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先週の土曜日だったかな?ぼーっと見ていたテレビから耳に馴染んだ懐かしいメロディが流れてきた。。。聴いたことが無い方がもし居たら是非聴いて欲しい。。。素晴らしい曲だと思う。



見ていたドラマは各週ごとに主人公が変わる、人生をサッカーになぞらえたオムニバスで主人公が死に直面した際、人生の最後に与えられた”ロスタイム”をいかに過ごすのか?

そんな興味深いプロットのもと、主人公には必ず死という現実が最期に訪れるという難しい状況上、ドラマとして必ずしも成功してるとは言いがたい部分もあって・・・突っ込みどころは多々あるんだけど。。。

”死”を扱ったエンターテイメントとしては毎週見てるわけではないけどそれなりに面白いものになってるんじゃないかな?と思う

毎回なんらかのアクシデントによって”死”を迎える主人公が残された人生の”ロスタイム”をどう生き切るか?というのがテーマでこの日の回はココリコの田中直樹が主役

オーディションに落ち続ける売れない役者で、遊園地のヒーロー・ショーのアトラクションの悪役が唯一の仕事。一緒に暮らす恋人からも夢をあきらめて”ささやかな幸せな生活”を送れる現実を求められている。

そんな冴えない30男の主人公は限られたわずかな時間の中で役者として輝き、生きた証をなんとか残そうと奔走するのだが。。。


ドラマのラスト、タイムアップの笛が鳴る時間が刻々と迫る中、遊園地で夜のメリーゴーランドの輝く前で恋人と心が通じ合う幸福感に溢れた感動的な場面で流れてきたのが冒頭に話した曲「シーズン・オブ・ラブ」




1996年オフ・ブロードウェイで初演された”レント”というロック・ミュージカルで使われていた曲でゴスペル仕立ての美しい名曲だ。

”525600分の愛しい瞬間。この一年をどうやって計ることが出来るだろう?ひとりの女、ひとりの男の人生をどうやって計ることが出来るのだろう?”

このドラマのラストにこの曲を使いたかった製作者の気持ちは良く判る。。。



”レント”はオフブロードウェイでの初演以来舞台をブロードウェイに場所を変え、現在も上演されているミュージカルとしては『オペラ座の怪人』につぐ史上第2位のロングラン

歴代のブロードウェイミュージカルでも第7位のロングランという超メガヒットミュージカルで世界中に”レントヘッド”(デッドヘッズみたいだね笑)と呼ばれる熱狂的なファンを持っているらしい。

プッチーニの歌劇『ラ・ボエーム』を下敷きに舞台をパリから現代のNYのイーストヴィレッジに置き換えてそこで暮らす今は亡きボヘミアン達の群像劇となっていて

現代らしくエイズ問題、ドラッグ問題とそれにまつわる死について真正面から向き合い、愛と友情、人生を描いた当時のブロードウェイではかなり画期的な作品だったようだ。

まぁ私のブロードウェイミュージカルに関する知識なんてほぼないに等しいんで少し調べましたが(^^;詳しいところは突っ込まないでください。。。



このミュージカルの原作、脚本、作詞、作曲とほぼ一人で創り上げた創造主がジョナサン・ラーソン。いまや神話の中にいる伝説のミュージカル作家だ。

彼の実体験に基ずいた自伝的要素も含むこのミュージカルが世界中を熱狂させるのは彼自身の伝説的で劇的な生涯が一つの原因になってると見て間違いないだろう。

私自身もこのミュージカルに関わる彼のエピソードを知らなければこのミュージカルに興味を持つことは多分なかったのではないだろうか?




