遅咲きのCEO

エコ・エネルギーによって美しい地球を取り戻そう

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 朝、部屋の冷房のスウィッチをオンするのを忘れて、午前中は仕事をしていた。九州もお盆を過ぎて、移動性の高気圧にすっぽりと包まれたような乾燥した空気が覆っている。

 かつての会社にたまに顔を出したところ、ある部署の統括部長から呼び止められた。

 何かと思えば、今の会社がかつて私がいた会社からの急に売上伸びているとのことで、裏で何かしているのではないかとのことであった。あまりの馬鹿らしさに言葉に窮してしまった。彼は昔からお互いに良く知っている技術者で、ここ数年、事業部のナンバーツーで頑張っていた。そのときもざっくばらんな話をしてきたが、今年度からその部署の責任者になった途端急に変身である。

 私のことも、かつて会社にいたときに、一緒に仕事もしたし、筋を通し不正に対して厳しく対処していたことを知っているではないか。それが私が会社を辞めて、新しい会社の経営者になったとたん急に態度を翻して、私が倫理に反するようなことをできるというのだろうか。むしろ、前の会社を出て、かつての部下や仕事を受けるにあたって慎重になっていた位で、決してかつての会社に甘えるような事はしなかった。いや、したくなかった。唯でさえ何を言われるか分からないのだから。

 ナンバーツーのときは、物分りのよい柔軟な発想をしていたと思っていたが、それはトップの指示、考えにただ従っていただけかと思いたくなる。もちろん、トップになったときの責任感や慎重さはナンバーツーの時と比べ物にならないと思うが、ピーターの法則の「無能レベルに達した」ということだろうかなど寂しく思う。

 私はかつての会社が、もっと大きな発想で大きく飛躍することを願ってきたし、自分でもそのようにしてきた。しかし、現状では縮志向で、大きな発展は望めそうに無い。それでは、絶対に駄目だと思うし、社員の中にはそれに不満の人間もいる。それでは、会社が駄目になりそうだから、私はいまの会社で、それをカバーできる体制を作り、技術者を養成して協力しようと考えた。

 しかし、こんなことをくだんの管理責任者にしたら、理解するどころか怒り出すだろうな。それでも、本当は誤解を受ける危険があっても前に進まないといけないと思うが、少し信念が鈍る。コンサルタントとして規模が大きくなりすぎたのだろう。それに、ドラスティックに変えられるような組織ではないのかもしれない。

 世の中の動き、技術トレンドを考えれば、我々がなすべきことは明確であると思うし、事業の発展も期待できる。したがって、かつての会社だけを気にしているわけではないが、気がかりなだけである。私は、小さな会社ではあるが、小回りは効くし、すぐに決断して実行できる。大きく利益が出ることも事業の目的ではあるが、もっと社会のニーズに応え、今の会社の必要性を世の中に認められたい気持のほうがずっと強い。それは、かつての会社にいるときの私の夢だった。

 最後に彼の部屋で、私はすべての財産を投げ打って真剣に会社を経営している。だから、彼が考えているような次元での事業活動で、すべてをなくすようなリスクは考えていないと...言って外に出た。




 


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