廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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前回書きました、
政府の財政黒字はむしろ、バブル崩壊の前触れか?
というフレーズが大変好評でありましたので、
大学の先輩のアドバイスに従い、
当ブログの紹介文

「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」

という文言を追加致しました^^



では、

本題です。




「来年度の当初予算が麻生政権の88.5兆円より多い90兆円だ」とか、

「いや、95兆円に膨らんだ」とか、

「いや、それ以上だ」とか

「だからもっと絞らないといけない!」とか


色々騒がれていますが…


この「当初予算」の90兆円前後という数字について、

2点ほど確認しておきたいと思います。


第一に、これは

中央政府の一般会計

の話であって、

地方自治体などを含めた「一般政府」の数字ではない

ということです。


第二に、これは

補正予算も合わせた年間予算の全体額の話ではない

ということです。

これに関しては先週金曜日(09/10/16)日経新聞朝刊3面
↓分かりやすい図で説明してありました。


イメージ 1



ということで、

別に10年度の中央政府の一般会計の年間の金額

09年度全体の予算を上回ることになるわけでも何でも無いですね。



さて、

この中央政府の一般会計のしかも当初予算だけの話をしても、

別に国際比較ができるわけでも何でも無いので、はっきり言って大した意味がありません。


よって、以下、国際比較可能な

一般政府のGDP統計に含まれる政府支出

の話をします。


その政府支出ですが、

イタリアでは1980年→1992年の期間はかなりの勢いで増えました。

複利ベースの平均で年率13.5%の増加です。



08年(暦年)の日本の政府支出は114兆円くらいですので、


09年は114兆円×1.135=129.4兆円 で 15.4兆円増加

10年は129.4兆円×1.135=146.9兆円 で 17.5兆円増加


というような勢いで、

毎年の増加額がどんどん増えながら総額が加速度的に毎年増えていくようなペースです。



当初予算が2兆円とか7兆円とか増えるらしい!


というだけで大騒ぎするのは、

80年代イタリアの状況と比較すればバカバカしいことこの上なしと言えます。



なんと言いますか、「経済危機だー!大変だー!」と言っている割に、こんな瑣末な議論でテンヤワンヤする様子は


中国の明朝が滅ぼうとしているとき、明日にも清軍が攻めて来ようとしている段階で、

重臣たちが廟議における席順で揉めにもめていた


というバカバカしい状況にいかにもソックリと言う感じを受けるのは、私だけでしょうか?



さて、以下、グラフが一杯出てきます

〔データ出典〕
 政府支出:OECD (日本のみ内閣府)
 その他:IMF (Euro AreaのみOECD)



です。




ここで、

各国の政府支出の増え方と比べて、

日本の増え方がどれだけ「ショボい」かが分かるグラフを示します:



イメージ 2




#80年からのデータのない国も多数ありましたので、
 上記グラフでは、過去のデータがない国については、
 日本の政府支出の線から枝分かれして出るように表示しました。

#というのは、あくまでも日本との比較が主眼であるからです。

#たとえば、ドイツは91年以降(要するに統一してからしばらく後以降)しかデータがありません。よって、91年の日本の値から枝分かれするように描いています。



ということで、

日本の政府支出の伸びの緩やかさというものを、しっかり堪能して頂けたのではなかろうかと思います。



次に、

政府支出と下記各項目の関係を示すグラフです:

・名目GDP成長率

・実質GDP成長率

・インフレ率

・GDPデフレータ




イメージ 3

イメージ 4




#上記のグラフでは、

 ・1980年−2008年までを通して

 ・1980年から日本の政府支出が増加していた96年まで

 ・日本の政府支出の増加がほぼ止まった96年から最新のデータがある08年まで

 ・日本のバブル崩壊(90年)から政府支出が増加していた96年までの平均成長率

 とを分けて計算したの平均成長率(または増加率・変化率)を示しました



#どの場合も、いくつかの特異な点を除けば、かなり正比例に近い分布を示しています。

 →「いくつかの特異」はいずれも計算期間が短いものです。
  例えば、
  スロバキアの95年→96年のたった1年分のデータだと正比例の近似直線から
  かなり離れた分布になっていますが、

  これが95年→08年という13年分の計算期間のデータだと、かなり近似直線に
  近づいていることが分かります。


ということで、以下に、それぞれの計算期間の相関係数を示します



イメージ 5




↑相関係数

1であれば完全な相関関係があり、

0であれば相関関係がまったくなし(ランダム)

ということになります。


たとえば、

1980年→2008年

平均政府支出増加率と平均名目GDP成長率の相関係数がなんと

0.98

非常に高くなっています。


1980年→1996年
1990年→1996年

のデータの場合は上記のスロバキアのような短い期間だけで計算した数値が入っているが為に相関係数が落ちています。


一方、
1996年→2008年のデータセット(1980年→2008年より計算期間が短く、かつ、つい最近のデータであることがミソ)においても
かなり高い相関係数が出ていることは注目に値します。


#特に、実質GDP成長率で0.7を超えてくるとは正直想像していなかったので驚きました。

#実質GDPの場合は、
 国全体の生産力余剰、というか需要の増加に対して生産供給が即応しない限り
 伸びないからです。

 それでも、政府支出の増加率と実質GDP成長率にここまでの相関関係が
 見受けられようとは、想定外でありました。


#インフレ率、デフレータについては、
  政府支出の増加=需要の増加であり、
  需要>供給の状況が続けば物価上昇につながるので当然と言えば当然です。
  


さて、
1990年→1996年、つまり、バブル崩壊後から日本の政府支出が増えていた期間



1996年→2008年、つまり、日本の政府支出が長期にわたり増えなかった期間

2期間についてのみ、各国のデータを示しておきます(上記グラフのデータ)。


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