アルバム70’sUK.Rock

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*錬金術(Wikipedia)
錬金術(れんきんじゅつ、Alchemy)とは、最も狭義には、化学的手段を用いて卑金属から貴金属(特に金)を精錬しようとする試みのこと。
広義では、金属に限らず様々な物質や、人間の肉体や魂をも対象として、それらをより完全な存在に錬成する試みを指す。。。


錬金術ってもっと如何わしくてフェイク感を伴う魔術的な要素を持ったイメージがあった。。。その延長にロックンロールを捉えた時に、それが一種の”錬金術”のようだと思ったわけなんだけど。。。
そこに漂う呪術的な匂い、悪魔との契約。。。石ころを黄金に変えてしまう奇跡、人を惹きつけて止まない魔力を持った音楽としてのロックンロールの伝説。。。
ある意味”ロックンロール”という言葉そのものに?かけられた魔法?呪い?履いたら最後、死ぬまで永遠に踊り続ける靴の伝説のように、何かしらの呪文がかけられているという考え方も出来るかもしれない。

”だから俺の青い蛇皮のシューズには触るなよ、子猫ちゃん!”
「ビューイック・マッケイン」


いずれのイメージもTレックスのヴォーカル、マーク・ボランほどピッタリ相応しい人間はそういないだろう。キンラメのメイク、悪趣味なスパンコールのスーツで着飾った怪しげないかさま魔術師。
オーラを纏った電気の武者。ショウビズやサーカスの舞台裏で化粧を落とす物悲しい仮面ライダー。地下室からミミズクみたいな鋭利な眼光でこちらを見据える地下世界のダンディ。。。

マーク・ボランは天才だ。。。人の心を掌握するカリスマの持ち主でシンプルなリフレインと聴くものを不安にさせるヘンテコなヴィブラートのついた不安定なその歌声で人の心を虜にする。。。
エリック・クラプトンに師事したとも言われるギターは、とにかく格好良く鳴らすことが最大の目的でブルーズを語らせるなんてのは二の次三の次。
そんな姿勢が70年代後半のパンクスから共鳴を受け再評価に繋がったのかもしれない。手垢の付いた退屈なブギーも彼が演奏し歌うと何故か魅力的なリズムを纏って輝き始め、弾みだす。。。

グラム・ロックの二大スターもう一人のデヴィット・ボウイは”マジック(魔法)”よりも”ロジック(論理)”に従い行動し、貪欲に芸術的な成功と商業的な成功に加え大きなセンセーションの獲得と提供に成功した。
一方マーク・ボランはつぶやくような奇妙な呪文を電気仕掛けのアンプリファイアで増幅させて派手なギターとストリングスで着飾って、ボウイをも含む多くの人間を魅了してみせた。
個人的にはボランはボウイよりずっと天賦の才に恵まれた人間だったと思ってる。結果としてボウイはグラムの枠を超えたロック史に残る影響力を持つミュージシャンとなり、ボランはグラムとともに沈みそののちにロックンロールの伝説の森の住人となったのだが。。。

様々な音楽を吸収解体し、挑戦と思索、実験模索を繰り返し重ね誰をも屈服させる怪物になったボウイに比べボランのやってることは才能にあぐらをかいて終始一環変わらなかったようにも思える。
ただ「メタル・グルー」にしろ「テレグラム・サム」にしろ、思うがままに磁場を操るビートとグルーブ、メロディとリズムを生み出す不思議な歌詞はそのシンプルさゆえに天才性を感じさせるに十分だ。
それは「20世紀少年」でも「ゲリロン」でも。。。余計なギミック無しで聞くものを高揚させる才能はチャック・ベリーの正当な後継者に思えたし、特異なものだったと思う。

多分そこはボウイも認めてたんじゃないだろうか?あの天才ボウイが自分の唯一のライバルにマーク・ボランの名を挙げていたのは少し不思議だったのだけど今はよく判る気がする。
アリとキリギリス、あるいはポールとジョンの関係性にも少し似てると言えるのかもしれない。。。


Tレックス流グラム・ロック・スタイルの完成と呼ばれる彼らの代表作『ザ・スライダー』。『グレイテスト・ヒッツ』の賑やかさに比べると少々内省的でダウンでルーズでブルージーだ。
淡い水墨画のような雰囲気と幻想的な浮遊感を漂わせている。彼らの持つ煌びやかでグリッターなイメージとは対照的な落ち着いたトーンで統一された鬱屈した精神世界も有している。
マザーグースの童謡みたいな言葉遊びを交えたとりとめないボランの詞の世界は独特で理解不能だがそれも神秘的な曲のイメージにマッチしている、と同時にチャック・ベリーやリトル・リチャード御用達の他愛の無い言葉遊びや、彼らが生み出した”ジョニーBグッド”や”のっぽのサリー”を思わせるキャラクターを次々生み出した。
そこにほぼ全編に渡りトニー・ビスコンティの豪勢なストリングス・アレンジとフロー&エディの別世界からやってきたような妖しげなコーラスが加わる。。。
スペクター・サウンドへのオマージュとも思えるストリングス、ギター、ベースのユニゾンによるプチ・ウォール・オブ・サウンド。。。
偉大なるヴィスコンティーの助けがなければ今Tレックスに向けられる賞賛の多くは生まれなかったかもしれない。先人が残した”音の壁”に負けない強烈なインパクトを残す偉大な発明だ。
コンガを叩くミッキー・フィン、その横で身を捩じらせてレスポールを弾くボランのイメージはそのパフォーマンスだけで忘れがたい強烈な印象を焼き付けるカリスマに満ち溢れている
「チャリオット・チューグル」

新世界のメタルの導師の賑やかで鮮やかなアンセム「メタル・グルー」多くのロック・ファンにお馴染みのレックスの華麗さ、妖しさ、グルーブ全てが凝縮された濃密な大ヒット・ナンバー。フロー&エディの分厚く妖しいコーラスと粘りつくようなボランのヴォーカルが印象的。
華やかな導入から一転オールディーズ基調のスローでポップなフォーク・バラード「ミスティック・レディー」とスローなブギーのリフをホーンと分厚いコーラスでグラマラスに塗りたくった「ロック・オン」
意外なほどにオーソドックスなオールドスタイルのスローなブギやブルーズが並べられているのだがTレックスが演奏すると誰も聴いたことのないような玩具箱のようなポップ感覚が生み出されるのが不思議だ

