理学科
高倉 かほる
TAKAKURA, Kahoru
教授
担当/物理学
学歴/ 立教大学理学部物理学科 1968 年卒業
Rikkyo (St. Paul's) University, The Faculty of Science, The
Physics Department,
1964, April - 1968, March B. Sc. (1968, March)
学位取得 北海道大学理学博士 1990 年
The University of Hokkaido, The Faculty of Science,
Doctor's Degree, 1990, March
The title of the doctor thesis is " Irradiation Effects on Nucleic
Acids of Vacuum Ultraviolet Light and Soft X-rays Arising
from Synchrotron Radiation ".
研究領域/ 生物物理学 Biophysics
研究内容/
最近の研究活動 (Recent Research Activities)
1. シンクロトロン軌道放射光単色 X 線によるヒト培養細胞の染色体損傷の研究
Study of chromosome aberrations caused by monochromatic X rays arising from synchrotron radiation.
Cu-ATSM は、ヒトがん細胞に選択的に取り込まれる化合物として、最近注目されている。この Cu-ATSM を取り込ませたヒト培養細胞に、Cu-K 殻吸収端の単色 X 線を照射し、これによる染色体損傷の増感効果をみる研究を行っている。 Cu-ATSMを取込ませた上で、Cu に選択的に吸収される単色 X 線を照射することで、高いがん治療効果への応用が期待される。染色体損傷に加えて、細胞死をみるためのコロニーアッセイ法、誘導タンパク質を見るためのウェスタン法による解析を同時に行い、Cu-K 殻における光電効果と、これに伴うオージェ効果がもたらす、細胞死の分子的機構を明らかにしていく予定である。シンクロトロン軌道放射光による照射は、つくばにある高エネルギー加速器研究機構において行っている。
2. 重粒子線マイクロビームによるヒト培養細胞照射とシグナル伝達の研究
Study on signal transduction in human cultured cell irradiated with heavy-ion microbeam.
重粒子線は、低 LET の放射線であるX 線やガンマ線に比べて、重篤な損傷を細胞に与えることが知られており、最近、がん治療への臨床応用において良い成果が報告されるようになった。重粒子線による細胞への損傷機構を分子レベルで明らかにし、重粒子線がん治療のための基礎的データを充実するため、マイクロビーム照射法を用いて、照射に続いて誘発されるタンパク質を蛍光抗体法によって調べる研究を行っている。マイクロビーム照射は、個々の細胞内の誘発タンパク質の動的挙動を調べる上で有力な手段である。重粒子線マイクロビームの照射は、日本原子力研究所高崎研究所 TIARAで行っている。
3. X 線マイクロビームによる細胞照射と修復機構および細胞分裂異常の研究
Study of repair mechanism and abnormal cell division in cultured cell irradiated with microbeam X rays.
マイクロビームにかかわる技術は最近急激に向上し、マイクロビームX 線による生物への放射線照射効果を見る可能性が現実的になった。細胞中の核の部分の照射と、細胞質部分の照射を分けて行うことで、細胞の放射線による致死の分子機構をより厳密に分析することが可能になる。例えば、細胞質に存在すると考えられている、ある種のDNA 二本鎖切断修復酵素はどのような機構で核に生成されたDNA 損傷を修復するのであろうか、また、ある細胞中のDNA の放射線損傷は、どのような機構で他の細胞へ伝達され、細胞死や発がんを導くのであろうか? マイクロビーム照射により、一個の細胞に局所的エネルギー付与を行うことで、放射線損傷の修復過程における細胞内分子機構を明らかにしていくことができる。また、マイクロビーム照射により個々の細胞の細胞分裂の様子を時分割で追跡することが可能である。つくば高エネルギー加速器機構放射光施設で照射実験を行っている。
4. 共同研究プロジェクト
[I] Research Projects at KEK-PF
(高エネルギー加速器研究機構 放射光施設)
1) Project No. 2004G179 研究代表 高倉かほる
"軟X 線マイクロビーム照射による細胞内シグナル伝達の研究"
( Signal induction in cultured human cells caused by microbeam
monochromatic X rays irradiation )
2004, April - 2006, March
2) Project No. 2002G333 研究代表 小林克己
"細胞を個別に照射するための放射光マイクロビーム照射システムの開発"
(Development of photon microbeam irradiation system for
radiobiology) 2002, Sep. - 2004, Aug.
[II] Research Projects at HIMAC
(国立放射線医学総合研究所 重粒子線治療施設)
1) Project No. 14B452 研究代表 岡安隆一
"重粒子線とX 線による初期 DNA(染色体)損傷、修復の比較"
(Comparative study on initial DNA damage induced by
heavy-ion beams and X rays) 2002, April - present
[III] Research Projects at TIARA
(日本原子力研究所高崎研究所 イオンビーム照射施設)
1) Project No. 040413 研究代表 高倉かほる
"マイクロビーム重粒子線照射による培養細胞中のシグナル伝達"
(Single Transduction in Cultured Cells Irradiated with MicrobeamHeavy-ion Beams)
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関係学会/ 放射線影響学会、高分子学会、生物物理学会、放射光学会
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