廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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【1】からの続きです⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/13526553.html

さて、「通貨の信認」に関連して、
2003年度日本金融学会春季全国大会、創立60周年記念講演、バーナンキFRB議長講演
”結論(Conclusion)”から:
The Bank of Japan became fully independent only in 1998,
日銀は1998年に政府から完全な独立をしたばかりだが、

and it has guarded its independence carefully, as is appropriate.
日銀が注意深くその独立を守ってきたのは、適切であろう。

Economically, however, it is important to recognize that the role of an independent central
bank is different in inflationary and deflationary environments.
しかしながら、経済にとっては、中央銀行の独立性の果たすべき役割は、
インフレ局面とデフレ局面では異なるということを、
認識することが重要である。

In the face of inflation,
which is often associated with excessive monetization of government debt,
the virtue of an independent central bank is its ability to say “no” to the government.
インフレ局面は、
しばしば政府負債についての過剰な貨幣化(注:「国債引受け」のことを指すと思います)を連想させるが、
(インフレ局面において)中央銀行の独立性が示すべき美徳は、政府にNOと言える能力である。

With protracted deflation, however,
excessive money creation is unlikely to be the problem,
and a more cooperative stance on the part of the central bank may be called for.
しかしながら、
デフレが続いている場合には、
過剰なマネー創造(貨幣供給)が問題になるとは考え難いし、
政府とのより協力的な姿勢をとることが、中央銀行に求められるだろう。

単純に考えてみれば、

デフレ=物価の下落=同じ金額で買える物が増える=通貨の価値の上昇

ですから、デフレ局面でお金の供給をどんどん増やしても問題が生じるとは思えないですね。


この6年前の日本での講演どおりのこと、

「デフレ局面では中央銀行は全面的に政府に協力する」ということを、
バーナンキさんはやっているわけです。

下の図は、直近のアメリカの消費者物価指数の推移です。
イメージ 1

出典:http://www.bls.gov/cpi/home.htm

「デフレが続いている」とまでは必ずしも言えないですが、一応はデフレ気味のときに、
「長期国債を半年間で3000億ドル(約30兆円)FRBが買う」
という「money creation」をやっているわけです。

でも、これが、インフレ率が年率3〜4%を継続的に超えるようになって来れば、
「Say No」で独立性を発揮することになるのだと思われます(もちろん、そのときの失業率等その他の要素も加味して判断することになるでしょう)。


上記のバーナンキさんの中央銀行の独立性についての見解は、
日銀法第2条で規定されている、日銀の金融調整の目的

「物価の安定を通じて、国民経済の健全な発展に資する」

に、決して反しないと言えるでしょう。

ただ、日銀の「金融緩和」「Money Creation」が本領を発揮しようと思ったら、政府がどーんと国債を発行して、どーんと財政出動しないことには、やろうと思ってもできないですが…

日銀は、あくまでも金融調整、目標金利の維持、という名目金融緩和、「Money Creation」をやるので、政府が国債を増発して金利上昇圧力がかからない限り、「Money Creation」を発動し難いと言えます。)

(なお、目標金利は「翌日物無担保コールレート」という超短期の金利ですが、これを低く抑えようとすると、何だかんだいっても長期国債の買取は増やす方向にならざるを得ないと考えられます。)


この通貨の量と「信認」の話、次回も続けます。

「通貨の信認」はインフレになってから気にしても遅くはないのでは。そして、インフレが問題になればその時は日銀がチャゲアスじゃないけど「Say No」と言って、「通貨の信認」を保つことができるよね、と思われた方は、こちらのリンクのクリックを↓

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通貨を発行し過ぎると、通貨の価値が損なわれる

ということは、第一次世界大戦後のドイツや、現在のジンバブエのハイパーインフレをみると、直感的にはこれで良さそうな気がします(ただ、実際にはこの二つの事例には生産供給力の著しい低下、という要因もあります)。

が、

今回は、近年の先進国における

通貨の発行量の増加割合と為替レートの変化割合の関係

について、いくつかの事例を見ながら考えてみたいと思います。

図1 米国と日本
イメージ 1

出典:通貨関係:FRB、日銀。CPI(消費者物価指数):bls.com、総務省
   円ドル相場:日銀

なお、なぜ1973年と最新のデータの比較しているかというと、私がすぐに見つけることの出来た最古の円ドルレートが日銀データベースの73年1月だったからです。


図1の一番上は、現金通貨(Currency)の流通量と、為替レートの関係。
  真ん中は、M2(現金+預金)の量と、為替レートの関係。
  一番下は、消費者物価指数(CPI)と、為替レートの関係です。
   なお、日本の09年2月のCPIは未発表なので1月の数値を代用しています。
  
