環境問題補完計画

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久々の温室効果の超基礎理解編です。

「CO2の280ppmから380ppmの増加と0.6℃の気温上昇に見合う気候感度のフィッティング値」は「1.4℃」ではないか?(そしてそれを何倍にも上下させているではないか「その一般への説明力は皆無。」)とのコメントがありました。

「フィッティング」で答えを出せるなら苦労しない
こういうの、どこから説明して良いのか困りますが・・・なによりも「気候感度のフィッティング値」って何なのでしょうね?通常、気候感度と言えば、平衡気候感度といわれるもので、あるCO2濃度(2倍)時に、平衡に達するための気温変化量の事を指します。現状の気温変化と、CO2濃度の変化をポイッと計算してでるものではありません。(こんな「フィッティング」で答えがでるようなら、苦労しませんぜ。)

なぜ「フィッティング」では求められないのか?
なぜすぐに求められないか?というと、温室効果の変化と、気温の変化は、同時対応するものではないからです。それゆえ、頂いたコメントのような、現在のCO2濃度の変化と気温を同時対応させた<フィッティング値>という考え自体が、ありえないものです。

(あり得ないものを「あり」とする前提で話を展開し(たとえそれが私あてで無いにしても)<腹を切る覚悟>を求められるような事を言われても、困惑するほかないです……)

お風呂場の水はすぐに暖まるのか?
これを「お風呂場の水」と「お風呂場の空気」の話に例えてみましょう。
水も空気も、ともに10℃で安定していた状態があったとします。
ここで、30℃で空気が平衡を保つ状態になったとしましょう。
(設定温度30℃にした浴室暖房をつけたと考えてみてください。いうなればその設定温度が、平衡気候感度に相当します。(この温度差は便宜上です))

ところが、空気はすぐに暖まりません。その下に10℃の水があるからです。暖めた空気で、その水も温めてやらねば、最終的な30℃で安定しません。しかし、熱容量の違いもあり、水はすぐに暖まりません。水が大量の熱エネルギーを吸収しつつ、じわじわと空気の温度も30℃に近づいていきます。

そして、長い期間を要して、ほぼ「平衡」に達する状態にお風呂場の空気も水も暖まっていくことになります。

温室効果の強さが変化したとき(ここではCO2が280ppmから380ppmになったとき)の気温変化もこれと同じで、現状が平衡に達した気温ではないのです。
ですので、コメント主様の言う単純な「フィッティング」手法が適切でははないのです(なお、便宜的に即時対応させたような説明もあるにはあるようです)。

留意点
なお、この「熱容量の違い」を引き合いに出して、<大気が○℃暖まるエネルギーでも、水の熱容量と比べてわずかであるから、地球はたいして温暖化しない>かのような誤解もあります。

平衡に達する過程は、一回だけ大気だけを○℃温めて、放置すれば熱容量の大きな海洋(水)とのエネルギー交換によって、ほとんど気温が上昇しない、という話ではありません。

大気が暖まることにより、その影響で海洋も氷も温められて、結果として大気が○℃暖まるという話なので、その辺も勘違いされないようにお願いしたいところです。

「その一般への説明」が少ないことは確か
 この話は、至って常識的な話とも思えてしまいますが、確かに一般には広がっておらず、むしろ、何らかの結果だけが条件抜きで広がっている、という側面はあるようです。いわば、世間では、ほぼ答えの定まった内容の結果が書き連ねられている「中学・高等学校の教科書的知識」になっていると思います。
(たとえば、温暖化の話では、「(○%の確率で)100年後に○℃上昇するだろう」との結果のみが広まってしまっているということ)
 途中のプロセスが伝わっていない状態というのは非常に問題だと思います。何も温暖化に限らず、国民の知的レベルの底上げのために、科学の進展状況を一般の方によく伝えるという事業が重視されるとよいのですが、そんな事業に対して潤沢に予算配分されてはいません。(「一般への説明」の意義を重視される方は、是非とも、教育・科学を重視する候補者に投票するなど、お願いしたく……。)

(頂いたコメント中の「皆無」という表現は極端すぎて適切ではないですね)

「結果」に至るプロセスを考えるには
 世間に広まっている「結果」に対して「自分の頭でプロセスを考え」ようとすること自体は好ましいですね。ただ、ある点を欠くと、ドツボにはまります。「自分の頭で考える」ことは、ヒラめいたら即座に触れて回るのではなくて、ヒラめいたら既存の知見と照らし合わせてみることが重要です。
 たとえば、この記事で述べたような温室効果と気温が即時対応しないことは、大学で使うその分野の教科書をみれば載っています(「慣性」とか)。ほかにも、今時、リンゴの木から落ちたリンゴをみて「地球ではなくリンゴには引力があるんだ!」なんて触れ回っている人がいると、ちょっと奇妙でしょ?

追記
ところで、「地球温暖化懐疑論批判」は、こういった基礎知識が当然あるもの、という前提にたってかかれているものが多いと思う。気候・気象・炭素循環のテキストブックではないのだから、そうなのだとしても、一般の読者が持つ疑問の領域にうまくフィットしていないように見える。イロハ集的なものが必要だと思う。

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海洋に蓄積されたエネルギーは
http://www.data.kishou.go.jp/shindan/sougou/html/1.html
によると1961年から2003年で8.11×10^22J でしかありません。
ですから、この区間平均0.2W/嵎が蓄積に回っただけです。

ですから、お書きになっているような機構(海洋に蓄積される)は少なくとも2003年までは働いていないようですよ

2010/3/22(月) 午後 9:07 [ mugprovende* ] 返信する

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