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学園のチャイムで13時だということを知り、下山。
午後の授業は眠いとか、数学とか英語とかだるいなとか6時限目の終わるのは15時15分くらい
だったような気がするとかそんな話をしながら、遅いお昼をとるために鶴ケ岡八幡宮の方へ歩いた。
車の排気ガスなんかにやられてせっかくの気分も台無しになりながら、切り通しを抜けて八幡神社で
お参りした。
ここへ来たら参拝後必ずおみくじを引くんだぉ、とかわいく言ってみたりしておみくじ運
の悪いというS先輩をひっぱってじゃらじゃらする。
両者共に吉と相成り、神の御言葉にじっくり耳を傾ける。
いつも今の自分にぴったりな言葉をもらうここのおみくじは、私にとってオーラの泉。
すっかり遅くなってしまったけれど、小町通りのおそば屋さんでゆっくり休憩。
町の喧騒とは切り離された空間に気だるい足を休めつつ、おいしいおそばに舌鼓を打つ。
そば湯までしっかりいただいて、このあとどうしようかとか古都巡りのお話だとかいろいろ話して
中間ポイントで、エネルギー補充。
日だまりの温もりに加え、お腹も満たされ少し眠たくなる。
離れ難くなりつつも、重たい腰を上げてレジ横の歯が丸見えのお空にアイーン像に別れを告げて、
引き返す。嗚呼、浮世なり。
この後どうしましょうと、予定なんてろくに立てずに歩いている私達が選んだ次の場所は、
私のお気に入りの妙本寺へ行く事に。
血みどろな場所なので、日が暮れると多少怖いところではあるけれど、日中の妙本寺は穏やかで
落ち着いていて私は好きだ。
昔は色鮮やかなお寺も今じゃすっかり落ちてしまい、木の温もりが感じられる素朴なお寺となって
いる。土日の日中はおじいさんおばあさんの参拝が多く、日だまりのできるお寺に腰掛けて、
猫を相手にお昼のお弁当を食べていたりする。実に和むのだ。日中は。
分厚い木の板をぽくぽくと踏みならしながらお寺の階段を上がって参拝。
その後、ふらふらしていると猫ちゃんを発見!ここの猫は堂々としていて素敵な猫が多い。
穏やかでワイルド。人懐っこいが、媚びない。自分の時間で歩いていく猫達。
平日だった一昨日は参拝者も少なく、私がお相手をすることに。
人懐っこい毛並の美しい女の子が来て、私のひざでお昼ねタイムとなった。
体をまんまるくして手で顔を隠して爆睡。寝息がひざにあたって熱い。
生きているという音がひざから伝わってくる。なんだかかわいくてたまらなかった。
背中をなでてあげてそのまま過していると、男の子がやってきた。
猫の集会所なんだろうか、ここは。と思っていたら、先輩におんなじ匂いがするんじゃないのかな?
って、にゃんだそれ?私はいぬどし生まれですよって関係ナッシング。
猫っぽいんだろかね気まぐれな所が。そのへんは自覚はしてますけど、何か?
猫と戯れていると雲行きがあやしくなって、お天気雨に降られた。
だんだん日も暮れて体がすっかり冷え込んでしまったので、まだ眠たげな猫に悪いけどって
別れを告げてお茶屋へGO!
カフェオレとココアを頼んで、昔懐かしのレトロな灯油ストーブの前であったまる。
そこでやっとこさ一年の二分を語り合った。
ぼんやりとした光とぬくもりとに包まれて、心から漏れる言葉に耳を傾ける。
すごくツラくて重い話でも決して悪い言葉なんかでてこないこの人の言葉がいつも不思議でならない
くらい心地よいのと心が痛いのとでいっぱいになる。自分のことなんかどうでもよくなってしまい、
一言も言葉にできなかった。
うなずいて、返事をして。
いろいろ聞く。
疑問に思ったことを聞いたりだとか、それは同感だとか一緒になって騒いだりして。
この人に起こった事を少しずつ知っていく。
それは安心であり、羞恥心でもあり…。
遠い存在に感じた。
底に残ったすっかり冷えてしまったココアを流し込んで、お店を出た。
あたりは夜の闇に包まれていたけれど、如何せんここは鎌倉で、夜は夜の気分を味わいたい我々は
都会へと移動するのであった。
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