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★ビーチ猫通信★
FreeTibet! Still & Simple Life ※荒らし/宣伝は、問答無用で削除します。

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『詩文集 独りの偵察隊 亡命チベット人二世は詠う』テンジン・ツゥンドゥ (著)、 劉燕子(編集・ 翻訳) 、田島安江(編集・ 翻訳) 書肆侃侃房
https://www.amazon.co.jp/dp/4863853645/?coliid=I30B4PIJ5EJK3G&colid=3RYYH1IBAEBZX&psc=1

著者のテンジン・ツゥンドゥはインド生まれの亡命チベット人二世である。
5〜6年前にダラムサラで彼を見かけたことがある。当時はチベット本土で焼身抗議が毎月のように起きていた時期であり、ちょうどその時も前日に焼身があったばかりだった。彼はその日の夜に行われる焼身者の追悼キャンドル・ビジルへの参加の呼びかけをしていた。頭にトレードマークの赤いハチマキを巻き、ピックアップトラックの荷台に立ってマイクで叫ぶ彼の姿は、「FreeTibetの過激なアクティビスト(活動家)」という印象だった。

彼は両親がチベットから亡命し、北インド・マナリの道路工事現場のテントで生まれた。マナリと言えば、昨今はダラムサラと並ぶインド山岳リゾートの人気観光地であり、夏場はインド人観光客があふれ返っている。そのマナリからラダックのレーまで473辧▲ぅ鵐疋劵泪薀箟曚┐寮こεな山岳道路であるマナリ・レー・ロードは、亡命チベット人の手によって作られたのだ。(電気猫も1往復半したことがあるが、4〜5000mの峠を3つも越えていく世界屈指の山岳道路で素晴らしい景観が楽しめる)

亡命二世の彼はまだ見ぬ故郷への思い断ち難く、大学卒業後にラダックから徒歩でチベット自治区へ密入国を試みるが、すぐに国境警備隊に拘束されてラサへ送られ、3か月の刑務所暮らしの後インドへ強制送還された経験の持ち主だ。他の多くの亡命二世と同じく、インドにおいては国を失った「難民」扱いであり、チベット人でもなく、さりとてインド人にもなりきれない宙ぶらりんな存在。その自らのアイデンティティを求めて彷徨い考え抜いた一つの到達点が、「独立派(TYC)、FreeTibetの過激なアクティビスト」という顔なのだろう。

彼らアクティビストは、亡命政府や法王による「チベットの高度な自治を求める中道路線」とは一線を画し、独立を標榜し(非暴力の)過激な抗議活動を展開している。しかし、それはあくまで世界やインド国内の支持を得るための手法の違いに過ぎないのであって、チベットへの思いは何も変わらないと考えているようだ。確かにダライ・ラマ法王への敬愛の念は、一般のチベット人と全く同じに見える。この辺りは、同じ過激派と言っても暴力的なイスラム過激派などとは全く異質で、いかにもチベットらしいところだと思う。

そして、この詩集ではその過激な側面とはまた違う、彼の別の顔を垣間見ることができる。
望郷の思いを胸に秘め、インドというカオスの中を彷徨う難民青年の心の葛藤が実に素直にストレートに表現されている。

 ラダックからは/チベットがちらっと見える
 人は言う/ドゥムツェの黒い丘が見えたら/そこからチベットだよ
 初めてぼくが我が祖国チベットを見たときのこと 〜

 大地の匂いを思いきり嗅いだ
 土をしっかり握りしめた 〜 『独りの偵察隊』
 
野生のロバ(キャン)や鶴が自由に行き来できる国境に立ったとき、彼は何を想っただろうか・・・

序文はチベットの女流作家ツェリン・オーセル(北京で自宅軟禁中の彼女がこの本に序文を描くこと自体大きなリスクを伴う)、扉絵は劉毅(漢人でありながらチベットの焼身抗議者の肖像画を描き続けている反骨の画家)。
普段詩集などにはあまり縁のない電気猫でも、非常に興味深く読むことができたオススメの詩文集である。

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『ツァンパで朝食を』写真・文:渡辺一枝 (本の雑誌社)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4860114310?pf_rd_p=3d322af3-60ce-4778-b834-9b7ade73f617&pf_rd_r=XHH7FQPJFJS870Q1T1WT

作家 渡辺一枝の最新チベット写真集である。
渡辺一枝といえば、自他ともに認めるチベット大好き人間であり、これまでチベットには何度も旅をしてチベットに関する著書も多数出版している。子供のころのあだ名が「チベット」だったというから、そんじょそこらの(電気猫も含めて)にわかチベット好きとは違い、筋金入りのチベット愛に溢れた人なのだ。
その著者が、30年にわたって撮り続けてきたチベットの風景、人々の暮らしを1冊にまとめたチベット紀行の集大成! とくれば、これはもう(少々お高くても…)買うしかないではないか。

