廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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今年2月、河村たかしさん(現名古屋市長。当時は衆院議員)にお会いしたとき、
廣宮さんの本(「国債を刷れ!」)は、リチャード・クー氏の考え方と似ていますね。彼の本は読みましたか?

と言われていたし、


三橋さんのブログでも何度か「バランスシート不況」のことを読んでいたので


一度は読まないと、


と思いつつなかなか読んでいなかったのですが…

今更ながら、読んでいます:





10年も前から

バランスシート不況

と言う言葉は知っていましたが、


実は今年になってからやっとその内容(大雑把に言えば、企業が借金を減らそうとしてばかりで支出が減り、不況になること)を三橋さんのブログで知りました。


つまり、「国債を刷れ!」の執筆中は知らなかったのですが、

実は、日銀「資金循環統計」を詳しく見て行く中で、独自になんとなくはつかんでいたのでした。

それを反映しているのが、「国債を刷れ!」p.24の、下記の記述です:

要は企業が支出を減らした(場合によっては、減らさざるを得なかった)のだ。

そのため、政府は経済を維持するために支出を増やさざるを得ず、

それゆえに、政府の借金が増え続ける。

そういう構図になっていると言える。


ただ、これは「なんとなくはつかんでいた」だけです。

企業が支出を減らした(減らさざるを得なかった)

ということの原因にまでキチンと触れているのが、

クー氏の「バランスシート不況」ということになります。


ちなみに、
麻生さんが首相になる前からご自身のホームページで

「日本の不況はこの程度で済み、
 GDPもこれだけのデフレ不況下で500兆円を維持できました」

と書いていたことは、「国債を刷れ!」でも紹介しました。


クー氏が麻生さんのブレーンの一人とされていたわけですから、

いわずもがな、というところですね。



ということで、

今回を含めて何回かに分けて

「バランスシート不況」特集

です。


この「バランスシート不況」の考え方は非常に重要であると感じていますので、

今更ながらですが、

そんなことは分かっているよ、という人にはおさらいのため、

知らなかった人には是非知って頂きたいと思うのです。




とりあえず今回は

バランスシート不況そのものを図説してみます(私の理解において)。



イメージ 1




上の図で、

【1】はバブル崩壊前の状態です。

まず、前提の説明として、

このバランスシートは普通のバランスシートです。

いつもの日銀資金循環統計のような、資産は金融資産のみ、というものではなくて、

資産には、不動産など有形資産もがっつり入っています。



【1】の状態は、

資産>>負債

で、純資産が十分に大きい、安定した状態ですね。



さて、

バブル崩壊しました。

それで、不動産や株式が暴落で資産が大きく減った状態が【2】です。



資産は暴落で激減、しかし、負債はそのまま変わらずです。

となると、

純資産が激減するわけですね。



純資産が小さくなり、経営危機状態になったのが【3】です。

純資産がゼロを通り越してマイナスになると、これは債務超過です。

ヤバイです。

放っておくと、倒産の危機です。



企業は景気低迷の中、業績が急拡大は望めません。

ただし、

純資産が激減した原因は株や不動産の暴落であって、

本業の業績が大幅に悪化したわけでもありません。



そうなると、

ここは、本業で稼いだお金でひたすら借金返済にいそしむ事で、借金を減らし、それによって'純資産を回復させよう

という動きにならざるを得ません。



そうなると、

借金をしてまで設備投資とか不動産投資ということはどんどん先細りになります。


このために、

それまでGDPを支えていた「民間投資」がバブル崩壊直前と比べて30兆円以上減るような事態にもなったわけです。


さて、

このような

民間が支出を減らし、借金を減らしているときには、

政府が財政支出を増やし、借金を増やすことで、景気を下支えすることになります。


そして、ようやく民間企業のバランスシートが回復(純資産が十分な水準に戻る)した状態が【4】です。


【3】から【4】に移る期間がどれくらい長くなるか、あるいは、短くなるか、

つまり、バランスシート不況が長引くか、短くて済むかは、

政府の政策次第ということになります。



日本のバブル崩壊後については、長くなり過ぎたのか、短かったのか、政府の財政出動が十分だったのか、足りていなかったのか…

まあ、それは言わずもがな、というところです。



【4】になって、初めて企業は再びリスクを思う存分取れるようになり、再び借金を増やし、新規投資を増やせるようになります。

これがいわゆる「自律回復」とか「自律成長」という状況です。


さて、ここで皆さんに質問です。



企業は再びリスクを思う存分取れるようになり、再び借金を増やし、新規投資を増やせるようになる

という「自律回復」「自律成長」という状況

このデフレ不況の真っ只中で、

(1)起こるでしょうか?

(2)起こらないでしょうか?


