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「積み木遊び」椎名林檎



和と洋。静と動。テクノハウスと生バンド。無垢と狂気。シリアスの中に潜むユーモア。。。

ここには”ロック”の優れた瞬間のすべてがあると言っても過言ではない。そしてその瞬間は永遠に確実に失われてしまった。

そう・・・このステージ上で彼女が自ら葬り去ってしまったのだ。

バックに自分を模したマネキンを磔にして自身の激しいピアノの弾き語りで怒涛のヴォーカル・パフォーマンスを見せるラストナンバー「日本に生まれて」

。。。そこで誰もが期待するカリスマロックシンガー椎名林檎を彼女はステージで殺してしまった。



2作続けてアルバムをミリオンにし、平成12年人気の絶頂にあった21歳の彼女が福岡の嘉穂劇場で行った一夜限りのスペシャルライブはインターネットで生中継された。

私もPCの前に座り込んでその時を待ったが結局当時その回線は繋がることがなかった。

このライブ中継は当事のインターネットアクセスNO1を記録。プレミアチケットは当事30万円でオークションにかけられたとも言われてる。

その後、その瞬間に立ち合ったモノからも、ありつけなかったものからもDVDの発売が熱望されながら実現することなくデビュー10周年を迎えた今年遂に”伝説のライブ”は本日めでたく多くのファンの目に触れることとなった。。。

”伝説”の名に恥じない圧倒的な1時間余りの濃密なパフォーマンス。椎名林檎史上最高のステージ。最高の瞬間だったかもしれない。

彼女はこの年このステージでもバックバンドで競演したギタリスト弥吉淳二氏と結婚。作風を大きく転換させることになる。。。



私は今の彼女を否定しない。リラックスして音楽を楽しむ彼女の歌もまた悪くはないから。

しかしこの映像で観られる圧倒的な高みに達した椎名林檎はもう存在しない。トレードマークのホクロと同じように。。。

そしてこの瞬間の彼女のような女性シンガーもどこにも存在しない。

そして私が心から愛した椎名林檎は白目をむきながらギターをかき鳴らし、折れそうな心を目の前で何度もステージに叩き付け続けたこの日の椎名林檎だったのだと確信する。



これから3回目の観賞をします。。。みなさんお休みなさいzzz



『実演キューシュー座禅エクスタシー』椎名林檎DVD本日発売!!!

追伸・・・wikiを見てたら昨年話題になったイギリスのシンガーソングライターMIKAが椎名林檎のファンらしいです(笑)JPOPが好きみたいですね(^^
ロックって何なんだ?・・・なんて問いかけて。

オレはロックから離れられないのさ。。。なんてニヒルに言ってみたりして。

真摯なコメントも多数頂いて。。。



次の記事がこれかよ・・・ってホントすみません(^^;いつもすかしてばかりで(笑)
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theジブリset/DAISHI DANCE

まぁ過去にルパン三世を紹介したり、今年一番最初の記事もディズニー絡みで『星に願いを』を紹介したりとそれなりにファニーな変化球を織り交ぜながら進行する当ブログではございますが。。。

これはある意味直球?っていやぁ、直球っしょ?(笑)好きなんすよジブリ(開き直り笑)ジブリっつーより宮崎?駿?最高っすよ、ちょークールなオヤジっすよね〜なんてチョイ悪ぶっても無理?(笑)


ささくれだった心が少し洗われますよ〜まじで。


宮崎駿といえば久石譲の音楽は切り離して考えられません。ヒッチコックとバーナード・ハーマン、セルジオ・レオーネとモリコーネ、フェデリコ・フェリーニにはニーノ・ロータ。。。

フェリーニなんてロータを失って作風まで変わってしまうほどの名コンビだったわけでフェリーニもニーノ・ロータも大好きなんですけど久石譲抜きの宮崎アニメもありえないです。

最近では『ハウルの動く城』のテーマになった「人生のメリーゴーランド」。これは迷走する映画を手助けしてると言っても良いぐらい音楽が印象的でした。哀感漂うメロディがニーノ・ロータを思わせます。。。

