廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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「国債を刷れ!」の中でも繰り返し登場していましたバーナンキFRB議長、再任です。

正直、ホッとしました。


バーナンキさんと言えば、↓これです

日本におけるデフレを収束させるための、一つの可能性のあるアプローチ

具体的には、日銀が、現在よりももっと政府債務(国債)の購入(引受け)を増やすのと連動して、政府は減税または財政出動をすることが望ましい。

"Some Thoughts on Monetary Policy in Japan"


バーナンキさんが日本に来て、↑これを語ったのは、

2003年

でしたが、


今、まさに、デフレ不況のアメリカで、当事者として↑これをやっているわけです。



国債のみならず、政府系機関の不動産担保証券(MBS)とかを買っています。

で、
その国債とかMBSとかを買うための超巨額の資金調達は、

主に、

当座預金を増やす(わずか半年で約80兆円)

というMoney Creation、帳簿操作(=中央銀行マジック)
無から有を生じるプロセス
で創り出していると言う話は、



に書きました。



なお、

バーナンキ議長については、

上のAFP記事を引用すると

07年、サブプライムローン問題をきっかけに米国が直面した経済危機では、議会で副次的影響は比較的限定的と実際より甘い見通しを立て、批判にさらされた

のような批判をされることがあります。

が、
その後の危機では、しっかりと思い切った対応してきているわけです。


まあ、
その対応というのは、はっきり言って新自由主義者の皆さんが忌み嫌うようなものばかりですね(中央銀行も政府も市場に思いっきり介入しているので)。

そして、大体サブプライムローン問題というのは、


返済能力が疑わしい人々へもおカネを貸し込む自由


を行使した結果の産物なのですから、


バーナンキさんがこの問題を当初は軽視していたからと言って、
少なくとも、新自由主義者から非難を受ける言われはないです。本当に。

そして、
もし、バーナンキさんが原理主義的な新自由主義者で、

つぶれる銀行や保険会社はつぶれるに任せる。FRBは一切感知しない

という思想の持ち主だったとしたらどうなっていたかと思うと、本当に背筋が凍りつきます。




さて今回は、

バーナンキ議長再任をきっかけに思い出したかのように、

日米英のベースマネー(=マネタリーベース=ハイパワードマネー)がどんな感じで増えているのかを比較しておこうと思います。

(本当は、日米欧をやりたかったのですが、
ユーロ圏のデータがなぜか見つからず、
日米だけではつまらないので、
英国を追加してお茶を濁しておきます^^;)


ところで、

ベースマネーとは、おさらいしておきますと、大雑把には

お札 + コイン + 中央銀行の当座預金

のことで、

信用創造のタネ銭のようなものでしたね。



では、長期の推移グラフ

イメージ 1

出典:
 日本 http://www.stat-search.boj.or.jp/index.html
 米国 http://www.federalreserve.gov/releases/h3/hist/
 英国 http://www.bankofengland.co.uk/mfsd/iadb/BankStats.asp?Travel=Nix
 ※英国のデータはそのものズバリ「マネタリーベース」というのがなかったので
  中央銀行の負債側Notes in circulationとReserves and other accounts
  (07年以降はReserve Balances)の合計をマネタリーベースとしています。



・英国は1999年にもポコンとベースマネーが大きく増減していますが、

 これはアジア通貨危機とかロシア危機の時期ですね。

 その時期、英国と比べて、日米が非常に安定しているのは興味深いところです。



・それを除くと昨年の8月くらいまでは、

 日米英とも基本的には安定的に増加していました。

 (あの日銀の量的緩和も、この比較のなかではなだらかな変化に見えます)



・そして昨年の8月以降…この部分を改めて切り取って↓グラフにしました


イメージ 2




↑日本と、米英の違いが非常に鮮明ですね。


アメリカはベースマネーが2倍、英国は3倍になっています。

しかも、'わずか数ヶ月の間にです。


で、
金額にすると、どんな感じかといいますと、1ドル=100円、1ポンド=150円
として換算しますと、

08年8月→09年7月の期間

日本 88兆円→93兆円 5兆円の増加

米国 84兆円→167兆円 83兆円の増加

英国 11兆円→31兆円 20兆円の増加


という具合です。


FRBはこの間、日銀一つ分に匹敵する巨額のベースマネーを増やしていたわけですね。



ところで、

英国の20兆円増加は、絶対額だけで見るとイマイチおどろきがないですが、


英国のGDPはアメリカの約1/6です。

そして、日本のGDPはアメリカの約1/3ですね。

(アメリカが約1500兆円、日本が約500兆円、英国が約250兆円)


ということで、上記ベースマネーの増加額

アメリカのGDPに合わせて考えて見ますと、


日本 15兆円

米国 83兆円

英国 120兆円


ということになります。


Bank of Englandは、FRB以上のイリュージョンをやっているというあんばいです。



逆に、

日銀は、頑張らなさ過ぎか?