ジョナサン・ラーソンはミュージカルの世界に憧れながら成功の道は開かれず、レストランで皿洗いのバイトなどしながらチャンスを待つよくある作家の卵の一人だった

ここに出てくるヤク中のミュージシャンや同性愛者、芸術家などは彼自身と彼の友人たちがモデルにされてるという。HIV陽性反応の人間が数名、エイズに感染して死に至った人間もいるようだ。。。

レント”RENT”とは賃貸とか家賃を意味する。家賃も払えない極貧の中で過ごしたボヘミアン達。そして人生という場所で精一杯日々生きる芸術家への共鳴を表明してるのだと思う

彼は最初の構想から7年に渡りこの為に曲を300曲も創り選りすぐりの40曲余りをこのミュージカルの為に用意した。

オフブロードウェイでの上演にようやく漕ぎつけプレビュー公演の初日を迎える前日。さぁこれからだ!というまさにその時。。。リハーサルを終えて自宅に戻った彼を待っていたのは突然の死だった。。。


胸部大動脈瘤の破裂で彼は35歳の生涯を終える。。。このミュージカルの大成功をその目で見届けることもそして今に至るまで愛される一本の偉大なミュージカルへの共感を肌で感じることもなく死んでいったのだ。



まるで映画みたいな出来すぎた話だが一人の芸術家に起きた紛れも無い事実だ。でも私はこうも思う。彼は彼の人生を多分生き切ったのだと思う。そして彼には光が見えていたんだと思う。

彼は偉大な物語と音楽を生み出した実感と手応えを感じながらこの世を後にしたのだと。。。そう思いたい。

冒頭に紹介したドラマの製作者もラーソンのファンだったに違いない。売れない役者が誇れるものを最期に残そうとする物語はラーソンの人生にも通じる部分があるから

劇中のロック歌手ロジャーは「ワン・ソング・グローリー」という曲の中で僕が死んでしまう前に栄光の1曲を残したい。。。と歌う。それはラーソンの気持ちでもあり多くのロックスターの夢でもあるだろう。




ラーソンの突然の死のショックに見舞われながら初日の上演は予定通り行われ舞台は熱狂と感動につつまれた。。。

苦楽をともにした舞台上の仲間達が「ありがとう、ジョナサン・ラーソン」と思い思いに口々に叫んだ。。。いまだに舞台の最後には「ありがとうラーソン」の文字が映し出されるという。

そしてこのミュージカルはトニー賞、ピューリッツァ賞など各賞のミュージカル部門の最高賞を総なめにし爆発的な大ヒット・ミュージカルとなった。後にほぼミュージカルのオリジナルキャストで映画化もされている。

ラーソンのあまりにも伝説的な死がこのミュージカルにカルト的な熱狂をもたらした要因になってるのは否定できないがそれにしてもあらゆるタイプの曲を一人で仕上げた才能は素晴らしい才能だと思う

このアルバムはオリジナルキャストによるサントラで96年に発売されたものだ。映画製作時には主要キャストのジョアン役のみが(年齢が理由)変わっている。

Youtube画像で素晴らしいソロを聞かせてくれる女性黒人シンガーでオリジナルのフレディ・ウォーカーにまったく負けないヴォーカルをトレイシー・トムズが聞かせてくれている。

フーやキンクスを思わせるようなロックオペラ的な感触もありつつロックンロール、R&B、タンゴ、フォーク、バラード、ディスコ、ラテン。。。様々なタイプの曲が親しみ易いメロディで展開される

途中舞台的な台詞が入ったりエフェクトが入ったりとやや落ち着かない部分もあるが音楽作品として聴いても十分楽しめるものとなっている



先に紹介した「シーズン・オブ・ラブ」はラーソンが友人とこのミュージカルについて話してる際にあらゆるタイプの曲を書き上げていた彼に驚きを示しながらも

”でもゴスペル”は書けないでしょ?とからかわれたのをきっかけに2週間後その友人に会った時にこの曲をピアノで聴かせ友人を驚かせたという。。。

名曲が生まれる際にはふとした偶然がきっかけになることがある。この名曲もそんなきっかけで出来上がりミュージカルの1作品から一人歩きをして多くの人間に愛される曲になったのだ。。。



さてこの男の生涯は不幸なのだろうか?彼はわずかな”ロスタイム”を与えられることもなく華やかな舞台を前にいきなりピッチからの退場を宣告されてしまった。ゲームの行方、結末を見ることも許されず。。。