「人生のメリーゴーランド」daishi dance



このアルバムは国民的アニメ、ジブリミュージックをDAISHI DANCEという札幌出身のDJがハウスアレンジでリアレンジしてRECしてます。

DAISHI DANCE。。。本名大志とか見せかけて石田?ダーイシ?(笑)どうでもいっか(^^;実際彼のプロフィールについて詳しくなく申し訳ないのですが。。。

このジャンルではそれなりに名の通ったDJのようですよ。おそらく(汗)


北海道出身てなこともあってか?店頭で派手にプッシュされてました。原曲の良さを殺すような冒険をしてないのが私にはありがたいです。ひじょうにマッタリと心地よいベタなハウスに仕上げられてるのが嬉しいですね。



あぁ・・・ひとつここでお断りしておきたいのはあたしゃぁ”アニヲタ”でも”ナウシカ萌え〜”ってわけでも無いってことで(笑)

基本ロックンロ〜ルですからね(声が裏返ってますけど笑)Sex&Drugs&Rock’nrollですから(^^;

いやアニメ文化自体を否定するワケでは無いです、幼い頃から親しみましたし、人それぞれ嗜好がありますから。。。あたしゃあ違いますよ、ってことです。ま、ま、マジで。。。(^^;必死に否定するところが怪しい?(笑)


でも宮崎駿はホントに大好きなんですね。変わり者の天才が好きなんですね、頑固ジジイ兼天才作家みたいな。表現者としての業の深さを感じさせる人ですよね。

インタビューとかするとゼンゼン良い人じゃないんだけど(^^;そこがまたいいんですよね、左翼思想なんかを批判する人もいますが。。。結果的に誰もが安心して子供に見せられる国民的な映画監督です。

お子様向けのもっとも”間違いのない”アニメーターだというのも紛れも無い事実ですけど。

一方で千と千尋は日本映画の興行収入成績ダントツのNO1であり続け、ベルリン映画祭では実写映画も含めたコンペ参加作品の中で金熊賞グランプリを獲ったわけです。アカデミーの最優秀アニメも獲りましたね。

ヨーロッパでの知名度も高いようですし、『もののけ姫』の曖昧な善悪の描き方やどっちつかずのエンディングは難解とされました。(日本ではまた別な見方があると思いますが)

いわゆる宮崎の子供向けアニメの代表作でもある『となりのトトロ』はその一方でキネマ旬報の評論家が選ぶ実写も含めたその発表年度の最優秀作品、第1位に選ばれてるんですね。

今みたいに宮崎ブランドがまだ確立してない時代の話です。映画好きの私としてはキネ旬で1位に選ばれたアニメってどんなものなのか?って興味でナウシカより先にトトロを見たと思います。

その後彼の劇場公開作品はみんなビデオなりDVDなりで観てますし、全作品DVDも持ってます。『もののけ姫』以降は映画館で観てます。姪っ子や甥っ子と一緒にですが。

『ポニョ』も観たいのですがおっさん一人じゃ行きにくいですね(^^;とりあえず『ダーク・ナイト』を優先して観ようかなぁと考えておりますが。。。

というぐらいの大ファンなわけで、同時に久石氏の大ファンでもあるわけです。

早速姪っ子にも送ってあげました。ジブリファンなら楽しめると思います。寝苦しい夜も少しは爽やかに安らかに眠れるかもしれません。

「もののけ姫」daishi dance

さてここでひとつ夏らしく『となりのトトロ』に関する都市伝説について書きたいと思います。もしかしたら読んで不愉快になる方がいるかもしれないのでそういう方は回避を。記事を灰色にしときますね。











・・・うちの姪っ子から最近テレビ放送があった後聞いた話なんですが・・・早い話トトロは死神でさつきとメイは死んでいる。という話。

ネット上ではけっこう有名な話らしくwikiにもジブリがそのことについて公式に否定してるなんて話まで載ってます。

自分なりにネットでも調べて更にDVDを見直して検証してみました。


さつきとメイは途中で本当は死んでいて、父親が生きていたらこうなっていて欲しかったという願望を
書いたのがとなりのトトロであり、作中でずっと書いていたのはその原稿だという話。