タイトル・トラックの「ザ・スライダー」もヘヴィで引き摺るようなコシの強い粘りあるビートにブギーのリズムを刻むギターと、鉛色の暗い空を引き裂くような力強いストリングスが曲のイメージを引き上げる。喪失の中を滑り落ちていく男。。。
エルヴィスやカール・パーキンス、ジーン・ヴィンセント。。。ロックンロール、ロカビリーの偉大な先人へのオマージュとして捧げられているかのようなボランのギターリフと歌唱が耳に残るリラックスしたナンバー「ベイビー・ブーメラン」
アコギ1本でじっくり語りかけてくるような自画像を描いた「スペースボール・リコチェット」”レスポールがあればちっちゃな僕だけどゴキゲンなんだ”という一節が印象に残る

野太いシングルノートのギター・リフレインにユニゾンで絡むベースとストリングス。ファンキーでダンサブルな「ビューイック・マッケイン」ガンズ&ローゼズもカヴァーしたアップでレイジーなナンバーでこのアルバムでも特にお気に入りの1曲。独特なグルーブのうねりを受けて拡散してくイメージが収束しないまま唐突に終わってしまうところがボランらしい

それに続くのがTレックスの代名詞的なハードなブギーでロック・ファンにはお馴染み「テレグラム・サム」。これも「メタル・グルー」同様Tレックスのスパイスをふんだんに散りばめた濃厚なブギー。
響きの良さだけで並べたような意味の無い言葉の羅列も実に気持ちよい。手垢に染まったような耳にタコの曲なのに何度聴いてもこの魔力の正体に辿り着けない。そんな得体の知れないパワーを持った曲だ。

「ラビット・ファイター」ドラッグの隠喩?3連のロッカバラードで流れるようなストリングスの中でボランが激しくギターソロを弾きまくる。
「ベイビー・ストレンジ」も古いブギースタイルのスローなブルーズでスウィングするビートが気持ちよい。コーラス部分のギターやホーンの入り乱れた混然としたカオティックなムードがいかしてる
「ボール・ルーム・オブ・マーズ」は卒業式のダンス・パーティーの終わりみたいな寂寥感、喪失感漂うバラード。プロコルハルムの「青い影」やダン・ペンの「ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート」を思わせる切ないメロディが美しい。これも素晴らしいナンバーだ

「チャリオット・チューグル」は分厚いストリングスの絨毯爆撃、激しくヘヴィーなビート、フロー&エディの狂乱のコーラス、ボランの野生的な雄たけび。。。
裏と表がひっくり返るような変則的なリズムの複合が不思議な感触を残すアルバム中でももっともプリミティブな衝動を爆発させるような勢いのあるハードロックテイストのナンバー

ラストは「メイン・マン」君は僕の親友なのかい?と訥々と語りかける独白。シンプルな言葉を紡いで繰り返し美しい音律を作り同時に独自の閉じた世界観を提示して魅せる。。。
マーク・ボランというペルソナを離れ、一人の男として人と向き合いたいという裸の願望が見える。ロックスターとしての苦悩や皮肉な嘲笑が顔を覗かせるジョン・レノンとの類似性なども見て取れる曲。
飾りの無いラストナンバーはエフェクターと素の声の間を行ったり来たりしながら静かにフェイドアウトしていく。。。


未だに彼の演奏するブギーからだけ煌めきが消えないのは何故だろう?一度彼がギターを持ってブギーを奏でればくすんだ古臭いリズムが生き物のようにうねり怪しい輝きを放ちだす。。。まるで魔法のように。
だから当時の若者が彼らの音楽に夢中になったのはよく判る。ハーメルンの笛吹きみたいに人は彼のギターに酔いしれ、後に従がい踊り狂った。まさにメタルの導師だ。
最後の結末で溺れ死んだのは従ったファンではなく本人のみだったわけだけど。。。

ジャン&ディーンが歌った”デッド・マンズ・カーブ”。。。暗闇に青白く浮かぶ不吉なガードレールが彼の頭にはいつもイメージされていたのだろうか?

リンゴ・スターが撮ったと言われてる『ザ・スライダー』のジャケット。。。シルクハットを被った粒子の粗い魔術師ボランの写真。。。
大きくプリントされた真っ赤なT.REXの文字。。。どこかこの世のものと思えない静けさと妖しさ、その裏に渦巻く激しい情念。。。彼の危うい未来を暗示するかのようなジャケットだ

”滑り落ちてく俺を見ていてくれ。。。”そう彼は歌った。彼には自分の未来が見えていたのだろうか?だとしたらそれを運命として受け入れたのだろうか?

出来ることなら完全に精錬されたロック職人としての錬金術をまだまだ見せて欲しかったとそう思う。
「テレグラム・サム」T.レックス




THE SLIDER
/T.REX


01.Metal Guru
02.Mystic Lady
03.Rock On
04.The Slider
05.Baby Boomerang
06.Spaceball Ricochet
07.Buick Mackane
08.Telegram Sam
09.Rabbit Fighter
10.Baby Strange
11.Ballrooms Of Mars
12.Chariot Choogle
13.Main Man
              /1972年発表

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イアン・ハンターについて語れることはジョン・レノンについて語れることの100分の1にも満たないかもしれない。でも彼が正真正銘のロックンローラーだってことぐらいはすぐ判る。

そう僕ぐらいの重度のロックヲタクになるとサングラスをかける傾斜角度でそれが判っちまうんだな、イヤ、ホント(笑)クリクリパーマにサングラス、彼は純正の紛うことなきロックン・ローラーだ(笑)

理想としてはルー・リードみたいなね、やさぐれ感とふしだら感がベストなんだけど。。。イアン・ハンターもいい線行ってるよ(^^

このアルバムはそんなルーのヴェルベッツ時代の代表作「スウィート・ジェーン」のラフでストレートでノーアイディアなカヴァーで幕を開ける。

これはそうプロデュースを請け負ったデヴィット・ボウイがこのアルバムのムードを紹介するのにピッタリな曲としてこれを選んだに違いない。

若い男と女がいて街角のあちこちで起こる出来事、みだらでクールな妄想と現実の狭間で揺れているリアルな真実について。。。



モット・ザ・フープルに関して語れることもたいして持ち合わせが無い。まぁ世界中のどんなバンドについても語れるほどの薀蓄の持ち合わせなんて勿論全然ないんだな、さすがのロック・ジャンキー駅前さんも

どんなバンドに対しても思い入れと愛情タップリに話すことなんて不可能ってなもんさ。でもこのアルバムに関してならなんとか少しは話すことが出来るだろう。

『すべての若き野郎ども』なんともいかしたクールなタイトル!邦題も実にいかしてる。60年代後半のデビューからワイルドなライブで注目を浴びながらも座礁寸前だった彼らに助け舟を出したのが

我らが"ジギー・スターダスト"スーパースター、デヴィット・ボウイてなわけ。モットの真の代表作はこの後の『ロックンロール黄金時代』や『革命』だってファンもいるだろうね、確かにそうかもしれない。両方とも大好きだぜ♪

こいつはモットにしちゃぁ、ちょっとヌルイアルバムじゃないかい?そんな声も聴こえてきそうだね。

でも彼らがロック史に名を残すきっかけになったアルバム。こいつが出てなければモット・ザ・フープルのことをこうして語るなんてことも無かったかもしれないって意味においては最重要作品なんじゃないかな?