もちろんあくまで著者の本業は作家であってプロの写真家ではないので(写真ド素人の電気猫にはわからないが…)プロのテクニカルな視点で見れば、色々と突っ込みどころがあるのかもしれない。しかし写真の価値とは、そんな上っ面のテクニック以前に被写体への「思い入れ」と「愛」が何よりも重要なファクターであろう。そういう意味でこの写真集は、これまでに出た数多あるチベット写真集の中でもトップクラスに「チベット愛」に溢れた写真集であり、その愛が見る人の心にも静かに染み入ってくる稀有な写真集だといえよう。

まずはいきなり、表紙のチュパ(チベットの民族衣装)を着て微笑む愛らしい少女の表情に、心を鷲掴みにされてしまう。撮る側と撮られる側の間に何の隔たりもない、その場のアットホームで暖かな空気感までもが伝わってくる写真である。少女は著者に完全に心を許し、著者も彼女にカメラを通して限りない愛を送っている。その心の交流の一瞬を見事にとらえた写真だ。こういう写真はどんなに高度なテクニックや高価な機材をもってしても、撮れるものではないだろう。足繁くチベットに旅をして現地の多くの友人たちと長年にわたり親戚づきあいをしている著者にしか撮れない写真だ。

オールカラー280頁・975g!の中身も、ありきたりなチベット写真集とは一味違う。いわゆる絵葉書的な”雄大なチベットの大自然”や”壮麗なチベットの大僧院”といった一般受けするフォトジェニックな写真はほとんど登場しない。そうした「チベット入門」レベルから一歩踏み込んで、さらに深く生身のチベットを知りたいという人向けの写真集だと言える。
そこには、祈り・民族衣装(チュパ)・髪飾り・装身具から食べ物、生活雑貨、家そしてヤク糞まで・・・チベット文化(衣・食・住)の幅広いテーマにわたり、著者ならではの女性目線で切り取った写真が並んでいる。キャプションは必要最小限、その代わりテーマごとに1〜2頁のコラムが挿入されている。そして締めくくりは愛すべきチベット人たちの笑顔が満載である。

チベットの有名観光地でよく見かける悲しい光景がある。高級車や観光バスで乗り込んだ漢人カメラマン(富裕層の観光客)の群れが、チャイナ・バズーカ(日本製高級一眼レフに超望遠レンズを取付たもの)を ”目の前にいるチベット人” に突き付けて有無を言わさず写真を連射する・・・チベット人の表情は硬く強張り、全身で嫌悪と諦めを表している。現代のチベットの状況を象徴するような光景だが、そのようして撮られた”暴力的な写真”の対局にあるのがこの写真集なのだ。

是非書店で一度手に取って見ていただきたい。あなたが「本物のチベットマニア」なら、このチベット愛に溢れた”ヤクバターの匂いがしてくるような”写真集をずっと手元に置いておきたくなることだろう。

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『天空の聖域ラルンガル ― 東チベット宗教都市への旅』(集広舎) 川田進(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4904213734/

「ラルンガル」…この言葉を聞いても「何それ???」という人が日本ではまだまだ多数派である。おそらく「チベット仏教(or問題)界隈」や「秘境・絶景好きなバックパッカー界隈」を中心とした極めてニッチな領域の人だけに知られた名前だろう。
しかし、著者は90年代から東チベット(アムド、カム)に足繁く通い、ラルンガルがまだ中国の地図にも載っていない97年にその存在を偶然知ることとなる。そして日本でラルンガルの名が知られる以前の2001年に初めて訪れている。そこで著者はラルンガルの魅力に惹きつけられ、チベットの宗教と政治を考察する上でラルンガルの重要性にいち早く着目する。それ以来6度現地を訪れてフィールドワークを重ね、その成果を1冊にまとめたものが本書である。

著者は本書に先立つ2015年にラルンガルも含めた東チベット研究の成果として『現代宗教文化研究叢書4 東チベットの宗教空間 ― 中国共産党の宗教政策と社会変容』(北海道大学出版)を著しているがこれは高価な専門書であり、今回は一般向けにラルンガルに的を絞った内容となっている。
本書ではもちろん2015年以降のラルンガルを巡る新たな動向…2016年の外国人立入禁止以降の新たな僧房破壊と改造・観光化政策やNHKが2017年にBSで放送したラルンガルのドキュメンタリーについても言及されており(今年3月に放送の続編はさすがに無理だったが)、現時点におけるラルンガルに関する最新情報を網羅した労作といえる。

