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桜隊原爆殉難者追悼会 今年の公演

◆特別企画◆ 新藤兼人監督シナリオ ヒロシマ――朗読構成

昨年の8月6日が土曜日にあたったため、大きな企画を立て、たまたま広い会場を使わせてもらうことになったのですが、今年も日曜日と考えると、昨年末から企画はなかなか煮詰まりませんでした。ずいぶんといろいろな企画を練りましたが、なかなか決定打が出ません。1月末でしたか、僕の持っていた本『新藤兼人・原爆を撮る』を演出家が見て目を通すと、「これ、上演できないかしら?」

シナリオとしては難しいと思っていた僕の目を開かせてくれました。そう言われれば、朗読劇の方が向くかもしれない。後は演出家の構成次第。交渉の手紙を演出家に任せて1か月ほど待ちましたか。

交渉は難しいかもしれない、そんな話の出た会議解散の後、僕の事務所に1枚のハガキが届きました。
新藤監督が全面的に了承してくれたのです。

今日はとりあえず、このシナリオへの新藤監督の熱い思いを、その著書から一部抜き出して紹介します。(チラシに掲載したものです)

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 映画「ヒロシマ」のシナリオは出来ているが、映画はまだである。
「原爆の子」「第五福竜丸」「8・6」「さくら隊散る」「原爆小頭児――ヒロシマのお母さん」と撮ってきたわたしは、しめくくりとして是非「ヒロシマ」を撮りたいと思っている。
 それは、原爆が落ちた瞬間を撮り残しているからである。(同書「未発表シナリオのこと」冒頭部分)

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《創作ノート》新藤兼人
 この映画は広島に投下された原子爆弾の実体を描くものである。
 原子爆弾を投下したのは、何処の国か、原子爆弾はどんな殺戮力をもっていたか、広島市民は何十万殺されたか、残留放射能はその後どんな風に人間の内臓を破壊したか。
 これらの問題は、よく研究され、明らかになって、世界の人たちは、研究結果の数字はよく知るところである。
 しかし、大事なものが残されている。それは原爆の『残酷』の問題である。一秒二秒三秒の間に何が起きたか、白閃光に人間が焼かれ、爆風に人間が吹き飛ばされ、何万という人間が悶絶した。その実体は、だれも示していない。
 原爆を発明した科学者たちが原爆投下の成功に歓声をあげているとき、広島の人間は死に向かってのたうちまわっていたのだ。
 アメリカは、原爆がどれほどの威力が、あるか、試して見たかった。試しに人殺しをやったのだ。戦争をする人は、どんどん人を殺すことが、勝つことだと思っている。
 原爆が投下された、人が殺された、あと広島が壊滅された。映画はその三段階の場面と取り組む。
 そうすることによって、原爆が投下されれば、どのように、どれくらいの人間が、一秒二秒三秒の間に殺されるかがわかる。
 映画『ヒロシマ』は、そういう一秒二秒三秒の映画である。(同書より)

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