トトロというのは死神、冥界への使者であり、トトロに会った人は死が近い、もしくは既に死んでいるというのが裏設定としてあるとのこと。

トトロはトロールのもじりでトロールは北欧では邪悪でけむくじゃらな巨大な妖精らしい

母親が入院してた七国山病院のモデルが実際にあってそれは八国山病院と病院だそうで末期患者や精神疾患患者を収容する場所だったとのことで母親が退院するエピソードも父親の願望とのこと。

物語中メイが行方不明になって池でサンダルが見つかる下り、あの時メイは池で死んでいてメイのサンダルを見たさつきが「メイのじゃない・・・」と嘘をついているとの話。


そしてさつきはトトロに会いに行き、トトロにメイが迷子になったから探してくれと頼む

さつきは自ら冥界への扉を開け、冥界へ魂を運ぶ乗り物猫バスに乗って自分もメイの元へ向かったと。。。(つまり死の世界へと)

病院のシーンで母親が「今、あの木のところで、さつきとメイが笑ったような気がした」

と言うシーンについても死期の近い母親だけには二人の姿が見えていて、二人は近くまできているのにも関わらず両親に会わずにメッセージ付きのトウモロコシを置いて立ち去るのも二人が既に死んでいるからだという。

その他にも

・メイが行方不明になった後から、メイの影がなくなっている。
・最後のシーンでは全員が若返っており、実はあれは後の話ではなく、生前の昔のシーンをくっつけハッピーエンド風に仕立てただけ。
・物語の舞台は埼玉の所沢。この所沢で昭和60年代に姉妹が残虐された狭山事件をモデルにしている。
サツキ=五月(皐月かな?)
メイ=May=五月
狭山事件発生日が5月1日

DVDを観て再検証した私なりの結論。。。

結論から言うと物語全体としてトトロが死神を思わせるような描写はどこにもないし善良で愛らしいキャラクターであり死を司どる死神が生の象徴である森の精であるのもおかしいし

どんぐりの実を芽吹かせるシーンなんかもありますし。。。あんな死神はいないでしょう。

雨の日のバス待ちの下りなんかは少し不気味だったりはしますけどね。日本の湿っぽい怪談っぽい雰囲気は無いでもありません。森という場所も畏怖を抱かせる場所でもありますしね。

それからメイのサンダルはデザインがはっきり違いますし、サンダルを見てメイが死んでることを察知したさつきがトトロにメイを探してというのもおかしな話です

二人の影が無いってのはどこを指してるのか良く判りませんでしたがネコバスの中だとしたらあの中では影のつきようもないだろうし。。。

病院のトウモロコシのエピソードはあの映画の肝でもあるわけで、あそこで両親と会って抱き合って終わりだとサザエさんになってしまうわけで(^^;物語はどこに落ちるんだろう?と。。。

一見ひじょうにもっともらしくて食いつきやすい話なんですけど矛盾しまくってますし、ドラマツルギーを理解できてないんじゃないかな?なんて思ったりもするわけです。

怪談を書きたかった?あるいは象徴としてストレートに表現できないなにかを裏設定として表現してるとかならわかるけど。。。(まぁそれが狭山事件ということなんでしょうけど)

千尋は冥界からの帰還を思わせる表現が確かにあったりしますけどネコバスは地上に二人を戻して二人はカンタのおばあちゃんと抱き合うカットも普通にエンディング前に入ってますし。。。

話のタネとしては面白いですし、私もこの話を数人にしちゃいましたけど(苦笑)基本的にはまったくナシだなと思いました。

想像力を別な方向に使ったらよいんじゃないですかね?ある意味感心してしまいました。サザエさんの最終回の話とか。。。どうも不吉な方に日常を歪めたがるのは病んでるなぁと思ってしまいますが。