もう一度言う。多分彼にはきっともう余力は残されてなかったのだ。それぐらいに人生を生き切った満足感と幸福感で人生というステージからピッチから去ったのだと。。。そう思いたい。


彼の歌は永遠に残される。舞台上に人々の心の中に525600分の愛しい瞬間をどう表せばよいのだろうか?多くの人の心にそんな種を植え続けて。。。




「ラ・ヴィ・ボエーム」芸術家達の人生を祝福する長尺のロック・オペラ。これも素晴らしい曲だ。このミュージカルを進行する主人公ヴィデオアーティスト、マーク・コーエン役のアンソニー・ラップの歌唱がエルヴィス・コステロにそっくり!

メロディラインなどもコステロを思わせる部分がある。エナジーと快活さに溢れた人生賛歌のロックオペラ!素晴らしい曲だと思う。




RENT/ORIJINAL BROADWAY CAST RECORDING
(1996年発表)

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映画を観た感想としては物語としてはどうかな?音楽は最高だけど(^^;生のミュージカルを観たら間違いなく感動するだろうね♪

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思いついたようにズージャの名盤も控えめに紹介したりなんかもするコーナーです。。。



今日はモダンジャズの巨人のひとりチャールズ・ミンガスの名盤の誉れも高い『直立猿人』!ピテカントロプスエレクトス。。。タイトルがもう格好良い♪超カッコ良い!中身も強烈!

私にとってもっとも”ロック”を感じさせるジャズ。まぁそんな言えるほど数を聴いてないんですけどね(汗)

と言ってもそれはロックへ接近したクロスオーヴァー・スタイルのジャズではなく、サックス2本にピアノ・トリオのアコースティックなクインテットでビバップのスタイル、ビッグバンドジャズのスウィング感をベースにしながら根底に凶暴な情熱を宿す音楽。。。

迫り来るバンド・サウンドは張り詰めた緊張感を伴い、迫力たっぷりにZEPの移民の歌を思わせるようなホーンの低い咆哮が実に印象的。

それは圧倒的な建築物のように象徴的に目の前に聳え立ち、目を離すことが出来ずに心を奪われてしまう。。。そんな魅力的な音楽だ

聴くものの敷居をとっぱらい、意識を解放し暴力的に取り込むような。。。強烈で原始的な音楽。。。

ジャズと構えて聴くことなかれ。この不思議な”ミンガス・ミュージック”に呑み込まれてしまうのが気持ちよいのだ。
「直立猿人」(映像は意味不明?フルではありませんが魅力は伝わるでしょう)


まぁデート向きのお洒落でアーヴァンなジャズじゃないのは間違いない。かといってジャズマニアが狂喜するようなフリーキーな超絶インプロビゼーションの応酬があるわけでもない。

あくまでもがっしりした骨格の中でひとつの”作品”として訴えかけてくる音楽。

進化→優越感→衰退→滅亡と4楽章からなる10分に及ぶ大作。

その音楽は滅亡へ向かって立ち上がり歩き出す猿人の心象風景にも思えるし、古代のジャングルを歩くその勇壮で悲劇的な姿を表してるようにも思える。

原初の叫び。。。パワーの源流。。。重厚なプロダクションはデューク・エリントンを崇拝するミンガスの志向する分厚いオーケストラ・サウンドのような感触を少人数で生み出すことに成功してる

アルトサックスにジャッキー・マクリーン、テナーにジャック・モントローズ。ピアノはマル・ウォルドロン、ドラムスにウィリー・ジョーンズ。。。

そしてぶっといベースをブンブン唸らせてるのが怪人チャールズ・ミンガス。

ジャズワークショップと名づけられた彼の演奏チームは統制された指揮下のもとでフリーフォームのアドリブプレイを織り交ぜながらもしっかりテーマに収束していく。。。スリルと構成力を伴った世界観が見事!

