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アッケラカンとした試食魔について、もう少し。

このおっさん。すでに書いたように、試食魔の「古参」であり、したがって私たちデモンストレーターや店舗関係者の間では知らぬ者はないほどの存在。さしづめ、試食魔大王と言えようか。

それだけに、何年前だったか、数ヶ月間その姿を見なかった時は、誰からともなく
「あのおっさん、どうしたんやろ?」
との声が出てきたものだ。

そうこうしているうちに、日は経ち、季節も移ろい、木枯らしはまだ吹いていないけれど冷んやりとしてきたなあと感じる晩秋の、ある店でのあるセール日。現れた現れた、馴染みのある、かのカオ。
間違いない。試食魔大王のお出ましだ。

「おじさん、お久しぶりね」
パスタを担当している私のデモ場所にきたおっさん。どうせいつものように食べ捨てるだけとわかっているのに、なぜかしら、おっさんは生きていたんだとの、ある種ホッとした感情も抱いた私は、自分でも意識しないうちにこのコトバを口にしていた。
「しばらく見かけなかったので、どこか具合でも悪いのかと、気を揉んでいましたわ」

とたんに、おっさんの顔がくしゃくしゃに崩れた。
「いやー、入り口でパン売っている子も、あそこでジュースを売っているオバハンも、同じこと、言うとったワ」。

「すまんのぉ、心配かけて。実は、この夏は仕事が猛烈に忙しくての。店をまわる時間がなかったんや。ワハハハハ」。
おっさんは、喉仏が見えるほど頭をのけぞらし、笑った。

はぁ、、、???
仕事が忙しい?

そうか、そうか、思い出した。このおっさんはれっきとしたワーキングマン。それも、相応のスキルを要する職種で、誰にでも出来るものではない。
なのに、どうして試食魔に?

とあらためて疑問を呈する前に、ここまでアッケラカンとされたら、こちら側は、もう返すすべがない。

ちなみに。
これはあくまで私の想像だが、おっさんの試食巡りは、もしかして、趣味ではないかと推察している、、、家電巡りが大好きな、知人の息子さんと同じ心理構造ね。

知人の息子さんの場合は、新しい家電が発売されるといち早くそれを確かめずにはおれず家電量販店やホームセンターなどをまわるのだけれど、試食魔大王のおっさんもそれに似た心境で、あちらこちらの店の試食コーナーを徘徊しているのかも。

おっさんが試食巡りにアッケラカンとしている理由がわかった気がする。

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「あの人、まだいるのかな?」。

滋賀県のある地域での仕事を受けるたび、私の脳裏には、
ある一つの思いが横切る。
繰り返す。
「あの人、まだいるのかな?」。

あの人とは誰か? 先にあげた滋賀県のある地域では、我々デモンストレーターや店舗関係者の間では知られた、現役の(!)試食魔。
私とは、デモンストレーターの仕事を始めて以来のお付き合い(?)。

彼は、しかし、先の投稿であげた「ホームレス」でも「下流老人」でも「ビンボーニート」でもない。ちゃんと勤めを持つワーキングマン。しかも、その職種たるや、相応のスキルを要するもの。

そんな彼が、なぜ試食魔になったのか?
ううむ、、、?

ただ、このおっちゃん、試食することにアッケラカンなんだよね。
またもや繰り返しになるけれど、
「ワシは客や。店がタダで提供するものをタダで食べて(つまり試食しても買わないとハナっから決めている)、それで買わんかったとして、何が悪い?」
この発想で動いているんだよね。

こういう試食魔さんには対処のしようがないよなあ。
それに、どこか憎めないし。

写真は、JR能登川駅内の時計台。

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