日本の経常黒字が減る方向になるので、 必然的にドル安に歯止め圧力がかかります。 (私としては、政府の保有米国債の円建て評価額は、別に気にしなくても良いと思いますが…。それを気にするのは、あくまでも「国の借金は問題だー」という前提での思考態度でありますので^^;) 「過去10年、長期モノの米国債投資だと、ドル建てなら元手が倍以上に、円建てでも1.8倍になるくらい儲かってたとは、驚いた!」と思われた方は、↓下のリンクのクリックをお願い致しますm(_ _)mhttps://blog.with2.net/in.php?751771ブログランキングに参加しております。ご協力、ありがとうございます!「国債を刷れ!」好評発売中です。ご購入は↓こちらをクリック http://www.amazon.co.jp/dp/4883926788/http://ecx.images-amazon.com/images/I/51iN5BfVzDL._SL500_SS75_.jpg【「国債を刷れ!」補足集】の一覧はこちらをクリック |
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米国債の運用は極めて合理的な行為だったんですね。
これまで米国債に関する議論は、やれアメリカが押しつけただの、日本は拒否できずにやられ放題だのと、政治的な文脈での議論しか行われてこなかったと思います。
経済問題を論じるならば、こういった数字に基づいて議論しないといけないことが、とてもよく分かりました。
2009/7/3(金) 午前 2:41 [ 鹿飛佐吉 ]
インフレについても触れてほしかった。
2009/7/3(金) 午前 4:54 [ lon*_ju**ice20*0*p ]
・・・道理でマスゴミ様が米国債を勧めないわけだ(笑)KならぬMの法則と呼ぶべきですかね?
2009/7/3(金) 午前 8:47 [ ス内パー ]
とても勉強になりました。
投資をしない経済素人の感想なんですが、日本国債や米国債では損をしない=貯金みたいなものと考えてよいのでしょうか?
2009/7/3(金) 午前 9:11 [ 鉄人4号 ]
昨日TVである某有名建設機械上場企業の社長がエコポイントについて言ってました。この政策を実行するのにいくらのコストが掛かるのか、費用対効果を考えた方がいい。全くその通りです。
しかしここでふと疑問が、営利目的の企業と通貨、金利をコントロールできる政府の政策を同じ土俵で考えてもいいのか?
例えばエコポイント実施のおかげで家電量販店での人員増、コールセンター開設等けっきょくそれは給料で支払われるから企業、国民に回ってくるんじゃないの?などと考えてしまいました。
2009/7/3(金) 午前 10:37 [ 山親爺 ]
ところで米国債は日本の自由に為らない様に、ニューヨークの中央銀行の金庫に預けさせられていると聞き及びます。その真偽は?
同様に日本保有の金塊もノートフォックスの連銀地価金庫に預けてあるとかこの真偽は?
フランスは時期を見ては、米国債を売って金を購入しているが、日本は金の購入(国家レベル)を禁止されているとか、この真偽は?
2009/7/3(金) 午前 10:39 [ zwr*7kc* ]
ちょっと話は違うけど、
日本政府や防衛省がどんだけ高くてもF22(ラプター)購入を諦めないのも
購入原資になると思われる米国債でこれまでかなり儲けていたからかも知れんね。これまでの運用益だけで余裕で買えるんじゃね?
2009/7/3(金) 午後 3:23 [ killua ]
Xマン さん、
>投資をしない経済素人の感想なんですが、日本国債や米国債では損をしない=貯金みたいなものと考えてよいのでしょうか?
