犬のあしおと

ゆっくりと書いてゆくことにしました。

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いざ鎌倉vol.1

イメージ 1

S先輩と1年ぶりの再会を果すホワイトデーにいざ鎌倉へ。



青い空と暖かい光と穏やかな冷たい風の中、私達は再会した。

北鎌倉駅で手を振る人物がいるので小走りに駆け寄っていくと、

相変わらず個性的でかわいらしい格好をした先輩の姿がそこにあった。

「こんにちは。お久しぶりです。」って挨拶すると、

「久しぶりだね。今日は天気にも恵まれて散策日和だねぇ。さぁ行こうか。」

なんて声に私は1年間のブランクなんかすっかり忘れてしまった。




北鎌倉出発でまず向かった先は明月院。二人のお気に入りの場所だ。

アジサイで有名な場所だが、実は年中花や草木を楽しめる所で、有名なわりに割と静かでゆったりと

できる素敵な空間だ。

この日は園内に梅が咲き乱れていた。




上ばかりを見てデジカメのシャッターを切る。

園内をカメラ片手に歩いて、春の孟宗竹林を堪能しに行くと、カメラマンのおじさまのカメラ講義を

受講するはめに…。この日は初心者2人向け実習講座で講義内容は「被写体の写し方」。

初めは「はぁ…」と聞いていたが、そのうちにこちらも真剣になって取り組んでカメラレベルが

アップ!音はお決まりのドラクエで。

ファインダー越しに見ているうちに、さっきまでは気付かなかった足下に目がいく。

下には南天や水仙が咲いており、苔の花や山吹はその葉を青々と茂らせていて春の伊吹を感じた。

梅が香と緑の匂いと若竹の重なり合う音と頬にあたる光と風と…、五感をフル活用して歩く。

途中ミクロの世界にハマってしまいそうになり、危うくなってカメラから目を離す。




S先輩とはとりとめのない会話をしながら歩いた。

会話といってもいろんなものを見てそこから孟宗ならぬ、妄想をしたり、あれこれ例えて言葉遊び

しつつの珍道中で、お伊勢参りとはいかずとも、鎌倉くんだりを弥次喜多道中。

1年間のあれこれには全く触れずにまるで学生気分で、ってまだ私は学生ですがね、ふわふわした

会話を楽しんだ。




何分いたことだろう、ずいぶんとここで過した。

明月院という場所は一日いても飽きない場所で、きっと満足することなんて一生ないのだろうなと

いつも思うほどすばらしいのだ。それこそカメラマンはおもしろすぎて離れられないだろうな…。

会話をしながら拝観して、すごく満ち足りた気分になった頃、先ほどの先生とお別れしてここを

後にした。





源氏がどうとか平氏がどうとか禅宗がどうとかそんなんどうでもよくなっている滑稽者が

次なる所へ向かったのは、なんだかんだいって鎌倉五山の一つ、建長寺だった。




相変わらず観光バスやら工事用の車なんかが駐車されているだだっぴろいお寺に気疲れしつつも、

拝観料を払う。精神的若さが足らない感じと体力の衰えを同時に感じるもうすぐ24のワタクシ。

ダメダメDEATHね。あー、もうね、これは若者の形をした老人ですよって話。

食に関しても和食ラヴなんで、春は山菜とか食いたしですよ。魚は川魚がうましってね。




まぁそれはおいといて、行ってきました。

サンペキという蘭渓道隆が作った緑の池を見て、鎌倉学園の生徒の後ろをテクテクと歩いて山登り。

ってここの学生さん達はグラウンドまで相当遠いから休み時間をほとんど移動にとられて終わりじゃ

ないかとか思いつつ、っつーかこの冷たい風の中半袖短パンってすげーな、若いなとかいうつっこみ

いれつつ、ひたすら歩く。




すると、眼前に地獄の階段が現れた。ここを越えればモルドールまでショートカットできるわけ?てな

感じの階段は煩悩の数だけあるんじゃないかと思わせられる地獄な階段で、まぁその前に私の煩悩は

百八以上ありそうなわけで。はったり若さパワーだけでこの地獄階段巡りに挑み、山の頂の展望台を

目指す。




とにかく何もかも忘れてがむしゃらに登る。

分厚くて整備されていない階段にこけそうになりながらも進んでいくと、

ぶっきらぼうに作られた展望台がちょこんとあった。

青い空に白と薄墨の雲が泳いでいた。竜の背を思わせる山々があり、ふもとは点々と開山されている。

向こうの方には浜に向かって里があり、海が太陽を受けてきらきらと輝いていた。

鳥の生活する音と木々のざわめきと踏みしめる土の匂いと…少し汗ばんだ体にあたる風が気持ち

よくて、日だまりのできる展望台に寄り掛かって、ぼーっとそれらを眺めた。

動悸息切れに球心状態の私だったけれど、そんなこともこの景色を見て一気にふきとんだ。

がんばって登って良かった。建長寺ってこんなに楽しめる場所だとは思わなかったな。




こういう時シンプルなことに気付く。

登山は人生に似ているなと思った。

苦労して登って振り返った時に目に写った景色は山あり谷ありで、きらきら光っているところもあれば

影を引いているところもある。それでも、それらは必要であり、美しくなくてもそのものを形成する

ひとつであり、後に残るものなのだなと。人生ってそういうものだろうなと。

高村光太郎の「道程」とか思い出すあたりやっぱ文学少女なワタクシ。




右手に富士を望めるはずが、この日は雲がかかり残念ながら見えなかった。

きっと見えたら爽快だろうな。

日なたで一緒になって景色を眺めているS先輩の横顔が富士よりも手前にあるのに、

私の知らない遠い人のような顔をしていた。とても大人な顔つきで、なんだか自分が恥ずかしくなる

ようなそんな感じで。でも、この人にあったことが知りたくて、顔を背けたりじっとみたりの連チャン

で、きっと私は相当な変人だったに違いない。

二人とも大事な人を失った去年という1年ではありながら、こうも違うものなのかなと思った。

光がまぶしかった。



vol.2へ。


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