「起こる」と思う場合、財政出動は打ち止めにすべきです。

「まだまだ起こらない」と思う場合は、ひたすら財政出動を継続すべきです。

ということになります。

#上記では企業のバランスシートだけで説明しましたが、
 個人のバランスシートにも同じようなことが言えます。

 個人も場合も、持ち家や持ち株が暴落したら、さすがに
 お金を使う気がしない場合が多いでしょう。

 個人の場合は借金を減らすというよりも、
 貯金を増やすという形で支出を減らす、あるいは、
 増やさないということの方が多いかも知れません。



「さて、新政権は(1)と(2)のどちらを選ぶのかしらん。 いや、【(3)企業のバランスシートが修復されて自律成長できる状況なのかどうかはお構いなしに、歳出削減&財政再建に走る】にならないことを心から祈りたいところかも…」と思われた方は、↓下のリンクのクリックをお願いいたしますm(_ _)m

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1番?

2009/9/9(水) 午後 6:05 [ にゃにゃ ]

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日本経済に二番底の懸念、早急に景気対策を=榊原早大教授
http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20090909-00000213-reu-bus_all

10年度はマイナス予算も選択肢=景気対策からの脱却視野−民主政調副会長
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090908-00000209-jij-pol

民主党のブレーンであり、「ネクスト財務大臣か?」と言われた
榊原英資氏は(2)を選択し、最近メディアへの露出の多い大塚耕平
政調副会長は(1)を選択してるようです。
さて、鳩山次期首相はどちらを選択するのやら・・・

2009/9/9(水) 午後 7:50 [ てゆば ]

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鳩山氏の考えは(3)ですよねw

企業が投資するか、銀行が融資するか、個人が消費するか。
これらはすべて将来への安心感(期待感)・不安感に左右されますから、
政府が「金ばらまくぞぉ♪」と大々的に言って
正常な(金を使おうという)心理に戻す、つまり
逆資産効果の緩和 が重要ってことですね。

2009/9/9(水) 午後 8:48 [ - ]

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ヨッシーニさんは、河村たかしさんと面識があるのですね。

民主党にもヨッシーニさんの考えを理解してくれる方がいるのは頼もしい。

2009/9/9(水) 午後 9:04 [ M ]

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日本の財政破綻を商売文句にしている連中は、まるでノストラダムスの予言で保険を販売する輩のようです。

彼等を啓蒙したいのですが、なかなか理解してもらえません。

日本は借金が多いから金利が低い!

借金が税収を上回っていて問題だ!

これにどう反論すれば良いでしょうか?

2009/9/10(木) 午前 2:39 [ ugk*ng*6* ]

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>日本は借金が多いから金利が低い!

まずここからしておかしいですよね。国債金利が見かけ上はこれだけ低いと言うのは 民間貯蓄>>>民間投資 である結果ですから。

彼らが心配しているのは恐らく 名目成長率>国債利回り という関係が維持できなくなり、国債現在高/名目GDPが際限無く増加してしまうケースなのでしょう。

もしわが国が外国からお金を借りなければならない状態なら供給不足でインフレ気味でしょう。こうした場合は増税などが解決策です。(発展途上国ではインフレ率と失業率の相関"フィリップス曲線"がはっきり出ないため、開発独裁等でキャッチアップ式産業政策に政府支出を割き雇用をつくる例が多いです)

日本は output gap が存在し、国内で国債のほとんどを消化できています。こうした状態では「一般的な税」に頼らず、適切なシニョリッジの活用による「インフレ税」(とインフレ補助金)を使うべきである。

と、僕なら答えます。

2009/9/10(木) 午前 7:51 [ HM ]

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ヨッシーニ様は、『バランスシート不況』を読んでおられるものと思っておりました。未読であられたとは驚きました、それで「独自になんとなくはつかんでいた」のは凄いですね!

クー氏の理論は、非常に重要となるというお考えに同意いたします。特に、従来の経済理論が「企業が利益の最大化を目指す」という暗黙の前提で成り立っているのに対して、「暗黙の前提が成立しない世界」が有りえると示したのは画期的なのではないかと思っています。
「バランスシート不況」への反論は、本来ならクー氏の主張する「利益の最大化を目指す前提が成立しない」という仮説の根底が成り立つか否かを中心に論議するべきなのだと思うのですが、従来の経済理論の観点から成されているのが多いように思えますが、それはなぜなのでしょうね?前々から不思議で仕方が無かったことです??

2009/9/10(木) 午前 8:34 [ mol*e*3333 ]

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>日本の財政破綻を商売文句にしている連中は、まるでノストラダムスの予言で保険を販売する輩のようです。

私も一時は乗せられて買っていました(笑)。

>日本は借金が多いから金利が低い!
>借金が税収を上回っていて問題だ!
>これにどう反論すれば良いでしょうか?

金利が低いのは民間の借金が減るスピードと政府の借金が増えるスピードが同じで、借金全体の量が変わらないからです。日銀「資金循環統計」を見れば分かります。という感じでしょうかね。

借金が税収を上回って…
というのに対しては、「あなたは家を買うとき、収入の何年分借金しましたでしょう?それで破綻します?」とか…

国の借金が増える=国民の資産が増える(債権者のいない借金なら、そもそも借金などではありませんから、国の借金が一方的に増えることはありません!!!)
(続きます)

2009/9/10(木) 午前 11:29 [ ヨッシーニ ]

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あと、国の支出したお金は、民間の収入です。

お金は消えません!