イアンを中心に後にバッド・カンパニーで活躍することになるミック・ラルフス(g)はじめ、オヴァレンド・ワッツ(b)バフィン(ds)ヴァーデン・アレン(key)のオリジナルメンバー最後の作品であるという意味においてもね

デヴィット・ボウイ作によるタイトル曲はすべてのロック野郎どもの記憶に永遠に残る名曲名演だからね。

「すべての若き野郎ども」かのクラッシュもこいつへのオマージュで「すべての若きパンクスども」ってな曲を書いてる。ミック・ジョーンズはモットの大ファンだったんだ♪




さて話を少し前に戻そうか?「スウィート・・」に続く2曲目「ママのかわいい宝物」はイアン・ハンターの洒脱なピアノやボウイのさりげないサックスなんかで黒人音楽風の味付けをした

リラックスしたバンドの演奏が、パブでビールでも飲みながら演奏するような軽ろやかさで適度な温度で気持ちよくスウィングする皮肉なポップなナンバーだ。

さてこのアルバムでもっとも有名な曲といえば勿論先にも触れた「すべての若き野郎ども」だろう。ボウイも後にこの曲をモットに渡したことを後悔したらしいってぐらい素晴らしい曲ってわけ。

モットのことは知らなくてもこの曲を知ってる人は多いかもしれないね。
「すべての若き野郎ども」



イアン・ハンターのボブ・ディランみたいなぶっきらぼうでせつなげな歌声がこの歌をまた別なステージに引き上げてるとも言える。ボウイもこの曲を歌ってるけどイアンの方がよく歌えてると思うね

ボウイらしいスペーシーな広がりを思わせるイントロのギターから甘美なメロディラインと後半にかけての劇的なコーラスのリフレイン。。。

すべての若き野郎どもに対する乱暴ではあるけれど、肩を抱きかかえて話しかけるような親密で愛情に満ちた呼びかけ。。。すべての要素がこいつを名曲たらしめてる。

涙が出そうな感動的な見事なアンセム。フーの「マイ・ジェネレーション」に匹敵する若者の気持ちを代弁する素晴らしい歌だと思う。これは名曲だよ、この頃のボウイはまったくもって凄すぎるよ。



ストーンズやフェイセズを思わせるルーズなギター・リフとタメの効いたリズムにサビメロでのボウイのサックスの絡みも格好良い「サッカー」に続いてはこちらもストーンズを思わせる「ジャーキン・クローカス」

ミック・ラルフスのギターにヴァーデン・アレンのオルガン、ワイルドなコーラスパートなどモットのロックンロール魂を抽出したエネルギーに満ち溢れたゴキゲンなロック・ナンバーの傑作。

これに続く「新しき若者たち」も泥臭いアーシーなフィーリングたっぷりなミドルテンポのロックンロールでイアンとミックの共作。

ブルージーにシャッフルするロックンロールで薄皮を重ねたような軽い感触が最高に心地よい。一度フェイドアウトした後、再びフェイドインしてくるコーダでのイアンのスクリーミングに痺れる。。。

「ソフトグラウンド」はキーボード奏者ヴァーデン・アレンの作品でヴォーカルも彼自身。ひしゃげたオルガンエフェクトをフューチャーしたアートフォームなサイケテイストのロックナンバーでちょっとしたアクセントになっている

「レディ・フォア・ラブ」〜「アフターライト」はミック・ラルフスの作品で前者はこれもまたミック自身がヴォーカルを取っているフォーク・ロック・スタイルのロッカ・バラード。

勿論バッド・カンパニーの名盤1stに収録された同名ナンバーと同曲だ。ポール・ロジャースの朗々とした唄いぶりに比べるとかなり繊細ではあるがミックの歌声も悪くない。名曲だ。

後者はメドレー形式でミックのギターソロによるエピローグ。。。



アルバムのラストはイアン・ハンターのピアノの弾き語りによる「潜水夫」。美しく荘重なメロディに乗せて歌われる繊細なモノローグ。

当時のボウイの片腕で後にイアン・ハンターと行動を共にすることになるミック・ロンソンがストリングスとホーンのアレンジメントでサポートしている

淡々と歌われるラストは感動的なオーケストラによる壮大なフィナーレで幕を閉じる。。。ラストナンバー。。。

いきがって肩をいからせて大股で歩く若者のワイルドライフとそこに同時に存在する迷いや焦燥感、怖れのようなものが全編を通じて歌われている。それがフラッシュバックするような見事なラストだ。




このアルバムでデヴィット・ボウイが揮った力は絶大なものであったのは間違いないが、そもそも座礁しかけていたこのバンドを救おうと手を差し伸べたのはこのバンドのファンでもあったボウイ自身だった

バイオレンスなステージングの中に潜んでいたバンドのモダンなロック感覚や繊細さを引き出したボウイが見事なのは勿論、それはこのバンドに本来あったものなのでそこにボウイが惹かれたのだとも思う



この後自信を深めたバンドは威風堂々とハードでドラマチックでグラマラスな方向へ向かうことになる。ワイルドなステージングで”グラムロック”の一翼を担うバンドとして存在感を大きくするとともに

分解の道を辿ることになる。。。多くのロックバンドがその道を辿るように。。。





このアルバムで見せたモットの輝きはグラムロックというカテゴリーに縛られるべきではないもっと自由でいかしたロックンロールバンドとしての輝きだったように思う(見た目はともかく笑)

僕がこのバンド、このアルバムについて話せることはこんな程度のことだ。もし興味があるなら彼らの他のアルバムを実際に聴いてみたり、イアン・ハンターのソロアルバムなんかも聴いてみたら良い

彼らのことをもっとMOTT好きになれるかもしれないよ、そしたら今度はそいつを僕に話して聞かせてくれないかな?