私もこんなところで遅まきながら話に乗っかってるって意味じゃ同罪かもしれませんが。。。

童心に返って自分で見返してみるのも一興かと。。。そんな噂抜きにして楽しい物語ですしね♪

では気を取り直して心地よい眠りを誘うdaishi danceのジブリサウンドでお別れしたいと思います。

ランランララランランラン♪でお馴染みの可愛らしいレクイエムから荘厳なメインテーマへのメドレーです。
「ナウシカレクイエム〜ナウシカ風の伝説」daishi dance


theジブリset
/DAISHI DANCE

01. 天空の城ラピュタ:君をのせて feat. 麻衣 *
02. 千と千尋の神隠し: あの夏へ
03. となりのトトロ: 風のとおり道
04. おもひでぽろぽろ:The Rose feat. Lori Fine (COLDFEET)
05. 魔女の宅急便: 海の見える街
06. ハウルの動く城:人生のメリーゴーランド
07. 風の谷のナウシカ:ナウシカ・レクイエム
08. 風の谷のナウシカ: 風の伝説
09. もののけ姫: もののけ姫
10. 千と千尋の神隠し:いつも何度でも feat. Chieko Kinbara
11. 耳をすませば:Take Me Home Country Roads feat. arvin homa aya
12. となりのトトロ: となりのトトロ

2008年発表

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なんか楽しくない。腹立たしい。そんな気分。。。
「リモートコントローラー」




う〜ん怒ってるなぁ林檎。放電してる。。。まだ若い。

意味ありげな歌詞だけど。。。

ネタばらしすると部屋が汚くてコンポのリモコンが見つからなくて怒ってるって歌らしい

オレもこんな気分。苛々して今にもキレそうな感じ。なんもやる気せんし。そんな感じ。



「眩暈」




この歌は確かレコード会社のスタッフへの怒りや苛立ちを歌ってたと記憶してる。彼女の本質を理解できないデビュー当時のスタッフゥ〜(怒)

そう思って聴くと恨みがましい不満がストレートに感じられて面白い。

オレもそんな感じ。不満タラタラ。判ってないし、判りたくも無い奴がいる。そんな感じ。



「時が暴走する」

これは眠らなきゃならないのにデジタルの時計はどんどん進んでく。。。もう朝じゃん!やべぇ!

って歌だろうな、そのまんまだけど。

オレもそういう時あるな。早起きしなきゃならないのに眠れない。もう3時。って感じ。(韻を踏んでみた)

無神経に朝が訪れる。。。時が暴走する。。。カッコいいね。

オレは悪夢にうなされはしない。だって夢を見ないからね。




椎名林檎が10周年を記念して、いままでアルバムに収められたことのなかったシングルのカップリング曲などを集めて発表した『私と放電』

上に紹介した3曲もそのアルバムに収録されたナンバーで初期の彼女のシングルのカップリング曲だったんだけどクオリティが。。。ひたすらに凄すぎる。

なんでアルバムに入れないの?当事はシングルのカップリングが楽しみであり嫉妬すら覚えたもんだ。


尖ってたんだろうね、彼女自身この頃のエネルギーを今ではもう説明できないんじゃないだろうか?ひたすら放電を繰り返しビリビリ電気を放射してる感じだった。


オレもそんな感じ。若い頃はね。それなりにビリビリしてたよ。いやピリピリかな?うん?ヒリヒリ?(笑)今はいろんなとこで大人になって・・・つまらんわ。林檎の音楽はいまは熟して別な味わいがあるけどね。



人事異動で本社移って髭剃って、髪も短くしてあらいい男じゃん(笑)でもオレじゃないわ、この顔は。

あぁつまらん。つまらんことだらけだな。フルボリュームでAC/DCでも聴きたい気分だわ、放電繋がりで(笑)