といえば、そんなことはないでしょう。


日銀は、すでに社債なんかも買っているわけですし(異例中の異例の措置)

なにせ、国債金利は日本が世界で一番低い水準ですから、日銀もこれ以上頑張りようがありません

これ以上の措置と言うと、
日銀が中小企業に直接貸し出すくらいのことをやらないと行けないような気がしますが、それはあまりにも酷な話でしょう。


ということで、

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やはり英国経済はアメリカよりも遅れて経済が沈んでいるのですね^^

2009/8/27(木) 午後 1:24 [ 鉄人4号 ]

アメリカは国債発行の限度額?でしたっけ

本当はもっともっと増やしたいんだろうな〜

2009/8/27(木) 午後 3:07 [ きんちゃん ]

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日本 88兆円→93兆円 5兆円の増加
英国 11兆円→31兆円 20兆円の増加
英国のGDPは日本の1/2ということを考えると
英国は今までが少なかっただけでもっと増やせると言うことでしょうか?
日本を基準にして考えると英国がひどく思えません・・

2009/8/27(木) 午後 3:28 [ こう ]

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加藤敬一さん

フローではなくて、ストックで、GDPのスケールで調整すると

日本 279兆円
米国 167兆円
英国 186兆円

となり、米国が一番余裕があって、日本が一番余裕がないということになってしまいますね。

しかし、中央銀行の役割とはなんでしょうか?
「国債を刷れ!」でも紹介しまいした日銀法第二条

(通貨及び金融の調節の理念)
第2条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。

これです。


「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」
ために、

「通貨及び金融の調節を行う」

ことです。

この6月のCPI前年同期比つまりインフレ率は、

日本 -1.7%
米国 -1.4%
英国 +1.8%

で、日本が一番物価が下落しています。

ということは、日米英の中で日本が最もベースマネーを増やす余地が大きいことになります。
(続きます)

2009/8/27(木) 午後 5:01 [ ヨッシーニ ]

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(続きです)
日本の場合、ベースマネーが大きいのにインフレになっていないのが問題です。

ここで、

国債買いオペを増やすなどして日銀がベースマネーを増やしても、政府が緊縮財政をやっていてはデフレ脱却が出来なかったということは、01年から06年の量的緩和で実績が出ているわけです。

つまり、政府の財政を伴わない限り物価は上昇しないということです。

ということで、日本がこの中では一番、財政出動+金融緩和をやる余地が大きいということになります。

2009/8/27(木) 午後 5:02 [ ヨッシーニ ]

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本文も勉強になりますが、上記のコメントもかなり勉強になりました^^

2009/8/27(木) 午後 5:17 [ 鉄人4号 ]

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うお〜、神降臨!
まさか返信を頂けるとは多謝多謝でございます
勢いで量的緩和論を唱えたくなりますが、やはり意味ないんですよね・・

2009/8/27(木) 午後 5:23 [ こう ]

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http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1427464229

見つかった

2009/8/28(金) 午後 6:09 [ オール ]

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初めましてMと申します。

単純に疑問なのですが、こんなにマネーを増やしたら、超円高にならないのでしょうか?

2009/8/29(土) 午前 6:01 [ M ]

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Mさんへ
逆に円安の要因になると思いますが。

2009/8/30(日) 午後 0:45 [ kinori ]

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はじめまして。経済は素人なので現在勉強中です。ヨッシーニさん、三橋さんの本は楽しく読ませていただいています。
通貨価値を決めるものとして
1通貨発行量 2金利 があると思いますが日銀の役目がこれらを決めることですよね?
日本はバブル崩壊の後の金融緩和で円を発行し、ゼロ金利となりましたが、本来はマネーベースが増えるとインフレになるはずがデフレになっています。これは今回の金融恐慌でのドルと同じなのですが、デフレの要因はいくらマネーベースを増やしてもそれが市場に回らないことが原因と考えていいのでしょうか?
それと日本のゼロ金利にもかかわらず円が暴落しなかったのは上記理由とともに日本という国の信頼性にあったのでしょうか?(円ドル同時ゼロ金利にも関わらず円高て・・)
もし日本の金利が上がるとすれば今後鳩山政権でのアメリカ国債の売却などでドルが下落するときに通貨防衛のために金利が上昇することが考えられますがそのときにつられて日本の金利が上がるのかなと思うのですがいかがでしょうか?
よろしければこのあたりの考察をお願いいたします。<(_ _)>

2009/8/31(月) 午後 2:36 [ tak*ho*a11*r ]

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Mさん

>単純に疑問なのですが、こんなにマネーを増やしたら、超円高にならないのでしょうか?

もしもそうだとしたら、現在、ベースマネーを死ぬほど増やしている英国ポンドや米ドルは円に対してかなり高くなっているはずです。しかし、現状はむしろポンド安、ドル安となっています。

また、01年から06年の日本の量的緩和の時は円安でした。

単純に考えますと、

金融緩和=ベースマネーの増加→金利安→通貨安

のようになろうかと考えられます。

2009/8/31(月) 午後 5:30 [ ヨッシーニ ]

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tak*ho*a11*rさん

>デフレの要因はいくらマネーベースを増やしてもそれが市場に回らないことが原因と考えていいのでしょうか?

