廣宮孝信の反「国家破産」論 ブログ

「国が財政危機と考えることこそが日本の危機」「財政黒字はむしろバブル崩壊の予兆の場合もある!」。【国債を刷れ!】著者のブログです

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80年から95年にかけて対円の通貨価値が1/4.6に落ちてしまったイタリア。
(なお、以下のイタリアとの財政赤字比較は、かなりの部分が「国債を刷れ!」第5章の最後の節の焼き直しです)

この時期のイタリアでは政府の財政赤字がGDP比で10%を超える期間が10年以上ほぼ連続していました(下図)。
イメージ 1

出典:IMF


なお、日本で
国の借金が大変だ!、財政赤字が大変だ!
と言われるようになった90年代後半、
財政赤字はGDP比最大で8%程度、
イタリアに比べれば、赤字の規模も赤字がGDP比3%台に落ちるまでの期間もずーっと小さいものでした(上図)。


そして、
こんな大規模の赤字が長期間続いても、
イタリアはどんどん政府の支出を増加させました(下図)。
イメージ 2

出典:政府支出:OECD、債務/GDP比:IMF

にもかかわらず、
公的債務/GDP比はイタリアは最大でも120%程度でその後減少に転じたのです(上図)

それに対し、

イタリアよりもずっと規模も小さく期間も短い財政赤字でしかなかった日本は、
赤字になったとたんすぐに財政規模を縮小に向かわせました。

しかし、公的債務/GDP比は190%くらいになっています(下図)。
イメージ 3

出典:政府支出:内閣府「国民経済計算」、債務/GDP比:IMF


公的債務/GDP比について、イタリアの方が小さくなっているのは、一つは乗数効果(政府の支出以上に名目GDPが増加する)で説明ができます。

別の説明のしかたをすると、

イタリアでは、政府支出の大幅増加させました。これは大きなインフレ圧力です。


これに対し、日本の90年代は政府支出は抑制しました(横ばいののち、減少させた)。政府支出はGDPの1/4を占める大きな「買い手」ですから、政府支出の抑制はその大きな買い手による買い控えですから、大きなデフレ圧力です。

インフレでは、お金の価値が小さくなるので、過去にした借金の大きさは相対的に小さくなります。
逆にデフレでは、お金の価値が大きくなるので、過去の借金の大きさは相対的に大きくなります。

ということで、債務/GDP比はイタリアでは小さ目に、日本では大きめになってしまってるわけです。

(なお、90年から2007年にかけての日本のインフレ率と名目GDP成長率は堂々の世界最低です!)



さて、イタリアが大きな赤字を続けていた85年から95年にかけては、
日本の実質平均所得増加率は+19%
対して、イタリアは+7%で、なんとかプラスを保ちました。

しかし、
イタリアよりもずっと小さい赤字なのに日本が政府支出を絞った95年から05年にかけては
日本の実質平均所得増加率は−10%
イタリアは+13%
でした。
なんと、日本では政府支出を絞った期間は国民の実質所得は大幅に減っているのです!
(実質平均所得はOECD)

為替レートを落としても、実質所得の増加(インフレによる水増しの影響を除いた所得の増加)を取った方が国民が幸せでしょうか?

それとも「通貨の信認」をやたらと気にして、財政出動を減らし、通貨供給量もあまり増やさず実質所得を10%も減らされる方が国民は幸せでしょうか?

実質所得が減るということは、実際にモノやサービスを買うための所得が減ったということです。しかも10%も!!(また、国税局のデータを見ても給与所得総額は97年以降下がり続けています)


大赤字を続けたイタリアの債務/GDP比が日本よりもずっとマシであり続けているという事実、
大赤字を続けたイタリアの国民の実質所得が、為替レートの大幅下落にも関わらず増え続けたという事実

については、

もっと、大きな関心を寄せるべきではないでしょうか、と思う今日この頃であります。
(為替安になっても、消費者物価がそれほど上がらないということの原理の説明は
 既に【1】で書きました通りです)


もう一度「国債を刷れ!」に書いてあることのおさらいですが、

政府の赤字は国民にとっての黒字です。
そして、政府の赤字が減ること、支出が減ることは、国民にとっての黒字が減ること、収入が減ることです。

また、
政府の借金の増加は国民にとっての資産の増加です。
そして、政府の借金の減少は国民にとって資産の減少です。


#追記
【3】と【4】で長くなり、結論があやふやでした。整理しますと、

【3】のまとめ:
M2が今後10年間で今の2.28倍になっても(ということは、M2を増やすためのカウンターパートとして一般政府の負債を今後10年で2.28倍くらいにしても)、対米ドルでの「信認」は保たれそうだ(かなり単純化した強引な仮定の下での試算、目安として)

【4】のまとめ:
仮に、通貨の価値が大きく下がった(為替レートが大きく下落した)としても、政府がしっかり財政を拡大(大幅赤字を続けながら、政府支出規模をどんどん拡大)すれば、インフレの影響を考慮しても国民の所得は増えていた(実質所得が増えている)イタリアのような事例もある