判りやすく言うとプログレッシブ・ロックに近い感触かもしれない。。。余計わかり辛いかもしれないけど。。。(苦笑)

流れるような大きな川の流れを作り出すミンガスとウィリー・ジョーンズのリズム隊にマルのパーカシッブなピアノが絡み2本のサキソフォンの”調和”と”破壊”を生み出す鮮烈なソロ。。。

一度聴いたら忘れられない。。。強烈な印象を残す音楽「直立猿人」



ミンガスといえばロック・ファンにはジョニ・ミッチェルが亡き彼に捧げたアルバム『ミンガス』で彼の名を知る人もいるかもしれない。ジャコ・パトリアスの名演が強烈な印象を残す名盤。

ロック界にもジョニをはじめコステロやレイ・デイヴィス、レイディオヘッドのジョニーグリーンウッド。。。などなどミンガス・フリークは数多い。

変人、怪人、怒れるジャズ・ジャイアントには確かにロックで危険な香りが漂っている。。。

アルバムにはガーシュインのカヴァーである「霧深き日」とジャッキー・マクリーンをフューチャーした「ジャッキーの肖像」。14分の大作「ラブ・チャント」の全4曲が収録。

「霧深き日」を除いてすべてミンガスの自作で非凡なベース奏者として演奏家として以上に、作家であったミンガスの挑戦的な魅力が垣間見える。

でもなんと言っても「直立猿人」に尽きる!ピテカントロプスエレクトス。。。このタイトルがこれ以上に似合う音楽家を私は知らない。。。






PITHECANTHROPUSERECTUS
/THE CHARLIE MINGUS JAZZ WORKSHOP


01.Pithecanthropus Erectus

02.A Foggy Day

03.Profile Of Jackie

04.Love Chant

            /1956年発表

*今夜は特別にオマケ(笑)「Moanin’」アルバム『Blues&Roots』収録
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         これもサイコー!ゴキゲン♪♪♪スウィンギン・ロケンロ〜ル!!!



星に願いを懸けるとき
誰だって
心を込めて望むなら
きっと願いは叶うでしょう

心の底から夢みているのなら
夢追人がするように
星に願いを懸けるなら
叶わぬ願いなどないのです

愛し合うふたりの
密めたあこがれを
運命は優しく
満たしてくれます

星に願いを懸けるなら
運命は思いがけなくやって来て
いつも必ず
夢を叶えてくれるのです。。。




皆様新年あけましておめでとうございます!遅っ!(苦笑)ゆっくり日本のお正月をお過ごしの方もいらっしゃれば、年末年始休みの無かった方もいらっしゃることかと思います。ご苦労様です。。。

そんな貴方もこんな貴方も何卒本年もよろしくお願い致しますm(_ _)m



新年の挨拶を交わした方も多い中、新年おめでとう!記事も今更遅い感もありますが(汗)・・・新年最初はみなさんの胃にもたれない心温まる優しい記事ではじめようかと思います。

私も長い記事は疲れるので(笑)結局今年も最後は自分のことしか考えてない自己中なんですが。。。




「星に願いを」
幼い頃観たディズニー・アニメ。。。ハッピー・エンドの余韻の中で流れる「星に願いを」。

元々は『ピノキオ』の映画の中でジミニー・クリケットというコオロギ(演じるところのクリフ・エドワーズ)に歌われた作詞ネッド・ワシントン作曲リー・ハーラインによる世紀を代表する美しい名曲です。

wikiによるとアメリカ映画協会が選ぶ"映画史に残る名曲"の第7位に選ばれたそうです。



この曲を聴くと明日もきっと良い日だと。。。幸せな気持ちに包まれながら眠りにつくことが出来ました。明日はきっと楽しいことやワクワクすることが待ってるに違いないと。。。

人の愛情や善意を無邪気に信じられた頃の記憶です。人生良いことや綺麗ことばかりじゃないと判った今でもこの曲を聴くとその時の気持ちを信じられるような気がします。人に優しく出来そうな気もします。。。

