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美術における装飾とは

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   (上)「アカントスの葉」(『リーグル美術様式論』より)
               (下)「アルハンブラ宮殿.大使の間.イスラム模様」(『El arte hispanomusulmán』より)



  今回は日曜日なのにちょっと堅い話で恐縮ですが、イスパニア・ロマネスク時代における「装飾とは何か」ということを考えてみたいと思います。

  よく人間は「空っぽの空間を耐えがたいものと感じる感情」を持っているから、空虚な空間を埋めようとする本能をもっているといわれます。つまり「空間の恐怖」に対する心が装飾という概念を生んだということです。しかし人は無暗に空間を埋めるのではなく、規則的に構造的にその時代の文化要素を反映してなされています。

  アロイス・リーグル(『美術様式論』著者)やアウグスト・シェマルゾーは19世紀末の美学者ですが、後者は「装飾はそれ自体価値や目的を持たず、装飾するものの価値を媒介し表示するところの純粋形式である」ととらえています。もしそうだとすれば、動植物や人物などの形をした彫刻や宗教的象徴などは意味や目的を持っているので、純粋装飾ではないことになり、アラベスクのような意味をもたないイスラムの幾何学的パターンなどが装飾だということになります。

  このことは重要な意味を示唆していると思います。イスパニア・ロマネスク美術では、特に12世紀「盛期ロマネスク時代」においては、いわゆる装飾が聖堂の内外部を飾り立てるようになりますし、イスラムの純粋装飾(線や反復する幾何学模様など)が西欧のロマネスク美術と混交して、上記の意味での「装飾」と「非装飾」が混在するため、この混合美術がイスパニア・ロマネスク美術独特の魅力となったと思います。

  柱頭などによくみられる植物「アカントス・スピノザの葉」を載せておきます。この葉は自然物の直接模写ではなく、芸術的な創作物です。生命力を感じさせる植物としての象徴性を与えられています。単なる装飾ではありません。



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