”俺はおまえの話が聞きたいんだ。。。”by All The Young Dudes




例えばこんなアルバムのこんな曲。。。
イメージ 2アルバム『ロックンロール黄金時代』
「ロックンロール黄金時代」


いぇ〜い♪すげぇご機嫌だろ?(^^もっと聴きたい?(笑)





ALL THE YOUNG DUDES
/MOTT THE HOOPLE




01.Sweet Jane

02.Momma’s Little Jewel

03.All The Young Dudes

04.Sucker

05.Jerkin’ Crocus

06.One Of The Boys

07.Soft Ground

08.Ready For Love

09.After Lights

10.Sea Diver

        /1972年発表

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セックス・ピストルズのこのアルバムについて今更何を語ろうか?とても難しい。。。


以前にも記事の中でリアルタイムで体験したパンク・ロックについて、少し上の世代の人たちとの温度差について書いたことがある

つまり私はビートルズやZEPを聴きながら、ピストルズやクラッシュを聴いてたわけで堕落したロック・スター、技術至上主義に陥ったクリエイティヴィティに対するアンチテーゼ

カウンター・カルチャーとしてのパンクを実感することがなかった。彼らの怒りや反社会的な姿勢(ポーズ)、ファッションに喝采を送ることはあってもそれは海の向こうのことだった

「アナーキー・イン・ザ・UK」


過去記事のニール・ヤング、クラッシュの回で私のピストルズ感を少し書いている。こんな感じで。。。


"パンクは一つの文化で大きなムーヴメントであることは流れとして理解したし、その先頭に立つピストルズのイメージは

マルコム・マクラーレンのプロデュースが施されたマネキンの役目を兼ねたものだったとしても十分”魅力的な反抗”に見てとれた

ピストルズは一つのカリカチュアライズされた漫画のキャラクターだった。少々乱暴な言い方をすれば”キッス”と大差がない。。。ロットンは火を噴かない変わりにアナーキーな毒を吐いたのだ

性急なビートに破天荒で不機嫌な演奏が新しいトレンドだった。ベースの弾けないベーシストがバンドのフロントに立つ事もパンキッシュな演出に含まれていた。。。”


あるいは。。。ニール・ヤングがジョニー・ロットンへの共感を表明したと言われる「マイマイヘイヘイ」について


”むしろ哲学者気取りで白目を剥き出し唾を吐きながら「ロックは死んだ」とのたまったジョニー・ロットンへのニールからの返答のように自分には思えるのだけど。。。

ロットンのやったことは結局、反抗し白目を剥き出しながらロックがファッションに成り下がるのに結果的に加担したようにも思える

ロックという媒体の限界や、停滞したシーンの現状を捉えて刺激的な言葉を使ってのロックは死んだ!時代遅れの過去の遺物だ!といったロットンの主張は間違ってはいない

それは遅かれ早かれ訪れることだったのだろうし、それを自分達の手に取り戻し社会への不満と不安の生々しい表現に使ったパンクスはシーンの活性剤となった

しかし結果としてパンクという様式は閉塞したシーンに風穴を開けつつも、その様式は今まで以上に手軽に消費される”道具”としてロックの形骸化を皮肉にも加速してしまった

ロックという”巨大な現象”熱病は中心と求心力を失ってよりコンパクトになりマーケットに飼いならされ、より完成された商品として消費される”巨大な産業”へと変化していった。。。

メイン・ストリームから離れようと放浪を続ける事で、自身の思惑と逆に大きな成功と名声を得た”時代の外の男”ニール・ヤングの”新しい時代の寵児”への返答は

「お若いの随分イキガッテルようだけど墓の下で眠ってる王様達は、おまえがなんと言おうと永遠にロックし続けるんだよ」

ロックン・ロールを葬る事なんてそりゃ無理な話だ”


・・・まぁこんな感じ。ロックの歴史についてのニールおじさんの返答っていうのかなぁ?でもニールはジョニーの事は嫌いではなかったと思うけど。

生意気でインテリジェンスがあって自分が乗ってる船は沈没寸前だという自覚を持っていただろうから



歴史的傑作!!!の評価は確かに文字通りロックの歴史に風穴を開けた衝撃の1枚という意味では圧倒的に正しい。自分は実感としては残念ながらそれを感じることが出来なかったけど。

しかしこれが仮に50年余りに及ぶロックの歴史の頂点に立つアルバムだとしたらどれだけ軽くて安っぽいものなんだろう?と少しがっかりした気持ちになるってなもんなんだよね。私が腑に落ちないのはそこなわけで。。。


単純にアルバムとしてみた『勝手にしやがれ』はジェット機の分厚い金属音の残響のようなディストーション(スティーブ・ジョーンズのギターを幾重にもオーヴァー・ダブしたとも言われてる)で武装したストレートなロック・アルバム

刺激的で反抗的で攻撃的なセリフをロシア語かドイツ語みたいなアクセントで巻き舌でツバを吐きながら唄い散らかす

独特のジョニー・ロットンのヴォーカル・スタイル(これはエルヴィス・コステロがイギリスで最初のオリジナルなロック・シンガーだと称してる)が最高にクールだ。

”うんにゃぁヴォーカル”については水前寺清子からのパクリか?オマージュか?は定かではない(笑)

近未来的なまさに俺たちこそが未来だ!とでもいうような確信的で妙に人工的なサウンドで、クラッシュの音の人間臭さと対照的なクールさとスマートさがあった。

「さらばベルリンの陽」にはじまる殺伐とした歪んだギター音の洪水。。。「お前は売女」「わかってたまるか」「ライアー」ロックな弾丸をポール・クックの叩き出すビートに乗せて矢継ぎ早に連射。。。パンクのプロトタイプにして最高傑作!