電気猫は2015年春、外国人立入禁止となる前年に現地を訪れた。当時はまさか翌年から外国人が排除され、僧房が破壊され、露骨な観光化の改造工事が強行されるとは夢にも思わず、山上のラルン賓館(ホテル)に泊まり僧房も訪問したが全く緊張感は感じられなかった。
しかし今にして思えば、中心部のラマ・ラカンのすぐ近くでは巨大なビルが数棟建設中でダンプが砂煙を挙げて行き交い、麓の鳥葬場は既に観光客向けの醜悪な観光公園と化していた。この時点で、ラルンガルの破壊と観光化計画は着々と進んでいたのである。またアニ・ラカンの背後には前年の火事の焼け跡が広がっており、この火事が僧房破壊の格好の口実(防火・環境整備)に使われた可能性は高いと思われる。

ラルンガル(喇栄五明佛学院)は、1980年にニンマ派の高僧ケンポ・ジグメ・プンツォク師の小規模な私塾としてはじまり、文革後の小平による改革開放政策や当時まだ健在であったパンチェンラマ10世の後押しによって政府にも正式に認可され、ケンポ・ジグメを慕ってチベット全域から僧侶・尼僧が集まって規模が拡大していった。ちなみに喇栄五明佛学院という名称は、パンチェン・ラマ10世が命名したそうだ。

その後、拡大を続けて巨大化し僧侶の数が1万人規模になった2001年(著者の訪問直前)に、当局の最初の弾圧によって多くの尼僧や在家信徒が追放され僧房が破壊された。その後規制が緩和されるとまた膨れ上がり、電気猫が訪れた2015年には数万人?といわれる規模になっており、教職の僧侶に聞いても正確な人数は不明であった。そして翌2016年突然外国人が立入禁止となり、再び地元以外出身の僧・尼僧の多くが追放され僧房が破壊された。
前回との相違点は、今回は単なる宗教弾圧ではなく、改善・改造という名の観光化が主目的となっている点だ。中央に新たに広い道路を通し、そこから四方の斜面に防火帯を兼ねた遊歩道・階段を作り、その上に展望台を設置する。中心部には観光ホテルやショッピングモールを整備し、観光客を誘致するというものだ。

ラルンガルに著者が注目するのは、単に世界一の仏教僧院といわれる巨大さやその絶景ではない。新たな宗教施設の設置が認められなかった中国において、高僧の私塾として始まり学校(仏学院)として当局の認可を得て発展してきた過程や、宗派・性別・民族を問わず受け入れる先進性、当局のメンツをつぶすことなく粘り腰でギリギリの妥協点を模索する面従腹背の運営方針等に、共産党独裁国家中国において宗教が生き残る為の大きな可能性を見たからである。
特に中国国内の漢人在家信徒は知識層を中心に急激に増加してきており、ここで学ぶ僧・尼僧も約1割は漢人といわれている。また台湾・香港等を中心に海外の華人信徒からのサポートも手厚い。そして宗教が禁じられているハズの共産党員・幹部の中にも隠れ信徒が増えている現状…拡大する漢人信徒の今後の動向には要注目だ。

著者の慧眼どおり、ラルンガルは中国における宗教の在り方とその未来を考える上で極めて重要な存在であると言える。最近は日本でのダライ・ラマ法王のティーチングにも台湾・香港はもとより中国本土からも大勢参加者があるが、ラルンガルの影響力には到底及ばない。ポストダライ・ラマを考える上でもさらに重要性が増すことだろう。
まもなくカンゼ・ケサル空港が開港し、アチェンガル(今春から外国人立入禁止となったが…)も含めた新たな観光経済圏が動き出す・・・今後もラルンガルから当分目が離せない状況が続くと思われる。次回作にも大いに期待したいところだ。

2015年破壊前年のラルンガル
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アニ・ラカン裏に広がる2014年の火事の焼け跡
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建設ラッシュだった中心部分
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鳥葬の前にサンドパリの周囲をコルラする遺体
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露骨に観光化された鳥葬場
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「誠に勝手ながら、2019年12月15日をもってYahoo!ブログのサービスを終了することにいたしました。
ご利用のお客様にはご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。」


突然の一方的な終了通告には驚いた。

しかし、ブログ自体が退潮傾向で、私も含めて大半の人がFacebookやインスタグラムに主力を移してる現状では、いつかはこうなるだろうと思っていたのも事実…。

すっかり時代遅れとなったのブログだが、書き捨てのFacebookなどとは違って「個人記録のアーカイブ」としてはまだまだ有効なので、Amebaにでもデータ移行して一応続けようと思ふ。

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★2019 HAPPY NEW YEAR!★

★2019 HAPPY NEW YEAR!★
本年もよろしくお願いいたします m(_ _)m

May 2019 be a year of Peace, Health, and Happiness for all sentient beings (=^・^=)/

Ki Ki So So Ladgyaloo! Bhoe Gyalooo! (=^・^=)/
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新年の須磨浦の初日の出です。
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