てな感じで公私ともに気分が乗らないことが重なってるんだわ、って感じです。更新も訪問もボチボチが更に倍!って感じになるかもしれませんがご容赦をm(_ _)m


もしかしたら明日は爽やかな朝の目覚めが突然訪れる。。。なんて希望も込めながら最後はこの曲。。。
「あおぞら」


これは林檎がいとこ?の男の子を励ます為にはじめて(か2曲目ぐらい)作った曲。その子に聞かせた感想はドリカムみたいってことだったらしいけど。原田知世が歌っても良さ気だね。。

こんな爽やかな林檎もたまにはいいわ。

じゃぁの

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”腐った奴を正しい奴が引き裂いてやるのは良いことなんだろう

神様だってそうするはずさ 神様だってそうするはずさ。。。”

身を切り裂くようなヒステリックなギター、どす黒い感情の中で低音で唸るベース、無軌道に暴れまわる太鼓の音。。。
振り絞るようなギリギリの声で”だから殺してやるのさ 美しく光るナイフをくれてやるぜ”と歌われる「★★★★★★★★★」

腐ったいまの世の中を切り裂きたいと願う正義の刃なのか?それとも自制を失った狂人の戯言なのか?


”何が正しくて何が間違いなんてこの世の中には存在しないはずなのに

ボクの両肩に舞い降りてきた黒い星はそのまま張り付いたままで

悪魔に心を売ったわけじゃないのにいくらこすったってとれやしないんだ。。。”


毎日のように心凍らせる残酷な出来事が報道されている。光と闇の境目で何が正しくて何が間違ってるのか?判らなくなるのは私たちもまた一緒ではないだろうか?

心の中で罪と罰が交錯する震える心、混乱する引き裂かれた感情が歌われている。。。

一体ここはどこで一体何が正しいんだろう?


ブランキージェットシティの2枚目のアルバムにして最高傑作『BANG!』

個人的にはミッシェルと共に”日本のロックとして”なんて逃げ口上を全く必要としない唯一無二の個性を持ったバンドだと思っている。そんな彼らの活動歴にあって決定盤と言える1枚。

郷愁を誘うメロディに、突き刺すような剥き出しの浅井の詩が時に内省的、時に能動的に乗せられる

人の心の闇、弱さや醜さ、繊細な少年の心の中の街を”JUSTICE”とロゴを彫った想像力の羽根を付けたバイクを刹那なまでにフルスロットルで走らせる。。。そんな作品だ。

冒頭に紹介した曲は★で伏せられてるが原題は「人殺しの気持ち」。ピート・タウンジェントは”説明できない感情”をビートといかしたリフに乗せて若者らしく快活に不機嫌に鳴らした。

それが無邪気に思えるほど”説明できない黒い感情”を荒れ狂うビートの嵐の中で地獄の番犬に追い立てられるような焦燥感とともに歌いきった問題作。

今の時代に問われるべき箴言であると同時に、不道徳の極みだと忌み嫌われる歌なのかもしれない。。。


もっと身近な心情で人の心の醜さや弱さにについて触れた代表作「ディズニーランドへ」
「ディズニーランドへ」

ベンジーこと浅井健一の少年のようにナイーブな叫びが心を打つ。

主人公はノイローゼになってしまった友達からディズニーランドへ一緒に行こうと誘われる。心優しい主人公は”勿論”と約束してしまうが心の底では行きたくない。
気の狂ってしまった友達と一緒にいる所を人に見られたり知られたりすることが辛くて、恥ずかしくてたまらないからだ。
そして彼はその約束を自分が破ってしまうことを知っている。そしてそれを友達に告げた時どれほど悲しむだろうと心を痛める。。。

最後の一節はこうだ

”そしてボクは冷たい人間の仲間入りさ”

文学の世界なら珍しく無い主題だろう。しかしこれを5分余りのロックで簡潔な言葉で歌いきるのは容易ではないと思う。その出来上がりはどこにも文句のつけようがない。

ここでもまた感情が交錯している。彼の好意と優しさに端を発した偽善的な行為は結果的に友達を更に傷つけてしまう。それに心を痛めながら自分が冷たい人間だと嘲る行為もまた欺瞞であり偽善という袋小路に陥っている。