演奏してたのは実際にはプロのスタジオ・ミュージシャンなんて話も。。。プロデューサーのクリス・トーマスの手腕も勿論あるんだろうけど。イントロから本編へのギアチェンジ、フックでのシフト・アップ。。。確かに良く出来てる

勿論彼はこれがビートルズやポール・マッカートニーらとの音楽的な交歓作業と同じには考えれなかっただろうが結果として歴史に残るモンスター商品を創り上げた”共犯者”だ。

ロック史における歴史的な価値と音楽そのものの価値ってのは当然違うと思うけど。例えばこれはあの『サージェント・ペパーズ』にも言えることで。。。

発表当時はどれだけ革新的だったとしても、後の世の人が聴くのは曲の構造だったりメロディだったり空気感だったりするわけで。

当時のテクノロジーがどうとかアルバムの概念を変えたとか総合芸術作品としてのトータル・コンセプト云々。。。

こういった評価はウィキペディアに載せるには良いけど時間が経てば純粋に作品としての評価を下す軸は変わる。

何十年もの間、揺ぎ無い史上最高のロック・アルバムの座は『ペット・サウンズ』や『追憶のハイウェイ61』あるいはこのピストルズの『勝手にしやがれ』にとって変わられようとしている。

ビートルズのアルバムとしても『ホワイト・アルバム』や『リヴォルバー』に、より高い評価が下される事も珍しくない。。。

ピストルズのこのアルバムもそういった意味で今が最高値かなぁ?。。。




才能の質量を考えたら最高のコスト・パフォーマンスでNY帰りの如何わしい洋服屋がアメリカで仕入れたネタをパッチワークみたいに張り合わせてウォーホールの域に近づいてしまった感じ?

あっという間に反逆と反体制のヒーローの出来上がり。時代の空気を読んだり、ファッション感覚については嗅覚があったんだろうなマルコムさん

NYのアンダーグラウンドで起こってるイベントを拝借してそれらしいラッピングを施してマーケットに送り出したらあら不思議。。。イベント屋としては天才かもね。


正直このアルバム・ジャケットがブログ・トップのジャケット画像の列の中に並ぶのは悪くない気分だよ(笑)


「ゴット・セイブ・ザ・クイーン」なんてホントにサウンドも歌詞もスローガンもイメージも見事にHOT!と素直に思うしね、No future for you!だもん♪

「セブンティーン」


「セブンティーン」のふてぶてしい突き抜けたポップ感から「アナーキー・イン・ザ・UK」に雪崩れ込む展開も抜群。渦を巻いてるような分厚いギターの響きも最高!

ダウンストロークのダダダダダダダダダァ〜ンってイントロからアドレナリンが分泌しまくり、ジョニーはイントロの不敵な笑い声にはじまりアルバム中最高のヴォーカルの冴えを聞かせてくれる

この興奮は「ジョニー・B・グッド」のイントロにワクワクする感じと変わらない。ロックを否定しながら結局ロックの埃を被った歴史の墓場の上でダンスしてるって感じ?

結局伝統の呪縛から逃げられないしこのアルバムを今も輝かせてるものがあるとしたらこのアルバムの”ロックの結晶”の部分だと思う。

このアルバムをドロップしたことに誇りは持ってるだろうけどこのアルバムがカタログの一番上に祭り上げられて一番大笑いしてるのはジョニーなんじゃないだろうか?

彼は自分がアナキストだとも思ってなかったし、音楽に命を投げ出す覚悟も無かった。ステージの上で白目を剥いてツバを飛ばしながら

自分を冷静に見つめて嘲る冷めたユーモアもあったし、自分の置かれてる状況がタチの悪い冗談みたいなもんだとも判っててただろう。

道化に落ちぶれる前に適当なところで荷物をまとめてとんずらするのに躊躇はなかった。あえて言うならリアリスト。


ピストルズの音楽的な核はビートルズが好きと言ってクビになった(作り話という説もあり)グレン・マトロックだったわけだけど

彼の代わりに入ったのがベース弾きとしては張りぼてのシド・ヴィシャス。でも”パンクス”としては彼だけがリアルなパンクスだったんだよね。。。


元を質せばビートルズだってストーンズだってイメージ戦略の上でスターダムにのし上がっていったんだし、パンクスのヒーロー、ザ・フーはエセ・モッズだった

ジョニーが去り、シドはバンドに残りいやいや「マイ・ウェイ」を唄わされパンキッシュなスピード・ライフの中で壮絶に自爆しバンドは崩壊、完全なる終焉を迎えパンクの伝説がここに誕生した。。。



初期のザ・フーの騒々しさとサビメロの印象的な「プリティ・ベイカント」や自分達の契約を打ち切った大手レコード会社に毒づく「拝啓EMI殿」などコンパクトで勢いの良いナンバーがずらっと並び

前記のナンバーらとともにアルバム全体のトータル・イメージと強固な世界観を創り上げている

いわゆるブルーズ・ロックの伝統主義から離れたところでオリジナリティとアイディア、コンセプトを確立し社会現象を起こし、ひとつの音楽スタイルを発明した衝撃。。。

例えるなら鉛筆を六角形にしたり、カーペットの埃取りのコロコロみたいなもんなのかなぁ。。。(例え下手やね笑)




毒づきついでに最後にもう一言。。。アクセル・ローズが無人島に1枚レコードを持ってくとしたらこの『勝手にしやがれ』だそうだ。。。

俺なら死んでもお断りだね(笑)糞食らえだ"And get pissed destroy!"


「女王に神の御加護を。。。」




NEVER MAIND THE BOLLOCKS
/SEX PISTOLS



01.Holiday In The Sun

02.Bodies

03.No Feelings

04.Liar

05.God Save The Queen

06.Problems

07.Seventeen

08.Anachy In The U.K

09.Sub Mission

10.Pretty Vacant

11.New York

12.E.M.I

/1977年発表

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酔っ払ってフレーズをガーぁっと弾いて陽気に笑う。。。音楽の本来の楽しみなんてそんなもんじゃないか?繊細な感情をひたすらストイックに神経質にトレースするのも勿論悪くはないけど

ビールをラッパ飲みしながら服の袖で口を拭って戯言を繰り返す・・・呑んだクレの”ダラダラした悪ノリ”これもまた悪くないスタイルじゃん♪これもまた御機嫌なロックンロール・ライフなり。。。




元来イーストエンド出身の生粋のモッズで荒々しいステージングに定評のあったスモール・フェイセズに加わった新しいメンバー二人は陽気なのんだくれの酔っ払いで(特にロン・ウッドだ。笑)

そこに規律の無い一夜限りの楽しい狂騒的なパーティーの感覚をシャープに跳ねるゆる〜いブギーのリズムと共に持ち込んだ

ギグを重ねてバンドのパフォーマンスは評判を集めるようになっていく。。。とはいえタイトでひたすら激しいモッズのスタイルとまた異なるバンドのスタイルの変化ゆえに離れて行ったファンも多いのではないだろうか?

