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ネムリア王国では、すべての人々が眠っています。
王様も、王妃も、王女も、家来も、馬も、猫も…。
町民も、農民も。近衛兵ですら眠っています。
え?…みんなが眠っている隙に、泥棒が入るんじゃないかって?
いえいえ、大丈夫。
泥棒たち犯罪者も皆、ぐっすりと眠っていますから。
この国の者は皆、生まれた時から死ぬまで、ずっと眠っているのです。
だから、街はいつも、シーンと静まりかえっています。
え?…それじゃあ、どうやって生活しているのかって?
(いちいちウルサイなぁ、もう…)
大丈夫。彼らは、食事をし、歯を磨き、働き、恋をし、結婚し、子どもを育て、毎日嗤ったり泣いたり喧嘩したり…これらの行為を全部、夢の中で行っているのです。
現実世界の眠っている肉体が死んでも、彼らは夢の中では変わらず生き続けます。
だって、夢の中は、時間も空間も生も死も超越した世界ですから。
こうしてネムリア王国の住民たちは、ずーっと平和な眠りの中で、果てしなく生活していくのです。
もし、あなたが南太平洋の小さな島々をツアーで訪れることがあったら、その中の1つ…緑に囲まれた虹の多い小さな島…それがレムリア島ですよ。
…おっと!お気をつけ下さい!
その土地へ一歩でも足を踏み入れた瞬間から、あなたもネムリア王国の住民となってしまいますからね。…要注意ですよ!
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