文字通り心が洗われる。。。そんな気持ちになれる曲ですね。

醜悪な現実はいまやファンタジーで覆い隠すには巨大になり過ぎたのかもしれません。でもきっと明日は良い日に違いない。。。夢はいつか叶うと信じることは決して恥ずかしいことでは無いのだと

心の底から思える人間にいつか成りたいと思います。ピノキオがそう願い続けてやっと人間になれたように。。。



今年1年が皆様にとって”良い日”でありますように、勿論私にとっても(笑)そう願っております。




余談ですが。。。昔の”日曜洋画劇場”のEDテーマを聞くと世界の終わりみたいな陰鬱な気持ちになりました。。。あれはちょっとしたトラウマですね、私にとって「星に願いを」の対極にある歌ともいえます。あれは何て曲だったんだろう?



When You Wish upon a Star/1940年ディズニー映画『ピノキオ』挿入歌

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お奨めも何も。。。私が奨めなくても(^^;ブルーズの入り口に立てばその存在がでかすぎて誰もが避けて通らないであろう巨人、野獣、怪人ハウリン・ウルフことチェスター・バーネット。。。

自分のようにブルーズの世界に明るくないものがこんな事言うのもおこがましいけどやっぱ”吠える狼””泥の水”。。。この辺りがブル−ズ入門編?ってとこなんでしょうかね?

マディもハウリンも勿論両方好きなんだけど自分が聴く前にイメージしていたブルーズ=マディ・ウォーターズだとしたらハウリンのものはもうロックというか・・・ヘヴィーでパンキッシュなものに感じられたんですね

ミシシッピー生まれデルタ・ブルーズ経由シカゴ・ブルーズ行きの列車に乗った両巨頭、マディがシカゴ・ブルーズの父ならハウリンは。。。何だろう?


*「スモークスタック・ライトニン」(多分フルに聴けます)
http://media.imeem.com/m/p5nZH8R02k/aus=false/




『モーニン・イン・ザ・ムーンライト』

マディが洗練された貫禄を湛えたシカゴ・ブルーズの父であるならハウリン・ウルフはどこかタフでやんちゃな暴君のごときパンクなイメージがある。暴走する列車そのものと言っても良いだろうか?

特にハウリンの51年のデビューから8年に渡るRECの集大成としてシカゴブルーズの総本山チェス・レーベルから発表された荒削りなデビュー・アルバム

そのアナーキーでラウドな感覚は殆どロックンロール・アルバムと言っても良いぐらいのぶっ飛びようだ

ディストーションをかけたようなハウリンの強烈なダミ声に絡みつくブルースハープと彼の相棒ヒューバート・サムリンのギターがドタバタとシャッフルするリズムに乗せて土足で暴れまわる。。。

2m近い巨体でところ構わず跳び回りはいずりまわり吠えまくると言われるハウリンの強烈なパフォーマンス。飛び散る汗とところ構わず唾を飛ばしまくるそんなステージを容易に想像できるヘヴィな1枚

ストーンズにクラプトン、ZEPにリトル・フィート。。。様々なロック・ジャイアントからリスペクトを受けその曲をカヴァー(または”引用”)をするアーティストは数知れずのブルーズの巨人。。。

1曲を除き全曲自作のこの1stは実際には8年もの長きに渡るRECを集めた作品群なわけだけど、初期衝動のごとき猛烈な勢いでブルーズが爆発している

それにしても42歳にしてデビュー。。。今の私と同い年。私もまだやれるかなぁ。。。あははははは




アルバムはメンフィス時代の「モーニン・アット・ザ・ミッドナイト」で幕を開ける。ギター・アンプがハウリングでも起してるかのようなハウリンの低いハミングで始まるこのヘヴィーなブルーズは

ワン・コードにリフレインするハウリン自身の吹くブルースハープに、メンフィス時代のギタリストウィリー・ジョンソンのギターが激しく絡む

”誰かがオレのドアを叩いてる。。。”ブルーズの常套句を地下から叫ぶようなドスの効いたブルーズ・ヴォイスとどたばたした荒々しいドラムビート、でズンズン聴く者の心の扉を蹴破って迫ってくる。。。

