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※注意/ネタバレあります。
題名で損している映画ですね。作品のイメージに全然合っていない感じがします。
おそらく当時ヒットした「暴力教室」に肖ろうとして、似た邦題を付けたのでしょうけれど。(善意に解釈すれば、「暴力で脱獄するというのではなく、暴力からの脱獄だ」と言いたいのかなあ…)
原題は「クール・ハンド・ルーク(Cool Hand Luke)」。…って、「図々しいルーク」?!
<ストーリー>
主人公ルーク(ポール・ニューマン)は、酔っぱらってパーキング・メーターを壊したため微罪で逮捕され、刑務所へ。
常にマイペースを保つルークは、取り巻きに囲まれている親分格の大男ドラッグ(ジョージ・ケネディ)と衝突し、1対1の決闘をする羽目になります。
取り巻きを求めるドラッグと、孤独を愛するルークは水と油の存在。いずれはぶつかる時が来たのです。
実はルークは、からっきし喧嘩が弱いのでした…。
しかし、殴られても殴られても立ち上がり、何度も向かってくるルーク。
いつしか周りの声援もやみ、静寂の中で一方的にドラッグがルークを殴る音だけが響きます。
そんなルークに、次第にドラッグは畏れを抱き、殴り続けるのをやめます。「これは俺の負けだ」と感じたのかもしれません。
そして、次第にルークを認めるようになるドラッグ。
ある日、卵の大食い自慢をしている傍で話に割り込み、「俺なら50個は食べれる」とうそぶくルーク(こんなところもCool Hand)。
早速実行することになり、受刑仲間の間では食べることが出来るか否かで賭けが盛り上がります。
…まぁ、なんとか仲間の協力もあって全部食べちゃうんですけどね。
強制労働で長い道路を補修することになったとき、仲間達は、あまりに長い道路にウンザリしてやる気をなくしていますが、ルークが彼らを盛り上げてハイテンションな状態にし、あっという間に労働を終わらせてしまい、残りの時間を自由時間にするのでした…。
こうして一目置かれるようになるルーク。
そして脱獄に成功したルーク。彼は一躍仲間達のヒーローになりますが、冷酷な刑務所長の追跡により、再び刑務所へ連れ戻されます。
怒り狂った所長の過酷な懲罰(いじめ)で、さすがのルークも降参し服従してしまいます。
ところがこれを見た仲間達は、ヒーロー視していたルークのぶざまな姿を見て幻滅し、今度は一転してルークに対する無視やいじめにかかります。
ところがまた、ルークは脱獄するのです!
ルークは反骨精神を失っていなかった!
喜ぶ囚人仲間達。
・・・しかし、冷酷な刑務所長は、ルークに捕らえ、遂には殺してしまいます。
ルークの死を知った仲間達は衝撃を受けます。怒り狂ったドラッグは、刑務所長に掴みかかります。
落ちて割れる所長の眼鏡。看守達に引き離され、独房へ連行されるドラッグ。
激しい雨…。
冷酷さの象徴だった刑務所長の眼鏡が、地面の上で割れたまま雨に打たれています…。
テーマ音楽のギターの旋律。
ラロ・シフリンの音楽が切なく美しく、心を揺さぶります。
ラストシーン。
夕日の中、屋外労働中の囚人仲間達。ドラッグだけは足に懲罰用の鎖鉄球がつながれています。
相変わらず威勢の良いドラッグが、囚人仲間と共にルークの伝説を語り合っています。
まるで希望そのものについて語るように。
エンディング。
強大な体制に反抗する精神の物語としては、「カッコーの巣の上で」を彷彿とさせます。
単なる脱獄映画ではありません。孤高の心、反骨、そして「個人」を讃美している作品だと思います。
押しつぶされても抑圧されても、個人として生きようとする心意気!
この映画は「組織や集団が大好き」という人には感動できないかも(笑)。
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