私もこの二つのバンドはあくまでも別なバンドだという前提で二つとも大好きだと始めて言えるかもしれない。




スモールの取れたフェイセズはリトルの付いたストーンズになった。。。一つの揶揄とも取れないことはないがこのことについては殊更にネガティヴに捉える必要も無いと思う。

事実ハードなドライヴの中にルーズにシャッフルする軽快なブギーを奏でるバンドの新しいギタリストは後にストーンズの天才とツイン・リードならぬツイン・サイドとも呼べる独特のコンビネーションを完成させるわけだけど

もう後の二人の融合の萌芽はここに芽生えているしストーンズの事を頭に浮かべない方が不自然ってもんだ。どちらも最高のロックンロールを聴かせてくれれば何の文句もない



R&Bベースにあくまでも黒っぽくソウルフルにタイトで激しいロックに殉じたスモール・フェイセズに比べ、ハードなブギーの土台の上に隙間感たっぷりにルーズでよりアーシーにスウィングするロックンロール

更にフォーキーなカントリー調のバラードなどもしっとりこなすフェイセズのレイドバックした感覚は鋼のような前身バンドのサウンドとはまったく異なる魅力に溢れている

70年代のパンクスにフーなどと共にビート・バンドとして大きな影響を与えたスモールフェイセズに対して、フェイセズは後のパブ・ロックやガレージ・ロックのラフなスタイルに影響を与えていると感じられる


スモール・フェイセズの旧メンバーの紹介については過去に記事にしてるので割愛するが過去記事→スモール・フェイセズ『スモール・フェイセズ』グループの中心であったスティーヴ・マリオットが音楽志向の違いで脱退した事に伴い

旧ジェフ・ベック・グループのスーパー・ヴォーカリストロッド・スチュアートとベーシストのロン・ウッドが新たに加入。

ロン・ウッドについてはスモール・フェイセズの音楽志向への共感から自ら参加を打診したとも言われるがスモール・フェイセズにしろストーンズにしろロッドやロンにしろ音楽的ルーツは非常に似通った所にあり

彼らの音楽に相似性が見られるのは当然といえば当然なわけだ。ロンはここではギタリスト件ソングライターとしてロッドと共作で大車輪の活躍をする事になる。

もしここでフェイセズにロンが参加することなくベースを弾き続けてたら今のストーンズのラインアップも無かったかもしれないと考えるといろんな意味で不思議な気がする

今となってはそれはもう必然としか思えないからね



同じブラック・ミュージックにルーツを根ざしたヴォーカリストながらより柔軟で奔放な激しさのなかにもどこかエレガントなスタイルをとるロッドの突き抜けるようなハスキーなヴォーカルは

スティーヴの斧でブッタ切るような荒々しく野太い激しく噛み付くような攻撃的なヴォーカル・スタイルとは決定的に異なるがどちらも甲乙付け難い魅力的なヴォーカリストだ。



時代性に即してサイケデリックなトータル性など音楽的に多様性を求めたバンドがバンド自体の求心性とスティーヴを共に失って当初の理念に基づき原点回帰を目指したのは間違いないと思われるが

初期のスモール・フェイセズのタイトでソウルフルな演奏に比べるとルーズなブギーとフォーキーな味わい(この辺りはロニーレインとロッドの嗜好が一致していたようにも思われる)など

スティーヴ・マリオット在籍時には見られなかった、しなやかな強さを有したバンドの新しい魅力を存分に詰め込んだバンドの代表作にして最高傑作アルバムと言えるのが今日紹介する『馬の耳に念仏』



あまりにも有名な「ステイ・ウィズ・ミー」の魅力には抗いがたいが、この他にもロッド&ウッド・コンビのルーズなブギー・スタイルのロックンロールに加え

ロニー・レインの男臭いメランコリーなカントリー・タッチのバラードなど魅力満載のたまらなく素晴らしいアルバムだ

*スタンドマイクをどこまでも軽やかに扱う男ロッドそしてフェイセズの最高の演奏「ステイ・ウイズ・ミー」の演奏をお楽しみ下さい


このアルバム発表後、ツアーやロッドのソロ活動の成功による環境の変化でバンドのバランスは完全に崩れ嫌気がさしたロニー・レインの脱退に繋がるわけだが

少なくともここで聴かれるサウンドの魅力は色褪せる事がない。ロックの歴史に残る一つの偉大なバンド・サウンドの傑作アルバムと言って良いだろう



フラフラ揺れるフットワークも軽ろやかなロンのよぱらったギターに錨を卸すようなケニー・ジョーンズのタイトなドラミングとそれをしっかりサポートするロニーのベース

ロンのギターと絡んで時にグルーヴの中心を織り成すイアン・マクレガンのピアノ&オルガン・プレイなど本家?ストーンズに負けず劣らずの独特なタイム感とコンビに溢れた見事な演奏をきめてくれる

この演奏の魅力の一端にアルコールの力が働いてるか否かは不明だがどちらにしろドラッグよりは罪も影響力もないだろう


1曲目ロンのブギーなリズム・ギターとブルージーなイアンのピアノがスリリングに最高の絡みを見せる「ジュディーズ・ファーム」

ミドルテンポのハードなロックンロールでロッドのワイルドにシャウトするヴォーカル、ロニーとケニーのリズム隊もグルーヴィーにブルーズを加速させ燃え上がらせる。。。

2曲目はロニー・レインが力の抜けたヴォーカルを聴かせるこれまたブルージーでルージーなロックンロール「ユア・ソー・ルード」

イアンの印象的なハモンドと粘っこいサイド&リード・ギターをプレイするロンにコーダではロッドがブルースハープを聴かせてくれる。。。

「ラヴ・リヴズ・ヒア」はロッド、ウッド、レインの3人の共作でロッドお得意のカントリー・ブルーズ・タッチのカウボウイソング。

メランコリックなバラードでロッドの繊細なヴォーカル、何よりバンドの演奏、アレンジメントが完璧な雰囲気を醸し出してる

「ラスト・オーダー・プリーズ」はロニー・レインの趣味全開のシャッフルするカントリー・ブルーズでイアンのホンキートンキーなピアノにロンのスライド、緩い肩の力の抜け具合が心地良い。。。

そして緩い空気を切り裂くようなギター・リフを導線にバンドが8ビートのロックンロールに突入、スライド、エレピが加わり加速するかと思いきや・・・スロウ・ダウンしてミドルなブギーに。。。

「ステイ・ウィズ・ミー」フェイセズそしてロッド自身の代表作でもある最高のロック・ナンバー

可愛い子猫ちゃんと過ごす一夜限りの色男ロッドのブルーズ語り。。。ギター!!