誰にも似たような経験がひとつやふたつあるのではないだろうか?その愚直なまでに真っ直ぐなメッセージはそのシンプルさゆえに心に刺さったまま抜けない棘のようだ

静かにリズムを刻むアコースティック・ギターのイントロから音が徐々に厚みを増しドラムのビートが雪崩れ込んでくると繊細な世界は沸点に達し暴力的な感情をほとばしらせながら暴発する。。。


アルバムの幕開けはアルバム中もっとも激しく粗野なサウンドで噛み付き、喰い散らかすような「レインドッグ」。。。

雨の国道を車で走っていると道路沿いに無表情に濡れながら立つ”地上に落ちてきた天使”と出会う。彼はみんなが自分の歌う歌を気に入らなくて下界へ追放したのだと言い彼にその歌を聞かせる。。。

浅井が得意とする映像的な妄想を喚起する歌でハードでゴリゴリしたギターのリフに絡む暴れるドラムスの激しいフィルがスピードを加速する。。。ロードムービー風の歌

狂気と繊細さを合わせ持つ天才マッド・ドラマー中村達也の歌うようなドラムと対照的に、派手さは無いが武骨で芯の太いラインでバンドのボトムを支える照井利幸の重厚なベースが印象的

日本ロック史上最強のロックトリオと呼ばれるのも納得の轟音アンサンブル。
「レイン・ドッグ」

続く「冬のセーター」も彼らの代表作でハードなブギーのリフにマシンガンのようなスネアの音が炸裂する、独特な表現とイメージのカットバックで聞き手の想像力を刺激する

ひとりぼっちのベッドルーム。モデルガンで主人公は一人で遊んでいる。映画”タクシー・ドライヴァー”の主人公を思わせる孤独なシチュエーション

テレビの中のニュースキャスターに向けて引き金を引くところでイメージが飛翔する。。。”核爆弾を搭載したB52爆撃機が北極の近くで行方不明になった”そうニュースキャスターは喋り続けてる

孤独な一人遊びに興じる主人公の心を描写するように”今年の冬はとても寒くて長いからおばあさんが編んでくれたセーターを着なくちゃ”。。。外は吹雪、吹雪、氷の世界だ。。。

独特のリリシズムをヘヴィなリズムに乗せて場面を一見脈絡無く転換させながら収束させてく展開は見事。あくまで激しい轟音の中で少年のような甲高い叫び声でベンジーが歌い続ける

”モデルガンを握り締めて僕は自分の頭を撃った そのままベッドに倒れこみ 死んだふりをして遊んだ”

孤独と狂気の寸前を感じさせるシークエンスは更に増長する。”今にも泣き出しそうなピエロが俺の頭の周りをグルグルと回り始めた”と金切り声で叫ぶ。。。「スーン・クレイジー」

デヴィット・リンチの映像表現を思わせるようなシュールで訳の判らないユーモアを交えた狂気を孕んだイメージが次々に聞き手の脳裏に直接焼き付けるように飛び込んでくる

”キミはもう知ってるかい?この宇宙はもうYesって言うのを止めるらしいんだ キミはもう知ってるかい?”

爆発寸前の小宇宙のコーダで”早く家に帰ってトム&ジェリーでも見ようぜ!”とアドリブのようにつぶやく台詞がチャーミング。

ドラムのブラッシングで刻むラテン風味のリズムに乗せちょっといかれた恋人達のエキゾチックな逃避行を歌う「ヘッドライトの枠のとれかたがいかしてる車」

ハンディの8mmで取ったフィルム映像のようなイメージでロマンチックでワイルドな恋人達のスナップが描かれる。。。安ホテルへ向かう坂の途中に誰かが乗り捨てた車があり

そのヘッドライトの枠のとれかたがいかしてる車の前で気取って写真を撮らないか?ってそれだけの歌なのだが言い知れない独特のムードに包まれてる。

『レインドッグ』辺りのトム・ウェイツを思わせる異色のナンバーでクリーンなトーンの美しい異国情緒漂うギター・ソロもこの曲のムードにぴったりだ。

続く「絶望という名の地下鉄」は発車する列車の如き勢いで爆発するサビメロからスタートする照井利幸作曲(作詞は浅井)の作品で

マッカートニーの「心のラブソング」を思わせるベースラインを効果的に使っている。タイトルは勿論エリア・カザンの映画”欲望という名の電車”をもじったものだろう

不穏な雰囲気を醸し出すAメロはマイナーに転調し、近未来を思わせるどこかの街のダウンタウンを描き”ブレードランナー”や”時計仕掛けのオレンジ”を想起させる視覚的なイメージをカットインする

