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このブログから遠ざかって、とても長い年月が過ぎて行きました。ブログという存在、インターネットそのものから、自分は離れるべき、離れなくては、何か大切なものが壊れて行くような気持ちになってからというもの、心のどこかでは、その逆に、この存在があることで、遠く離れた方たちとも連絡が取れ、生きている証拠のようなものを交換できる、貴重なものだとわかっていて思いを募らせてはいました。けれども、戻って来ようとはなかなか思えず、又、そのエネルギーがなかったということもありました。ある時期には、ブログはもう、あまり皆読んだり書いたりしないから、気軽に使えるフェイスブックが良いという話で、やってみたこともありましたが、やはりまだ、インターネットの性質から離れなくては、という気持ちが残っていました。
前回に書いた時から数年経ち、あまりにもたくさんの時間が流れました。数年前の自分と今の自分、そして将来の自分、それぞれ、自分にとっては大きく違うように思えても、きっと、全く代わっていない部分もあるものなのでしょう。そして、それらを繋げているものは、記憶や思い出なのかもしれません。いつ、どこで始まったのかは誰にもわからない、人間の記憶というものは、本当に不思議な、そして魅力的なものです。
深く考えて行けば、色々な可能性や捉え方の術がある、人生というものの長さですが、私にとっては今のところ、死が訪れるその時は、一つの区切りであり、それまでにできることは限られている、時間も限られていると感じています。この数年間に起こった、そして経験させてもらえたことの大きさは計り知れず、ただただ感謝するのみです。そして、それらがどんどん、私の記憶の中だけに留まり、どこかへ流されていく、その状態は、それはそれで良いと思いますが、何か、どなたかと共有したいことがあった時に、伝えてみたい、又は、誰にも伝わらないとしても、自分の中だけにある状態と、ここへ書くという状態とでは、また何かが違ってくるだろうと思うようになりました。
今回、ここへ戻ってきたきっかけの一つは、今日が、園田高弘先生が亡くなってちょうど10年目の日であり、今までほとんど、先生について書いたりしてこなかった、すべて自分の心の中にしまってあった、その形を少し、変えてみたらどうかと、ふと思ったものです。パソコンの前に座っている時間があったら、本を読みなさい、勉強をしなさい、練習をしなさい、という先生の声が聞こえてきそうではありますが・・・。
10年前の今日、私はポルトガルにいて、素晴らしいオーケストラとのコンサートを控えて幸せなひとときを送っていました。ホテルはかなりボロボロで、部屋の洗面所の壁には、アリが長い列を作って歩いていて、小さな虫が嫌いな私は何とか目をそらせて見て見ぬふりをしていたのですが、その部屋で受けた友人からの連絡で、先生が亡くなったらしいと聞き愕然とした私にとっては、そのアリの、無数の足音が聞こえてきそうな様相から何から何までが、永遠に記憶に残ってしまうこととなりました。そのまた数年前に、ステファンスカ先生が亡くなったと聞いた時にもポルトガルにいたこともあり、私にとってポルトガルは、感慨深い場所です。
先生との時間について、つまり、私がピアノを弾いてきた時間のほとんどすべての間、子供の頃にレッスンを受けた時の記憶から辿ってここで書くことは難しいのですが、今こうして、先生も長年住まれたドイツに住み、時代は全く違っても、人間はそう簡単に変わっては行かないもののようなので、ことある毎に先生のことを思っているわけです。そして昨日は、先生のお墓があるバーデン・バーデンに、ほとんど思いつきで出かけ、深い秋を目の前にした夕暮れ時の、どこまでも哀愁に包まれた光と風の住んでいる丘に静かに眠っている、その場所に、会いに行きました。そして、いつものごとく、先生のおっしゃることを素直にすべて受け入れて実行しなかった自分の後悔の気持ちばかりが湧き出てきて困るのですが、日本で開催されるメモリアルコンサートで、皆さんと一緒に先生のことを思うひとときを過ごせないという、とても残念な気持ちは、少し癒されました。
これから、どれだけ後悔のない人生を過ごせるかが一つの課題です。今日、こうして書けたことで、これから少しずつ、続けて行けたらと思っています。
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2011年3月3日(木)岡山ルネスホール 18時30分開場 19時開演
お問い合わせ 岡山旭川ルネサンス 086-223-0046
ヴァイオリニスト、コー・ガブリエル・カメダさんとの共演
曲目
グリーク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第2番
サン=サーンス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番
クライスラー:コレルリの主題による変奏曲
チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ
ラフマニノフ/クライスラー:パガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏
ピアソラ:アディオス・ノニーノ、オブリヴィオン
ヴァレ:アオ・ぺ・ダ・フォギュエイラ
ポンセ:エストレリータ
サラサーテ:カルメン幻想曲
2011年3月5日(土)サントリーホール ブルーローズ
17時30分開場 18時開演
曲目 3月3日の岡山公演と同じ
2011年3月6日(日)スターシャワーの森音楽堂「スピカホール」
18時開場 18時30分開演
http://www.town.sayo.lg.jp/shisetsu/sayo.html#spica
お問い合わせ 電話:0790-82-0595 Eメール:spica-hall@town.sayo.lg.jp 復興支援ピアノリサイタル
曲目
メンデルスゾーン:無言歌集より「春の歌」作品62−6
ショパン作曲 リスト編曲:6つのポーランド歌曲より「春」
グリーク: 叙情小曲集より「春に寄す」作品43−6
リスト: 詩的で宗教的な調べより 第7曲「葬送」
ショパン: 子守歌 作品57、幻想即興曲、スケルツォ第2番 シューマン: 「謝肉祭」作品9 2011年3月13日(日)羽村ゆとろぎ大ホール 17:30開場 18:00開演
スプリングコンサート ピアノリサイタル
入場料:(全席自由) 大人 1500円 大学生以下 500円
お問い合わせ 電話: 042−570−0707
(お取り扱い時間 9:00〜17:00 月曜定休)
曲目 3月6日の佐用でのリサイタルと同じ
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今年の夏も終わってしまった・・・と実感し、美しいドイツの秋が来るのを待っていたら、もの凄い早さで冬がやって来てしまったような感じです。ここ数日、気温はどんどん下がり、朝方には氷点下の気温で凍りついた自動車の窓ガラスなどがあり、人々の装いも一気に分厚くなりました。再び、このブログも長いことご無沙汰してしまったということです・・・・ |
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次回の日本での演奏の機会も、もうすでに来週に迫りました。以下のような、夢のあるコンサートです。“「大地の芸術祭」越後妻有地域760㎢で展開する世界最大級の国際アートトリエンナーレ”( http://www.echigo-tsumari.jp/2009/ )というお祭りにも参加している演奏会です。 |

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第2の故郷となったフランクフルトで演奏することは、私にとって、とても嬉しいことです。特に、この4月に行ったリサイタルは、長年夢見ていたアルテ・オーパーでの初めてのリサイタルでしたので、緊張感もぐっと高まりましたが喜びも大きく、今思い出しても、その時の興奮やホールの雰囲気に包まれることができます。 |

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