「ハウ・メニー・モア・イヤーズ」ブギーに転げまわるピアノに重たいビート。ハウリンの唸り声とひしゃげたギターとハープが交錯する。。。ハウリンの代表作

地下の奥から響くような苦悩に呻くハウリンの声が迫力たっぷりの名曲「スモークスタック・ライトニン」

ハウリンのハープとサムリンの上ずったギターの絡みが躁状態の高速なブギーテイストのロックンロール「オールナイト・ブギー」

オーティス・スパンの軽やかなピアノとハウリンのヘヴィーなシャウトが絶妙なムードを創りだす、この後ハウリンの数々の名作を生み出す事になるウィリー・ディクソン作「イーヴル」

スローなブルーズに床を這いずり回るようなハウリンの声が響く「アイ・アスクト・フォー・ウォーター」。。。

独特なドラムのリズムを強調した上にブルースハープのリフを乗せ思いっきりグルーヴをドライヴさせる「フォーティー・フォー」

誰かがオレの家を歩いてる。。。1曲目の不吉なイメージを呼び起こすような不吉なスロー・ブルーズ「サムバディ・イン・マイ・ホーム」での幕引きまでどっぷりハウリンの世界に浸れる超名盤!!!




ブルーズの始祖の一人と呼ばれるチャーリー・パットンのヴォーカルスタイルに強い影響を受けたとされるハウリンのブルーズは更に

アマチュア時代に交流もあったとされるロバート・ジョンソンが生み出した”ロック的”な概念のコアな部分を抽出して(あるいは無意識に)体現してみせた最初のブルーズ・マンと言えるかもしれない

ジョンソンの心の闇にまで降りたような深淵で濃い闇を湛えた世界から、もっとフィジカルに人の心を具体的にノックし揺さぶる表現をもって床を踏み鳴らし、はいずりまわりながら

月に向かって身悶えしながら吠え続けるのだ。。。





*「ハウ・メニー・モア・イヤーズ」身をよじりながら唄うハウリンの足元には若きストーンズの面々が若者達と一緒に車座になって座ってる。ブライアン・ジョーンズの顔も見える

少年のように目を輝かせて最大のアイドルを見上げるミック・ジャガーの姿が微笑ましい。。。




*試聴現在は2ndアルバムとの2in1CDになってます。)
   ↓
『モーニン・イン・ザ・ライト&ハウリン・ウルフ』




MOANIN' IN THE MOONLIGHT
/HOWLIN' WOLF


O1.Moanin' At Midnight

02.How Many More Years

03.Smokestack Lightnin'

04.Baby How Long

05.No Place To Go

06.All Night Boogie

07.Evil

08.Im Leavin' You

09.Moanin For My Baby

10.I Asked For Water(She Gave Me Gasoline)

11.Forty Four

12.Somebody In My Home

        /1959年発表

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僕は新聞を取りにいき、昼までには戻ると彼女に言った。 僕はこの身ひとつで君への想いだけを胸に流浪の旅に出かけた。。。

自分の名前を探すために、君の居場所を探すために、後悔する前に極限まで味わい、触れ、感じることを体験するために僕は出かけた。。。

聖書と銃を手に黄金で舗装された道路を通り抜けて原子エネルギーの充満した赤い空の下を歩いた、一人前の男になる為に僕は旅に出た。。。

「ザ・ワンダラー」U2フューチャリング・ジョニー・キャッシュ


イメージ 2『ズーロッパ』テクノロジーの湖にその身を沈めハウス・ビートの河を泳いだU2がアルバムの最後を託したのはカントリー界の伝説の巨人ジョニー・キャッシュだった。





寓意に満ちた自己探求と約束の地、約束の恋人へと続く長く険しい旅。

荒涼とした大地を踏みしめる寓話の中を歩く旅。思慮深く肩の力が抜けた歩みには踏みしめる人生の重さと軽やかな足取りが同居している

無機質でどこかとぼけた味わいのキーボードの音色に乗せ近未来の荒野を歩く男の旅。人生の苦さを知り尽くした男の独特のヴァリトン・ヴォイスが力み無く語りかけてくる。。。