メジャーとマイナーの転調がダイナミックな展開を生むカッコ良いナンバーだ。

「とけちまいたいのさ」はレゲエのビートを使いつつアコースティックに仕上げた不思議な空虚感を漂わせる小品。虚実が溶け合った世界を彷徨う主人公はこのまま青い空にとけちまいたいのさと願い歌う。

「クリスマスと黒いブーツ」は印象的なギターのイントロで始まる浅井独特のせつないメロディと世界観が合致したロックナンバー

太陽とか冒険とかクリスマスとか黒いブーツがこどもの頃からただ単純に好きなだけさと歌われる。賛成に一票!

ライ麦畑的な大人になることへのためらいと心の芯にあるいつまでも変わらないものの狭間で揺れる思春期的な感情が歌われる

タイトル曲の「BANG!」はロシア民謡みたいなユーモラスなリズムでストーンズの「マザーズ・リトル・ヘルパー」にインスパイアされたような佳作。

「冬のセーター」のように指をピストルにして恋人の頭を撃つ真似をして遊ぶちょっといかれた主人公もライ麦畑を思わせるような男の子

霧の深い街で離れ離れになってしまえばもう二度と会えないから、そばから離れないで綺麗な丘を目指そうと歌うロマンチストだ。

マイナーなメロのフォークバラッド「2人の旅」。どことなくマカロニウェスタン風な荒涼としたクールなメロに幸せな恋の詞が載り今日は二人でピクニックだよ、などと明るく歌われる。もしかしたら「BANG!」のカップルかもしれない。

しかし二人の旅の先に待ってるものは希望に溢れた青空ではなく暗い雲が立ち込める空かもしれない。。。それでも二人で歩いていけるとしか今の俺には言えないという少年の潔い決意が歌われている。

「小麦色の斜面」メジャーなコードで展開するスキッフル風のアッパーなナンバーでブランキー史上もっとも明るい曲だろう。

”見渡す限り小麦色の斜面の途中に止まってるトラックの荷台にワラをしきつめてその上に寝転んで息を吸うのさ”。。。ロマンチックな逃避行を夢想する少年の話だ

たおやかで美しい余韻の中、”想像力のカプセルを一つ飲み込んで目をつぶるだけさ”と歌われる、無邪気で罪のない現実から逃避した夢の中。。。

ヘヴィな内容のアルバムの最後を優しく温かい気持ちで締めくくり、救いを感じさせるが最後の言葉で残酷な現実に引き戻される。。。

主人公が新宿の雑踏の中で目をつぶって想像する。。。コーダ部分で繰り返される”目をつぶるだけさ”という歌詞の一番最後にさらっと歌われる”目を潰すだけさ”という歌詞

現実という狂気から逃れ無邪気な想像力の草原に逃げ込むには目をつぶるだけでは足りないのだという現実。

浅井健一・・・確かに彼はいかれたロマンチストかもしれない。。。
「絶望という名の地下鉄」


絶望と言う名の地下鉄に乗り込んで鼻歌まじりで行くぜ、この世界を。。。I LOVE YOU


BANG!
/BJC

01. レイン・ドッグ
02. 冬のセーター
03. スーン・クレイジー
04. ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車
05. 絶望という名の地下鉄
06. とけちまいたいのさ
07. ★★★★★★★
08. クリスマスと黒いブーツ
09. バン!
10. ディズニーランドへ
11. 2人の旅
12. 小麦色の斜面
/1992年発表

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