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昨日の記事で、「人間である以上、妬み嫉みは誰でも持ち合わせている。ただそれをポジティブに活用出来たら、次なる飛躍につながる」と書いた。
くだいてのべるなら、妬み嫉みをバネにするのだ。

「督促OL修行日記」(榎本まみ著)を読まれたことがあるだろうか。
督促の仕事とは、クレジットカードのキャッシングなどで期日までに払い終えていない人に電話をかけ、入金を依頼すること。
就職氷河期にやっと内定をもらった信販会社で、心ならずもこの部署に配属された著者の、業務への絶望を経た後での奮闘ぶりを書いたノンフィクションである。

ルールに乗っ取るなら、カネを借りて期日までに返していない側の方にこそ非があるのだが、現実に受話器の向こうから響いてくるのは、こちらの人格を否定せんばかりの凄まじい罵声。
おまけに、上司からは債権回収ノルマを果たしていないと毎日のように怒られる始末。
「同期の〇〇ちゃんはバンバン回収しているのに、何で私は、、、。私はこの仕事、向いていないんだ」
と、仲良しなりに〇〇への妬み嫉みも加わって、ストレスのあまり半年で10キロも痩せてしまった著者が土壇場で踏み止まり、観察と研究から独自の「回収ノウハウ」を生み出し、年間2000億もの債権回収督促OLになるまでの過程がリアルにえがかれている。

著者の立派なところは、回収成績が良い先輩や同僚(もちろん先の〇〇ちゃんも含む)の交渉術をじっくりと見、参考になりそうな部分は素直にとりいれ、自分なりに消化して、さらに工夫を重ねたこと。
そのうちの幾つかを紹介すると、

・お客様のタイプを大きく4種類に分け、個々に対応を変える。
・怒鳴られたらグッと足を踏ん張るかつねる。
・「こう言われたらこう答える」ことを付箋に書いて常に目につくところに貼って置く。
・お客様に怒鳴られるたびにそれをポイントと考えてプールし、ある程度のポイントがたまったら自分にご褒美を与える。
・キツい言い方をしても最後のシメで優しい言葉をかけると相手に悪印象を与えない。

などなど、ここいらは他の仕事にも、さらに仕事以外のことにも応用出来そうだ。

読んでいて一番感動したのは、著者が仕事に慣れていくうち、電話の向こう側にいる人(お客様)の人生をも、会話を通じて馳せるようになっていったこと。
この点は、デモンストレーターの仕事にも共通するものがある。

優秀な同業者がいるがゆえの妬み嫉み。
うまく利用して、自身のスキルアップに繋げよう。
そうすれば自分も成長するし、自分を囲む周囲もまた成長する。

写真は今日の鴨川。
人の煩悩がどうであれ、川は流れ続ける。

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