|
手紙をいただきました。見慣れた細い毛筆の文字。
毎度お手製の贈り物にそえられたお誕生日カード。
今年は自家製ケーキ。今までも手提げ袋とか器とか、やはり手作りのものをその都度いただいている。
彼女は13年間某所にて古本屋を営んでいて、私が知り合ったのは開店する直前だったから、長いことおつき合いさせて貰っとるんですな。
私は誕生日などその他、折目節目を祝う習慣のない淡白な家庭で育ったので、殊更に年間行事に頓着せず、起伏のない一年を送ります。
かてて加えて片手指分の数の知己たちは、類友と申しましょうか、
恰も「たかだか地球上の一生命体の誕生した日を記念して祝す等と言う俗事を、毎年励行するなんざあ、武士にあるまじき愚行(いつ武士になったのだ)」
と言わんがごとく、
ひらたく言うと「今さらあんた誕生日でもねーだろ」で。
或いはまったく憶えていないせいで、または、この複合的理由に因り、とにかく毎年が、「ドゥ ゼイ ノウ イッツ バースデイタイム アーローン」なわけです。
わかってるわよ、目に見えるかたちは重要じゃないのよ!きっと「心のメール」と「心のブツ」を送ってくれてるのね。みんな。
で、そんな中、唯一彼女だけが、毎年律儀に3次元でお祝を送り続けてくれているので、
さすがに私の武士道精神(だから、いつから、ていうかその前提もおかしいし)もこの日だけは、
「たった一人でも忘れずにいてくれるんだなあ」と、その有り難さに身をつまされ・・・基、有り難く身にしみ入りつつ、と同時に、何かとぞんざいに日常を送ってしまいがちな私の襟元を正してくれるのです。
そして残り364日は忘却の河を渡る、と・・・。
お礼の返信、したためましたよ、もちろん直筆で。
・・・ピンポーン。「はーい」・・・ここまで書いて何やら宅配便が届いた様子です。てけてけ(往)・・・。てけてけ(復)。妹からもいただいてしまいました・・・。
ここまで書いた手前、どう納めればよいのか。いや、ここは悩む所でなく寧ろ喜ぶ所だろう。
しかし妹よ、姉キャラも考慮してくれたまへ。てろてろした仏蘭西文字の這っている葡萄酒なぞミスマッチも甚だしい。嬉しいです。ありがとう。
お、ラベルの裏に能書きたれておる。なになに?以下抜粋。
『ヴェルソー 水瓶座 ☆自由☆ ぶどう品種GRENACHE BLANC 辛口
改革とハプニングを象徴とする星を守護星に持つ。常識にこだわらない自由人。
ゴーイング・マイウェイの水瓶座には爽やかな飲み心地の「グルナッシュ ブラン」の白を。魚介類、白身肉などに好適。』
・・・文脈は意味不明ながら、妹よ、これによるとあなたの姉は社会人失格です。
彼様なアグレッシブ且つアバンギャルドな業は、財閥の令嬢にでも任せておこうと思うが、全国の水瓶座の方々どうか。
牧歌的地味道を極めんと欲す姉より。
|