そうですねえ、国が無茶なことして大失敗(例:他国との全面戦争で完敗)でもしない限りは、ほぼ間違いなく大丈夫です。まあ、預金だって、そんな「大失敗」したときは、預金封鎖とかでダメです。
ということは、自国通貨建ての国債での運用は、預金と同等以上の安全性があることになります。
預金の場合「安全確実」なのは日本では預金保険機構で保証されている1000万円とその利息までですが、国債の場合は無制限で保証されるのが国債のよいところですね。
それは、米国債も同じです。
(続きます)
2009/7/4(土) 午後 4:28 [ ヨッシーニ ]
さて、為替を考えた場合ですが…
プラザ合意前の1ドル240円の時代から、翌日物コールレート、つまり、超短期金利ですね。これで無税で複利運用した場合について、以前、ある筋から依頼を受けて検討したことがあるのですが、
円と米ドルの「円建て」の運用成績は
2008年までだと、円は1.77倍、ドルは1.38倍、となっていました。円の方が成績がずっと良かったのですが、米ドルでも、一応は為替差損を補ってあまりある水準となったわけです(あくまでも参考データとして)。
2009/7/4(土) 午後 4:28 [ ヨッシーニ ]
>預金の場合「安全確実」なのは日本では預金保険機構で保証されている1000万円
これは重要ですよね^^
私にはそんなに無いですけど。元本保証がある国債!素晴らしい。何故これを私たちの税金で返さなきゃならんのか、マスコミや経済学者の言ってる事はサッパリ理解できません。
ついでに、師匠にもう一つ質問があります。ミンスのマニフェストですが、経済効果のみで考えたらどう思いますか?
私的には面白いのですが、まあ実現しないでしょうけど・・・
ミンスのマニフェスト
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200907/2009070200911&rel=y&g=pol
2009/7/4(土) 午後 4:48 [ 鉄人4号 ]
はじめまして。
米国債が為替を考慮しても利益が出ているというのはわかりますが、米国債購入では貴著『国債を刷れ』(購読しましたので念のため)で強調されていたような「乗数効果」が起こりえないんじゃないでしょうか。
米国債購入により米国が景気が上向き日本のモノ・サービスを購入してくれれば日本の景気も良くなりますが、米国も所詮外国ですので景気を上向かせるために外国、外需を頼るのは好ましくないでしょう。外国ですので景気を上向かせるために外国、外需を頼るのは好ましくないでしょう。素直に日本国内に金を還流させた方が効率も良いですし、国民の経済状態も良くなるでしょう。
(続きます)
2009/7/5(日) 午前 9:28 [ だんでらいおん ]
正直なところ、外国債で利回りが年5パーセントくらい付くよりも利回りはゼロでも良いから国内で金が回ったほうが日本全体としては良いことなんじゃないでしょうか。米国からすれば利回りを払ってでも米国内で金を還流させたほうが良いと判断しているからこそ、外国にそこそこの金利を付けて国債を売っていると考えられます。国内で消化できないからということもあるでしょうが。
民間は利益を上げなきゃならないでしょうし政府は米国債を購入する「義理」があるでしょうが、「乗数効果」を考えて日本国内を還流させたほうが良いと思うのですがどうでしょうか。
2009/7/5(日) 午前 9:28 [ だんでらいおん ]
だんでらいおん さん
「国債を刷れ!」、ご購読ありがとうございますm(_ _)m
>民間は利益を上げなきゃならないでしょうし政府は米国債を購入する「義理」があるでしょうが、「乗数効果」を考えて日本国内を還流させたほうが良いと思うのですがどうでしょうか。
おっしゃる通りです。ただ、この回の記事は、日本がアメリカ国債を買わされたことで、奪われた、損させられた、という俗説は本当なのかどうか、という論点です。
また、今回の記事でも
「
日本政府が借金を全く気にせずに
「国債発行+財政出動」を続ければ、
日本の経常黒字が減る方向になるので、
必然的にドル安に歯止め圧力がかかります。
それなら、
日本の景気もよくなり、
保有米国債の円建て評価額も下がりません。
それだと、一石二鳥ですね^^
」
と書いております^^;
ところで、
仮に、
アメリカが日本政府に米国債購入を強制していたとしたら、戦略的には完全な間違いです。
(続きます)
2009/7/6(月) 午前 9:53 [ ヨッシーニ ]
それだけでは、
アメリカ経済、ひいては世界経済の不安定要素の最たるものの一つ、
アメリカの巨額の経常赤字、世界的な経常収支の不均衡が解消されることはないからです。
日本が「国債発行→米国債購入」をしてもアメリカの経常赤字はむしろ増えるだけで、不均衡の問題は解消しません。
一方、
日本が「国債発行→内需拡大→輸入増」
をした方が、実は米国の国益にも、世界経済全体にも叶うことになります。
なお、補足ですが、内閣府のシミュレーションからは、公共投資を増やすと、そのうち1割程度の金額、輸入が増えることが読み取れます。
2009/7/6(月) 午前 9:53 [ ヨッシーニ ]