そもそも財政赤字ってなんで気にしないといけないの?政府の財政赤字は国民にとっての財政黒字じゃないの。80年代のイタリアは90年代以降の日本よりずっと大きな赤字を続けたのに、全然破綻してないし、むしろ債務/GDP比はずっと日本よりマシじゃないの。「通貨の信認」や「プライマリーバランス」とやらをやたらと気にして国民の実質所得を減らすようなケッタイな政府よりも、財政赤字にかまわず一貫して政府支出を増やして却って財政健全化の目処をつけ、かつ、国民の実質平均所得をしっかり増やしたイタリアのような政策を取る政府を選びたい!と思われた方は、こちらのリンクのクリックを↓

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さて、
【2】http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/13527269.html
からの続きです

仮に
「M2の量だけで、為替レートが決まる」(仮定[1])
という仮定をして、(←かなり強引な仮定ですが!)

その仮定の中で、適度な対米ドルレートになるには、今後、どれくらいM2を増やすのがちょうどいいかを計算してみたいと思います。

この仮定では、
とりあえず【1】

対米ドルでM2の増加量による円高ドル安圧力以上に円高ドル安になっている
⇒日本円は米ドルに対して何かしらの有利な要因がある

としていた「有利な要因」を考慮に入れないで、どれくらいお金を増やせるかを
見積もる、という点で、
余裕のある控え目な見積もり、になると考えられます。


過去10年に米ドルのM2は1.9倍増えています。

これからの10年も同じくらいの割合で米ドルが増えるとします(仮定[2])。

ということは、
仮定[1]により、為替レートが変わらない日本のM2の増加外率は米ドルと同じ1.9倍

これが、1ドル約100円となるM2の増加倍率となります。

ここで、心地よい円ドルレートを120円くらいとします。

120円にするための日本円の通貨供給量の増加倍率は、

1.9倍×120/100=2.28倍

と見積もることができまる(あくまでも仮定[1]が強引な仮定なので、この見積もりも強引です!)。

ここで、

M2を2.28倍にしても良いということは、そのまま国の借金を2.28倍にしても良いと考えます(仮定[3])

⇒M2は現金+預金の量の目安です。

 現金は日銀のバランスシートでは負債(実質は返済義務がないので純資産ですが形式は負債)、

 日銀以外のバランスシートでは資産、

 預金は金融機関にとっての負債、

 金融機関以外にとっては資産。

 国の借金は、国にとっては負債、民間にとっては資産です。

 よって、
 M2=現金+預金が増えれば、
 国全体(=政府+民間)の資産と負債が両方膨らむということになりますので、
 仮定[3]はそれほど無理な仮定とはいえません!


なお、M2は09年2月現在で740兆円くらいですが、
08年12月末時点での郵貯その他の預金まで含めた、現金+預金は

約1,190兆円となっています。

(資金循環統計08年10-12月期(速報値)の「金融機関(日銀含む)の現金+流動性預金+定期性預金+譲渡性預金」で計算)。


そして、いまの一般政府(中央+地方+社会保障基金)の借金の合計が
だいたい975兆円くらい(資金循環統計08年10-12月期(速報値)の「一般政府」の負債の総計)
なので、

今後10年で

975兆円×2.28倍=2,223兆円

まで増やせる、つまり、現在より1,248兆円、今後10年間で増やしても為替は大丈夫、といえるかも知れません。

ということは、1年あたり平均125兆円、国の借金を増やしても良いということになります(あくまでも上記の仮定では)。


2007年以前の
一般政府の借金の1年当たり増加幅は最大で64兆円でした(日銀「資金循環統計」)
ということは、一年当たり、この倍借金を増やしても、為替は問題ないということになります(もちろん、上記仮定[1]〜[3]という強引な設定での話です^^。)

また、
一般政府の財政赤字は最大で39兆円でした(IMFデータベース)

ここで目安として、財政赤字の金額も倍までは行けるとして

39×2=78兆円

までは為替は問題ないということになります。

となると、この上記の強引な仮定の上で、かつ、米ドルとのレートだけを気にする場合、
財政赤字は、過去最大よりもさらに39兆円多くなっても良いということになります。

ということは、追加経済対策で真水で毎年平均40兆円くらいを今後10年間やっても良いことになりますね。


なお、
本日の日経朝刊3面では、

09年度の追加経済対策の財政支出を与党内では10-20兆円で検討中とのこと。
中には中川秀直さんのように30-40兆円の超大型対策が必要
とおっしゃっている方もいるとのことです。

内閣府発表の需給ギャップがGDP比マイナス4.1%、ということは、GDPが500兆円くらいなので、需要不足が約20兆円くらいということになります。

とりあえず追加支出は20‐30兆円くらいは希望したいところです。


ところで、09年の財政赤字がどれくらいになるのか、ちょっと分からないですが、「追加」がなければ仮に25兆円くらいと見積もると、上記の追加をすると55‐65兆円ということになりますね。

となると、GDP比11‐13%くらいということになりましょうか。さて、これは大きいか、小さいか?

80年代イタリアと比べてみましょう↓。

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