ここでも最高のヴォーカルを聴かせるロッドにバンドも一歩もヒケを取らない。特に後半部で見せるアンサンブルは熱くライヴ感さながらの瞬間の狂騒がしっかりRECされている。。。

ロッド&ウッドのソングライターコンビの最高傑作

「デブリ」「ラヴ・リブズ・・・」に共通するメランコリー漂う、壊れた友情を唄うロニー・レインのバラード。コーラス部でのロッドとのハモリがハイライト。

ここで描かれる別れのイメージは自身の行く末を見据えたロニーの独白にも思える。。。

お馴染みチャック・ベリーの「メンフィス・テネシー」泥臭くルーズにスウィングするカヴァー。酒瓶片手に千鳥足で演奏してるのかもしれない。

チャック・ベリーお得意のギターフレーズなど織り交ぜながらとりとめない演奏はフェイドアウトしていく。。。

「ひどいもんだよ」「ザッツ・オール・ユー・ニード」アルバムの締めはロッド&ウッド・コンビのロックンロールナンバーを景気良く打ち上げてパーティーは終わる。。。

ストレートなロックンロールにアコギを使ったギターリフが印象的な「ひどいもんだよ」とロンの泥臭くもったりしたスライドが大活躍する「ザッツ・オール・・・」

当時最高峰のロック・ヴォーカリストの一人ロッド・スチュアートがキレの良いヴォーカルでパーティーの最後を盛り上げる。。。名残り惜しげに続くコーラス、バンドの演奏がフェイドアウトして行く。。。




さんざん酔っ払って騒いだ後は通りに出て気持ちよい夜風にでも当ってぶらつこう。小腹がすいたからラーメンでも食べて帰ろっか。。。


ってもう金ないじゃん!今晩泊めてくれ。。。そんな後味を残すアルバム(どんな後味じゃ。。。)






A NOD IS AS GOOD AS A WINK...TO A BLIND HORSE...
/FACES







01.Miss Judy's Farm

02.You're So Rude

03.Love Lives Here

04.Last Orders Please

05.Stay With Me

06.Debris

07.Memphis,Tennessee

08.Too Bad

09.That's All You Need

            /1972年発表

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パンク・ロックはリアルタイムで体験した。でも”パンクの衝撃”のようなものは私にはあまり関係のない話だった

継続的にロックを聴いてきた人達ならその傍若無人さに眉をひそめた人もいれば、歓喜の”雄たけび”を挙げた人もいるだろう。多分私よりほんの少し上の世代の人達。。。パンクを”事件”として受け取った世代

私がパンクに対してほんの少しばかり冷めた視線を向けるのはそんな世代感もあるって話。。。




ピストルズの反抗的なアティチュードや近未来的なストリート・ファッション、3分間で誰でもロック・スターになれる!ウォーホール的なコンセプトとテイストは確かに魅力的だったし

「アナーキー・イン・ザ・UK」のイントロは心踊り血が騒ぐ不穏さと期待感を持たせるのに十分なサウンドだった。

耳障りなジェット機の爆音みたいなディストーションの中でジョニー・ロットンが巻き舌で唄う「ゴット・セイブ・ザ・クイーン」!これまたいかした最新のサウンドだったのは間違いない

無軌道な反抗のBGMとしては”最高”のものだったかもしれない。。。




しかしその頃私は中学生で聴くものすべてが刺激的で新鮮だった。彼らが”仮想的”として攻撃対象にしていたZEPもビートルズも私は同じまな板の上に並べて賞味していたワケだ。

これまた自分には新鮮で斬新としか言い様のない美味だったってのが実際のところで

むしろ「レヴォリューション」のイントロのラウドなギターの鳴り「ウォルラス」のアバンギャルドな世界観の方がより刺激的なものに思えたし

インデックスからいろんなレパートリーが飛び出す”過去のバンド”に比べてピストルズは”手持ちの弾”が明らかに不足してるようだった。。。




パンクは一つの文化で大きなムーヴメントであることは流れとして理解したし、その先頭に立つピストルズのイメージは

マルコム・マクラーレンのプロデュースが施されたマネキンの役目を兼ねたものだったとしても十分”魅力的な反抗”に見てとれた

ピストルズは一つのカリカチュアライズされた漫画のキャラクターだった。少々乱暴な言い方をすれば”キッス”と大差がない。。。ロットンは火を噴かない変わりにアナーキーな毒を吐いたのだ

性急なビートに破天荒で不機嫌な演奏が新しいトレンドだった。ベースの弾けないベーシストがバンドのフロントに立つ事もパンキッシュな演出に含まれていた




クラッシュのヴォーカル、ジョー・ストラマーはピストルズのやりたい放題でアナーキーなステージングに魅了された一人で、言わば彼らの後を追ってパンク・シーンに殴りこんだわけだけど

反社会的な振る舞いで喝采を浴びたピストルズとまた違った硬派な政治的メッセージを打ち出し(こちらもマネージャーのバーニー・ローズの思惑との話もあるが・・・)

デビュー・アルバム『白い暴動』は荒々しいガレージ・サウンドに体制、権力への不満を載せた左翼的政治思想をぶちあげる事でクラッシュはピストルズとはまた違った反体制のヒーローとして祭り上げられた

後に”オレたちの暴動を起こせ!”と迷える労働層の若者を扇動したジョーの父親が実は外交官でジョー自身が中産階級の出だった事で非難を浴びることになる

階級社会のイギリスではその事は日本で考える以上に大きな問題だったようだ。ジョーの気持ちにウソがあったと私は思わないんだけど。。。

それを証明するように彼はその後も常に”若きパンクス”の味方であろうとしたし、出来うる限り誠実であろうとした。でもロック・スター願望がなかったか?と言われればそれもまたウソになるだろう。

だって彼らはホントにカッコ良かったのだ。フロントマン3人の立ち姿の格好よさはロック・スター以外の何ものでもなかった




獣のようにしなやかな体型。端正なマスクに欠けた前歯、クラッシュの良心ヴォーカル&リズム・ギターのジョー・ストラマー

リード・ギタリストでロッカー・テイストの長髪、長身の殺し屋クラッシュのメロディメーカーミック・ジョーンズ

モデルのような金髪のヴィジュアリストでクラッシュ流レゲエの体現者ベーシストのポール・シムノン

『白い暴動』の発表後正式メンバーとなりクラッシュにより柔軟なダイナミズムと”安定感”を与えた”遅れてきた男”ドラマーのトッパー・ヒードン


彼らは”1977年にはビートルズもストーンズも用無しだ”と歌っていたが彼らの音楽を聴けばストーンズやビートルズが大好きなんだろうなってのは想像に難くなかった(笑)




