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気温も次第に下がり、秋の気配は目にもはっきりと見えるようになってきた。
会社への出勤も、夜明けを待つために一バス遅らすことにした。寒冷前線は、波状的に雨を降らせ、季節の移り変わりを教えてくれる。
我が社のスタッフにはOJTの一環として、しばしば仕事上の課題を与え、それをクリアしてもらうことによって技術者、リーダーとなることを期待することがある。しかしながら、出てきた成果は、期待を大きく下回り、冗談か嫌がらせかと見紛うばかりである。
一週間近くの時間を与えたはずで、期待通りの内容であれば、担当者は1日か2日は徹夜かなと思っていた。しかし、ウィークデイにあまり作業をやっていそうもないので、休みに苦労しているかもしれないと祝日に会社に顔を出したが、その様子はなく、不安になった。出てきた成果は、最悪の予想どおりで、手もつけられない。10分で書けるようなペーパーを出してきた。予定はすべて崩れ、最悪の一週間が始まった。おそらく、何から手を着けていいのか分らない、文章でどう表現したらよいのか分らないということだろうか。
そもそも企画書提案書の重要性は私が就任してから口を酸っぱくなるほど言ってきたし、自分達でその分野の参考書を本屋に買いにやらせもした。語彙を増やし、文章力をつけることの必要性を何度も説明したし、そしてその努力なしには、将来はないとあれほど言った結果がこれである。
文書を書くことは、論理的な思考には非常に重要であるいうことをことあるごとに言ってきた。最初は未熟であっても、文章力のある上司に指導されることによって次第に上手くなる。自分の経験からもはっきりと言える。少なくとも技術的な文章は問題なく書けるようになる。センスではない、努力である。時間をかけ苦労して上手くなろうと努力した者しか、文章力は付かないのである。そんなことは文章力に限ったことではない。技術力も、営業力も、リーダーとしての資質も、人間力を磨くことももすべてそうである。
文章力がある人は、どんな人であろうと、それは努力した結果であろうと私は思う。
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