現金については、米ドルの増加倍数の方が日本円の増加倍数よりも、1.3倍大きくなっています。
ということは、これだけみると日本円に対して米ドルは1.3倍安くなる圧力になるはずです。
(逆に言えば、1.3倍の円高圧力)
しかし、
実際には、為替レートは3.1倍の円高になっています。現金の増え方による圧力以上の円高になっている、というわけです。

そして、
M2についても、似たような状況です。
(ただ、日米のM2の定義は、
 米国は長期預金を含まないが日本は含む、日本は郵貯が含まれない、
 などなど違いがありますので、
 一概に比較できるものでもありません。
 しかし、
 増加倍数くらいは比較してもあまり差し支えはないかと思います。
 以下、他の国も同様の話がありますが、
 あまり気にしないで良いかと思いますので、あしからず)

ただし、
消費者物価の増加倍率を見ると、ちょっと違う見解を持つことが出来ます。

そのちょっと違う見解の説明に入る前に、確認ですが、

消費者物価については、

消費者物価が上昇する=同じ金額で買える物の量が減る=通貨の価値が下がる

と考えることができますね。

ここで、
米国の消費者物価指数(CPI)は73年から比べて5倍、つまり同じ金額の米ドルで買える物の量が1/5に減っています。日本では1/2.7です。

ということで、
'米ドルの価値の低下は日本円の価値の低下と比べて1.9倍大きくなっていると考えることが出来ます。

単純に円ドル相場でみたドルの価値の低下は、日本円に対して3.1倍であるのに比べて、CPIでみた価値の低下は1.9倍に留まっています。

⇒さて、なぜこんなことになっているかというと…

 物の売値のうち、輸入原材料コストが占める割合が元々は40%くらいだったとします。
 この場合、売値100円のものなら、輸入原材料コストが40円です。
 為替が3倍安になったとすると、輸入原材料コストが120円になり、
 80円のコスト上昇です。

 80円のコスト上昇をそのまま売値に加えて売るとすると、売値は180円。
 為替が3倍安でも、消費者物価の上昇は1.8倍に留まります。


次に、欧州です

図2 ユーロ圏と日本
イメージ 2

出典:ユーロ通貨関係:ECB、ユーロ圏CPI:eurostat

ユーロについては、

現金の量は日本より1.5倍多く増えていますが、1.1倍の円高に留まっています。

M2の量は日本より1.7倍多く増えていますが、1.1倍の円高に留まっています。

CPIでみると、ユーロの価値の低下は日本円の1.26倍ありますが、為替レートでは、ユーロの価値は日本円に対して1.1倍の低下に留まっています。


なお、この1999年から2009年の間に、ユーロを通貨とする国が増えているので、現金やM2の増加量だけで価値の低下圧力になるとは言い切れませんね^^;


次に、80年から95年にかけてのイタリアとの比較

図3 イタリアと日本
イメージ 3

出典:イタリアの通貨関係:Banca d'Italia、日伊CPI:IMF

イタリアについては、
99年以降のユーロ圏とは逆のパターンで、米国のパターンと似ていますね。

現金通貨流通量やM2の増加による為替レート低下圧力以上の対円のリラ安になっています。

また、CPIでみるリラの価値の低下は2.6倍で、円リラ相場の4.6倍のリラの価値の低下よりもだいぶ小さく収まっています。


とりあえず、この3つのパターンのデータだけから見た結論

(1)通貨の量(現金またはM2)の増加割合以上の通貨安になっている場合もあれば、
   逆に、通貨高になっている場合もある。

   ⇒日本円は、上の表の各期間に関しては、

    ・米ドルやイタリアリラに対して「通貨の信認」や「通貨の価値」についての
     何かしらのアドバンテージ、有利な要素がある。
 
    ・ユーロに対しては、
     日本円よりもユーロの方が何かしらのアドバンテージ、有利な要素がある。

    と考えられそうです。
    (米ドルや伊リラに対してはモノづくりの付加価値提供能力で日本円が有利、
     ユーロについては、ユーロ圏の拡大への期待感でユーロが有利、
     と言えるかもしれません)

(2)為替で見るとかなり安くなっている通貨でも、消費者物価で見るとそれほどまで価値が低下
   していないという現象が見受けられる(米ドル、イタリアリラ)。

と言ったところでしょうか。

(1)からは、経済拡大が期待できそうなら、通貨の信認は保たれそう(欧州との比較)
(2)からは、日本はもっとインフレに持っていっても大丈夫そう

とも考えられそうです。

また、改めて、図1から図3を見てみても、

日本の物価上昇率は欧米と比べてずっと低くなっているので、
もっとインフレ側に持って行き、
そして、政府による大胆な景気対策により経済拡大期待感を持たせれば、
とりあえず「通貨の信認」ということについては、心配ないと言えるように思えます。

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