なぜか政府がお金を使うと、四次元空間の彼方に消滅するようなことを言う人が多いですが、じゃあ、定額給付金は政府が支出したとたん、誰の手元にも届かず消えるのでしょうか?そんなわけ無いですよね^^。そして、あなたが使った定額給付金は消えたのでしょうか?そんなことないですよね。

あなたが使ったお金は他の誰かのお金になるだけで消えません!お金は循環してるんです!!!

よって、民間に入ったお金は税収または再び国債になります。民間が借金を減らしているので、預金は行き場が無く、結局国債に周り、再びあなたのところに帰ってきて、またもや国に帰り…という繰り返しです。資金は循環します。だから、借金が税収より多いとかそんなの関係ありません。

なぜアイスランドや韓国は政府が黒字なのに破綻したり通貨危機になるんですか?

政府が黒字でも破綻、政府が赤字でも破綻というなら、世界中の政府が全部破綻してないとおかしいでしょう!!!!!

という具合でしょうか。

2009/9/10(木) 午前 11:32 [ ヨッシーニ ]

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>従来の経済理論の観点から成されているのが多いように思えますが、それはなぜなのでしょうね?

言いづらいことですが、ストック分析を棚に上げてきたためです。

マクロ経済分析でよく出て来る国民所得(NI)・国内所得(DI)などはフローに属します。実はこれとは別に国民貸借対照表・国内貸借対照表というストック指標もちゃんと存在するんです。

ところがストック指標の作成はかなり適当です。さらに、ストック価格は理論価格と時価・取引価格の間のブレが大きくなることがあります。理論価格(ファンダメンタルズ)が分かれば時価・取引価格が割高かどうか一目瞭然になりますが、困ったことに理論価格を弾き出す術がいまのところありません。

理論価格に対して時価・取引価格が数倍にまで膨んだ状態(バブル・悪性の資産インフレ)から逆回転が始まれば、企業は次々と累積してゆく債務の返済に追われ、家計には“逆資産効果”が生じ消費が冷え込むでしょう。

2009/9/10(木) 午前 11:35 [ HM ]

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ただ、クー氏が金融緩和を併用しない財政出動を訴えてきたことには大変不満です。シニョリッジ政策は債務に対してはインフレ補助金効果が出ますから、バランスシート不況対策としては最適なはずです。公的債務対名目GDP比率の上昇が抑えられますし、財政再建論が出てこないようにするのにも役立ちます。

クー氏の主張には中央銀行業界全般への遠慮が見受けられるような気がしてなりません。

2009/9/10(木) 午前 11:36 [ HM ]

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M さん、

残念ながら河村さんのような考えの方(「国の借金が問題でないことを前提に政策を考えないといけません」と公言してはばからない人)は民主党でも少数派なんです・・・


なお、河村さんにお会いしたときの話は

【国会議員に聞く、国債のお話】
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/11159315.html

に書いてありますので、よろしければご参照くださいませ…

2009/9/10(木) 午前 11:41 [ ヨッシーニ ]

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HMさん

>クー氏の主張には中央銀行業界全般への遠慮が見受けられるような気がしてなりません。

クーさんは、NY連銀(FRBの中で最大の連銀)出身なので仕方ないかも知れませんね^^;

ヘリコプターマネーを100%否定なさっているのは、私も賛同はできない(吉宗の「元文の改鋳」というヘリコプターマネー政策が成功した事実に反しますので)のですが、

デフレ不況の脱却にかんしては、財政がボトルネックという考えは全面的に賛成です(緊縮財政下における日銀の量的緩和があまり功を奏さなかったので)。

2009/9/10(木) 午前 11:47 [ ヨッシーニ ]

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ヨッシーニさん

金融緩和してるときに緊縮財政やって、積極財政してるときに金融引締して、なぜかうまく噛み合わないんですよねえ…(^^;

英サッチャー政権も1986年ごろに通貨再膨張政策に踏み切り成長軌道に乗せましたよね。

デフレ不況の脱却に関しては
1.政府の追加投資を主軸にして産出ギャップを埋める(つまり 1/1-a、ΔG をメインとする)
2.政府の減税で可処分所得を増やすことを主軸にして産出ギャップを埋める(つまり a/1-a をメインとする)
のどちらかに、極端な表現すれば大別できて

ヨッシーニさんは「1」寄り、僕は「2」寄りという好みの違いがあります。いずれもGDPギャップを埋め合わせるという点では共通です。

本当は「1」と「2」のどちらにバイアスをかけるべきかで論争するべきなのに、巷ではGDPギャップを無視した財政再建論が堂々と…やるせないです。

民主党幹部は表向き国債発行額据え置きを言いながら、裏ではGDPギャップを埋めることに迫られそうな気がします。財投機関債を大量に発行するのではないでしょうか。

2009/9/10(木) 午後 0:18 [ HM ]

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ヨッシーニさん、HMさん ありがとうございます。

非常にわかりやすいです!

河村たかしさんが『国債を刷れ』の原点だったとは驚きです。

2009/9/10(木) 午後 7:50 [ M ]



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