本日紹介する『動乱』では1stアルバムやその後に発売されたシングル、更にはこのアルバム以降に見られるレゲエの要素は皆無でクラッシュのアルバムの中でも最もストレートなロック・アルバムになっている

ミック・ジョーンズが嬉々としてギターを弾いてる様が目に浮かぶ。。。

クラッシュにとって純粋なパンク・ロック・アルバムと呼べるのは『白い暴動』のみで今現在このアルバムを予備知識ナシに聴いても良質のロックン・ロール・アルバムとしか思えないだろう

衝撃的なデビュー・アルバムと歴史的傑作ロック・アルバムとなった『ロンドン・コーリング』の谷間に挟まれやや薄い印象は拭えないが

10曲一気に気持ちの良いロックンロールをシンプルに聴かせる好アルバムと私は思う



出だしの3曲は勢いたっぷりにクラッシュのイメージを体現したハードな中に甘くポップなメロディと政治的なメッセージを含んだ好曲揃いで

安定したビートを叩き出すトッパー・ヒードンの加入でサウンドにダイナミズムと厚みが生まれている。これがジョーとミックの”素直な本質”の輪郭を浮き出させてると言っても良いだろう

「セーフ・ヨーロピアン・ホーム」ではパンク的騒々しいサウンドで突っ走りつつも60年代的な甘いメロディにのせ第3世界での苦い経験と現実を笑っちゃうほど素直な心情として吐露してる

「イングリッシュ・シビル・ウォー(英国内乱)」では粗野なジョーのヴォーカルで不穏な未来を予言しつつマカロニ・ウェスタンの主題歌のような憂いを帯びた甘いメロディとコーラスでドラマチックに仕上げている

「トミー・ガン」トッパー・ヒードンの機関銃みたいなドラミングが特徴的でハードな展開を見せる代表的なクラッシュ・ナンバー。これも明朗でポップなメロディに乗せ物騒(テロの是非)な内容が唄われている




続く「ジュリーはドラッグ・スクワッドで働いてる」は一転ブギウギ・スタイルでバンドのリズムがシャッフルしてるごきげんなドラッグ・ロックンロール

ジョーの掛け声とともにニューオリンズ調のピアノが調子っぱずれになだれ込んでくる軽快なナンバー

後の『ロンドン・コーリング』に見られる多様なスタイルを予見させる曲だ

「ラスト・ギャング・イン・タウン」エディ・コクランみたいなロカビリー・スタイルのベースのリズムと軽快なギター・リフに乗せてロックン・ロールの椅子取りゲームが唄われる

明朗な曲調からマイナーに転調するサビでドスを効かせるジョーとミックのギター・ソロがイカシテル♪

「屋根の上の殺し屋」では伝統的なフーの「アイ・キャント・エクスプレイン」のギター・リフに乗せて不当な”力”によって抑圧される自由の危機にジョーが不満をぶちまける強力なロッカーだ

ミック・ジョーンズのハードなギターが格好良い♪




「ドラッグ・スタビング・タイム」ブギー・スタイルのギター・リフで進行するロックン・ロールにここではサックスまで絡んでまるでスプリングスティーンの曲みたいだ(笑)

私は個人的にはジョーとスプリングスティーンには少なからず共通したイメージを感じている。もっともジョーは”ボス”の事を「ロックン・ロールの神話に混乱させられたセンチメンタルで女々しい男」と揶揄していたらしいけど(笑)

「ステイ・フリー」はミックの甘いリード・ヴォーカルで唄われるこれまたスプリングスティーン的な”青春”の郷愁を唄ってる甘いメロディの曲だ。顔に似合わず甘い声なんだよね。。。良い曲だ

「ケチな野郎のスーパースター」スター・システムに組み込まれてくジレンマをドラマチックなギター・フレーズをバックにぶっきらぼうにジョーが唄うナンバー

いかにもブリティッシュ・ロック的な哀愁を帯びたドラマッチックなギター・フレーズがクラッシュに似つかわしいのか?はともかくこれも好きな曲だ。

「すべての若きパンクスども」モット・ザ・フープル「すべての若き野郎ども」へのオマージュとも言われている。

プロデューサーのサンディ・パールマンの弁を借りればモット・ザ・フープルについてはミック・ジョーンズの趣味のようだ。

アルバム全体で聴かれる派手なギターのフレージングも元モット・ザ・フープルのミック・ラルフスミック・ロンソンら70年代のグラム・ロック・サウンドを意識したもののようだ

彼らが在籍した他のバンドについてはここで触れるまでも無いだろう。。。




クラッシュが未だに評価され彼らの音楽を支持するものが後をたたないのはその音楽性ゆえと言える。”2007年じゃピストルズなんて用無しだ”と言ったら怒られそうだけど(^^;

このアルバムでの彼らは気負いなくこの時点での趣味全開でハードなロック・サイドに思いっきり振れている。

それが”らしくない”という意見もあるだろう。『白い・・・』のパンク・サウンドを好む人もいれば『ロンドン・・・』のバラエティに富んだ完成度と比べる人もいるだろう

『サンディニスタ』のカオスを評価する人もいるだろうし『コンバット・ロック』に夢中になった人もいるだろう『カット・ザ・クラップ』を押す人は多分いないと思うけど。。。




強面のパンク・バンドの勢いある2ndアルバムとして聴くと肩透かしを食う人もいるかもしれない。クラッシュ”オリジナル”のレゲエのテイストが一切排除されてるのも”ルーディ”には不満かもしれない。

でもクラッシュの本質ってハードなサウンドにジョーの野生味溢れる愛想の無いヴォーカルで唄われる”甘いメロディ”だったりするんじゃないかと思う。。。

それが好きか?嫌いか?って事なら。。。私はそれが大好きだということだ。






GIVE EM ENOUGH ROPE
/THE CLASH





01.Safe European Home

02.English Civil War

03.Tommy Gun

04.Julie's Been Working For The Drug Squad

05.Last Gang In Town

06.Guns On The Roof

07.Drug−Stabbing Time

08.Stay Free

09.Chepskates

10.All The Young Punks(New Boots And Contracts)

                                      /1978年発表

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