それはどこかジョニー・キャッシュ自身の波乱に満ちた旅を思わせる。そして作者であるボノの旅も思わせた。淡々と胸を打つ奥深い歌声。。。”運命の恋人と添い遂げる”為に男は歩き続ける。。。

遅ればせながらこの伝説を生きる偉大なシンガーの歌に触れたのは恥ずかしながらこの時が始めてだった。ブルーズはBB、フォークはディラン、カントリーはジョニー・キャッシュ。。。

随分ベタな紹介だけどボノ有難う。素晴らしい歌だよ。








『アット・サン・クエンティン』

カントリー定番のカウボーイ・スタイルとはおよそかけ離れた葬儀屋みたいな黒ずくめで強面のアウトロー、ジョニー・キャッシュ

伝説中の伝説の男。。。前述のボノを始め、REMのマイケル・スタイプ、カート・コヴァーンジョー・ストラマーら名前を挙げればきりが無い・・・ロックのカリスマ達も憧れるヒーローだ。。。

見かけだけではなく彼自身何度も逮捕歴を抱える本物のファッキン・アウトローだ。そんな彼がファンの声に後押しされて敢行した刑務所での公演ライヴ

ここで紹介するのはフォルサムプリズンに続き発表されたサンクエンティン刑務所でのライヴで全米NO1の大ヒットアルバムとなった。『アット・サン・クエンティン』



囚人の顔をじっと見据え時にニヒルに笑い、時に看守に敵意の眼差しを向けながら唄いかけるキャッシュの歌声は「地獄の待合室」に彷徨ういくつもの罪深く孤独でどこにもいけない魂へ訴えかける光だった

ある囚人はこう言った”俺がこの人生ではじめて見た太陽の光”だと

ビデオに映る収監された囚人達の素晴らしい笑顔が眩しい。二度とここから外へ出て陽の光を浴びることのない囚人もいただろう。

そんな者達にとってキャッシュは自分達の理解者であり代弁者であり文字通り眩しい太陽だったのだ。。。





私のブログでいわゆるカントリー・ミュージックを記事にするのは多分初めてかと思う。これまたジャズやブルーズ以上に私にとって未知未聴の世界が拡がっている。。。

とにかくジョニー・キャッシュの歌は素晴らしい。。。それ以上の言葉は何もない。




カントリー&ウェスタンについては元来ロックやソウルとは相容れないイメージがある。

映画『ブルース・ブラザーズ』でもカントリー・バーでR&Bをプレイするバンドがブーイングの嵐の中やむを得ず「ローハイド」を演奏するシーンがある。

ベルーシ演じるジェイクは演奏の間中、顔色一つ変えず腕組みをしたまま憮然として微動だにしない(笑)それでもムチを入れたり掛け声を入れたりするんだけど。。。

(その後可愛い振り付けつきで「スタンド・バイ・ユア・マン」を唄うのが可愛い。笑)



ルーツを辿ればカントリー、ヒルビリー、ロカビリーとアフロ・アフリカンが持ち込んだブルーズやゴスペル、ヨーロッパ移民の持ち込んだトラッドなダンス・ミュージック。。。

交配と分離が何度も重ねられることで色分けがされてはいるが、元を辿れば同じようなところに根ざしたものから派生している事が判る


ビートルズもストーンズもディランもカントリー調の曲をレパートリーに入れ、ザ・バーズは『ロデオの恋人』でカントリー・ロックというジャンルを確立し後のアメリカン・ロックの礎を築いた

私自身も幼い頃聴いたエンニオ・モリコーネに代表されるマカロニ・ウェスタンの映画音楽が大好きだったし。

オリビア・ニュートン・ジョンやジョン・デンバーなどなんの拘りも無く聴いていたはずだ。実はカントリー・ミュージックはいつも身近にあった。。。後の私がしばらくそこに目を向けようとしなかっただけで。