インフレ、デフレを決める主たる原因は、モノやサービスの需要と供給の関係と考えて良いように思われます。

オイルショックのときは、石油の供給不足により、インフレとなりました。

また、ジンバブエでのハイパーインフレはやんちゃな大統領が効率のよい白人の農園経営者を追い出すような農業改革の失敗、そのような無茶をしたので欧米からの経済制裁で物不足となっているところに、紙幣の大増刷(というよりは紙幣に印刷する金額の数字の桁をどんどん上げる)をやったためでした。

お金の量を増やすのは確かにインフレ圧力にはなりますが、供給不足・需要過剰を伴わないとなかなかインフレにならないようです。
(続きます)

2009/8/31(月) 午後 5:42 [ ヨッシーニ ]

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>それと日本のゼロ金利にもかかわらず円が暴落しなかったのは上記理由とともに日本という国の信頼性にあったのでしょうか?(円ドル同時ゼロ金利にも関わらず円高て・・)

一つはサブプライムローン関係のあやしい証券化商品を持っていた金額が、日本の金融機関が欧米に比べて圧倒的に少なかったからということがあるのではないでしょうか?

もう一つは、日本の金利が元々低かったところに、欧米の金利が今回の危機でガクンと下がったことにより、これまで大きかった金利差が急に小さくなったということがあるでしょう。これだと、例えば、日本の投資家(というか投機家)からすれば、外貨への投資妙味が小さくなるので、外貨はやめて、円に戻すと言う動きを取りたくなるのが人情ですね♪
(続きます)

2009/8/31(月) 午後 5:47 [ ヨッシーニ ]

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>今後鳩山政権でのアメリカ国債の売却などでドルが下落するときに通貨防衛のために金利が上昇することが考えられますがそのときにつられて日本の金利が上がるのかなと思うのですがいかがでしょうか?

民主党政権がそんなアメリカに無意味にケンカを売るようなことを本気でするとはあまり考えられない、というか、考えたくないのですが…

仮にそんなことがあったら、間違いなくアメリカの一般人は日本人に対して嫌悪感を抱くことになるでしょうね。そうなると、かつての貿易摩擦のときのような日本製品不買運動が起こるかも知れません。少なくとも、目下、失業率が10%近くで、うっぷんが溜まりまくっているアメリカ人のストレスのハケ口にはうってつけですね。これは円安要因です。
(続きます)

2009/8/31(月) 午後 6:00 [ ヨッシーニ ]

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また、
中国の要人が米ドルや米国債についてああだこうだ色々言っていましたが、
あれは思うに、本気でケンカを売るのではなくて、より有利な取引をするための高等戦略だと思われます。

だって、中国経済は輸出でもっているのであって、その最大のお得意先はアメリカです。アメリカにこけられたら中国経済はズタボロ、暴動も頻発で共産党政権もおしまいです。

ということで、中国は今後も米国債を基本的には買い続ける、アメリカは人民元の自由化うんたらかんたらはゴチャゴチャ言わない、で手打ちになるんじゃないでしょうかね。

もし、日本の民主党政権がこのような状況の中で空気を読まず、本気でアメリカにケンカを売るようなら、日米関係は冷え切り、米中関係はより強化されてしまうでしょう。

となると、安全保障上の観点からも円安圧力となるかも知れません。


民主党の皆さんも、本気で言っているのではないと思います。きっと、たぶん…

2009/8/31(月) 午後 6:01 [ ヨッシーニ ]

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オールさん

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1427464229

でユーロ圏のベースマネー発掘させていただきました!
ありがとうございますm(_ _)m

2009/8/31(月) 午後 6:07 [ ヨッシーニ ]

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丁寧な回答ありがとうございました<(_ _)>
今後とも楽しみにしていますので更新お願いします ~(=^‥^)ゞ

2009/8/31(月) 午後 6:44 [ tak*ho*a11*r ]

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日銀総裁:国債購入案に否定的な考え示す
http://mainichi.jp/life/today/news/20090901k0000m020074000c.html

> 日銀の白川方明総裁は31日、大阪市内で記者会見し、民主党政権が経済政策の
>財源捻出(ねんしゅつ)で、日銀に国債購入を求めてきた場合の対応について
>「金融政策の目的に(財政赤字穴埋めという)疑念が生じると、経済の実態を
>離れて長期金利が上昇しかねない」と述べた。
本当は、日銀が国債を購入して財政出動した方が良いのでしょうが
さすがに民主党の案は、経済成長のための政策ではなく、”バラマキ”
だけですから、否定されても仕方ない分もあるんでしょうね。

しかし、白川総裁を選んだのは事実上民主党なのに
政権を取ったあとでは皮肉な結果になりましたね。

「渡辺副総裁]案に否定的、「白川総裁」は障害ない=小沢民主党代表
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-31175120080406

2009/8/31(月) 午後 11:01 [ かしお ]

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