廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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貯蓄率低下で財政破綻?【1】
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/20393615.html

からの続きです。



ちなみに、

上記の資金循環、資金のフローのうち、

生産活動に関係したものが、

国内総生産(Gross Domestic Product GDP)ということになります。


そして、ついでながら

日本のGDPが伸びないのは、

GDP = 民間消費 + 民間投資 + 政府支出 + 純輸出

各要素が、98年以降は基本的には変化していない(増えていない)からです。


また、
政府の支出が変わらない(というか減っている)のに政府の借金が増えているのは、
支出フロー(赤字)の絶対額はあまり変化ないけど、政府の毎年の支出フロー(赤字)が累積しているからであり、

民間(家計+非金融企業)の純資産が増えている(=純負債が減っている)のは、民間の毎年の収入フロー(黒字)が累積しているから

ですね。

この、GDP増えない症候群(またの名を「失われた10年病」)は、誰かが支出を毎年毎年しっかり増やさない限り、決して治療はできません。


さて、
その支出を毎年毎年しっかり増やせるのは誰でしょう?


https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/9f/c5/eishintradejp/folder/725004/img_725004_17540321_2?1244921711

に向かって、
「支出を増やせ!消費を増やせ!!しかも、GDP成長のために毎年消費を増額しろー!!!」
なんて
ご無体なことをおっしゃっているのは、どこの誰なんでしょうか?

ということになるわけです。



さて、
本題に戻してまとめに入りますが、

家計部門は、資金循環を構成するプレーヤーの一部に過ぎない

というのは、
資金循環統計を見ればすぐに分かることだと思うのですが…


「『家計の貯蓄率が低下すると、政府が財政破綻する』と主張されている経済学者や経済アナリストの皆さんは、日銀の資金循環統計を見たことがなかったのかな、きっと。インターネットにつながっていてエクセルの入っているパソコンがあれば誰でも見れるはずなんだけど…」 と思われた方は、↓下のリンクのクリックをお願い致しますm(_ _)m

https://blog.with2.net/in.php?751771

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最近、コメント欄

元大臣(経済閣僚)東大教授の先生

家計の貯蓄率が低下している、このままでは政府は資金調達できなくなって破綻する!!!

という説を唱えていらっしゃるという話を複数の方から紹介して頂きましたので、

家計の貯蓄率と政府の破綻の関係について、検証してみましょう。


とりあえず、
上記の説が正しければ、

家計の貯蓄率が低下すればするほど、政府の資金調達が困難になり、国債金利は上昇する

ハズですよね。


では、

家計貯蓄率と国債金利の関係をグラフにしてみましょう。


イメージ 1



イメージ 2


データ出典:
 国債金利:日銀統計(各年12月の数値)
 家計貯蓄率:
   内閣府 平成19年度国民経済計算
   第1部フロー編 2.制度部門別所得支出勘定 (5)家計(個人企業を含む)
   「暦年」データ
   http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/h19-kaku/21annual-report-j2.html



あれれ…

どこからどう見ても、

家計貯蓄率の低下 と 国債金利の上昇

ではなくて、

家計貯蓄率の低下 と 国債金利の低下


が同時に起こっておりますね…


ということで、

貯蓄率の低下 ≠ 政府の資金調達が難しくなる


です。


では、改めて
家計の貯蓄率が低下すればするほど、政府の資金調達が困難になり、国債金利は上昇する

というの、どこが間違っているのかと言いますと、

まず、「家計の」と言っているのが誤りの第一歩です。

というのは、国全体の資金のやり取りを見るときは、

家計部門と政府部門だけではなくて、

企業部門、海外部門も見なければいけないからです。


つまり、
家計と政府部門だけしか見ていない時点で
上記の説は残念ながら
政府が財政破綻する前に、理論的に見事に破綻を来たしているわけです。

次に、
「貯蓄率」という指標だけで見るのも間違いです。

貯蓄率というのはなんぞや?というと、内閣府の統計表の注記

貯蓄率=貯蓄(純)÷(可処分所得(純)+年金基金年金準備金の変動(受取))

とありますが、

「年金準備金の変動」は小さいですので、とりあえず簡単のため

純貯蓄÷純可処分所得

としておきましょうか。


この純貯蓄、純可処分所得には、例えば、土地のやり取りによる所得は入ってきません

よって、例えば、政府が公共事業のために個人から土地(代金1兆円とする)を収用した場合、

政府:
 (資産増加)土地 1兆円 / (負債増加)国債 1兆円

金融機関:
 (資産増加)国債 1兆円 / (負債増加) 預金 1兆円

家計:
 (資産増加)預金 1兆円 / (資産減少)土地 1兆円

 
のようなおカネのやり取りが生じ

政府は借金が増え、家計は預金が増えるのですが、

この土地取引による家計の預金増加は、「可処分所得」や「貯蓄率」の増加には一切寄与しないわけです。


ということで、

家計の貯蓄率が低下すればするほど、政府の資金調達が困難になり…

というのは、
「家計」と「貯蓄率」の2点において欠陥があるので、2重に間違っているわけなのです。



さて…、今日はここで終わってしまっても良いのですが、もう少し続けます



国全体の資産(金融資産のみ)と負債について見てみましょう。


国全体の負債の増加が止まったのは、
緊縮財政が始まった98年ころ

(【景気と借金の意外な関係】
でしたから、

98年度末(99年3月)と直近(09年3月)のバランスシートを比較してみたいと思います。

この期間は負債の合計はほとんど変わっていません。なので、負債の担い手が入れ替わっている様子がよく分かります


イメージ 3


イメージ 4

データ出典:日銀「資金循環統計」

金融機関は、資産と負債を両建てで増減させ、
つまり、金融の仲介をしているだけです。

ということで、
上記の棒グラフの下半分の金融機関は無視しましょう。


改めて、

99年3月と09年3月のグラフを見比べてみますと、

政府の借金が大きく増える一方で、非金融企業の借金が大きく減っている様子がよく分かると思います。

・・・いや、
グラフだけではちと分かりにくいかも知れないですので、
数値表も見てみましょう。

イメージ 5


さて、
上の棒グラフのデータ出典は日銀の「資金循環統計」です。
英語では

Flow of Funds Accounts

fund(資金)のflow(フロー、循環)

というわけです。

要するに、↓こんな感じですね(あくまでもイメージですが)

イメージ 6
 


イメージないし概念としては、

家計、政府、非金融企業が資金を、金融機関に預けるわけです。

そして、
金融機関は預かった資金を他の、家計、政府、非金融企業に貸し付けるわけです。

家計、政府、非金融企業は、
自分以外の家計、政府、非金融企業のどこかからモノを買うなりなんなんなりするのと引き換えに、
金融機関から借り受けた資金を取引相手に支払うわけです。

そうして支払われた資金は再び金融機関に預けられ

という繰り返しですね。

これが、資金循環(Flow of Funds)であり、
この繰り返しによって金融機関の資産・負債が増えることが信用創造(マネー創造 Money Creation)です。


信用創造でマネーが増えていく仕組みについては、↓こちらをご参照下さい

国の借金の限界は?【1】 http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/19296332.html
国の借金の限界は?【2】 http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/19296447.html

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