メンフィスのサン・レコードでエルヴィスやロイ・オービソンと同じスタート・ラインに立ちながら自らの黄金を探しキャッシュは違う道を歩み始めた。

キャッシュはその中でロカビリーよりもカントリー色の強い音楽を奏で始めるが彼の中にはいつでもゴスペルやブルーズの魂が眠っていた。それが時に彼の過激な表現を促していたのかもしれない




ネブラスカでスプリングスティーンが試みたようなアプローチをジョニーキャッシュは20年前に既に行ってた。人が死ぬところを見たいという理由で人を殺した男の歌「フォルサム・プリズン・ブルース」

他にも彼は道を外れたはぐれもの達の気持ちを代弁するがごとく唄っている。それが収監された犯罪者達の共感を得たのだろう。


コントロール出来ない愛の炎の中に巻き込まれて燃え盛る激しい愛を唄った愛妻ジューン作の「リング・オブ・ファイヤー」

罪の意識と裏腹の信仰心の厚さを思わせる「彼は水をワインに変えた」


栄光と挫折、薬に溺れ、抑えられない暴力的な衝動。。。そんな彼の心の闇や歪んだ心は一人の女性の献身的な愛で氷解し再び再起から栄光の伝説を歩み始める。。。

映画にもなった"運命の恋人"ジューン・カーターとの永遠の愛を唄った「アイ・ウォーク・ザ・ライン」



しかしなんと言ってもこのアルバムのハイライトは「サン・クエンティン」だろう。100人とも200人とも言われる看守の見守る目の前でキャッシュはそれより更に多くの囚人達へ向けて唄う




サンクエンティン一体何の役に立っている?おまえは心と頭をねじ上げ魂を歪めてしまう

サンクエンティンおまえなんか朽ち果てて 地獄の業火に焼かれてしまえ!




う〜ん格好良すぎる。。。




そう唄うキャッシュに囚人が熱狂する模様が収められてる。看守もヒヤヒヤもんだったろうな。。。

「サン・クエンティン」

(*もし消えていたらこのリンクから)
      ↓
サン・クエンティン


カントリーの枠に囚われない彼の歌と尽きることのない探究心が冒頭のU2との共演を呼び、トレント・レズナーのNIN「ハート」の素晴らしすぎるカヴァーを生み

いまだに止まない数え切れないほど多くのミュジシャンからのリスペクトを生むのだろう。。。




イメージ 3幾多の障害を乗り越え激愛を貫いたジューン・カーターとの愛の物語は映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』に詳しい。

有名なオンタリオのステージ上でのプロポーズまでが感動的に描かれたラヴ・ストーリーであり、薬物中毒、父との確執などジョニーの苦悩に満ちた半生の物語でもある。

音楽も実に素晴らしい!興味の有る方は是非ご覧になって頂きたい。


シド&ナンシーやカート&コートニーよりもこの二人の方がずっとカッコ良いし共感できるなぁ。うん素敵なカップルだ。



2003年ジューンの死んだ4ヶ月後、ジョニーも彼女の後をまるで追うかのように静かに息を引き取った。

”運命の恋人”と見事に添い遂げ男の長い旅は終わった。



本日紹介したのはどこまでも格好良い黒づくめの男ジョニー・キャッシュでした。



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AT SAN QUENTIN
/JOHNNY CASH



01.Big River

02.I Still Miss Someone

03.Wreck Of The Old97

04.I Walk The Line

05.Darlin Companion

06.I Don't Kmow Where I'm Bound

07.Starkville City Jail

08.San Quentin

09.San Quentin

10.Wanted Man

11.A Boy Named Sue

12.(There'll Be) Peace In The Valley

13.Folsom Prison Blues

14.Ring Of Fire

15.He Turned The Water Into Wine

16.Daddy Sangs Bass

17.The Old Account Was Settled Long Ago

18.Closing Medley : Folsom Prison Blues/I Walk The Line/Ring Of Fire/The Rebel/Johnny Yuma

/1969年発表

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