廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

全体表示

[ リスト ]


今日も引き続き

三橋さんの新刊、「ジパング再来」便乗企画です(笑)




今日は、予告どおり

国際比較をしてみると、現在同様、日本が世界の中でも燦然と輝いていた戦国時代の話をちらりと書いてみたいと思います。

ということで行きますが、その前に


歴史小説の効用

について。


私はよく歴史小説を引き合いに出しますが、歴史小説の効用というのは、あくまでも

思考の幅を広げること

ということに尽きると思っています。


例えば、
昨日取り上げた高橋克彦さんの「時宗」では

生まれながらにして
・いずれは確実に攻めてくる元に対処しなければならない
・元との戦争に勝っても、褒美としてやれる土地が増えるわけでもなんでもないのに、
 配下の御家人に「国を守るために死んでくれ」と命じなければならない

という定めを負っていた若い時分の時宗の苦悩を描いたりもしているわけです。

さらには、
時宗の伯父(執権)や叔母(将軍の正室)は毒を盛られて若死にしているという凄まじいオマケ付きです(この「毒殺」はあくまでも「推理」の範疇だと思いますが)

そんな状況に立たされた人物を現代で探そうとしてもいないわけです。

そういう状況に立たされた人物の心理状況などを作家の想像力を借りて垣間見る、それによって「思考の幅を広げる」というのが歴史小説の効用かと思うのです。


思考の幅を広げるというのは、例えば8年前の「9.11」について。

事件が起きた当初

・自爆テロであることの気持ち悪さ

・飛行機がビルに突っ込む映像の強烈さ

にかなり衝撃を受けてしまいました。

が…、

実は戦国時代の一向一揆と自爆テロには

・一揆に加担した庶民や自爆テロの実行犯は、
 仏のために、神のために戦って死ねば、来世はよりよい人生が保証される
 天国へ行けると信じ込まされている

でも浄土真宗にもイスラム教にもそんな教義は本来はなく
 使用者側の都合で勝手に教義がでっち上げられていた

という共通点があります(と私は解釈しています)。


戦国時代の一向一揆については、津本陽さんの「下天は夢か」で読んだか、司馬遼太郎さんの「国盗り物語」で読んだか忘れましたが、

いずれにせよ、
歴史小説を読んで「思考の幅が広がった」結果
「9.11」についても客観的に見ることができるようになり、
私自身は、
今では得体の知れない不気味さというのは全く感じないで済むようになっています。

9.11は、
ジャンボジェットが超高層ビルに突っ込み、沢山の人命が失われたという点ではやはり衝撃的で痛ましい事件なのですが、

「自爆テロ」という人間の心理パターンは特に目新しいものではないという認識です。
(実は、自爆テロではないという説もありますが、それは脇に置きます)


さて、
上記の認識が正しいかどうかはさておき

20代前半から歴史小説を多読することで、

それまでよりも、世の中をより相対的に捉えて、より客観的に観察できるようになったと思います。

そして、
そのような相対的、客観的な物の見方は、
「国債を刷れ!」の執筆に色濃く反映されているわけなのです。
(例えば、「国の借金なんて実体すらないような取るに足らない存在」と断じているようなところです)


ところで、

歴史小説の作家の皆さんは

・歴史資料という「記録された事実」に基づいて

・想像力を働かせて、物語をつむぎ出していく

という作業をしているわけですが、


実は、
私が「国債を刷れ!」を書いた手法は、これとかなり共通しています。

・公的機関の統計データという「記録された事実」

から

・「想像力」

を働かせて、ひとつひとつ結論を積み上げて行っているわけなのです。

あと、想像力に加えて

・「複式簿記の原理」
 (資産・負債・純資産、費用・収益、支出・収入、借方・貸方
  が必ず対になって対応し、
  左右で必ず釣り合いが取れるような帳簿記録の仕組み) 

ふんだんに使っていますね^^。もっと正確に言えば、

・「マクロ経済への複式簿記の原理の応用」
 (「誰かの負債は必ず他の誰かの資産」、「誰かの支出は必ず他の誰かの収入」
   というヤツです)

ということになります。



さて、
ということで本日の主題、戦国時代です。

津本陽さんが「下天は夢か」時代背景について自ら書いた「信長私記」という本によりますと:

・3千挺(実は1千挺だったという説もあり)もの大量の銃を使った大規模銃撃戦
 日本が世界初(長篠の戦い)

・軍用船を鉄で装甲したのは日本が世界初(鉄甲船)

・当時の最先進国、スペイン、ポルトガルも銃はトルコから買っていた時代に、
 日本は自前で大量に製造していた。

とのこと。


更には、知人から聞きかじったところによりますと、

当時、欧州最強を謳われたフランス陸軍の銃の保有数が1万挺

であった時期に

関ヶ原の合戦では、10万挺の銃が使用された

そうです。

そして、
関ヶ原の合戦の時期には、日本全体での銃保有数がなんと30万挺

だったとか。


歴史に「もし」は許されないと言いますが、

もし、家康が

儒教的な農本主義

ではなくて、

信長のような通商立国・重商主義

志向していたとしたら

その後の日本史、いや、世界史はどのようになっていたか

想像してみたくなってしまう今日この頃であります。


ついでに言えば、

国の借金は大変だ

という借金悪玉説も、

よくよく考えれば家康的、徳川幕府的な質素倹約の思想

三千年前の中国の斉の国の身分制度である「士農工商」を用いて「商」を一番下に置いた思想体系

日本人の思想の中に深く根付いていることも大きな要因かも知れません
(と言っても、「質素倹約」のイメージのある八代将軍
 実は、小判の金の含有量を半分にしてお金を創り出しでばら撒いた
 ような話もあるのですが)

その幕府開闢(かいびゃく)以来の伝統的な倹約思想につらなる「国の借金悪玉論」がこの10年来、日本経済の足を引っ張っているとしたら、


日本人は、

「徳川埋蔵金」を発掘するよりも、

徳川幕府的な思想体系の呪縛からの開放をした方が、

よっぽど莫大な富を得られることになります。


#ここで、
 仮に「埋蔵金」を発掘して、大量の金を手に入れたとしても、
 その金を一気に放出すれば金の相場は大暴落するので、
 それだけで政府の財源をまかなうなんてのは到底無理ですね。

 金だって所詮は一種の金融商品に過ぎませんし、
 その価値は相対的なものでしかありません。
 念のため。


閉じる コメント(1)

顔アイコン

小説について以前あれこれ言ってしまった口で、ここまで前置きをさせて申し訳なく思っています。
私は、資料として扱うのには不向きであると考えていますが、使い方さえ間違えなければ、小説は良い材料になると思います。
プロでも素人でも物語を作る人ならわかると思いますが、面白さの前には真実などさしたる問題ではなくなってしまいます。面白さは正義です。w(真実をなぞった方が面白い場合ももちろんありますが)
数ある要素の中で、ここが決定的に違うところですね。
ドキュメンタリーでも実は嘘が多かったりしますし、資料を検証した歴史本でも大嘘ついてたりはありますがそれは置いておきます。w

2009/8/4(火) 午後 10:15 [ alt ]

開く トラックバック(1)


[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事